柳裕也

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柳 裕也
中日ドラゴンズ #17
Y.Yanagi.jpg
2018年7月16日、ナゴヤ球場にて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 宮崎県都城市
生年月日 (1994-04-22) 1994年4月22日(27歳)
身長
体重
180 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2016年 ドラフト1位
初出場 2017年5月23日
年俸 4100万円(2021年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

柳 裕也(やなぎ ゆうや、1994年4月22日 - )は、宮崎県都城市出身のプロ野球選手投手)。右投右打。中日ドラゴンズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

宮崎県都城市生まれで[2]都城市立大王小学校・都城市立小松原中学校出身[3]。小学3年から都城市の志比田スポーツ少年団で野球を始め、小学6年時には主戦で四番打者として[3]軟式の全国大会で優勝した[4]。なお同年(2006年)に父親を交通事故で亡くしており、当時12歳の柳が喪主を務めた[5][6]。中学時代は都城リトルシニアに所属し、3年ではシニアの日本代表に選ばれ[3]、アメリカで開かれた少年野球全米選手権大会で優勝し、最も優れた投手に贈られるサイ・ヤング賞を受賞した[2]

高校進学時には多くの野球強豪校から勧誘されたが「家族で男は自分だけだから、プロでお金を稼いで家族に楽をさせたい」と考えて横浜高校へ進学し、地元に母親・妹・祖母を残して単身で横浜へ渡った[7]。高校2年の春に第83回選抜高等学校野球大会に出場。初戦の波佐見高校戦は中継ぎで3回2安打6奪三振1失点と好投するが、打線が松田遼馬に抑えられ敗退した[8]。2年の夏は神奈川県大会5回戦で第83回選抜高等学校野球大会を制覇した渡辺勝擁する東海大相模高校を8回途中1失点の好投で破った[2]。決勝は桐光学園高校の1年生松井裕樹と投げ合い、9回途中1失点の好投、チームは10回サヨナラ勝ちで第93回全国高等学校野球選手権大会出場に貢献した。初戦となった2回戦の長坂拳弥擁する健大高崎高校戦は5回まで0に抑えるが、6回に5点を失い降板。チームはその後10回サヨナラ勝ちを収めた[9]。3回戦の智弁学園戦では青山大紀中道勝士のバッテリーと投げ合い8回まで1点に抑え、9回に先頭打者にヒットを打たれ降板。その後、後続のピッチャーが打たれ、逆転負けを喫した[10]。3年の春には第84回選抜高等学校野球大会に出場。初戦の和田恋擁する高知高校戦は9回3安打完封[11]。2回戦の岡野祐一郎園部聡擁する聖光学院高校戦では9回1失点、打っても岡野から3安打1本塁打と活躍した[12]。準々決勝の関東一高校戦は中村祐太と投げ合い、8回まで2失点と好投するも、9回に勝ち越しを許し、敗退した[13]。3年の夏は神奈川県大会準々決勝で2年連続で桐光学園の松井と投げ合い、3-4で敗れた[14]。甲子園通算6試合、42回2/3、37奪三振、防御率2.74。1学年先輩に乙坂智近藤健介、同期に田原啓吾樋口龍之介、2学年後輩に髙濱祐仁淺間大基渡邊佳明伊藤将司がいる。

明治大学に進学後、1年の春から東京六大学リーグに出場。第44回明治神宮野球大会では道都大学戦に先発し、5回を無失点に抑えた[15]。2年秋から主力投手として活躍。3勝1敗、防御率2.21の成績でリーグ優勝に貢献。第45回明治神宮野球大会ではリリーフで3試合を6回を無失点に抑え、準優勝に貢献した。3年の夏にユニバーシアード日本代表に選ばれた。大会後の秋は、リーグトップの60回、5勝を記録し[16]、初のベストナインに輝いた。キャプテンとなった4年の春は10試合に投げ、6勝1敗、87奪三振、防御率0.87と勝利数、奪三振、防御率でリーグトップを記録し、2季連続のベストナインに選ばれ、3季ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した[17]。第65回全日本大学野球選手権大会では初戦の関西国際大学でリリーフで登板するも、タイブレークの末、敗れた[18]。大会後、日米大学野球選手権大会の代表に選出。2試合目に先発し、7回を8者連続三振を含む12奪三振無失点の好投を見せ[19]、5試合目にも先発し、5回途中7奪三振無失点の好投で、大会連覇に貢献し、柳はMVP、最優秀投手に輝いた[20]。大会後は第28回ハーレムベースボールウィーク代表に合流した。4年秋になると、リーグ史上15人目となる300奪三振を記録[21]早稲田大学戦では12回20奪三振を記録した[22]。5勝0敗、防御率1.64で3季連続のベストナイン、リーグ連覇に貢献した。第47回明治神宮野球大会では初戦の関西大学戦は5回を無失点、準決勝の上武大戦も7回を無失点に抑え、本塁打も1本打ち、投打で勝利に貢献した。決勝の桜美林大学戦は佐々木千隼と投げ合い、柳は2点を先制され、4回で降板するが、打線が逆転し、星知弥が残るイニングを0に抑え、全国制覇を成し遂げた[23]。リーグ通算23勝8敗、288回1/3、338奪三振、防御率1.84。2学年先輩に山﨑福也糸原健斗福田周平、1学年先輩に上原健太坂本誠志郎髙山俊菅野剛士、同期に星知弥佐野恵太中道勝士吉田大成、1学年後輩に齊藤大将がいる。

2016年のプロ野球ドラフト会議で、中日ドラゴンズ横浜DeNAベイスターズから1巡目で指名。抽選の結果、中日ドラゴンズが交渉権を獲得した。契約金1億円、年俸1500万円という条件で入団した[24]。背番号は17

中日時代[編集]

プロ1年目の2017年は即戦力として期待され[25]、6月18日の埼玉西武ライオンズ戦(ナゴヤドーム)で7回3失点と好投しプロ初勝利を挙げたが[注 1][5][6]、同年は7回の先発機会を与えられながらその1勝のみに終わった[25]

2018年4月10日の対東京ヤクルトスワローズ戦(ナゴヤドーム)では2被安打6奪三振とほぼ完璧な投球を披露し、自身初の完投勝利を完封で飾った[注 2][25]。しかし6月には不振で二軍へ降格し、最終的には10試合登板・2勝5敗・防御率5.23と不本意な成績で終わった[28]

2019年は開幕一軍入りをした。同年のセ・パ交流戦では3勝を挙げ、防御率は1.17と12球団トップで日本生命賞を受賞した[29]。またオールスターゲームには監督推薦で初めて選出され[30]、同年8月には入籍した[31]。前半戦は9勝を記録したが、後半戦はわずか2勝に留まった。それでも1年間先発ローテーションを守り、自身初の2桁勝利かつチーム最多[注 3]の11勝(7敗)を記録し、規定投球回数にも初めて到達した[33]。同年オフ(11月29日)には年俸4500万円(前年比3050万円増)で契約更改した[31]

2020年は開幕ローテーション入りを果たしたものの、右腹直筋の筋挫傷や復帰後の不調が影響し[34]、2年連続の規定投球回到達を逃した。一方で、チーム内では3位となる6勝を挙げた。

選手としての特徴[編集]

2019年の投球データ[注 4]
球種 配分
%
平均球速
km/h
フォーシーム 47.6 141.6
カットボール 28.2 133.2
カーブ 11.2 112.2
チェンジアップ 6.8 124.9
スライダー 6.1 123.7

真上から振り下ろすオーバースロー[36]から直球カットボールカーブを軸に投球を組み立てる[5][37]。大学時代には平均球速140km/h台前半[38]、最速150km/hを記録し[39]、良質なタテ回転のスピンがかかっており、伸びがある。カーブは110km程度の速度で、一旦浮き上がってから縦に大きく落ち、大学時代はあらかじめサインを出して分かっていないと捕手が捕れないほどであった[37]。プロ入りして2年目までは140km/h前後(平均136.5km/h[40])だった直球の球速は、3年目の2019年では140km/h台中盤(平均141.6km/h[40])まで上がっている[41]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2017 中日 11 7 0 0 0 1 4 0 0 .200 202 50.1 42 5 12 0 0 45 2 0 25 25 4.47 1.07
2018 10 10 1 1 0 2 5 0 0 .286 237 53.1 59 2 18 0 2 42 0 0 34 31 5.23 1.44
2019 26 26 1 0 0 11 7 0 0 .611 703 170.2 165 21 38 2 3 146 3 0 69 67 3.53 1.19
2020 15 15 0 0 0 6 7 0 0 .462 365 85.0 87 10 29 3 6 88 3 0 38 34 3.60 1.36
NPB:4年 62 58 2 1 0 20 23 0 0 .465 1507 359.1 353 38 97 5 11 321 8 0 166 157 3.93 1.25
  • 2020年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2017 中日 11 4 7 0 1 1.000
2018 10 4 15 0 1 1.000
2019 26 10 27 1 1 .974
2020 15 1 11 0 1 1.000
通算 62 19 60 1 4 .988
  • 2020年度シーズン終了時

表彰[編集]

記録[編集]

初記録
投手記録
打撃記録
その他の記録

背番号[編集]

  • 17(2017年 - )

登場曲[編集]

代表歴[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ この日は父の日であり、ヒーローインタビューで「ウイニングボールを(父の)仏壇に置く」と語った[5][6]
  2. ^ なおこの完封は同年のNPB公式戦初で[26]、中日の投手が「セ・パ両リーグ完封一番乗り」を達成したのは1993年郭源治以来25年ぶりだった[27]
  3. ^ 同年の中日では唯一の2桁勝利投手である[32]
  4. ^ 26先発・170.2回。1point02.jpによる[35]

出典[編集]

  1. ^ 中日 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2020年12月12日閲覧。
  2. ^ a b c 横浜・柳が好投&決勝打/神奈川大会”. スポニチアネックス (2011年7月24日). 2021年6月23日閲覧。
  3. ^ a b c 読売新聞』2016年10月21日西部朝刊宮崎県版29頁「1位指名『柳先輩は誇り』 ドラフト会議 都城のチーム喜ぶ=宮崎」(読売新聞西部本社・宮崎支局)
  4. ^ 野球人生変えた「怪物」への憧れ 中日ドラ1右腕が横浜高を選んだ理由”. Full-Count (2017年1月16日). 2021年6月23日閲覧。
  5. ^ a b c d 徳原麗奈「小6で喪主 中日ドラ1柳 父の日に天国へ届け…初勝利「伝えたいです」」『Sponichi Annex』スポーツニッポン新聞社、2017年6月18日。2020年3月2日閲覧。オリジナルの2020-03-02時点におけるアーカイブ。
  6. ^ a b c 小学6年生のときに父を亡くした野球少年。“父の日”にプロ初勝利を挙げた”. BuzzFeed (2017年6月18日). 2021年5月27日閲覧。
  7. ^ 『読売新聞』2012年7月7日東京朝刊横浜版28頁「[輝け・かながわの夏](5)『1』背負う誇り胸に 横浜 柳裕也投手(3年) (連載)=神奈川」(読売新聞東京本社・横浜支局)
  8. ^ 横浜-波佐見
  9. ^ 健大高崎-横浜
  10. ^ 智弁学園-横浜
  11. ^ 高知-横浜
  12. ^ 横浜-聖光学院
  13. ^ 関東一-横浜
  14. ^ 横浜「4季連続」逃す 桐光学園が昨夏の雪辱」『東京新聞 TOKYO Web』。2018年7月31日閲覧。
  15. ^ 明大・柳が5回無失点の好投/神宮大会”. 日刊スポーツ (2013年11月17日). 2021年9月28日閲覧。
  16. ^ 2015秋季リーグ戦”. 東京六大学野球連盟. 2021年9月28日閲覧。
  17. ^ 明大・柳が4冠!V導いた鉄腕「防御率は目標にしていた」”. スポニチアネックス (2016年5月31日). 2021年9月28日閲覧。
  18. ^ 明大、タイブレークで競り負け初戦敗退”. デイリースポーツ (2016年6月8日). 2021年9月28日閲覧。
  19. ^ 【侍ジャパン大学】G今秋ドラ1候補の明大・柳、上原超えの8連続K!”. スポーツ報知 (2016年7月14日). 2016年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月28日閲覧。
  20. ^ 【侍ジャパン大学】連覇!柳がMVP&最優秀投手”. スポーツ報知 (2016年7月18日). 2016年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月28日閲覧。
  21. ^ 明大・柳 広島・野村先輩以来の300K 4球団スカウト視察”. スポニチアネックス (2016年10月2日). 2021年9月28日閲覧。
  22. ^ 明大・柳 20K12回完投!西武・渡辺SD「すぐに投げられる1番手」”. スポニチアネックス (2016年10月16日). 2021年9月28日閲覧。
  23. ^ 明大の柳と星、万感の涙=初の日本一で有終-明治神宮野球”. 時事通信 (2016年11月16日). 2021年9月28日閲覧。
  24. ^ 【中日】ドラ1柳「一日、一日全力を」契約金1億円+出来高5000万円、年俸1500万円で仮契約”. スポーツ報知 (2016年10月16日). 2016年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月28日閲覧。
  25. ^ a b c 中日柳「最高でーす!」プロ初完封にお立ち台で絶叫」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2018年4月10日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  26. ^ 中日・柳、プロ初完投初完封! 今季12球団一番乗りの完封で今季初勝利」『サンケイスポーツ産業経済新聞社、2018年4月10日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  27. ^ 徳原麗奈「中日・柳 12球団完封一番乗り 横浜高の先輩・松坂と過ごす時間が財産に」『Sponichi Annex』スポーツニッポン新聞社、2018年4月11日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  28. ^ 中日・柳、現状維持の1450万円で更改「期待されている中で思うような活躍できなかった」」『Sponichi Annex』スポーツニッポン新聞社、2018年11月18日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  29. ^ 中日・柳 交流戦「日本生命賞」に笑顔 賞金100万円は「家族をご飯に」」『Sponichi Annex』スポーツニッポン新聞社、2019年6月26日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  30. ^ 中日、同期入団柳&京田が「運命」?の球宴初選出」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2019年7月1日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  31. ^ a b 中日柳「3倍」4500万円で更改 新フォーム自信」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2019年11月29日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  32. ^ ドラゴンズ温故知新!01「先発投手」編~大野・柳の両輪で投手王国復活へ」『ドラの巻』CBCテレビ、2019年12月24日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  33. ^ 柳ニンマリ 約3倍の4500万円サイン「3年、5年と続けてこそ価値」ローテ主軸の自覚」『中日スポーツ中日新聞社、2019年11月29日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  34. ^ “登録抹消の中日・柳は右腹直筋の筋挫傷と診断 8日の練習前に腹筋あたりの張りを訴える”. 中日スポーツ. (2020年7月9日). https://www.chunichi.co.jp/article/86314 2021年3月1日閲覧。 
  35. ^ 1.02 - Essence of Baseball, DELTA Inc.”. 1point02.jp. 2020年5月26日閲覧。
  36. ^ 解説者5人の「広島・森下暢仁論」。マエケンなみの高度な投球術”. web Sportiva (2020年6月28日). 2021年5月27日閲覧。
  37. ^ a b 清水岳志 (2016年10月14日). “明大・柳裕也がドラ1候補に挙がる理由 完成度の高さと学生随一の人間力”. スポーツナビ. https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201610140001-spnavi 2018年4月10日閲覧。 
  38. ^ 【12球団見どころ・中日編】新戦力のゲレーロ&柳は“竜の救世主”になれるか”. AERA dot. (2017年2月19日). 2021年9月28日閲覧。
  39. ^ 【明治神宮大会】中日・ドラ1柳&ヤクルト・ドラ2星の豪華リレーで明大初戦突破”. スポーツ報知 (2016年11月13日). 2017年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月28日閲覧。
  40. ^ a b 柳裕也の「今季の進化」と「来季に向けた課題」を考える”. 中日新聞Web (2019年12月7日). 2021年6月23日閲覧。
  41. ^ 中日・柳裕也 開花の3年目/前半戦のMVP”. 週刊ベースボールONLINE (2019年7月16日). 2021年6月23日閲覧。
  42. ^ 中日 ドラ1柳がプロ初勝利 チームは交流戦5割で終了」『スポニチ Sponichi Annex』スポーツニッポン新聞社、2017年6月18日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。
  43. ^ 中日・柳、プロ初完投初完封で今季初勝利 好調ヤクルト打線をわずか2安打」『Sponichi Annex』スポーツニッポン新聞社、2018年4月10日。2020年3月3日閲覧。オリジナルの2020-03-03時点におけるアーカイブ。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]