隠蔽捜査

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隠蔽捜査』(いんぺいそうさ)は、今野敏著の警察小説シリーズ、またそれを基にしたテレビドラマである。

それまでの警察小説にありがちな、現場の刑事が活躍するものではなく、警察庁キャリア官僚の活躍を描いている。そのクオリティの高さから文学賞に恵まれている作品で、第1弾で第27回吉川英治文学新人賞を、続く第2弾『果断』で第21回山本周五郎賞と第61回日本推理作家協会賞長編部門を受賞する。

シリーズ一覧[編集]

全て新潮社より刊行されている。

隠蔽捜査
果断 隠蔽捜査2
疑心 隠蔽捜査3
初陣 隠蔽捜査3.5
タイトル 初出
指揮 『小説新潮』2009年5月号
初陣 『小説新潮』2009年11月号
休暇 『小説新潮』2006年6月号
懲戒 『小説新潮』2007年10月号
病欠 『小説新潮』2008年1月号
冤罪 『小説新潮』2008年5月号
試練 『小説新潮』2008年7月号
静観 『小説新潮』2010年5月号
転迷 隠蔽捜査4
宰領 隠蔽捜査5
自覚 隠蔽捜査5.5
タイトル 初出
漏洩 『小説新潮』2011年7月号
訓練 『小説新潮』2012年1月号
人事 『小説新潮』2013年7月号
自覚 『小説新潮』2013年10月号
実地 『小説新潮』2014年1月号
検挙 『小説新潮』2014年4月号
送検 『小説新潮』2014年6月号

あらすじ[編集]

隠蔽捜査[編集]

竜崎伸也は独特の信念とキャリアとしての矜持を持つ警察庁の官僚。ある時、暴力団員の殺人事件が発生。10年前の少年犯罪が関わっていたことを知った竜崎はその対応の遅さに怒り、同じくキャリア官僚で小学校からの同級生である警視庁刑事部長で本事案の捜査本部長を務めている伊丹俊太郎や刑事局に詰め寄るが、暴力団の抗争が原因だからそんなに慌てることはないと聞く耳を持たない。しかし次々と起こる殺人事件に方針を変更、捜査のやり直しの過程で警察官が殺人に関わっているのではないかという疑念を抱く。そんな中、息子の邦彦が薬物を使用していることを知って…。

果断 隠蔽捜査2[編集]

大森署(テレビ朝日版・大森中央署、TBS版・大森北署)に署長として飛ばされた竜崎。そこでも独自の持論を展開していた。それらを見ていた大森署の刑事や副署長たちは、少々戸惑いを覚えながらも竜崎とうまくやっていた。そんな折、区長と区議との会議に出かけようとしていた矢先に強盗犯逃走の緊急配備の連絡が入る。すぐさま署に戻り、副署長以下所轄幹部を署長室に詰めさせ「ミニ指揮本部」を設置する竜崎。結局のところ、機動捜査隊によって確保されるも、捜査途中で報告のあった開店前の小料理屋での怒鳴り声について結果報告を確認させるとその小料理屋で拳銃発砲事件が発生。警視庁は立て篭もり事件と認定し、大森署に指揮本部を設置。指揮本部長に刑事部長の伊丹が着任する。署長の竜崎は「船頭が増える」と現場に赴く。現場の小料理屋付近では捜査一課特殊班が、現場程近くの民家を間借し、前線本部を設置していた。署長の竜崎は大森署は特殊班の指揮下に入る旨を伝え、伊丹部長からも「お前が前線本部長をやってくれるのはありがたい」と言われたため、前線本部長に就く。前線本部を立ち上げ犯人との交渉を模索するSITと立て篭もり事件では強襲し早期解決と唱えるSATの扱いで混乱する状況が続いたが、犯人が交渉に応じないことから最終的に前線本部長として竜崎からSATへの突入及び発砲許可という、人質の確保・犯人の射殺で解決する。しかし犯人が所持していた拳銃に実弾が込められていなかったことを知り、無抵抗の犯人を射殺したのではないかと困惑する。

疑心 隠蔽捜査3[編集]

大森署では、警察の広報活動の一環でもある「アイドル1日署長」のイベントが行われており、署内もどこか浮ついていた。アメリカ合衆国大統領の来日も近づいており署長の竜崎も困ったものだと思っていた。そして、大統領の来日日程も決まり、それに向けて警察庁をはじめ警視庁では警備計画の策定が始まる。その最中、竜崎の元に「第2方面警備本部本部長」を命ずる命令書が、警視庁本部より発せられた。本来なら、第2方面本部長が着任するはずだと思い、警視庁総務部や警備部長に掛け合うも、警察庁警備局よりの発令であるとしてやむなく着任することになった。警備本部は竜崎と警察庁との調整で大森署に設置。副本部長として、第2方面本部長の長谷川警視正が着任。その秘書官として、第2方面本部管理官の野間崎警視が来署した。そして、竜崎の秘書官として、かつて警察庁で広報室長時代に研修として一時期指導した、女性キャリアの畠山が現れた。再会した彼女に心騒ぐものを感じた竜崎ではあったが、その最中、合衆国大統領を標的とした「テロ計画」があるという情報が流れた…。

初陣 隠蔽捜査3.5[編集]

本編の主人公竜崎の幼馴染で警視庁刑事部長伊丹俊太郎を主人公としたシリーズ初の短編番外集。 福島県警で3年間刑事部長を務めていたキャリアの伊丹に内示が出た。それは、警視庁刑事部長への内示だった。久しぶりに本庁で長官官房総務課広報室長に就いていた竜崎に連絡を取った。やはり竜崎にも新たな内示が出ておりそれは長官官房総務課長への昇進だった。「やはりこいつにはかなわないのか…」と、感じながらも異動の準備に入る伊丹だった。その矢先に殺人事件が発生。帳場が立ち、捜査本部長として、そして最後まで福島県警刑事部長として指揮を取ろうとしたが、引継ぎのため福島入りした後任のキャリアが不安を抱かせる人間で…。

転迷 隠蔽捜査4[編集]

竜崎が署長を務める大森署を含めた第2方面本部で3件の事件が発生した。内2件は、大森署管内でのひき逃げ事件。もう1件は放火事件。別の管内(東大井)の事件は、殺人事件だった。放火事件では、刑事課のベテラン戸高が、過去の事情から放火事件に専念。更にひき逃げ事件では、過失ではなく故意の可能性が高まり、殺人事件として大森署に捜査本部が設置された。竜崎も副本部長、警視庁本部から柿本交通部長が捜査本部長として、土門交通捜査課長が捜査主任として着任する。殺人事件として帳場が立ったため、刑事部捜査一課からも人員が派遣され、伊丹刑事部長も所管のため来署した。犠牲者は元外務省キャリア。更に東大井の被害者は現役キャリアで、ともに外務省の人間だった。更に、生安課課長が麻薬捜査で厚生省麻薬取締部とトラブルがあったと報告。更には、竜崎の娘美紀が、交際相手の三村忠典が海外赴任先で連絡が取れなくなったから調べてほしいと、相談してきた。わずか数日でこれだけの難問が発生するも竜崎は、いつものように原則通りに、業務を進めようとしていたのだが…。

宰領 隠蔽捜査5[編集]

竜崎に刑事部長の伊丹から相談が持ちかけられる。それは、かつて竜崎と伊丹の3期後輩であり今では議員秘書を務める元警察官僚・田切からの依頼で、羽田空港から足取りが途絶えた衆議院議員牛丸真造の内密での捜索依頼だった。伊丹にすれば自ら動くと内密にできなくなるため、竜崎に頼み込んできた格好だった。竜崎も当初は難色を示すものの伊丹に押し切られる形ではあったが、講堂を押さえた上で「内密での指揮本部態勢」を敷き、警備・刑事・交通各課長を詰めさせ「捜査」に乗り出す。その矢先、大森署管内の大森南5丁目から牛丸事務所の車が発見され、車内から他殺体が見つかった。議員の所在も確認できず殺人及び議員誘拐事件として認定し、「内密での指揮本部態勢」から「正式な指揮本部」に移行された。伊丹も指揮本部長に、竜崎は副本部長として指揮を執った。だが、議員の足取り、犯人の逃走ルートが200人体制のローラー捜査をかけても不明だったが、竜崎の閃きでボートを使ったことが判明し、神奈川方面に逃走したことが分かる。

自覚 隠蔽捜査5.5[編集]

大森署署長竜崎を補佐する所轄幹部達を中心とした短編集。官僚として優秀ながらも、原理原則を押し通す上司竜崎署長を補佐する副署長の貝沼のもとに、大森署が扱った事案で誤認逮捕の可能性があると東日新聞にスクープされたと情報があがってきた。竜崎の期待に応えられているうちはいいものの、その信頼を裏切ることを恐怖した貝沼は隠蔽を考えるが、竜崎が隠蔽を嫌うことは大森署内では周知の事実。送検48時間のタイムリミットが近づくなか、貝沼は対応に苦慮する。

去就 隠蔽捜査6[編集]

大森署署長を務める竜崎はいつもの朝を迎えた。いつもと同じ時間に起床し、目覚めのコーヒーを飲み、新聞を読む。そして時間が来れば迎えの公用車で大森署に登庁する。儀式を繰り返すかのような日々だが、その日はいつもと違い妻・冴子から娘の美紀の交際について相談があるといわれるが、帰宅後話を聞くと登庁する。署長室に入ると斎藤警務課長からストーカー対策チーム編成について確認される。警察庁からの各都道府県警察本部を通じての通達で従来のストーカー相談窓口では対応不十分であるとして各警察署内に新設し、日夜発生するストーカー相談について機能的に対応していくというものだった。その編成に着手していなかった事から、生活安全課・刑事課・地域課の各課長にチーム編成のため人員をリストアップするように命じる。一息ついたその直後、大森署管内で略取・誘拐事案が発生した。しかも、その被害者は、大森署のストーカー相談窓口でストーカー相談に来ていたというものだった・・・。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

竜崎伸也
本作の主人公で第1弾では警察庁長官官房総務課課長。階級は警視長。第2弾からは警視庁大森警察署署長へ異動後も降級せず警視長。
私利私欲とは無縁で、国家公務員としてあるべき姿を、そして、原理原則に忠実な官僚。周囲からは「組織の犬」「変人」と陰口を叩かれているが、逆に「自分の為」というのが無く官僚としても優秀なため、部下からも上司からも信頼は厚い。若い頃は東北地方の所轄署で署長をしていた。その後、大阪府警警備部長として赴任していた際、府警本部長の肝煎りで本部長の子息と竜崎の娘が見合いをしている。本部長自身もこのお見合いを「上手くいって欲しい」と思っている。
小学校時代から優等生だったが、今と変わらず無愛想で人付き合いが苦手だった。伊丹とは幼馴染だったが、竜崎自身はいじめられていたと思っていたため、幼馴染と言われるのを快く思っていない[1]。だが、その時の悔しさが、勉強でさらに発奮され、東大法学部・キャリア試験現役合格と歩んでいる。警察組織でもいわゆる「東大閥」として出世コースを進んでおり、長官官房総務課長に就いた時、同期の伊丹も警視庁刑事部長になったが、所詮は「地方警察本部の部長」と見下していた。
第2弾『隠蔽捜査・果断』以降は大森署署長に就任している。前作の終わりで「組織の不正を是正し、明るみに出る事を防いだ活躍」と「家庭内での不祥事」のバランスをとって警察庁長官と官房長判断で、警視長階級のまま、都内大規模署である大森署署長として異動。竜崎自身正しいことをした認識はあるものの、警察庁と警視庁の方針に「逆らった」事から、降級・地方への左遷は止む得ないと思っていたため、この異動は「想像以上に良かった」と思っている(方針を策定したのは、官房長や長官官房参事官刑事局刑事局長など、警視監階級のキャリアたち、いわば最高幹部等によって決められた)。
大森署署長就任以前は、所轄のとりわけノンキャリアの事を信用していなかったが、立て籠もり事件の再捜査以降副署長をはじめ所轄幹部や現場の刑事を見直すようになり、「信用していなかったのは俺だ」と反省する。所轄業務にも改革に乗り出しており、所轄内で事件が発生した際は、署長室に「ミニ指揮本部」を設置、副署長・各課長・通信係・事務要員・連絡要員を配置し事件対応の合理化を図っている。警視庁警備部長の藤本警視監からも「見所のあるヤツ」・「鍛え上げて警察のトップにしたい」と思われている。
ミニ指揮本部…所轄の業務合理化を図った竜崎の発案。事件が発生し捜査を行った際、係長→課長→副署長そして署長への報告となる流れだが、竜崎は「それなら最初から署長室へ集約した方が早い」ということで設置したシステム。その際、副署長は署長の補佐的立場といわゆる捜査本部などで投入される管理官的立場に就く。
伊丹俊太郎
警視庁刑事部長。階級は警視長。前職は福島県警刑事部長。
竜崎とは幼なじみであり同期。小学校時代、学業・スポーツともに優秀でクラス1の人気者だったが、学校で1番の優等生だった竜崎と友人になりたかったが、無愛想だった竜崎と上手く友人関係になることができなかった。それを勘違いした伊丹の取巻きが竜崎を「いじめ」ていた。伊丹自身はいじめていた感覚は無かったので「記憶に無かった」が、第1弾の事件中に竜崎から指摘された。本人も「虐めたヤツは覚えていないもの」という竜崎の指摘をもっともだと受け入れている。現在は、当時「友人」になることは出来なかったが、「今の関係」をこれからも大切にしたいと思っている。
キャリア官僚だが東大閥の竜崎とは違い一流大学ではあるが私大出であるため、警察組織内でも「非主流派」であり、出世も地方廻りが多かった。その分、事件が起きれば現場に足を運び、捜査本部長として現場主義を貫き、「現場寄り」「部下・マスコミに理解のあるキャリア」を演出している。伊丹によれば「組織内での処世術」。
竜崎は伊丹の事を「颯爽」としていると評している。
大森署署長に異動した竜崎のことは、「事件が起きれば一緒にやれるな!」と喜んだが、普段のやり取りで「可愛げの無いヤツ」と評しているものの、第1弾で窮地に陥る寸前だったのを竜崎に助けてもらった事から恩義を感じており「頭が上がらない」と思っており、竜崎に「無礼な対応」をとられても「コイツなら良いんだよ」と明言している(階級は一緒でも、本部部長と所轄署長では上司部下の関係のため)。だが、指揮・特捜・捜査などの各本部設置についてや普段の捜査活動で改革案を提言してくる竜崎の事を、改革は必要でも「早急すぎる」と消極的な伊丹は「誰だ!コイツを所轄署長に移動させたヤツは!こういう奴はすぐに改革をやりたがる!警察庁に置いておけば大人しくしているのに…」と文句をぼやいていた。

警察庁[編集]

牛島陽介
警視監。長官官房参事官。
鹿児島出身・東大出。いわゆる東大閥で薩長閥という警察庁においては理想的なプロフィールの持ち主。
竜崎の直属の上司。鹿児島出身らしく短気な面がある。
第1弾では、隠蔽を画策した最高幹部等の一人だが、伊丹と同じように竜崎のお陰で助けられたことから、竜崎の「助命嘆願」を官房長に上告するも邦彦のドラッグ問題は無視出来ないとされ、竜崎を大森署の署長に異動させることとなった。
TBSドラマ版では、長官官房審議官で「警視長」に格下げされている。
坂上栄太郎
警視長。刑事局捜査第一課長。
京都大学出身の官僚。
第1弾の「隠蔽計画」の事実上の発案者。実際のところ、隠蔽計画は成功寸前まで進んでいたが、その計画を由とはしない竜崎の行動ですべてはご破算になる。だが、「隠蔽計画」を知った警察庁長官が激怒した事から、坂上は懲罰対象となり更迭された。
谷岡裕也
警視正。長官官房総務課長補佐兼広報室長。
竜崎の直属の部下。兼ね役である広報室で職務に当たっている。竜崎の疑心性もあって一定の評価しか下されていなかったが、竜崎の「左遷」が決定された後も竜崎への尊敬を貫いており、官僚としての上下関係としか認識していなかった竜崎も驚いていた。
第1弾では真相が発覚後、竜崎と共に事態の沈静化に務める。
第2弾では、課長補佐のみとなっており、広報室長の任は解かれた。課長補佐の専任となった為、元上司の竜崎としても「出世だな」と喜んだ。谷岡自身は、補佐職も元々兼ね役だった為、「事実上は平行移動」と謙遜していた。
小田切貞夫
長官官房首席監察官。警視監。前職は秋田県警察本部長。東大出身。
竜崎の評価では、頭の切れる「優秀な官僚」。第2弾『果断』で立て篭もり事件において、SATによる犯人射殺という事件解決が適切だったか、竜崎と伊丹を調査した監察官。竜崎からは「一方的な解釈しかなされていない」と抗議するも処分前提の監査しかしていないと思われていた。だがその真意は、「噂の竜崎課長を試したかった」ということ。

竜崎家[編集]

竜崎冴子
伸也の妻。
仕事人間の竜崎の代わりに家庭内を切り盛りしている良妻。竜崎の事を「唐変木」と評している。
第1弾で息子の不祥事の際、竜崎に「家庭は私に任せて、貴方は国家の為に働きなさい。」と竜崎を支えていた。
第2弾にて胃潰瘍で倒れる。医者からストレスが原因と言われ、以降、竜崎は冴子に家庭のことを任せきりの姿勢を改めるよう努力をしている。
竜崎邦彦
伸也の息子。「東大以外は大学じゃない」という伸也の意向で大学浪人をさせられ、ストレス解消のためにドラッグを吸引する。伸也に説得されて警察に自首保護観察処分となる。
第2弾にて自分の進む道を決める。当初東大進学を嫌がっていたが、父の真意を知り第1弾以降もぎくしゃくしていたが和解し、自ら東大進学を決意する。その後の進路は色々と悩むものの竜崎に伝え、「頑張れ!ただし、なるなら一流を目指せ!」と後押しされる。
竜崎美紀
伸也の娘。OL。父伸也の上司である三村大阪府警本部長の子息忠典と見合いし、結婚前提に付き合っている。だが、美紀自身は、「働きたい」・「遊びたい」と思っており結婚そのものを渋っている。

大森署[編集]

貝沼悦郎
大森署副署長。警視
竜崎は当初貝沼から「反目されている」と思っていたが、自省した竜崎からは「ホテルマンの様」「補佐役に徹している」と評価されるようになった。貝沼自身も「署長が変わればやり方に慣れなくてはいけない」と言上するも「所轄は運命共同体であることは、紛れも無い事実」と諫め、「所要の措置」という言葉を教えた。以降、竜崎にとって無くてはならない「右腕」となっている。
貝沼自身も竜崎の事を「左遷キャリア」「変人」と評していたが、「立て籠もり事件再捜査」以降、「正しい事を言える・行えるキャリア」と見直すことになる。だが、その分竜崎の有能ぶりに応えられる内はいいが、評価されなくなる事への恐れも抱いている。だが、ある事件がきっかけで「信用されている」と感じた事を嬉しく思っている。
戸高善信
大森署刑事組織犯罪対策課強行犯係。巡査部長
優秀な刑事だが、世を斜に見るところがあり、上司の事を上司と思っていないところがある。更には、第1弾で大森署に来た竜崎を一般市民と間違え警察権力で恫喝したことを叱責されている。
第2弾『隠蔽捜査・果断』で不審点を竜崎に指摘。その不審な点をもっともだと思った竜崎の指示により立て籠もり事件再捜査が始まり、事件の全容を明らかにすることができた。以降、竜崎から優秀な刑事として評価されている。
不遜なところもあるが、第3弾『隠蔽捜査・疑心』で本部部長達を前にある事件を一人で捜査した内容を報告した際は、ガチガチに緊張していた。
勤務中に競艇場に出かけることがある。

警視庁[編集]

田端守雄
刑事部捜査一課課長。警視→警視正(第5.5弾『自覚』)。ノンキャリア。
キャリアや総務系の管理職経験者がその職に就く事が多い一課長職をノンキャリア[2]ながらも、現場一筋で上り詰めた苦労人。現場主義の伊丹が捜査本部長などに就く事が多い為、その補佐役として捜査主任を務めている。
第5弾『宰領』で、大森署に出来た指揮本部捜査主任を務め、神奈川県警横須賀署にできた前線本部副本部長を務めた竜崎を東京からサポートした。
下平栄介
刑事部捜査一課第一特殊犯捜査第二係(SIT)係長。警部。ノンキャリア。
第2弾『果断』立て篭もり事件の篭城犯と第5弾『宰領』で誘拐犯との交渉人を務めている。竜崎からは「プロフェッショナル」としての姿勢を高く評価されている。
野間崎正嗣
第2方面本部管理官。警視。ノンキャリア。
第2弾『隠蔽捜査・果断』で、金融強盗犯を取り逃がした大森署に怒鳴り込んで来たのが初出。その際、竜崎の経歴・伊丹との関係を知り、さらには職位と階級のねじれ現象を疎ましく思っている。
第3弾『疑心』では、第2方面警備本部副本部長についた長谷川警視正の秘書官を務めていたが、竜崎が第2方面警備本部長につくきっかけを画策した一人。
第4弾『転迷』において、二つの捜査本部の指揮を執る事となった竜崎を補佐する為、臨時の指揮所となった大森署署長室に詰める事となり、竜崎の姿勢と信念に圧倒されながらも竜崎を素直に認められるようになった。
第5弾『宰領』で発生した誘拐事件の報告が遅いと大森署の竜崎に抗議しに来たが、竜崎から事情を聞き、その勢いは消えた。同じタイミングで伊丹刑事部長が来署したが、管理官不足もあり、そのまま誘拐事件指揮本部の管理官に就いた。
藤本実
警備部長。警視監。竜崎や伊丹より3期上のキャリア。
第3弾『疑心』で警視庁に設置された大統領来日綜合警備本部で警視総監を補佐していた。
野間崎と警察庁の落合警備局警備企画課長の奸計で第2方面警備本部長に推薦された竜崎を鍛える為に、竜崎の下に畠山を送り込んだ。
長谷川弘
第2方面本部長。警視正。竜崎より3期下のキャリア組。44歳。
第3弾『疑心』で登場。アメリカ合衆国大統領来日警備の折、設置された第2方面警備本部副本部長についたキャリア。通常時は、竜崎が署長を勤める大森署を含む第2方面本部の本部長を勤めており、竜崎より立場は上だが、階級と年期と年齢が下というねじれ現象にあっている。
40代だが、既に頭が薄くなり、腹も出ているとの事。
竜崎が畠山に心奪われ、心ここにあらず状態だったのをしっかりと警備本部を支えた人物。
テロリストを無事確保し、警備本部を解散する際、竜崎を「あなたは必ず人の上に立つ方です。私は喜んであなたの下で働きますよ。」と、賛辞していた。
弓削篤郎
第2方面本部長。警視正。ノンキャリア。56歳。刑事・公安畑で歩んできた。
長谷川方面本部長の後任で第2方面に赴任した人物。第5.5弾『自覚』の「人事」で登場。
野間崎の評価では、いかにも「刑事」らしい物腰の人物。
赴任後、第2方面内の管理官たちから「レクチャー」を受け、野間崎から聞いた「竜崎署長」に興味を持つ。早速、竜崎を呼びつけようとするが、時を同じくして発生した「引ったくり事件」で竜崎が身動きが取れないため、態々大森署まで乗り込むという行動に出た人物。

テレビドラマ[編集]

舞台[編集]

キャスト(舞台)[編集]

「隠蔽捜査」
「果断・隠蔽捜査2」
  • 竜崎伸也(大森署署長) - 上川隆也
  • 伊丹俊太郎(警視庁刑事部長) - 中村扇雀
  • 小田切貞夫(警察庁首席監察官) - 板尾創路
  • 貝沼悦郎(大森署副署長) - 平賀雅臣
  • 斉藤治(大森署警務課長) - 朝倉伸二
  • 戸高善信(大森署巡査部長) - 小林十市
  • 野間崎(第二方面本部管理官) - 近江谷太朗
  • 下平(SIT係長) - 宮本大誠
  • 石渡(SAT小隊長) - 本郷弦
  • 竜崎冴子(竜崎の妻) - 斉藤レイ
  • 竜崎美紀(竜崎の娘) - 西田奈津美
  • 竜崎邦彦(竜崎の息子) - 岸田タツヤ

スタッフ(舞台)[編集]

DVD[編集]

  • 発売元:キョードーファクトリー
  • 「隠蔽捜査」2011年10月27日、シアター1010収録
    • 【特典映像】1:トークショー 2:東京公演千秋楽
  • 「果断・隠蔽捜査2」2011年10月27日、シアター1010収録
    • 【特典映像】1:楽屋訪問 2:名古屋公演千秋楽

脚注[編集]

  1. ^ 実際には伊丹の取巻きが竜崎を「いじめ」ていて、彼自身は傍観していた。
  2. ^ 現実の捜査一課長は鑑識を含む捜査畑の叩き上げノンキャリアのポジションである。
  3. ^ “上川隆也が2作同時舞台W主演”. 日刊スポーツ. (2011年8月15日). http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20110815-820406.html 2016年8月19日閲覧。