宝島 (真藤順丈の小説)
『宝島』(たからじま、英: HERO's ISLAND)は、真藤順丈の小説である[1][2]。2018年6月21日に講談社より出版された。
概要[編集]
本作は「リュウキュウの青」「悪霊の踊るシマ」「センカアギヤーの帰還」の3部からなり[3]、凄惨な沖縄戦直後から始まった1952年の米軍統治時代から沖縄が日本に復帰した1972年までの沖縄を舞台としている[4]。
あらすじ[編集]
1952年の沖縄。米軍基地に忍び込んで物資を奪う「戦果アギヤー」として活躍していた孤児たち4人組グループ。中でもリーダー・オンちゃんは、住民のために薬を奪い、小学校を作るために木材を奪い、占領下の沖縄に勇気を与え続けて「伝説」と呼ばれていた。しかし極東最大の軍事基地「キャンプ・カデナ」に忍び込んだ夜、米軍から追われたオンちゃんは突如として失踪してしまう。後に残されたオンちゃんの親友グスクは警官に、オンちゃんの弟レイはアンダーグラウンドを転々とするテロリストに、そしてオンちゃんに好意を寄せていたヤマコは教師になって、戦後の沖縄でそれぞれの人生を懸命に生きる。 なぜ英雄は失踪したのか? 失踪の日、オンちゃんが探し当てた「予定にない成果」とは? 日本近現代史の中でも類を見ない激動の時代、美しい沖縄の地で物語は動き出す……[5][6]。
登場人物[編集]
以下に登場人物を列挙する[7]。
- オンちゃん - 戦果アギヤーの一人で、島の英雄とされている
- グスク - オンちゃんの親友
- レイ - オンちゃんの弟
- ヤマコ - オンちゃんの恋人
- タイラ - 反米闘争に明け暮れる港湾労働者
- チバナ - 特飲街の女給
- 国吉 - レイの先輩の受刑者
- アーヴィン・マーシャル - 米民政府官僚
- 小松 - マーシャル
- 又吉世喜 - <那覇派>首領
- ウタ - コザの浮浪児
受賞[編集]
脚注[編集]
- ^ “宝島 : HERO's ISLAND - 国立国会図書館リサーチ”. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “直木賞を受賞した『宝島』 作家・真藤順丈、戦後沖縄を書くことに「腰が引けた」理由 | J-WAVE NEWS”. J-WAVE NEWS | 音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」 | J-WAVE 81.3 FM. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “『宝島』(真藤 順丈) 製品詳細 講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “直木賞作家・真藤順丈が『宝島』に込めた沖縄への思い”. shuchi.php.co.jp. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “「越境する勇気を描く」『宝島』で直木賞、真藤順丈の沖縄への思い(石戸 諭) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “規格外の面白さ、ここにあり。第九回山田風太郎賞 真藤順丈著『宝島』に決定!”. カドブン. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “真藤順丈(しんどう じゅんじょう)-直木賞受賞作家|直木賞のすべて”. prizesworld.com. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “第九回 山田風太郎賞受賞作品 | KADOKAWA”. 山田風太郎賞 | KADOKAWA. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “公益財団法人日本文学振興会”. 日本文学振興会. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “沖縄書店大賞 「宝島」「沖縄アンダーグラウンド」など3作品 | 沖縄タイムス+プラス ニュース”. 沖縄タイムス+プラス. 2020年11月11日閲覧。