この記事は半保護されています。(半保護の方針による半保護)

辻村深月

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
このページの項目名には、環境により表示が異なる文字があります。公式の表記ではしんにょう)の点が二つです。
辻村 深月
(つじむら みづき)
ペンネーム 辻村 深月
(つじむら みづき)
誕生 (1980-02-29) 1980年2月29日(36歳)
日本の旗 日本山梨県笛吹市
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 学士
最終学歴 千葉大学教育学部
活動期間 2004年 -
ジャンル ミステリ
推理小説
代表作 冷たい校舎の時は止まる』(2004年)
鍵のない夢を見る』(2012年)
主な受賞歴 メフィスト賞(2004年)
吉川英治文学新人賞(2011年)
直木三十五賞(2012年)
デビュー作 冷たい校舎の時は止まる』(2004年)
配偶者 (既婚)[1]
子供 (出産)[2][1]
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

辻村 深月(つじむら みづき、1980年2月29日 - )は、日本小説家山梨県笛吹市出身。

経歴

山梨学院大学附属高等学校から千葉大学教育学部卒業。2004年冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。

幼い頃から読書好きで、「シャーロック・ホームズシリーズ」や「少年探偵団シリーズ」などのミステリーから、『ズッコケ三人組』や『クレヨン王国』などのジュブナイルなどを読んでいた[3]

小学校3年生で「悪霊シリーズ」でホラー小説に出会い、夢中になる。クラスで同シリーズも入っている講談社X文庫ティーンズハートが流行して、感化された小説を書き始めたので、自分も「小説は書いてもいい」と気付き、ノート数冊にホラー調の習作小説を書く[3]

小学校6年生の時に綾辻行人の『十角館の殺人』を読んで衝撃を受けて以来大ファンとなる。その後、綾辻の作品を読み漁り、何度もファンレターを送り、編集部の厚意で綾辻本人と手紙やメールを交わす間柄となったほどである[4]。ペンネームの「辻」も綾辻から取られた[3]

デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』は、高校生の頃から書き始め、その後大学4年間で書き上げた。かなりの長編であり、この枚数を受け入れてくれること、『十角館の殺人』と同じレーベルから出版されるということを考え、メフィスト賞に応募した。受賞は、打ち合わせの編集者に聞いた綾辻本人からの電話で知った[4]。同作のヒロインに自分と同じ「辻村深月」と付けたのは、多くのミステリ作家に倣ったためである[4]

幼少期から『ドラえもん』や『パーマン』など藤子・F・不二雄作品のファンであり、『凍りのくじら』では各章にひみつ道具の名前を付けるというスタイルをとった。

また、ゲーム好きでもあり、『女神転生』や『天外魔境』のファンである。特に前者からは「絶対的なものがない世界観に衝撃を受けた」と語り、強い影響を受けていることを公言している。

作風

若者の微妙な心情、思春期独特の揺れ動く気持ちを捉えた透明感のある文章が特徴。また、最終的に(紆余曲折で登場人物の不幸があっても)アンハッピーエンドの作品はほとんどない。作品同士で登場人物がリンクしており、これは、手塚治虫スター・システム藤子・F・不二雄の世界観のリンクの影響を受けている。

エピソード

  • 高校生の17歳の時に、自宅から埼玉県の書店までファンの京極夏彦のサイン会に友人と2人で出かけた。個人的な初めての遠出の外出で服を買い替え、お金も多めに持ち、違反だが思わず握手した。帰りは「かっこよかったね」と2人ではしゃいだ[5]
  • 千葉大学に進学したのは、ミステリ研究会があったからだと発言している[3]
  • 『凍りのくじら』以降、装画をたびたび担当しているイラストレーターの佐伯佳美は大学時代からの親友で、デビュー前から絵をもらったり、「必ずプロになれるよ」と励まされていたりした[6]
  • NHKが、直木賞候補作の「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」のNHK BSプレミアムチャンネルでのドラマ化の撮影直前の拒否による損害で、辻村深月の著作権管理委託者の講談社を相手に約5980万円の損害賠償を求め、2012年6月21日東京地方裁判所に提訴。東京地方裁判所は、2015年4月28日にNHKの訴えを棄却する判決を下した[7]
    • 訴状によると、講談社は2011年11月制作を許諾。辻村深月が脚本チェックをしてNHKと修正の話し合いをしたが、納得できないと撮影開始直前の2012年2月6日に許諾を取り消した。制作側はすでに主演の長澤まさみをはじめキャスティングを決めており、キャンセル料が発生。脚本は完成し、美術製作も終わり、莫大な損害が出たうえ、撮影開始直前の中止は例が無くドラマ制作での信用が低下したと主張していた。講談社側は、主人公とその母親の関係の表現方法など「原作の改変が著者の意向に大きく反していたことから、NHKと話し合いを続けていましたが、合意に至らず、部分的な脚本訂正でなく、脚本とスケジュールの抜本的な再検討をお願いしたが拒否されたため、ドラマ化を見送りたいと、お伝えした」とコメントした[8]
  • 山梨県から直木三十五賞受賞者が出たのは、林真理子以来26年ぶりで、大変な騒ぎとなり、笛吹市庁舎には垂れ幕が掛けられた。地元紙「山梨日日新聞」でも、多数の記事や特集が組まれた[2]

文学賞受賞・候補歴

著書

小説

長編

短編集

  • ロードムービー(2008年10月 講談社 / 2010年9月 講談社ノベルス / 2011年9月 講談社文庫 / 2013年8月 講談社青い鳥文庫 絵:toi8
    • ロードムービー(『esora』vol.5)
    • 道の先(『esora』vol.5)
    • トーキョー語り(『メフィスト』2009年1月号) - ノベルス版と文庫版にのみ追加収録
    • 雪の降る道(『メフィスト』2005年1月号)
    • 街灯(書き下ろし) - ノベルス版と文庫版にのみ追加収録
  • ふちなしのかがみ(2009年6月 角川書店 / 2012年6月 角川文庫)
    • 踊り場の花子(『野性時代』2008年9月号)
    • ブランコをこぐ足(『野性時代』2006年12月号)
    • おとうさん、したいがあるよ(『野性時代』2008年1月号)
    • ふちなしのかがみ(『野性時代』2007年2月号)
    • 八月の天変地異(『野性時代』2008年11月号)
  • 光待つ場所へ(2010年6月 講談社 / 2012年6月 講談社ノベルス / 2013年9月 講談社文庫)
    • しあわせのこみち(『esora』vol.6)
    • チハラトーコの物語(『esora』vol.8 「『嘘』という美学」改題)
    • 樹氷の街(『esora』vol.9)
    • アルファルト(書き下ろし) - ノベルス版にのみ収録
  • ツナグ(2010年11月 新潮社 / 2012年9月 新潮文庫)
    • アイドルの心得(『yom yom』vol.12)
    • 長男の心得(『yom yom』vol.13)
    • 親友の心得(『yom yom』vol.14)
    • 待ち人の心得(『yom yom』vol.15)
    • 使者の心得(『yom yom』vol.16)
  • 鍵のない夢を見る(2012年5月 文藝春秋 / 2015年7月 文春文庫)
    • 仁志野町の泥棒(『オール讀物』2009年10月号)
    • 美弥谷団地の逃亡者(『オール讀物』2010年1月号)
    • 石蕗南地区の放火(『オール讀物』2010年4月号)
    • 芹葉大学の夢と殺人(『オールスイリ2011』)
    • 君本家の誘拐(『オールスイリ2012』)
  • 家族シアター(2014年10月 講談社)
    • 「妹」という祝福(『esora』vol.7)
    • サイリウム(『小説すばる』2011年6月号)
    • 私のディアマンテ(『小説現代』2011年5月号)
    • タイムカプセルの八年(『別册文藝春秋』2012年7月号)
    • 1992年の秋空(『We are 宇宙兄弟』vol.01 「宇宙姉妹ー1992年の秋空ー」改題)
    • 孫と誕生会(書き下ろし)
    • タマシイム・マシンの永遠(『Pen+ 大人のための藤子・F・不二雄』2012年 10/1号)
  • きのうの影踏み(2015年9月 KADOKAWA)
    • 十円参り(『メフィスト』2009年8月号)
    • 手紙の主(『Mei(冥)』2013年10月号)
    • 丘の上(『Mei(冥)』2012年10月号)
    • 殺したもの(『Mei(冥)』2013年4月号)
    • スイッチ(『Mei(冥)』2014年4月号)
    • 私の町の占い師(『そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>』2014年7月)
    • やみあかご(『Mei(冥)』2013年4月号)
    • だまだまマーク(『きっと、夢にみる 競作集 <怪談実話系>』2015年4月)
    • マルとバツ(『Mei(冥)』2013年4月号)
    • ナマハゲと私(『Mei(冥)』2014年11月号)
    • タイムリミット(『小説現代』2007年2月号)
    • 噂地図(書き下ろし)
    • 七つのカップ(『怪談実話系/愛 書き下ろし怪談文芸競作集』2013年11月)

アンソロジー

「」内が辻村深月の作品

  • こどものころにみた夢(2008年6月 講談社)「タイムリミット」 - 絵・吉田尚令
  • 9の扉(2009年7月 マガジンハウス)「さくら日和」 - 北村薫麻耶雄嵩他らによるリレー短編集
  • 神林長平トリビュート(2009年11月 早川書房 / 2012年4月 ハヤカワ文庫JA)「七胴落とし」- 神林長平へのトリビュート作品集、神林の同題作品のリメイク
  • 暗闇を見よ(2010年11月 光文社カッパ・ノベルス / 2015年4月 光文社文庫)「十円参り」
  • 推理小説年鑑 ザ・ベストミステリーズ2011(2011年7月 講談社)「芹葉大学の夢と殺人」
  • 作家の放課後(2012年2月 新潮文庫)「メンクイのすゝめ」 - エッセイアンソロジー
  • 宇宙小説(2012年3月 講談社文庫)「宇宙姉妹ー1992年の秋空ー」
  • いつか、君へ Boys(2012年6月 集英社文庫)「サイリウム」
  • 驚愕遊園地 最新ベスト・ミステリー(2013年11月 光文社 / 2016年5月 光文社文庫)「美弥谷団地の逃亡者」
  • 怪談実話系/愛 書き下ろし怪談文芸競作集(2013年11月 角川文庫)「七つのカップ」
  • 時の罠(2014年7月 文春文庫)「タイムカプセルの八年」
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>(2014年7月 角川文庫)「私の町の占い師」
  • きっと、夢にみる 競作集 <怪談実話系>(2015年4月 角川文庫)「だまだまマーク」
  • 謎の放課後 学校の七不思議(2015年8月 角川文庫)「踊り場の花子」
  • まるまる、フルーツ(2016年8月 河出書房新社)「くだもの絶品料理」 - エッセイ
  • 作家の口福 おかわり(2016年9月 朝日新聞出版)- 4編のエッセイを収録

エッセイ他

  • ドラことば 心に響くドラえもん名言集(2006年9月 小学館)- 6編のコラムを収録
  • ネオカル日和(2011年11月 毎日新聞社) - エッセイ33編、ルポ10編、ショートショート及び短編小説4編収録
  • 図書室で暮らしたい(2015年11月 講談社) - エッセイ5編、短編「おじいちゃんと、おひさまのかおり」収録

連載中作品

  • ツナグ2
    • プロポーズの心得(『yom yom』vol.31)
    • 歴史研究の心得(『yom yom』vol.33)
    • 母の心得(『yom yom』vol.37)
    • 一人娘の心得(『yom yom』vol.42)

単行本未収録作品

  • ナベちゃんのヨメ(2015年12月 Kindle Single)
  • 化粧は女を嫉妬させる。(『an・an』No.2020 2016年9月号)

メディア・ミックス

テレビドラマ

NHK総合テレビ
フジテレビ
WOWOW
NOTTV

映画

漫画化

  • 冷たい校舎の時は止まる(作画:新川直司、2007年 - 2009年、講談社、全4巻、2012年9月 講談社文庫 上下巻)
  • オーダーメイド殺人クラブ(作画:及川由美、2013年 - 2014年、講談社、全2巻)
  • スロウハイツの神様(作画:桂明日香、2016年 - 連載中、講談社『ハツキス』)

メディア出演

映画(アニメ)
テレビ番組

脚注

[ヘルプ]
  1. ^ a b オール讀物』(文藝春秋 刊)2012年9月号 辻村深月「第147回直木賞発表」瀧井朝世 評文
  2. ^ a b 『オール讀物』(文藝春秋 刊)2012年9月号 辻村深月「第147回直木賞発表」林真理子との受賞記念対談発言
  3. ^ a b c d 作家の読書道:第130回
  4. ^ a b c 野性時代』(角川書店2009年8月号 辻村深月特集より
  5. ^ オール讀物」(文芸春秋 刊)2012年9月号 辻村深月「第147回直木賞発表」エッセイ「十七歳のサイン会」
  6. ^ 『光待つ場所へ』特集ページ装画によせて
  7. ^ “NHKの訴え棄却 原作のドラマ化契約解除巡り東京地裁”. 朝日新聞. (2015年4月28日). http://www.asahi.com/articles/ASH4X4JQJH4XUCLV009.html 2015年4月29日閲覧。 
  8. ^ 多数の各紙報道による。
  9. ^ 安田成美16年ぶり連ドラ主演「人を信頼するという強さ伝えたい」 SANSPO.COM 2016年4月15日発行、同日閲覧。
  10. ^ 新井愛瞳が辻村深月原作「サクラ咲く」でドラマ初主演”. CDJournal ニュース (2016年2月9日). 2016年3月6日閲覧。
  11. ^ アプガ新井愛瞳と真剣佑が主演、辻村深月の小説「サクラ咲く」連続ドラマ化”. 映画ナタリー (2016年2月3日). 2016年3月6日閲覧。

外部リンク