52ヘルツのクジラたち

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

52ヘルツのクジラたち』(ごじゅうにヘルツのクジラたち)は、町田そのこの小説である。2021年本屋大賞受賞作品[1]

概要[編集]

町田そのこにとっては4作目の作品にあたる作品であると同時に、初の長編小説となった[2]

タイトルは、他のからは聞き取れない高い周波数で鳴き、懸命に歌っても仲間に気が付かれないため「世界でもっとも孤独なクジラ」といわれている52ヘルツの鯨からとられている[3][4][5]

児童虐待・家庭内DV・介護トランスジェンダー毒親・家族の不理解などの社会的問題も取り扱っている[2][6][7]

2020年4月21日に中央公論新社から刊行された[8]。2020年3月5日から12日までに集計された「読書メーター」読みたい本ランキングでは単行本部門週間ランキングで1位を獲得している[9]。2020年の「読書メーター オブ・ザ・イヤー2020」では1位を獲得している[3]。2020年のダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2020の小説部門では4位にランクインしている[10]。テレビ番組『王様のブランチ』のBOOK大賞2020では1位を獲得している[10]。2021年2月23日には漫画家の常喜寝太郎がTwitter上に4ページからなるPRマンガを投稿した[3][10]。2021年には、365.5点を獲得して同年の本屋大賞を受賞した[1]

あらすじ[編集]

過去を断ち切って東京から大分の海辺の町へと移住してきた三島貴瑚は、移住先で13歳の少年と出会う。虐待を受けていた少年を見た貴瑚は、自身のかつての姿と少年を重ね合わせて、「聞き逃した声に対する贖罪」として少年を助け出す試みを行う。

登場人物[編集]

三島貴瑚(みしま きこ)

 同作の主人公。26歳の女性。「毒親」にあたる実母からネグレクトを受けてきた。兄弟がいるにも関わらず、21歳で義父の介護をたった一人で全て押し付けられ、死ぬことを決意して道を歩いていたところを通りすがりの岡田安吾(アンさん)と同級生の美晴に救われる。東京都から大分県の海辺の町の祖母の住んでいた家に移り住んできた。共感力が非常に高く、自身と似た境遇をした人には優しい態度を取る。

少年

 13歳。母親からの虐待を受け、言葉を話せなくなっていた、「ムシ」と呼ばれていた少年。逃げた先の貴瑚の家に匿われる。貴湖からは「52」と呼ばれる。

岡田安吾(おかだ あんご)

 通称「アンさん」。美晴の職場の同僚でしかないが、貴瑚を非常に親身になってネグレクトから救い出した。

牧岡美晴(まきおか みはる)

 貴瑚の高校時代からの友人。先輩の安吾とともに貴瑚を助け出した。自身も毒親を持つ境遇で、同じ境遇の貴湖に非常に強いシンパシーを持つ。

村中真帆(むらなか まほろ)

 貴瑚の移り住んできた家の床が腐っているのを直しに来た職人。ケンタを弟子(?)として使っている。貴湖に好感を持ち食事に誘うなど関わってくる。

脚注[編集]

  1. ^ a b 本屋大賞”. www.hontai.or.jp. 2021年7月19日閲覧。
  2. ^ a b 児童虐待、介護、毒親……本屋大賞受賞作『52ヘルツのクジラたち』は“誰にも届かない声”を拾う(リアルサウンド)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年7月19日閲覧。
  3. ^ a b c 2021年「本屋大賞」受賞! 孤独な者同士の結びつきを描いた『52ヘルツのクジラたち』の魅力を【マンガ】で辿る” (日本語). ダ・ヴィンチニュース. 2021年7月19日閲覧。
  4. ^ 2021年本屋大賞 町田そのこ著『52ヘルツのクジラたち』 一握りの希望をあなたに|読むらじる。|NHKラジオ らじる★らじる”. 読むらじる。|NHKラジオ らじる★らじる. 2021年7月19日閲覧。
  5. ^ 「52ヘルツのクジラたち」町田そのこさんインタビュー 虐げられる人々の声なき声をすくう|好書好日” (日本語). 好書好日. 2021年7月19日閲覧。
  6. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2021年4月14日). “2021年本屋大賞に町田そのこさん「52ヘルツのクジラたち」” (日本語). 産経ニュース. 2021年7月19日閲覧。
  7. ^ 本屋大賞受賞!『52ヘルツのクジラたち』の町田そのこが作家を目指した理由|人間関係|婦人公論.jp” (日本語). 婦人公論.jp. 2021年7月19日閲覧。
  8. ^ 52ヘルツのクジラたち|単行本|中央公論新社”. www.chuko.co.jp. 2021年7月19日閲覧。
  9. ^ ずっと忘れられない物語になる『52ヘルツのクジラたち』 - 文教堂”. www.bunkyodo.co.jp. 2021年7月19日閲覧。
  10. ^ a b c 52ヘルツのクジラたち|特設ページ|中央公論新社” (日本語). 中央公論新社. 2021年7月19日閲覧。

外部リンク[編集]