伊東潤

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伊東 潤(いとう じゅん、1960年6月24日- )は、日本歴史小説作家、ノンフィクション作家。神奈川県横浜市生まれ。日本推理作家協会会員。

略歴[編集]

浅野中学校・高等学校を経て早稲田大学卒業。卒業後、日本IBM(株)をはじめとした外資系企業に勤務[1]。2002年頃から執筆活動を開始。2003年(平成15年)北条氏照の生涯を描いた『戦国関東血風録』でデビューする。2006年に独立し、コンサルティング会社の経営と執筆活動を並行して行う[2]。2007年(平成19年)、武田家の滅亡を多視点の群衆小説として描いた『武田家滅亡』(角川書店)にてメジャーデビューする。

以降、主に戦国時代の東国を中心に据えた歴史小説を手掛ける。2010年より専業作家として活動を開始[3]。2010年頃より、時代、地域、分野ともに守備範囲を広げつつある。また、新書分野への進出も活発で、ビジネス新書として『天下人の失敗学』(講談社)、歴史研究新書として、在野の研究家・乃至政彦との共著『戦国関東史と御館の乱』(洋泉社)を出している。

KENZAN!』『小説宝石』『小説現代』『オール讀物』誌等に定期的に短編が掲載され、それらを集めた短編集も出版されている。

ビジネス業界に長らく所属していた作家でありながら、その作風はビジネス指南的な要素の少ない、本格的な歴史小説である。特に、緻密な歴史考証によるリアリティー溢れる作風を持ち味としており、NEO系歴史小説とは全く対照的な意味での、新時代の歴史小説の担い手として注目を集めつつある。城の防御機構についても非常に詳しく、『歴史人』2011年9月号(KKベストセラーズ)から初の連載寄稿「城を攻める⇒城を守る」を2年間24回にわたり執筆した。また『月刊ジェイ・ノベル』(実業之日本社)で2013年9月号から歴史エッセー「敗者列伝」が開始され、そのダイジェスト版が2014年4月より産経新聞紙上でも掲載される。

また、かつてはアマチュア・ウィンドサーファーでもあり、ソウル五輪国内予選への参加(8位入賞)や「湘南百年祭記念選手権」優勝など各種レース入賞の実績も持つ[4]

文学賞受賞・候補歴[編集]

  • 2010年 - 『戦国鬼譚 惨』で第32回吉川英治文学新人賞候補。
  • 2011年 - 『黒南風の海』で本屋が選ぶ時代小説大賞2011受賞。『城を噛ませた男』で第146回直木三十五賞候補。
  • 2012年 - 『黒南風の海』で第18回中山義秀文学賞候補。『国を蹴った男』で第148回直木三十五賞候補、第34回吉川英治文学新人賞受賞。
  • 2013年 - 『義烈千秋 天狗党西へ』で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞。受賞。『巨鯨の海』で第149回直木三十五賞候補、第4回山田風太郎賞受賞。
  • 2014年 - 『王になろうとした男』で第150回直木三十五賞候補。『峠越え』で第20回中山義秀文学賞受賞。
  • 2016年 - 『天下人の茶』で第155回直木三十五賞候補。

作品[編集]

小説[編集]

  • 『戦国関東血風録――北条氏照修羅往道』(2003年9月 叢文社
    • 【改題】『北条氏照――秀吉に挑んだ義将』(2009年7月 PHP文庫
  • 『悲雲山中城――戦国関東血風録外伝』(2004年5月 叢文社)
  • 『虚けの舞――織田信雄北条氏規』(2006年2月 彩流社
  • 『武田家滅亡』(2007年2月 角川書店 / 2009年12月 角川文庫
  • 『山河果てるとも』(2008年6月 角川書店)
    • 【改題】山河果てるとも――天正伊賀悲雲録(2012年12月 角川文庫)
  • 『疾き雲のごとく――早雲と戦国黎明の男たち』(2008年7月 宮帯出版社
    • 【改題】疾き雲のごとく(2012年3月 講談社文庫)
  • 『戦国奇譚 首』(2009年6月 講談社
    • 【改題】戦国無常 首獲り(2011年6月 講談社文庫)
  • 『戦国鬼譚 惨』(2010年5月 講談社 / 2012年10月 講談社文庫)-甲州征伐に関する短篇集
  • 『幻海――The Legend of Ocean』(2010年6月 光文社
  • 『戦国鎌倉悲譚 剋』(2011年2月 講談社 / 2013年7月 講談社文庫)-北条氏舜を描いている。
  • 『北天蒼星――上杉三郎景虎血戦録』(2011年4月 角川書店)
  • 『黒南風の海――加藤清正文禄・慶長の役」異聞』(2011年7月 PHP研究所
  • 『城を噛ませた男』(2011年10月 光文社)のち文庫-真田昌幸他の短篇集
  • 『義烈千秋 天狗党西へ』(2012年1月 新潮社)のち文庫 
  • 『叛鬼』(2012年5月 講談社)のち文庫-長尾景春を描く。
  • 『国を蹴った男』(2012年10月 講談社)のち文庫-今川氏真他の短篇集
  • 『巨鯨の海』(2013年4月 光文社)のち文庫 
  • 『王になろうとした男』(2013年7月 文藝春秋)のち文庫-弥助他の短篇集
  • 『黎明に起つ』(2012年5月 講談社)(2013年10月 NHK出版)のち講談社文庫-北条早雲を描いている。
  • 『峠越え』(2014年1月 講談社)-伊賀越えについて描いている。
  • 『天地雷動』(2014年4月 角川書店)-武田信玄没後長篠の戦いまでを描いている。
  • 『野望の憑依者(よりまし) 婆娑羅候』(2014年7月 徳間書店)のち文庫-高師直を描いている。
  • 『池田屋乱刃』(2014年10月 講談社)-池田屋事件に関する短篇集
  • 『死んでたまるか』(2015年2月 新潮社)-大鳥圭介を描いている。
    • 【改題】維新と戦った男 大鳥圭介(2018年2月 新潮文庫)
  • 『武士の碑』(2015年7月 PHP研究所)のち文庫-村田新八を主軸に西南戦争を描く。
  • 『天下人の茶』文藝春秋 2015 -秀吉と千利休茶道にまつわる短編集
  • 『鯨分限』光文社 2015 (太地覚吾)
  • 『敗者烈伝』実業之日本社 2016
  • 『吹けよ風呼べよ嵐』祥伝社 2016 -須田満親を主軸に川中島の戦いを描く。
  • 『横浜1963』文藝春秋 2016
  • 『江戸を造った男』(2016年9月 朝日新聞出版)-河村瑞賢を描いている。
  • 『走狗』(2016年12月 東京中央公論新社)-川路利良を描いている。
  • 『西郷の首』KADOKAWA 2017-島田一郎千田登文を描く。
  • 『城をひとつ』新潮社 2017-後北条氏と大藤家(大藤秀信)を描く。
  • 『悪左府の女』文藝春秋 2017-藤原頼長を描く。

実用書[編集]

  • 『天下人の失敗学――すべての人間は4つの性格に分類できる』(2009年10月 講談社+α新書)

研究書[編集]

  • 『戦国関東史と御館の乱――上杉景虎敗北の歴史的意味とは?』(2011年2月 洋泉社 歴史新書y) - 共著:乃至政彦
  • 『武士の王・平清盛――改革者の夢と挫折』(2011年10月 洋泉社 歴史新書y)
  • 『城を攻める城を守る』講談社現代新書、2014年
  • 『実録戦国北条記 戦史ドキュメント』エイチアンドアイ 2014
  • 『幕末雄藩列伝』角川新書  2017

共著[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日本推理作家協会 会員紹介
  2. ^ 日本推理作家協会 会員紹介
  3. ^ 日本推理作家協会 会員紹介
  4. ^ 彩流社による著者プロフィール http://www.sairyusha.co.jp/bd/ISBN 978-4-7791-1139-6.html

外部リンク[編集]