かがみの孤城
| かがみの孤城 | |
|---|---|
| 小説 | |
| 著者 | 辻村深月 |
| 出版社 | ポプラ社 |
| レーベル | ポプラ文庫(文庫版) |
| 発売日 | ハードカバー版:2017年5月11日 文庫版:2021年3月5日 |
| 巻数 | ハードカバー版:全1巻 文庫版:全2巻 |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 辻村深月 |
| 作画 | 武富智 |
| 出版社 | 集英社 |
| 掲載誌 | ウルトラジャンプ |
| レーベル | ヤングジャンプコミックス |
| 発表号 | 2019年7月号 - |
| 巻数 | 既刊4巻(2021年9月17日現在) |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画 |
| ポータル | 文学・漫画 |
『かがみの孤城』(かがみのこじょう、英 : THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR)は、辻村深月による日本の小説[1]。2017年5月よりポプラ社から刊行された[2]。2021年3月時点で累計発行部数は100万部を突破しており、2018年には本屋大賞も受賞している[3]。
当初は「かがみの城」というタイトルにする予定だったものの、担当編集者が提案した「敵に囲まれて身動きが取れなくなっている城」を意味する「孤城」を名付けたという[4]。
作者の辻村深月は、本作が誰かの「城」のような居場所になればいいという思いを込めながら書いたと述べている[5]。
本作のオーディオブックも出されている[6]ほか、『ウルトラジャンプ』(集英社)にて2019年7月号からコミカライズ版が連載中。作画担当は武富智。
あらすじ[編集]
同級生から受けた仕打ちが原因で不登校が続き、子供育成支援教室(スクール)にも通えずに部屋に引き籠る生活を続けていた主人公の中学一年生の女の子「こころ」が、5月のある日自室の鏡が光り、その向こうにお城で自分と似た境遇を持つ中学生6人と出会い、彼らとともに冒険していく[4][7][8]。
登場人物[編集]
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[9]「声-」はオーディオブック版の声優を示す。
- こころ(安西 こころ)/声−花守みゆり
- 物語の主人公。中学1年生。おとなしく内気な性格でこれといった取り柄がなく、自分に自信が持てないでいた。物語序盤はいじめにあったこともあり、物事をネガティブに考えてしまい、悩むことも多かったが、城のメンバーとの交流を経て徐々に変わっていく。4月、同じクラスの中心女子の真田美織を中心とするいじめに合い、唯一仲良くなれそうだった二軒隣に住む転校生・東条萌からも無視されるようになり、不登校になった。部屋に閉じこもり、閉塞感と焦燥感を募らせていたところ、自室の姿見が光り、鏡の向こうの城に招かれるが、恐怖のあまり初日は逃げ出した。物語終盤でピンチに陥った仲間を助けるために奮闘し、6人のうちある一人のメンバーを説得する。好きな食べ物は三色そぼろ御飯と母が作る皮から手作りの餃子。両親が共働きのため、お米は毎日といでいる様子。とある事情で恋愛が苦手でウレシノが自分に好意を寄せていると知った時には内心引いていた。
- アキ(井上 晶子)/声−伊藤かな恵
- 中学3年生。明るく、快活そうで、背が高い。気が強く、思ったことは遠慮なく口にするため、彼女の発言がもとで険悪ムードになることもある。また、突拍子もない行動に出た結果、メンバーが迷惑することもあるため、スバルは「問題児ってかんじだよぁ」と冗談交じりでつぶやいたこともある。しかし、メンバーのお姉さん的な存在で初対面のこころに真っ先に話しかけ、こころとフウカをお茶に誘い、紅茶とかわいいナプキンを用意するなど、女子らしい気遣いもできる一面もある。髪を染めたスバルに他のメンバーがドン引きしている中、彼と「学校の先生に怒られない?」などと平然と会話していた。物語中盤、偶然学校の制服を着て城に現れ、このことがメンバーの共通点を知る重要な手がかりとなる。
- スバル(長久 昴)/声−西山宏太朗
- 中学3年生。背が高く、色白でそばかす顔の男の子。こころからはハリーポッターのロン似の男子と称されている。紳士的で優しいが、物語中盤で髪を茶髪にし、皆を驚かせる。とある事情で両親と離れ、兄と共に祖父母の家で暮らしている。自身の名前をとても気に入っている。マサムネと仲が良く、彼が持ち込んだゲームでよく一緒に遊んでいる。最初の頃、ずっと城に来ていなかったこころを温かく迎え入れた。「イケメン」の意味がわからず、マサムネがリオンのことを陰で「イケメン」と言っていたのを聞いて悪口なのかと彼に尋ねていた。
- マサムネ(正宗 地球(あーす))/声−小林裕介
- 中学2年生。生意気で理屈っぽい性格で口が悪いため、他人と衝突しやすい。根っからのゲームオタクで愛着心が人一倍強い。自身が持っているゲームの性能の良さをしょっちゅう自慢し、愛着心の強さ故にゲームに対する理解がなかったり基礎知識にとぼしかったりするメンバーにあきれ、時にはけんかになることもある。公立中学なんか行かなくていいという家の方針もあり、中学には行かずに学習塾に通っている。頭は良く、全国模試の順位はいいらしい。物語中盤、メンバーにある重要なお願いをする。
- フウカ(長谷川 風歌)/声−大和田仁美
- 中学2年生。眼鏡をかけていて、声優のように声が高い。ピアノが上手で小さい頃から習っていたが、コンクールで圏外になるなど伸び悩んでいた。
- リオン(水守 理音)/声−島崎信長
- 中学1年生。芸能人並みのイケメンで明るく気さくで一癖あるこころたち城のメンバーにも平等に話しかけたりできるため、メンバーであることを不思議に思われている。穏やかで仲間思いな性格だが、怒らせると怖い。ウレシノがメンバーに暴言を吐いた際には「そんな言い方ないだろ」と咎めるなど、言うべきことはしっかり言う。趣味と特技はサッカー。ハワイへ留学しているが、本人は日本の公立中学へ行きたかったため、日本人である城のメンバーと過ごす時間を大切に思っている。6歳の時に姉の実生を亡くしている。学校の関係で城には夕方からやってくる。メンバーにクリスマスパーティーの提案をし、母親が作ったケーキを持参した。城で過ごす中であることに気付くが、他のメンバーには言わずに胸に秘めている。
- ウレシノ(嬉野 遥)/声−堀江瞬
- 中学1年生。小太りの男の子。食べることが好きらしく、城に招かれて早々に食べ物はないかと気にしており、こころがリンゴを持ってきた際には大喜びしたりしている。恋愛気質で惚れっぽく、城に来て1週間ほどでアキに告白して振られた。その後、対象はこころに移り、しまいにはフウカになったため、女子陣には内心呆れられており、男子からもからかわれている。ずれた発言が多いため、からかわれたりバカにされたりすることが多く、本人は内心傷ついている。
- オオカミさま/声−東山奈央
- 狼の仮面をつけた少女。城の案内人。いつも人形が着るようなかわいいドレスを着ている。常に尊大な口調で話し、城に招かれて早々に逃げ出したこころや帰ろうとしたスバルに説教するなど、上から目線の態度であるため、こころは内心「ずいぶん横柄なお世話係だ」と思った。こころたちに城でのルールや過ごし方などの説明をする。メンバーとは常に一緒にいるわけではないが、呼べばすぐに現れ、呼んでもないのに突然現れることもある。意味深な発言でメンバーを翻弄している。ものは食べるらしく、クリスマスパーティーの際にリオンが持ってきたケーキを受け取り、「分けてもらえるなら持ち帰らせてもらおう」と言っていた。物語終盤で判明する彼女の正体は意外な人物であった。
書誌情報[編集]
小説[編集]
- ハードカバー版
- 辻村深月 『かがみの孤城』 ポプラ社、2017年5月11日発売、ISBN 978-4-591-15332-1
- 文庫版
- 辻村深月 『かがみの孤城』 ポプラ社〈ポプラ文庫〉、全2巻
- 上:2021年3月5日発売、ISBN 978-4-591-16971-1
- 下:2021年3月5日発売、ISBN 978-4-591-16972-8
漫画[編集]
- 辻村深月(原作) / 武富智(作画) 『かがみの孤城』 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉、既刊4巻(2021年9月17日現在)
- 2019年12月19日発売[10]、ISBN 978-4-08-891450-3
- 2020年7月17日発売[11]、ISBN 978-4-08-891612-5
- 2021年2月19日発売[12]、ISBN 978-4-08-891782-5
- 2021年9月17日発売[13]、ISBN 978-4-08-892101-3
受賞[編集]
本作は、2018年に第15回本屋大賞を受賞した他、複数の賞を受賞している[14]。
| 年 | 賞の名前 | 順位 | 参照サイト等 |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 2017年啓文堂書店文芸書大賞 | 大賞 | [15] |
| 2017年 | 雑誌『ダ・ヴィンチ』のBOOK OF THE YEAR特集・小説ランキング部門 | 1位 | [16] |
| 2017年 | このミステリーがすごい!2018年国内賞 | 8位 | [17][18] |
| 2017年 | TBS系列『王様のブランチ』の「ブランチBOOK大賞2017」 | 大賞 | [19][20] |
| 2017年 | キノベス!2018 | 4位 | [21] |
| 2018年 | 第11回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞) | 大賞 | [22] |
| 2018年 | 埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2017 | 1位 | [23] |
| 2018年 | 熊本県学校図書館大賞2017 | 大賞 | [24] |
| 2018年 | 第15回本屋大賞 | 1位 | [14] |
| 2018年 | 第6回ブクログ大賞・小説部門 | 大賞 | [25] |
オーディオブック[編集]
2019年11月20日にオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」から配信開始[6]。audiobook.jpは2019年12月にSiriでの読み上げに対応したのを記念しユーザーに「年末年始に聴きたいオーディオブックランキングベスト3」を聞いたところ、本作が1位に選ばれている[26]。
舞台[編集]
2020年、本作を原作とした舞台が公演された。企画・製作・主催はNAPPOS UNITED。
- 公演日程
-
- 【東京】2020年8月28日 - 9月6日、サンシャイン劇場
- 【大阪】2020年9月18日 - 9月20日、サンケイホールブリーゼ
- 【愛知】2020年9月22日、刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
- 脚本・演出
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ “かがみの孤城 = THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR 辻村深月 著”. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “かがみの孤城 = THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR - 国立国会図書館リサーチ”. 2020年10月28日閲覧。
- ^ 待望の文庫化!2018年本屋大賞受賞作『かがみの孤城』が累計100万部を突破!作者の辻村深月さんからのメッセージ動画も到着!, , PR TIMES (ポプラ社), (2021年3月19日) 2021年3月19日閲覧。
- ^ a b “2018年本屋大賞、辻村深月さんの『かがみの孤城』に決定 「かつて子どもだったすべての人へ」” (日本語). ハフポスト (2018年4月11日). 2020年10月28日閲覧。
- ^ “第6回ブクログ大賞[2018 小説部門受賞作品は辻村深月『かがみの孤城』に決定!]” (日本語). ブクログ. 2020年10月28日閲覧。
- ^ a b “かがみの孤城 - audiobook.jp” (日本語). かがみの孤城. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “本屋大賞に辻村さん「かがみの孤城」 海外は少部数作品:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2020年10月28日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2017年10月15日). “【書評】書評家・西野智紀が読む『かがみの孤城』辻村深月著 生きてさえいれば奇跡は起きる” (日本語). 産経ニュース. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “かがみの孤城” (日本語). ウルトラジャンプ. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “かがみの孤城 1”. 集英社. 2021年3月19日閲覧。
- ^ “かがみの孤城 2”. 集英社. 2021年3月19日閲覧。
- ^ “かがみの孤城 3”. 集英社. 2021年3月19日閲覧。
- ^ “かがみの孤城 4”. 集英社. 2021年9月17日閲覧。
- ^ a b “本屋大賞に辻村深月さん「かがみの孤城」” (日本語). 日本経済新聞 (2018年4月10日). 2020年10月28日閲覧。
- ^ “啓文堂書店 | 2017年 文芸書大賞が決まりました”. 啓文堂書店. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “高橋一生が表紙に!『ダ・ヴィンチ』「BOOK OF THE YEAR2017」発表! 小説部門1位は『かがみの孤城』に決定! 『3月のライオン』羽海野チカが三冠!” (日本語). ダ・ヴィンチニュース. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “2018年本屋大賞受賞『かがみの孤城』がベストセラーランキング1位 | ニュース”. Book Bang -ブックバン-. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “【国内編】読書のプロが選んだ「このミステリーがすごい!2018年版」(宝島社)発表!”. 2020年10月28日閲覧。
- ^ TBS. “TBSテレビ「王様のブランチ」” (日本語). TBSテレビ. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “TBS系列『王様のブランチ』「ブランチブック大賞2017」を『かがみの孤城』が受賞しました!”. ポプラ社. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “「2018年本屋大賞」が決定しました! 大賞は辻村深月さんの『かがみの孤城』” (日本語). 本の「今」がわかる 紀伊國屋書店. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “神奈川県学校図書館員研究会公式ホームページ 神奈川学校図書館員大賞(KO本)”. kastanet.pen-kanagawa.ed.jp. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “イチオシ本のページへ - 埼玉県高校図書館フェスティバル”. shelf2011.net. 2020年10月28日閲覧。
- ^ 熊本県高等学校教育研究会図書館部会. “「学校図書館大賞2017」決定!” (日本語). ws.higo.ed.jp. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “第6回ブクログ大賞[2018]” (日本語). ブクログ. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “audiobook、「Hey Siri」で本の読み上げが可能に”. AV Watch. 2021年4月18日閲覧。