十角館の殺人

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十角館の殺人
著者 綾辻行人
発行日 1987年9月5日
発行元 講談社
ジャンル ミステリー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 講談社ノベルス
ページ数 290
次作 水車館の殺人
コード ISBN 4-06-181320-X
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十角館の殺人』(じゅっかくかんのさつじん)は、推理作家綾辻行人のデビュー作品である長編推理小説1987年に出版され、「館シリーズ」の第1作となる。日本のミステリー界に大きな影響を与え、新本格ブームを巻き起こしたとされる。この小説の登場を期に、本格ミステリ界では「綾辻以降」という言葉が使われるようになった。累計発行部数は、100万部を突破している[1]

「十」は「じっ」と読むのが正しいが、講談社文庫版によれば、「じゅっ」と読む。

あらすじ[編集]

1986年3月26日、大分県K**大学・推理小説研究会の一行は、角島(つのじま)と呼ばれる無人の孤島を訪れた。彼らの目当ては半年前に凄惨な四重殺人事件が発生した通称・青屋敷跡と、島に唯一残る「十角館」と呼ばれる建物である。彼らはそんな島で1週間を過ごそうというのだ。

一方その頃、本土では、研究会のメンバーに宛てて、かつて会員であった中村千織の事故死について告発する怪文書が送りつけられていた。怪文書を受け取った1人である江南孝明は、中村千織の唯一の肉親である中村紅次郎を訪ねる。

四重殺人事件[編集]

約半年前の1985年9月20日、当時島に住んでいた中村青司の自宅が全焼。焼け跡から中村夫妻と使用人夫妻の計4名が他殺体で発見された。

当日島を訪れていた庭師が行方不明となっている。

中村千織の事故死[編集]

約1年前の1985年1月、研究会で開催された新年会の三次会で、急性アルコール中毒から心臓発作を誘発したことによって死亡。

登場人物[編集]

推理小説研究会[編集]

研究会の主要メンバーは、それぞれ有名な推理作家にちなんだニックネームで呼ばれている。ニックネームはノベルス版では「ポゥ」「エラリィ」「ルルゥ」と表記されていたが、文庫化された際に「ポウ」「エラリイ」「ルルウ」と変えられた。

※内部リンクは、ニックネームの元となった推理作家の項目である。

ポウ
医学部四回生。口髭をたくわえた大柄な男性。無口だがときどき毒のある台詞を吐く。オルツィとは幼馴染。
カー
法学部三回生。中肉中背だが骨太で猫背な男性。三白眼で、青髭の目立つ顎はしゃくれている。捻くれた性格で、なにかにつけて他のメンバーに噛み付くことが多い。
エラリイ
法学部三回生。色白で背の高い男性。金縁の伊達眼鏡をかけている。会誌『死人島』の現編集長。マジックが趣味。
ヴァン
理学部三回生。中背の痩せた男性。不動産業を営む伯父のつてで角島での合宿を可能にする。
アガサ
薬学部三回生。ソフト・ソバージュの長い髪をした女性。男性的な性格。
オルツィ
文学部二回生。頬にそばかすの目立つ、ショート・ヘアの小柄で太めな女性。引っ込み思案な性格。日本画を描くのが趣味。ポウとは幼馴染。
ルルウ
文学部二回生。銀縁の丸眼鏡をかけた童顔で小柄な男性。会誌『死人島』の次期編集長。

青屋敷の関係者[編集]

中村 青司(なかむら せいじ)
建築家。十角館の設計者。半年前の事件で死亡している。当時46歳。
中村 和枝(なかむら かずえ)
青司の妻。半年前の事件で死亡している。旧姓は花房。
中村 千織(なかむら ちおり)
青司の娘。1年前に急死している。
北村(きたむら)
使用人夫妻。半年前の事件で死亡している。
吉川 誠一(よしかわ せいいち)
半年前の事件から行方不明の庭師。当時46歳。

本土にいる人物[編集]

島田 潔(しまだ きよし)
寺の三男。中村紅次郎の友人。次兄の修(おさむ)は大分県警警部。
江南 孝明(かわみなみ たかあき)
研究会の元会員。苗字の読みは「かわみなみ」だが、島田は「こなん」と呼んでいる。研究会時代のニックネームは「ドイル」。
守須 恭一(もりす きょういち)
研究会会員。江南の友人。
中村 紅次郎(なかむら こうじろう)
高校の社会科教師。中村青司の3歳下の弟。大学で島田と知り合い、以来懇意にしている。
吉川 政子(よしかわ まさこ)
吉川誠一の妻。結婚前は青屋敷で働いていた。安心院にある誠一の実家に住んでいる。

書誌情報[編集]

綾辻は新装改訂版のあとがきで、「本書をもって『十角館の殺人』の決定版とするつもりでいる」と述べている。

脚注[編集]

関連項目[編集]