天外魔境

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天外魔境
ジャンル コンピュータRPG
開発元 レッド・エンタテインメント
ハドソン
発売元 ハドソン
主な製作者 広井王子(企画・監修)
辻野寅次郎(絵師)
桝田省治
竹部隆司
荒井弘二
久保久
田中公平
笹川敏幸
1作目 天外魔境 ZIRIA
(1989年6月30日)
最新作 天外魔境 for GREE
(2011年7月6日)
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天外魔境(てんがいまきょう)は、1989年(平成元年)にハドソンから発売された、PCエンジン CD-ROM2用のコンピューターRPGから始まったゲームシリーズ。通称は「天外」。

株式会社ハドソンは2012年にコナミデジタルエンタテインメント (KDE) に吸収合併され、以降KDEとレッド・エンタテインメントがシリーズの著作権を保有している。

概要[編集]

企画、原案は当時レッドカンパニー(現:レッド・エンタテインメント)を主催していた広井王子。原作はスミソニアン博物館東洋研究第3主事の東洋研究家であるP.H.チャダ著『FAR EAST OF EDEN』とされているが、これは広井らが作り上げた架空の書籍である。「P.H.チャダ(ポール・ヒエロニムス・チャダ)」は原作者あだちひろしの別ペンネームであり、あだちの個人サイト「あ氏の部屋」のトップにはチャダの肖像画が掲載されていた[1]。P.H.は広井王子のペンネームでPrince Hiroiの頭文字から取っている。

舞台は「西洋から観た誤った日本観」をコンセプトとする16~18世紀頃を時代設定とした架空の国「ジパング」。古来からジパングの危機になると現れて国を救った「火の一族」の血を受け継ぐ者たちの活躍を中心に描く。火の一族がどのような存在であるかは、作品ごとに異なる場合があり、『II』では「マリ」によって生み出されたとされ、『ZERO』では「アグニ」によって生み出され高天原から遣わされた、『第四の黙示録』ではエデンという楽園を守護していた一族、という設定になっている。

当初は実写映画やアニメ作品として企画されたもので、およそ当時のゲームに収まる内容ではなかったが、媒体にCD-ROMを使用することでゲーム化が実現した(詳細は『天外魔境 ZIRIA』の記事を参照)。なお『青の天外』(2003年)発表時の広井へのインタビューによると、天外魔境は「3部作3シリーズ」という『スター・ウォーズ』と同様の構想があったとの事。その場合のタイトルはシリーズ毎のまとまりが理解しやすい「第五の黙示録」「第六の黙示録」や「赤の天外」等が考えられていた。シリーズ累計で220万本以上のセールスを記録している[2]

シリーズ[編集]

家庭用ゲーム機・アーケード向けタイトル[編集]

タイトル 発売日 ハード ジャンル 備考
天外魔境 ZIRIA 日本の旗 1989年6月30日 PCエンジン
CD-ROM2
RPG ジパングの東側、坂東地方編。
世界初のCD-ROMを媒体としたRPG。
マサカドの復活を企む邪教集団「大門教」との戦いを描く。
音楽プロデュースを坂本龍一が手掛ける。
天外魔境II 卍MARU 日本の旗 1992年3月26日 PCエンジン
SUPER CD-ROM2
ジパングの西側、大和地方編。
「30分に一度は大きなイベントが発生する」という触れ込みで宣伝がなされ、
ハード普及台数とほぼ同数を売り上げる[3]
悪神ヨミの復活を企む「根の一族」との戦いを描く。
音楽を久石譲福田裕彦が手掛ける。
天外魔境 風雲カブキ伝 日本の旗 1993年7月10日 『II 卍MARU』の登場キャラクター
「カブキ団十郎」を主人公としたスピンオフ番外編。
京都およびロンドンが舞台。
再びジパング侵攻を開始した「デーモン教(大門教)」との戦いを描く。
音楽を田中公平が手掛ける。
カブキ一刀涼談 日本の旗 1995年2月24日 PCエンジン
アーケードカードCD-ROM2
対戦型格闘ゲーム 『風雲カブキ伝』のキャラクターが中心に登場する。
天外魔境 真伝 日本の旗 MVS:1995年6月20日
日本の旗 ネオジオ:1995年7月28日
日本の旗 ネオジオCD:1995年12月8日
Multi Video System
ネオジオ
ネオジオCD
『ZIRIA』と『II 卍MARU』のキャラクター達が登場する。
天外魔境 電脳絡繰格闘伝 日本の旗 1995年7月28日 PC-FX 対戦格闘ゲーム PC-FXの性能を活かした、フルアニメーションによるゲーム展開が特徴。
天外魔境ZERO 日本の旗 1995年12月22日 スーパーファミコン RPG 太古のジパングを舞台とした作品。
ロムカセットの中にカレンダー機能が内蔵され、
プレイする日付に連動してイベントが発生する
「パーソナル・ライブ・ゲームシステム(PLGS)」を採用。
ニニギ率いる「地獄の軍団」との戦いが描く。
音楽をハドソンのサウンドプロデューサーの笹川敏幸
『カブキ伝』を担当した田中が手掛ける。
天外魔境 第四の黙示録 日本の旗 1997年1月14日 セガサターン アメリカ編。
これまでとは反対に「日本から観た誤った西洋観」をテーマとした、
ホラーテイストの世界観となっている。
「第四」というタイトルは、当時発売が予定されていた
『III』を踏まえたシリーズ4作目と位置づけられているため。
「暗黒教団」との戦いが描く。
音楽は『ZERO』を担当した笹川が手掛けている。
天外魔境II MANJI MARU 日本の旗 GC:2003年9月25日
日本の旗 PS2:2003年10月2日
ニンテンドーゲームキューブ
PlayStation 2
PCE版『II 卍MARU』のリメイク移植。
3Dポリゴン化やビジュアルシーンのムービー化がされ、
PCE内蔵音源の曲はリニューアルされた。
ゲームバランスの変更など賛否が分かれる点も。
オリエンタルブルー 青の天外 日本の旗 2003年10月24日 ゲームボーイアドバンス 「ジパング」とはまた違った東洋世界をブレンドした世界観を持つ。
魔石の合成システムが特徴。
当時はシリーズ第7作目(第3部1作目)という扱いが
与えられていたようである。
元々は64DDのソフトとして企画されていた[4]
開発元は従来通りハドソンだが、発売元は任天堂となっている。
天外魔境III NAMIDA 日本の旗 2005年4月14日 PlayStation 2 ジパング九洲編。
PCEやPC-FXでの『天外魔境III』の発売予定が開発中止となった後、
10年近く後に再び企画が立ち上がって発売された。
ただし1990年代中盤当初の企画でのストーリー・キャラクター設定は
使われることなくお蔵入りとなり、タイトル名以外は新たに別の内容で作られた。
割れた神鏡から現れた異形の者達「アミ」との戦いを描く。
音楽を加藤和彦が手掛ける。
天外魔境II MANJI MARU 日本の旗 2006年3月9日 ニンテンドーDS PCE版『天外魔境II 卍MARU』のリメイク移植。
DSの2画面への対応などリメイク要素は少なめで、
PS2・GC移植版と比較して高いレベルでPCE版を忠実に再現している
(内蔵音源だった曲はPS2・GC版でのアレンジバージョンになっている)。
天外魔境 ZIRIA
〜遥かなるジパング〜
日本の旗 2006年3月23日 Xbox 360 PCE版『天外魔境 ZIRIA』をベースに、
原案要素などを交えて再構築された完全リメイク作品。
天外魔境 第四の黙示録 日本の旗 2006年7月13日 PlayStation Portable SS版『天外魔境 第四の黙示録』の移植作品。
新規シナリオ追加。
随時セーブ可能になったため、
真実の書(セーブポイント)が削除されている。
また、SS版のコラボレーション企画であった井村屋
秋山食品による販売及びアイテムも削除された。
PC Engine Best Collection
天外魔境コレクション
日本の旗 2008年7月31日 オムニバス PCE版の『ZIRIA』、『II 卍MARU』、
『天風雲カブキ伝』、『カブキ一刀涼談』+イラスト集を収録。

PC・モバイル向けタイトル[編集]

タイトル 発売日 対応機種・サービス 備考
モバイル天外魔境 日本の旗 2004年4月5日 iアプリ 携帯電話端末を使用した多人数参加型ネットワークRPG
天外魔境 ZIRIA 日本の旗 2004年 - 2006年 iアプリ
EZアプリ
S!アプリ
PCE版『天外魔境 ZIRIA』をベースとして、携帯電話用アプリとして開発されたリメイク移植作品。
天外魔境 ZIRIA PremiumEdition 日本の旗 2010年6月16日 iモード Xbox 360版『天外魔境 ZIRIA ~遥かなるジパング~』をベースとして、
携帯電話用アプリとして開発されたリメイク移植作品。
3Dから2Dに変更されており、村人用ボイスも追加され完全フルボイス化している。
ストーリーは12章に分けて配信され、追加ダンジョンや機能拡張なども実施された。
天外魔境 JIPANG7 日本の旗 2011年2月7日
クローズドβテスト開始
ブラウザゲーム
XP
Vista
Win7
戦乱ソーシャルオンライン活劇
『天外魔境II 卍MARU』の千年前が舞台。
4月12日に正式サービスを開始したが、7月26日をもってサービスを終了[5]した。
開発・運営元はアルケミア
天外魔境 for GREE 日本の旗 2011年7月6日配信開始 GREE 仲間カードをベースにしたソーシャルゲーム。
2012年1月6日をもってサービスを終了した。

関連商品[編集]

ゲーム[編集]

  • 天外魔境 電々の伝(1994年、PCエンジン SUPER CD-ROM2
ボンバーマン'94』の体験版のキャラクターをカブキ団十郎に差し替えたもの。
バトルゲームに戦国卍丸、カブキ団十郎、絹、マントーが登場する(マントーは隠しキャラクター)。
戦国卍丸がプレイヤーキャラとして登場し、暗黒ランがバトルステージとして登場。
戦国卍丸とカブキ団十郎がプレイヤーキャラクターとして登場。
日本版の本体にPCE版『天外魔境II 卍MARU』が収録された。一部文言、敵グラフィック、点滅表現などの修正あり。

映像作品[編集]

アニメーション[編集]

  • 天外魔境 自来也おぼろ変(1990年、OVA)

実写ドラマ[編集]

  • 運命の逆転(1992年、TBS系)
  • 天外魔境 電々の伝 電脳電撃カブキ伝(1993年、VHS)

その他[編集]

  • 天外魔境III メイキングDVD(2003年)

小説[編集]

  • 天外魔境 FAR EAST OF EDEN(1989年11月、角川書店)
  • 天外魔境(2)大門招来編 上の巻(1991年5月、角川書店)
  • 天外魔境(3)大門招来編 下の巻(1991年11月、角川書店)
  • 天外魔境 風雲カブキ伝リプレイ(1994年3月、角川書店)
  • 天外魔境ZERO 炎の勇者たち(1996年2月、角川書店)
  • 天外魔境 第四の黙示録(1997年8月、メディアワークス)
  • 天外魔境 I・II 架話 髑髏譚 -SKULL TALE-(2021年2月、KADOKAWA)
    Amazon、エビテンの限定販売。

ゲームブック[編集]

  • 天外魔境 魔城の聖戦(1989年10月、双葉社)
  • 天外魔境ZERO ゲームブック(1)FAR EAST OF EDEN(1996年4月、双葉社)

攻略本[編集]

  • 天外魔境II 卍MARU 公式ガイドブック(1992年5月、角川書店)
  • 天外魔境 風雲カブキ伝 これぞ天下無敵の究極攻略本!!!(1993年8月、集英社)
  • ゲーメストムック 天外魔境 真伝(1995年9月、新声社)
  • 天外魔境ZERO マル秘公式ガイドブック(1996年1月、アスペクト)
  • 天外魔境 第四の黙示録 公式ガイドブック(1997年3月、アスペクト)
  • ORIENTAL BLUE 青の天外 -マルチシナリオRPGを存分に楽しむための1冊(2003年12月、小学館)
  • オリエンタルブルー 青の天外 コンプリートガイド(2003年11月、ソフトバンクパブリッシング)
  • 天外魔境II MANJI MARU 炎之奥義書(2003年10月、集英社)
  • 天外魔境II MANJI MARU 公式完全攻略絵巻(2003年12月、エンターブレイン)
  • 天外魔境III NAMIDA 公式ガイドブック(2005年4月、エンターブレイン)
  • 天外魔境III NAMIDA 公式完全攻略絵巻(2005年6月、エンターブレイン)

その他の書籍[編集]

  • 天外魔境 ビデオ&ゲーム大集成(1990年10月、角川書店)
  • PCエンジンCD-ROMカプセル特別版 天外魔境 風雲カブキ伝 出撃の書(1993年6月、小学館)
  • 天外魔境 第四の黙示録 公式設定資料集(1997年1月、アスペクト)
  • FAR EAST OF EDEN 研究序説(2003年、レッド・エンタテインメント)
  • 天外画廊:辻野芳輝画集(2017年、徳間書店)
辻野による画集。天外魔境シリーズを含めた辻野が作成したゲーム・アニメ等の制作資料が収録されている。

CD[編集]

1995年に行われたハドソン全国キャラバン「劇場空間天外ごっこ 誰がハドソン夢まつり'95」に使用された楽曲が収録されている。『天外魔境』だけでなく、『ボンバーマンシリーズ』、『桃太郎シリーズ』(桃太郎伝説桃太郎電鉄など)、『鮫亀』をモチーフとした歌曲も収録されている。
ゲームキューブ版・PlayStation 2版のサウンドトラック。
  • 天外魔境III NAMIDA オリジナル・サウンドトラック(2005年04月)
  • ドラマCD 天外飯店(2005年04月)

パチスロ[編集]

  • CR天外魔境 卍MARU (2009年(平成21年)2月下旬より順次導入)
    • テーマ曲「時代を駆ける」は、IIの主人公「戦国卍丸」役を担当した伊倉一恵が歌を、シリーズ原作者広井王子が作詞を、桃太郎電鉄シリーズの音楽を手掛ける池毅が作曲を担当している。
  • パチスロ天外魔境 (2009年(平成21年)夏より順次導入)

ラジオ[編集]

  • 天外魔境〜無国籍食堂(であいのちゃや)
    • 1996年10月4日から1997年3月28日まで文化放送で放送された。「天外魔境 第四の黙示録」のタイアップ番組で、パーソナリティは山口勝平桜井智。それぞれ当該ゲームにおいて、ヒロインの夢見役(桜井)とパーティメンバーのエース役(山口)を担当している。詳細は天外魔境 第四の黙示録#ラジオを参照。
  • tengai.jp 今夜もはてぃはてぃ
    • 2003年6月6日に始まった「天外魔境」プロジェクトの第1弾として、「天外魔境II」のリメイク版「天外魔境II MANJI MARU」をニンテンドーゲームキューブPlayStation 2で発売するにあたって公式サイト「tengai.jp」を設立すると同時に放送を開始。「天外魔境」プロジェクトの情報を提供していた。
  • 天外ラヂヲ~黄金国伝説
    • 2003年10月5日から2004年6月27日まで文化放送で放送された。(BSQR489では4日遅れの10月9日より毎週木曜日20時から20時30分に放送)毎週日曜日23時30分から24時までの30分番組でパーソナリティは中原麻衣柊瑠美。「天外魔境II・III」の世界観をベースにしたラジオ番組だった。パーソナリティの2人はそれぞれ「天外魔境III NAMIDA」において、白縫姫役(中原)とミヤ役(柊)を担当している。

ちなみに放送開始一週間前の9月28日には東京ゲームショウのハドソン・ブースで新番組スタート記念・公開録音をし、同日23時30分~24時に「天外魔境発売記念スペシャル・天外ラヂヲ~黄金国伝説」という名前でスペシャル版も放送していた。

文化放送 金曜21時枠
前番組 番組名 次番組
-
天外魔境〜無国籍食堂(であいのちゃや)
ZMAP=ZMAP
文化放送 日曜23:30-24:00枠
tengai.jp/今夜もはてぃはてぃ
天外ラヂヲ〜黄金国(ジパング)伝説〜
BSQR489 木曜20:00-20:30枠
tryme.jp/今夜もはてぃはてぃ
(2003年4月17日-2003年7月)
tengai.jp/今夜もはてぃはてぃ
(2003年7月-2003年10月4日)
天外ラヂヲ〜黄金国(ジパング)伝説〜
(2003年10月9日-2004年7月1日)
文化放送 日曜23:30-24:00枠
tengai.jp/今夜もはてぃはてぃ
天外ラヂヲ〜黄金国(ジパング)伝説〜
BSQR489 木曜20:00-20:30枠
tengai.jp/今夜もはてぃはてぃ
(2003年7月-2003年10月4日)
天外ラヂヲ〜黄金国(ジパング)伝説〜
(2003年10月9日-2004年7月1日)
マグナカルタ Radio
(2004年7月-2004年12月)

脚注[編集]

  1. ^ https://web.archive.org/web/20210126144025/http://www006.upp.so-net.ne.jp/ashi/
  2. ^ “あの「天外魔境」シリーズの最新作が,ついに!”. 4Gamer.net (Aetas). (2010年9月13日). http://www.4gamer.net/games/120/G012010/20100911002/ 2015年4月24日閲覧。 
  3. ^ 天外魔境II MANJIMARU ハドソンニュースリリース(GC/PS2) - ウェイバックマシン(2005年8月27日アーカイブ分)
  4. ^ N.O.M 2003年10月号Vol.63 開発者インタビュー
  5. ^ 「ブラウザゲーム『天外魔境 JIPANG7』,7月26日をもってサービス終了」

外部リンク[編集]