古川薫

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古川 薫(ふるかわ かおる、1925年6月5日 - )は、日本小説家。妻は歌人森重香代子[1]

来歴・人物[編集]

山口県下関市生まれ[2]。軍国少年として育ち、航空機のエンジニアになるため宇部工業学校(現山口県立宇部工業高等学校)機械科を卒業。航空機会社に勤務した。1945年に召集され、沖縄戦に向かう予定だったが、その前に敗戦を迎えた。

1952年に山口大学教育学部を卒業。教員を経て山口新聞みなと山口合同新聞社)に入社。編集局長を経て、1965年から作家活動を始め、同年「走狗」で直木賞候補、1973年「女体蔵志」で同候補、続けて1974年「塞翁の虹」、1977年『十三人の修羅』、1978年「野山獄相聞抄」、1980年「きらめき侍」、同年「刀痕記」、1981年『暗殺の森』、1988年『正午位置』、1989年『幻のザビーネ』と、候補になること10回(最多記録)、1990年藤原義江の伝記小説『漂泊者のアリア』で第104回直木賞を受賞。受賞年齢65歳は最高齢で佐藤得二の記録を破り、25年越しでの受賞であった。ただしその後、2010年星川清司が実際よりも5歳若く年齢を公表していたことが明らかとなり、最年長受賞者の名は譲ることになった。1991年、山口県芸術文化振興奨励特別賞。

基本的な主題は長州藩・山口県とその出身・関連人物で、幕末期の長州藩とその出身・関連人物を取り挙げた歴史小説・随筆などが作品の大多数を占める。また山口県出身の人物を扱うことが主で、郷土作家でもある。

著書[編集]

  • 走狗 柏書房 1967
  • 長州歴史散歩 維新のあしおと 創元社 1968
  • 幕末長州の舞台裏 椋梨藤太覚え書 新人物往来社 1971 「幕末長州藩の暗闘」徳間文庫
  • 長州攘夷戦争始末 時事通信社 1972
  • 長州奇兵隊 栄光と挫折 創元社 1972
  • 高杉晋作 戦闘者の愛と死 新人物往来社 1973 のち新潮文庫
  • 山口県人 新人物往来社 1973 (日本人国記)
  • 海と西洋館 筑摩書房 1973
  • 長州歴史拾遺 山口県の風土と舞台裏 創元社 1973
  • 吉田松陰とその門下 新人物往来社 1974 のちPHP文庫
  • 大内氏の興亡 西海の守護大名 創元社 1974
  • 討賊始末 エルム 1975
  • 沖田総司剣と愛と死 滝口康彦,石沢英太郎共著 新人物往来社 1975
  • 凹レンズの歴史小説 条例出版 1976
  • 吉田松陰 維新を先駆した吟遊詩人 創元社 1977 のち光文社文庫
  • 十三人の修羅 講談社 1977 のち文庫
  • 炎と青雲 桂小五郎篇/木戸孝允編 文藝春秋 1977-1978 「桂小五郎」文庫
  • 維新の烈風 高杉晋作 小峰書店 1977 (文学のひろば) 「高杉晋作奔る」講談社文庫、のち「松下村塾」と合わせ「維新の烈風」として徳間文庫、「松陰と晋作」人物文庫
  • 高杉晋作のすべて(編)新人物往来社 1978
  • 獅子の廊下 文藝春秋 1978 「獅子の廊下の陰謀」講談社文庫
  • 山口の伝説 松岡利夫共著 角川書店 1979 (日本の伝説)
  • 花冠の志士 久坂玄瑞伝 文藝春秋 1979 のち文庫
  • 松下村塾 吉田松陰と門弟たち 偕成社 1979 のち新潮選書
  • 炎の塔 小説大内義弘 文藝春秋 1980 のち文庫
  • 野山獄相聞抄 文藝春秋 1981 「吉田松陰の恋」文庫
  • 暗殺の森 講談社 1981 のち文庫
  • 翔べ、わが志士たち 吉田松陰 創隆社 1983 「夜明けを切り開いた志士たち」徳間文庫
  • 城下町萩 歴史散歩 新日本教育図書 1983
  • パリの大砲 創元社 1983
  • 源氏物語夕顔殺人事件 新潮社 1983
  • 十三匹の猫と哀妻と私 文藝春秋 1984 のち文庫
  • 郡司八平礼法指南 新潮社 1984 「きらめき侍」文庫
  • 異聞岩倉使節団 新潮社 1986
  • 周防長門はわがふるさと 森重香代子共著 創元社 1986
  • 夢魂独り飛ぶ 小説高杉晋作 講談社 1986
  • 失楽園の武者 小説大内義隆 講談社 1987 のち文庫
  • だれが広沢参議を殺したか 文春文庫 1987
  • 維新の長州 創元社 1988 「幕末・長州に吹いた風」PHP文庫
  • 閉じられた海図 文藝春秋 1988 のち文庫
  • 坂本竜馬 講談社 1988 (少年少女伝記文学館)
  • 狂雲われを過ぐ 新人物往来社 1988 のち新潮文庫
  • 正午位置 文藝春秋 1988
  • 幻のザビーネ 文藝春秋 1989
  • 流れるを斬る 毎日新聞社 1989
  • 不逞の魂 新潮文庫 1989
  • 彼方に眠る日本の夢 海の向こうの幕末・維新史紀行 PHP研究所 1989
  • 幕末・維新の群像 第11巻 吉田松陰 PHP研究所 1990 (歴史人物シリーズ) のち文庫
  • 留魂録 吉田松陰(訳注)徳間書店 1990 のち講談社学術文庫
  • 漂泊者のアリア 文藝春秋 1990 のち文庫
  • さらば風雲海峡 新人物往来社 1990 のち光文社文庫
  • 覇道の鷲毛利元就 新潮社 1990 のち文庫、「毛利元就とその時代」文春文庫
  • わが風雲の詩 文藝春秋 1991 「高杉晋作」文庫
  • 乱世に躍る武将群像 PHP研究所 1991 「毛利元就と戦国武将たち」文庫
  • 完走者の首飾り 毎日新聞社 1991
  • 雪に舞う剣 維新小説集 講談社 1992 のち文庫
  • 天辺の椅子 日露戦争と児玉源太郎 毎日新聞社 1992 のち文春文庫
  • 浮雲の剣 新潮社 1992
  • 勇者のモデル 文藝春秋 1992
  • 関門海峡 歴史をはこぶ運河 新日本教育図書 1993
  • 新・米欧回覧 岩倉使節団の旅を追う 歴史紀行 毎日新聞社 1993
  • 夢の道 関門海底国道トンネル 文藝春秋 1993
  • 長州暴走 幕末の青春譜 疾風怒濤の時代を生きた若き志士たち ベストセラーズ 1994
  • ザビエルの謎 文藝春秋 1994 のち文庫
  • 剣と法典 小ナポレオン山田顕義 文藝春秋 1994 のち文庫
  • 留魂の翼 吉田松陰の愛と死 中央公論社 1995 のち文庫
  • 奇謀の島 新人物往来社 1996 「影武者」光文社文庫
  • シベリアの豆の木 香月泰男ものがたり 新日本教育図書 1996
  • 幕末長州藩の攘夷戦争 欧米連合艦隊の来襲 中公新書 1996
  • 乱世の智将毛利元就 歴史紀行 中国新聞社 1996 「智謀の人毛利元就」中公文庫
  • 松下村塾と吉田松陰 維新史を走った若者たち 新日本教育図書 1996
  • 空飛ぶ虚ろ舟 文藝春秋 1996
  • 軍神 角川書店 1996
  • 毛利一族 文藝春秋 1997
  • 毛利軍記 小よく大を制す 歴思書院 1997
  • 光をめざして走れ 時代をさきがけた吉田松陰 新日本教育図書 1997 (影絵ものがたりシリーズ)
  • 将軍慶喜と幕末の風雲 文藝春秋 1998
  • 山河ありき 明治の武人宰相桂太郎の人生 文藝春秋 1999 のち文庫
    • 時代を動かした人々 維新篇 小峰書店
  • 1 坂本竜馬 飛べ!ペガスス 2000
  • 2 高杉晋作 走れ!若き獅子 2000
  • 3 勝海舟 わが青春のポセイドン 2001
  • 4 西郷隆盛 薩摩ハヤトのバラード 2001
  • 5 吉田松陰 吟遊詩人のグラフィティ 2002
  • 6 板垣退助 三日月に祈る自由民権の志士 2003
  • 7 桂小五郎 奔れ!憂い顔の剣士 2004
  • 8 アーネスト・サトウ 女王陛下の外交官 2005
  • 9 佐久間象山 誇り高きサムライ・テクノクラート 2006
  • 10 伊藤博文 明治日本を創った志士 2007
  • 城下町長府 新編歴史散歩 新日本教育図書 2000
  • 古川薫集 リブリオ出版 2000 (げんだい時代小説 第7巻)
  • 異聞関ヶ原合戦 文藝春秋 2000
  • 秘剣「出撃」 光文社文庫 2001
  • 花も嵐も 女優・田中絹代の生涯 文藝春秋 2002 のち文庫
  • 宮本武蔵 幻談二天光芒 光文社文庫 2003
  • 如是画文 橋のむこうに見えたもの 古川薫之画文集刊行委員会 2004
  • 惑星が行く 久原房之助伝 日経BP社 2004 「夢はるかなる」PHP文庫
  • 海潮寺境内の仇討ち 光文社文庫 2004
  • 翔べ羽白熊鷲 筑紫平野はわがふるさと 梓書院 2005
  • 私の航海日誌 North Africa~Japan : May 1996~July 1966 みなと山口合同新聞社 2005
  • 望郷奇譚 文藝春秋 2006
  • わが長州砲流離譚 毎日新聞社 2006
  • 斜陽に立つ 毎日新聞社 2008
  • 君死に給ふことなかれ 神風特攻龍虎隊 幻冬舎 2015

脚注[編集]

  1. ^ 文学碑(歌碑・詩碑 他)|境内紹介|高杉晋作墓所 東行庵
  2. ^ 【逸 やまぐち】-やまぐち革新録1 関門海峡の謎を解く 旅人/古川薫

関連項目[編集]