田島慎二
中日ドラゴンズ #12 | |
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![]() 2012年8月28日、こまちスタジアムにて | |
基本情報 | |
国籍 |
![]() |
出身地 | 愛知県名古屋市天白区 |
生年月日 | 1989年12月21日(31歳) |
身長 体重 |
181 cm 84 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2011年 ドラフト3位 |
初出場 | 2012年3月31日 |
年俸 | 1,500万円(2021年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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田島 慎二(たじま しんじ、1989年12月21日 - )は、愛知県名古屋市天白区出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。中日ドラゴンズ所属。
経歴
プロ入り前
小学4年生時に少年野球チームドジャースに入団、捕手として野球を始める[2][3]。中学時は軟式の瑞穂ブルーウイングスに所属し、ここでも捕手だった[3]。
中部大学第一高等学校に進学後も捕手だったが、2年時の秋に先輩の朱大衛らが抜けたことから[3]投手に転向[2]。3年時の夏は、準々決勝まで5試合を計6失点、準決勝で伊藤隼太、堂林翔太を擁する中京大中京に8-1で敗れ、甲子園出場経験は無し[3]。
愛知大学野球連盟に加盟する東海学園大学に進学し、1年時の春からリーグ戦に登板。2年時からエースとなり、春には1季のみではあるが1部リーグを経験。リーグ4位となる防御率2.21を記録するも、2部降格となった。4年時の春は、開幕戦の愛知産業大学戦で2安打完封勝利を挙げ10奪三振、その後右肩痛を発症し戦線離脱、秋にリリーフとして復帰する[4]。
2011年10月27日、プロ野球ドラフト会議で中日から3位指名を受け入団[3]。背番号は45。東海学園大学出身のプロ野球選手は田島が初となった[5]。
中日時代
2012年4月14日の対阪神戦に2番手で登板しプロ初勝利[6]。オールスターで榎田大樹の出場辞退による補充選手として、初めて選出された。この年は防御率1.15、30ホールド、クライマックスシリーズでも浅尾、山井大介とともにリリーフ登板。11月22日、同学年の女性と結婚した[7]。2013年のシーズン終了後に背番号を12に変更。
2014年、7月5日の対巨人戦(東京ドーム)でNPBタイ記録の1イニング3連続死球[8]。2015年は64試合に登板し、9セーブ15ホールドで、11月30日の選手納会で翌年より選手会会計を務めることが発表された[9]。
2016年には3月29日の開幕戦に登板して無失点、5月21日には開幕27試合連続登板無失点のプロ野球新記録を達成[10]。この記録は6月7日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で失点するまで、31試合に伸ばした[11]。途中から福谷浩司の不調に伴い、抑えに転向。同年のオールスターでは自身初となるファン投票による選出で、2度目の出場[12]。2017年は開幕からクローザーとして34セーブ。
2018年2月、同年3月に侍JAPANが野球オーストラリア代表と対戦する「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」で代表に初選出され[13]、3日のナゴヤドームでの試合で救援登板した[14]。シーズンでは、6月に鈴木博志がクローザーとなり、7月に2014年9月以来の二軍落ち[15]、9月に一軍復帰後、再び登録抹消となった[16]。30試合に登板し0勝4敗15セーブ1ホールド、防御率は7.22だった。
2019年はプロ入り後最少となる21登板に終わった。
2020年2月のキャンプ中に右肘の違和感を訴え、右円回内筋損傷の診断を受けた。4月11日、右肘のトミー・ジョン手術を受けることを発表し、このシーズンはリハビリに徹底することとなった[17]。このため、この年はプロ入り後初となるシーズン未登板となった。
選手としての特徴・人物
強い地肩を活かしたスリークォーターから平均球速約146km/h[18]、最速153km/hの球質の重いストレートを投げ分ける[4]。変化球はスラーブやSFF(高速フォーク)、シュートを投げる[2][3]。2013年度からは、四死球でリズムを崩す場面が増えていたが、2015年から投球フォームをサイドスロー気味にしてからは制球が安定し、四死球も減少傾向にある。
入団1年目の2012年から2014年までの3年間、東京ドームでの防御率は0.00であったが、2015年は防御率10.13、2016年は11.57、2017年は23.14を記録し、鬼門とされており[19]、「東京ドーム病」と称するメディアも存在する[20]。2017年は巨人戦の地方を含むビジター戦で一度もセーブを挙げられなかった。2016年9月22日には1点リードの9回裏にギャレット・ジョーンズの逆転サヨナラ2点本塁打、同9月27日には同点の9回裏に村田修一のサヨナラ満塁本塁打を浴び、翌2017年4月1日の開幕2戦目には1点リードの9回裏に阿部慎之助の逆転サヨナラ3点本塁打、6月25日には1点リードの9回裏に陽岱鋼の適時打で同点に追いつかれた直後に石川慎吾の代打サヨナラ適時打を浴び、同8月4日には1点リードの9回裏に橋本到の同点ソロ本塁打を被弾している。さらに9月5日の巨人戦(松本市野球場)では、3点リードの9回裏に登板したものの、2死から走者を出し長野久義の適時打で2点差に詰め寄られると、なおも走者一塁で途中出場の宇佐見真吾に勝利まであと1球と追い込んでから低めのスプリットを拾われ同点本塁打を被弾した。そして2019年6月1日には4点リードの6回裏無死満塁から登板した結果、クリスチャン・ビヤヌエバに初球をバックスクリーンに運ばれ同点満塁本塁打を浴びた後、阿部慎之助のプロ通算400号本塁打を献上し4点差からの逆転を許した。
イチロー杯争奪学童軟式野球大会への出場経験があり、優勝してMVPを獲得している[21]。2012年のオフには、同大会出身のプロ野球選手として閉会式に招待され、イチローとの「再会」を果たした。
大相撲の稀勢の里寛と親交があり、2017年初場所(1月場所)に稀勢の里が優勝を決めた際にはもらい泣きをする程感激したという。また、その取組が終了した後にお祝いメールを送ったところ、1分後に返信をもらったとのこと[22]。
詳細情報
年度別投手成績
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
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2012 | 中日 | 56 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 3 | 0 | 30 | .625 | 274 | 70.2 | 50 | 1 | 17 | 0 | 3 | 56 | 2 | 0 | 10 | 9 | 1.15 | 0.95 |
2013 | 50 | 2 | 0 | 0 | 0 | 5 | 10 | 0 | 12 | .333 | 286 | 64.1 | 66 | 3 | 32 | 3 | 4 | 60 | 3 | 1 | 37 | 34 | 4.76 | 1.52 | |
2014 | 42 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 0 | 9 | .375 | 232 | 51.0 | 47 | 5 | 29 | 2 | 4 | 55 | 3 | 0 | 35 | 29 | 5.12 | 1.49 | |
2015 | 64 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 9 | 16 | .400 | 316 | 75.0 | 68 | 4 | 25 | 2 | 6 | 62 | 5 | 0 | 25 | 19 | 2.28 | 1.24 | |
2016 | 59 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 17 | 18 | .429 | 248 | 59.0 | 50 | 5 | 25 | 1 | 3 | 61 | 5 | 0 | 16 | 16 | 2.44 | 1.27 | |
2017 | 63 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 34 | 6 | .286 | 249 | 62.2 | 40 | 6 | 25 | 1 | 3 | 46 | 5 | 0 | 20 | 20 | 2.87 | 1.04 | |
2018 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 15 | 1 | .000 | 134 | 28.2 | 30 | 4 | 18 | 3 | 2 | 13 | 3 | 0 | 23 | 23 | 7.22 | 1.67 | |
2019 | 21 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | .000 | 91 | 21.0 | 18 | 5 | 8 | 0 | 2 | 22 | 4 | 0 | 16 | 16 | 6.86 | 1.24 | |
通算:8年 | 385 | 2 | 0 | 0 | 0 | 22 | 38 | 75 | 97 | .367 | 1830 | 432.1 | 369 | 33 | 179 | 12 | 27 | 375 | 30 | 1 | 182 | 166 | 3.46 | 1.27 |
- 2020年度シーズン終了時
年度別守備成績
年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2012 | 中日 | 56 | 4 | 20 | 0 | 3 | 1.000 |
2013 | 50 | 1 | 16 | 1 | 2 | .944 | |
2014 | 42 | 1 | 11 | 0 | 1 | 1.000 | |
2015 | 64 | 4 | 28 | 3 | 3 | .914 | |
2016 | 59 | 3 | 18 | 0 | 0 | 1.000 | |
2017 | 63 | 3 | 15 | 0 | 2 | 1.000 | |
2018 | 30 | 1 | 9 | 0 | 1 | 1.000 | |
2019 | 21 | 2 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 385 | 19 | 119 | 4 | 12 | .972 |
- 2020年度シーズン終了時
表彰
記録
- 初記録
- 初登板:2012年3月31日、対広島東洋カープ2回戦(ナゴヤドーム)、8回表に3番手で救援登板、1回無失点
- 初奪三振:同上、8回表にニック・スタビノアから空振り三振
- 初勝利:2012年4月14日、対阪神タイガース2回戦(阪神甲子園球場)、3回裏に2番手で救援登板、4回0/3を1失点(自責点0)
- 初ホールド:2012年4月21日、対広島東洋カープ5回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、6回裏に2番手で救援登板、3回無失点
- 初先発:2013年7月2日、対広島東洋カープ10回戦(豊橋市民球場)、6回3失点7奪三振で勝敗つかず
- 初セーブ:2015年7月11日、対広島東洋カープ12回戦(ナゴヤドーム)、9回表に3番手で救援登板、完了、1回無失点
- その他記録
- 1球勝利投手:2013年8月31日、対読売ジャイアンツ20回戦 (東京ドーム)、6回裏に矢野謙次を左飛 ※史上34人目
- イニング最多与死球:2014年7月4日、対読売ジャイアンツ10回戦(東京ドーム)、7回裏に村田修一、レスリー・アンダーソン、長野久義に3連続与死球 ※日本記録
- 1イニング3者連続与死球:同上 ※日本記録(望月卓也(ロッテ・オリオンズ)が1972年に日本ハムファイターズ戦で記録して以来2人目)[8]
- 開幕からの登板機会連続無失点:2016年3月29日 - 6月6日、31試合 ※日本記録
- オールスターゲーム出場:2回 (2012年、2016年)
背番号
- 45 (2012年 - 2013年)
- 12 (2014年 - )
登板時登場曲
- 「LATIF」Above&Beyond(2013年)
- 「ナイテタッテ」ナオト・インティライミ(2014年)
- 「Dream」平井大(2015年)
- 「友よ 〜 この先もずっと…」ケツメイシ(2016年・2018年 - )
- 「やってみよう」WANIMA(2017年)
脚注
- ^ 中日 - 契約更改 - プロ野球. 日刊スポーツ. 2020年12月12日閲覧。
- ^ a b c “信頼されるプロに 中日3位指名 田島慎二投手(東海学園大)”. 中日新聞 (2011年11月4日). 2011年11月6日閲覧。
- ^ a b c d e f 新たな野球人生 田島慎二『週刊ベースボール』2011年12月19日号、ベースボール・マガジン社、2011年、雑誌20442-12/19, 112-113頁。
- ^ a b “【中日3位】田島慎二 最速149キロの“隠し球”的右腕 将来は守護神に!”. スポニチ Sponichi Annex (2011年10月27日). 2011年11月6日閲覧。
- ^ “【中日】ドラ3田島150キロ!2回無失点”. 日刊スポーツ. (2012年3月22日) 2020年9月18日閲覧。
- ^ 田島プロ初勝利にも平然「うれしいですけど、たまたま」 スポニチAnnex 2012年4月15日付記事より。
- ^ 中日スポーツ 2012年11月27日付
- ^ a b “中日・田島が1イニング3死球で球場騒然…プロ野球タイ記録”. サンケイスポーツ. (2014年7月4日) 2014年7月5日閲覧。。1イニング3死球は2010年のジャンカルロ・アルバラード(広島)以来6人目の記録で、3連続死球に限定すると、1979年の望月卓也(ロッテ)以来の記録である。なお、後続は断ち無失点
- ^ 中日大野が新選手会長「明るく、強いチームを作る」 - 日刊スポーツ2015年11月30日19時29分掲載
- ^ 中日 田島、プロ野球記録の開幕27試合連続無失点「緊張しました」 サンケイスポーツ 2016年5月21日
- ^ 中日田島、開幕からの連続試合無失点31でストップ 日刊スポーツ 2016年6月8日掲載
- ^ 田島投手がファン投票で選出‐中日ドラゴンズ公式サイト 2016年6月27日配信
- ^ “中日田島、侍ジャパン初選出「夢見ていたところ」”. 日刊スポーツ新聞社 (2018年2月20日). 2018年10月14日閲覧。
- ^ “ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本 対 オーストラリア”. 2018年10月14日閲覧。
- ^ “【中日】田島、4試合連続失点で4年ぶり2軍落ち…迷える守護神「情けない」” (2018年7月17日). 2018年10月14日閲覧。
- ^ “9日の公示 中日が田島慎二を抹消し、鈴木翔太を登録 広島は高橋樹也を登録” (2018年9月9日). 2018年10月14日閲覧。
- ^ “中日・田島がトミー・ジョン手術へ 来季の復帰目指す”. sanspo.com. (2020年4月11日) 2020年4月12日閲覧。
- ^ 数字で探す 漢の中の漢、真の剛腕は誰だ『週刊ベースボール』2012年29号、ベースボール・マガジン社、雑誌20441-7/2、30頁。
- ^ “中日ドラゴンズ 田島慎二投手にいろいろ聞いてみました”. CBCラジオ (2017年12月30日). 2018年3月27日閲覧。
- ^ “中日田島が同点ソロ被弾、深刻な「東京ドーム病」”. 日刊スポーツ (2017年8月4日). 2018年3月27日閲覧。
- ^ 日刊スポーツ 2011年12月24日付
- ^ 燃える田島 稀勢の里から直接エール中日スポーツ 2017年1月27日付
- ^ “2012ヤナセ・プロ野球MVP賞 表彰結果のご案内 (PDF)”. ヤナセ (2015年12月27日). 2018年2月28日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 田島慎二 - NPB.jp 日本野球機構
- 田島慎二 (@TajimaShinji) - Twitter
- 田島慎二 (taji.12) - Instagram
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