渡辺貞夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
渡辺 貞夫
(わたなべ さだお)
Sadao Watanabe jazz musician.jpg
基本情報
生誕 (1933-02-01) 1933年2月1日(86歳)
出身地 日本の旗 日本 栃木県宇都宮市
学歴 日本の旗 日本栃木県立宇都宮工業高等学校
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 バークリー音楽院中退、名誉博士
ジャンル ジャズボサノヴァフュージョン
職業 ミュージシャン作曲家
担当楽器 サックスフルート
活動期間 1951年 -
公式サイト 公式サイト
著名使用楽器
H.SELMER Jubilee SERIE III Staring Silver[1]
宮沢昭
守安祥太郎

渡辺 貞夫(わたなべ さだお、1933年2月1日 - )は、日本ミュージシャン作曲家栃木県宇都宮市出身。

ナベサダの愛称でジャズフュージョンサックスプレーヤーフルート奏者として活動。

来歴[編集]

父親は薩摩琵琶奏者。ビング・クロスビー主演の映画「ブルースの誕生」を観て、クラリネットを始める。栃木県立宇都宮工業高等学校を卒業後、1951年に上京。銀座のクラブ等で演奏活動を始める。その後宮沢昭守安祥太郎と出会い影響を受ける。1953年穐吉敏子率いるコージー・カルテットに加入。1956年に穐吉が渡米してからは、渡辺がバンド・リーダーとなる。コージー・カルテット解散後の1958年にはジョージ川口ビッグ4に加入。1961年初リーダーアルバム『渡辺貞夫』を発表した。

1962年に、アメリカボストン市バークリー音楽院に留学した。在学中にチコ・ハミルトン、ゲイリー・マクファーランド、ガボール・ザボ等と共演。ゲイリー・マクファーランドを通じてボサノヴァの魅力を知る[2]1965年に帰国後[2]、多くの内外ミュージシャンと共演し、日本ジャズ界で活動する一方、ボサノヴァをジャズの世界に紹介した[2]1968年にはニューポートジャズ祭に出演。

1969年に発売されたアルバム『PASTORAL』からはいわゆる“ジャズ”を超えた音作りに取り組み[3]1977年発売のアルバム『渡辺貞夫リサイタル』では芸術祭大賞を受賞した。リー・リトナー、チャック・レイニー、ハービー・メイソン、デイヴ・グルーシン等を従えて制作したフュージョン・アルバム、『カリフォルニア・シャワー』[4]1978年)はジャズ界では珍しいヒット作となった。「California Shower 」は同年の千葉真一主演テレビドラマ十字路』にも劇中で流されており[5]、このドラマにはCMでも共演する草刈正雄も出演していた。アート志向、職人気質が多いジャズ奏者の中では珍しく、CMやテレビ番組などメディア出演も積極的に行っている。

アフリカ音楽等ワールド・ミュージックエッセンスを逸早く吸収し、自身の音楽世界に反映させた。挨拶でもスワヒリ語のJAMBO(ジャンボ)を使用する。

顕彰[編集]

1984年4月、第1回宇都宮市民栄誉賞受賞。

1988年5月、ロサンゼルス名誉市民賞受賞。

1995年11月、紫綬褒章受章。

1996年、米国バークリー音楽大学より名誉音楽博士号授与。

2002年6月、第1回栃木県民栄誉賞受賞。

2005年に行われた2005年日本国際博覧会“愛・地球博”では政府出展事業の総合監督を務め、「Share the World〜こころつないで〜」の作曲を担当した。その功績を認められて11月に旭日小綬章を受章した。

2011年4月に国立音楽大学で設置される「ジャズ専修」の招聘教授に就任。

2014年6月、栃木県名誉県民[6]

近年は青少年への音楽の普及に取り組んでいる。また、JFN加盟ラジオ局の番組「渡辺貞夫 Nightly Yours」のパーソナリティーを務め、TOKYO FMの番組審議委員会の委員でもある。

2015年10月、ブラジル政府より「リオブランコ国家勲章」が授与される[7]

ディスコグラフィ[編集]

リーダー作品[編集]

1960年~1979年[編集]

  • 1961年 - 『渡辺貞夫』 - Sadao Watanabe(1961年8月録音)(King)
    • 渡辺貞夫(as,fl), 仲野彰(tp), 八城一夫(p), 原田政長(b), 猪俣猛(ds), 長谷川昭弘(ds)
    • 初のリーダー・アルバム
  • 1961年 - 『夢で逢いましょう~アルト・サックス・ムード 』(1961年録音)(Toshiba)
    • 渡辺貞夫(as), 八城一夫トリオ, 宮間利之とニューハード
  • 1962年 - 『カクテル・フォー・トゥー』 - Cocktails for Two(1962年録音)(Toshiba)
    • 渡辺貞夫(as), 八城一夫(p), 原田政長(b), 長谷川昭弘(ds) with strings
  • 1966年 - 『家路/渡辺貞夫モダン・ジャズ・アルバム』 - Goin' Home(1966年3月録音)(CBS)
    • 渡辺貞夫(as,fl), 宮間利之とニューハード, 八城一夫トリオ
  • 1967年 - 『渡辺貞夫バラードを唄う(マイロマンス)』 - My Romance - Sadao Plays Ballads(1967年4月25日、5月9日録音)(Takt)
  • 1967年 - 『ミュージック・ブレイク』 - Music Break(1967年7月4日録音)(東京「厚生年金会館」にて)
  • 1968年 - 『ブラジルの渡辺貞夫』 - Sadao Meets Brazilian Friends(1968年7月15日録音)(Takt)(ブラジル・サンパウロ「クラブいちばん」にて)
    • 渡辺貞夫(as,fl),
      Brazilian 8 : Jose Ferreira(as), Godinho Filho(as), Carlos Alberto Alcantara(ts), Waldir De Barros(tp), Aparecido Bianchi(org, p), Joao Carlos Pegorro(vib, p), Olmir Seocaer(g), Douglas De oliveira(ds), Mathias Da Silva Matos(b)
    • サンパウロ現地ミュージシャンたちと共演
  • 1968年 - 『サダオ・プレイズ・バカラック・ビートルズ』 - Sadao Plays Beatles And Bacharach(1968年11月8日、12月16日録音)(Takt)(「サンケイホール」およびスタジオにて)
    • 渡辺貞夫(a,sns), 伏見哲夫(tp), 日野皓正(tp), 増尾好秋(g), 渡辺文男(ds), 池田芳雄(b), 鈴木弘(tb), 今井尚(tb), 市原靖(btb), 鈴木良雄(org,hpsi), 今村祐司(per), 橋爪智明(tb), 江藤勲(el-b), 八城一夫(org,elec,hpsi)
    • A面:慶応義塾大学軽音楽鑑賞会主催コンサートにおけるライヴ、B面:スタジオ録音
    • ビートルズ5曲とバカラック4曲を収録
  • 1969年 - 『チャーリー・パーカーに捧ぐ』 - Swing Journal Jazz Workshop 2 - Dedicated To Charlie Parker(1969年3月15日録音)(Takt)(「ヤマハホール」にて)
  • 1969年 - 『パストラル』 - Pastoral(1969年6月24日、7月8日録音)(CBS/Sony)
    • 渡辺貞夫(as,fl,sn), 八城一夫(p), 増尾好秋(g), 松本浩(vib), 鈴木良雄(b), 渡辺文男(ds), 田中正太(fh=french horn), 松原千代繁(fh)
    • CBS/Sony移籍第1作
  • 1969年 - 『ライヴ・アット・ジャンク』 - Live At The Junk(1969年12月26日、27日録音)(CBS/Sony)(銀座「ジャンク」にて)
  • 1972年 - Around The Time(1970年6月録音)(WAM)(ドイツ「ハンブルグ・ジャズ・ハウス」にて)
  • 1970年 - 菊地雅章と共同名義, 『コラボレイション』 - Collaboration(1970年10月8日、13日、11月14日録音)(Philips)
  • 1972年 - 『渡辺貞夫』 - Sadao Watanabe(1972年2月24日録音)(CBS/Sony)(東京「イイノホール」にて)
  • 2016年 - 『ライヴ・イン根室1977』 - Live In Nemuro 1977(1977年10月8日録音)(Victor)(「根室市公民館」にて)

1980年~1999年[編集]

  • 1986年 - 『グッド・タイム・フォー・ラヴ』 - GOOD TIME FOR LOVE(1986年2月、3月録音)(ニューヨークおよび東京にて)
  • 1988年 - 『メイド・イン・コラソン』 - MADE IN CORACAO TOQUINHO(1988年1月、2月録音)(サンパウロにて)

2000年~2019年[編集]

  • 2013年 - 『オウトラ・ヴェス:ふたたび』 - Outra Vez(2012年12月、2013年1月録音)(Victor)(サンパウロ「NaCena Studios」にて)
    • 渡辺貞夫(as), Fabio Torres(p), Swami Jr.(g), Paulo Paulelli(b), Celso de Almeida(ds), Cleber Almeida(per), Fabiana Cozza(vo)
  • 2014年 - 『アイム・ウィズ・ユー』 - I'm with you(2014年12月14日録音)(Victor)(「Bunkamura オーチャードホール」にて)
    • 渡辺貞夫(as, conductor)
    • [Sax Section] 吉田治(lead as), 小池修(2nd ts), 近藤和彦(3rd as), 今尾敏道(4th ts), 山本拓夫(5th bs)
    • [Trombone Section] 村田陽一(lead trombone), 片岡雄三(2nd trombone), 辻冬樹(3rd trombone), 山城純子(4th bass trombone)
    • [Trumpet Section] 西村浩二(lead trumpet), 佐久間勲(2nd trumpet), 奥村晶(3rd trumpet), 松島啓之(4th trumpet)
    • [Rhythm Section] ラッセル・フェランテ(p), エドウィン・リヴィングストン(b), ピーター・アースキン(d)
  • 2015年 - 『ナチュラリー』 - Naturally (Victor)
    • 渡辺貞夫(as), Lula Galvão(g), Itamar Assiere(p), Alberto Continentino(b), Paulo Braga(ds), Sidinho Moreira(per), Jaques Morelenbaum(cello)

コンピレーション[編集]

  • 2001年 - 『マイ・ディア・ライフ:音楽生活50周年記念ベスト』 - SADAO WATANABE MY DEAR LIFE 50th ANNIVERSARY COLLECTION(2001年6月追加録音: New tracks recorded and mixed at O'Henry Studios, ロサンゼルス)
  • 2005年 - 『スケッチズ・オブ・ネイチャー』 - SKETCHES OF NATURE(BEST ALBUM)
  • 2006年 - Broadcast Tracks '69-'72(※60年代の終わりからドラマの劇伴を手がけた作品から集めた未発表の音源を収録)
  • 2018年 - LOVE SONGS (Victor)

著書[編集]

  • 『ぼく自身のためのジャズ』岩浪洋三編、荒地出版社、1969年。
    のち徳間書店〈徳間文庫〉、1985年5月。
    のち日本図書センター〈人間の記録〉、2011年4月。
  • 『JAZZ STUDY』日本音楽出版、1970年12月。のち第2版、日音楽譜出版社、1982年。
    のち第3版、エー・ティ・エヌ、1991年11月。のち第4版、エー・ティ・エヌ、2004年7月。(日本にバークリーのジャズ理論を伝えた歴史的著書)
  • 『La festa Mille Miglia : 1990-1992』フジテレビ出版、1992年10月(ミッレミリアの写真集)
  • 『バニシング・チベット』立風書房、1998年6月
  • 福原義春との共著(対談)『グッドスマイル グッドライフ』求龍堂、1999年3月
  • 『One in the same : 笑顔つなげて』ポプラ社、2000年11月(写真集)
  • 『My Dear Life:渡辺貞夫 音楽生活50年』マガジンハウス、2001年12月

TV出演[編集]

ラジオ出演[編集]

脚注・出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ THE SAXONLINE ARTIST GUIDE - 渡辺貞夫”. ALSOJ ONLINE. 2019年1月27日01:00閲覧。
  2. ^ a b c アルバム『BOSSA NOVA '67』に収録されている音楽評論家・岩浪洋三の解説文より。
  3. ^ 『DISC GUIDE SERIES 01 FUSION』170-173頁に掲載されている音楽ライター・熊谷美広が執筆した『History of Domestic』より。
  4. ^ http://www.discogs.com/.../Sadao-Watanabe-California.../281...
  5. ^ a b 十字路 第二部”. テレビドラマデータベース. 2013年8月26日閲覧。
  6. ^ とちぎ県政の歩み 2014 (PDF)”. 栃木県. 2019年3月5日閲覧。
  7. ^ ナベサダ、ブラジルから国家勲章”. 中日スポーツ (2015年10月21日). 2015年10月23日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]