松井裕樹

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松井 裕樹
東北楽天ゴールデンイーグルス #1
松井裕樹20140715.JPG
2014年7月15日、京セラドーム大阪にて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 神奈川県横浜市青葉区
生年月日 (1995-10-30) 1995年10月30日(21歳)
身長
体重
174 cm
74 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2013年 ドラフト1巡目
初出場 2014年4月2日
年俸 9,000万円(2017年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム 日本の旗 日本代表
プレミア12 2015年

松井 裕樹(まつい ゆうき、1995年10月30日 - )は、神奈川県横浜市青葉区出身のプロ野球選手投手)。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。

経歴[ソースを編集]

プロ入り前[ソースを編集]

名前の裕樹は、「松」の「樹」に豊か(「裕」)に葉っぱがつくようにという由来による[2]。小学校2年生から野球を始め「元石川サンダーボルト」に所属、6年生の時にファンであった横浜ベイスターズジュニアで12球団ジュニアトーナメントに出場した[2]。中学時代は「青葉緑東シニア」に所属し、3年時に全国大会で優勝を果たした[2][3]

山内中学校より桐光学園高校へ進学し、1年秋からエースを務める。1年の冬には走り込みと投げ込みで下半身強化に取り組んだ[3]。2年夏の神奈川大会準々決勝では前年まで3季連続優勝の横浜高校から11奪三振を奪い[4]、決勝戦では桐蔭学園から15三振を奪い、チームは5年ぶりに甲子園出場を決めた[5]

第94回全国高等学校野球選手権大会1回戦の対今治西高校戦では大会史上最多の10連続奪三振1試合22奪三振を記録[6][7][8]。ウイニングボールは、記録翌日の8月10日から甲子園歴史館に展示されることとなった[9]。2回戦の常総学院戦でも19奪三振をあげて2試合で41奪三振、これまで板東英二が持っていた2試合計での最多奪三振記録を更新した[2]。2試合連続の毎回奪三振は、2000年の選手権大会坂元弥太郎が記録して以来、史上5度目のことであった[10]。3回戦の対浦添商業高校戦では相手は打席で投手よりに立ち、ソフトボールのようなノーステップ打法を取り入れてきたことから[11]3回二死まで三振がなく1回戦から続いた毎回奪三振は途切れたが[12]、8回から6連続三振に取るなどで最終的に12奪三振を記録[13]。前日にスーパー銭湯での温冷交代浴や、酸素カプセルの使用、マッサージなどを行い臨んだ[14]準々決勝の対光星学院戦でも15奪三振を奪ったが、両チーム無失点で迎えた8回に田村龍弘北條史也に連打され3失点し敗退する[15]。大会通算成績は36イニングを投げ防御率2.25、奪三振率17.00。1大会通算68奪三振は夏の甲子園では歴代3位の記録であり[16]、左腕投手としては2005年辻内崇伸が記録した65奪三振を更新し1大会での史上最多記録となった[17]

秋の神奈川大会では準々決勝の対平塚学園戦で9回を2安打2失点12奪三振を記録するも敗退し[18]、翌年の選抜大会出場は逃す。プロ野球の複数球団から翌年のドラフト1巡目指名候補に挙げられたが、2年時1月に行われた公開練習の記者会見で進路については未定と答えた[19]。2年冬は走り込みやウエイトトレーニングを増やし[20]下半身の強化に取り組む[21]。3年春にはスライダーを使用しない投球[22]チェンジアップの精度向上にも取り組み[23]、7月には浦和学院との練習試合で9回を1安打無失点、18奪三振、無四球の快投を見せる[23]

3年夏の神奈川大会では、準々決勝の対横浜高校戦で淺間大基高濱祐仁から本塁打を浴び、8回を8安打3失点、10奪三振、自己最速の149km/hを記録する投球を見せるも敗退[24][25]。横浜のコーチの小倉清一郎によると、横浜はスライダーの見極め対策や球威対策に取り組み、さらに配球の偏りや投球フォームの崩れ、クイックモーションでの投球を分析して試合に臨んでいたという[26]。8月には第26回AAA世界野球選手権大会日本代表に選出され[27][28]、予選1次ラウンドの台湾[29]、予選2次ラウンドの韓国[30]、決勝のアメリカ戦で先発[31]。9月27日にプロ志望届を提出することを表明[32][33]

楽天時代[ソースを編集]

2013年10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議で、東北楽天ゴールデンイーグルス中日ドラゴンズ福岡ソフトバンクホークス横浜DeNAベイスターズ北海道日本ハムファイターズから1巡目で指名された。抽選によって楽天が交渉権を獲得する[34]と、1億円に出来高分5,000万円を加えた契約金と、年俸1,500万円(金額は推定)という最高の条件で契約した。なお、「自分の野球の原点は高校野球にある。そこで長くつけさせてもらった背番号でスタートしたいと思ったからです」という本人の希望を受けて、背番号は「1」に決まった[35][36]

2014年は同期入団の新人9選手からただ1人、春季キャンプを一軍でスタート。楽天の新人選手では、2007年田中将大以来2人目であった[37][38]。春季キャンプ後のオープン戦に先発要員として帯同すると、13イニング連続無失点や、ストレートで最速150km/hを記録するなど好投を継続[39]。一軍監督の星野仙一は、2007年の田中と同様に、一軍公式戦の開幕直後から松井を先発陣の一角に組み込むことを明言した[40]一軍公式戦開幕直後の4月2日に、プロ入り後初の出場選手登録を経て、楽天Koboスタジアム宮城の対オリックスバファローズ戦に先発投手として一軍デビュー。6回3失点という内容で敗戦投手になる[41]と、4月16日の対福岡ソフトバンクホークス戦(福岡ヤフオクドーム)まで3連敗を記録した。NPBの一軍公式戦において、高卒の新人投手が初登板から3連敗を喫した事例は、2リーグ分立(1950年)以降では初めてであった[42]4月23日の対埼玉西武ライオンズ戦(コボスタ宮城)で5回表の途中に降板した[43]ことを機に、出場選手登録を抹消[44]。抹消後には、二軍で投球フォームを改善するとともに、イースタン・リーグの対西武戦(5月31日)で公式戦初勝利を挙げた[45]6月6日に一軍へ復帰[46]してからは、一時救援要員に転向[47]。星野の病気療養などで大久保博元が一軍監督代行に就任した7月2日の対オリックス戦(京セラドーム大阪)で、救援投手として一軍初勝利を記録した[48]。その一方で、7月17日フレッシュオールスターゲーム長崎ビッグNスタジアム)では、イースタン・リーグ選抜の先発投手として登板。1イニング限定ながら、2被安打1与四球という内容で1失点に終わった[49]8月13日の対ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では、一軍公式戦9試合目の先発登板で、シーズン2勝目を記録。先発投手としての一軍初勝利でもあった[50]。また、一軍初登板のオリックス戦初回から8月26日の対西武戦(コボスタ宮城)2回表2死まで、延べ70回2/3イニングにわたって被本塁打0を継続。ドラフト制度の導入(1965年)後に堀内恒夫1966年)が保持していた「NPB球団の高卒新人投手による一軍公式戦の連続イニング無被本塁打」という記録を48年振りに更新した(後に記録を71回1/3まで継続)[51]。一軍公式戦通算では、4勝8敗と負け越す一方で、この年のNPBの新人投手では最も多い(パシフィック・リーグ5位タイの)126奪三振を記録した。

2015年は公式戦の開幕前に、「GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン 対 欧州代表」の日本代表へ選出[52]。選出時点での年齢は19歳で、日本代表のトップチームに選出された選手としては歴代最年少であった。3月11日の第2戦(東京ドーム)では、4番手投手としてトップチームでの対外試合デビューを果たしている[53]。この年に楽天の一軍監督へ昇格した大久保は、広島東洋カープからキャム・ミコライオクローザー候補としてチームへ加わったことを背景に、奪三振率の高い松井をミコライオにつなぐセットアッパーへ転向させることを構想。松井自身も、春季キャンプの途中から、セットアッパー向けの調整を続けていた。しかし、松井が日本代表に合流していた期間中(オープン戦の終盤)に、ミコライオが椎間板ヘルニアを発症。その後の診断で全治に3ヶ月を要することが判明したため、大久保は、松井を急遽クローザーへ昇格させることで開幕に備えた[54]。レギュラーシーズンでは、公式戦の開幕を初めて一軍で迎えると、シーズン初登板から13登板試合(通算16イニング)にわたって無失点を続けた。この間にクローザーとして7セーブを記録する[55]と、救援の失敗を経験しないまま、5月25日の対西武戦(西武プリンスドーム)で10セーブ目を挙げた。NPB一軍公式戦でのシーズン10セーブは、高卒2年目の左腕投手では初めての事例。登板17試合目での達成は、右腕投手を含めてもNPB史上最速であった[56]。31試合目の登板であった7月5日の対北海道日本ハムファイターズ戦(コボスタ宮城)でシーズン初黒星を喫した[57]ものの、オールスターゲームのファン投票では、パ・リーグの抑え投手部門で1位を獲得[58]7月17日の第1戦(東京ドーム)では、打者2人との対戦ながら、同リーグ選抜の7番手投手として初登板を果たした[59]8月4日の対西武戦でシーズン23セーブ(一軍公式戦シーズン最多セーブの球団記録)[60]9月9日の対千葉ロッテマリーンズ戦(いずれもコボスタ宮城)で28セーブ(高卒2年目までの投手によるNPBシーズン最多記録)を相次いで達成[61]。ミコライオが前述のヘルニアで事実上シーズンを棒に振ったこともあって、シーズンを通じて一軍のクローザーへ定着するとともに、3勝2敗33セーブ12ホールド、防御率0.87という好成績を残した。レギュラーシーズン終了後の11月に開かれた第1回WBSCプレミア12には、日本代表のクローザーとして起用された[62]。チームメイトの内川聖一(ソフトバンク)が所属チームと同じ背番号「1」を着用した関係で、プロ入り後初めて背番号「10」を付けている[63]

2016年は大久保に代わって一軍監督へ就任した梨田昌孝の構想に沿って、ミコライオや青山浩二をセットアッパーへ据えることを前提に、2年連続でクローザーに起用。レギュラーシーズンの開幕前には、梨田から「40セーブ、救援失敗なし、防御率0.75以下」[64]という目標を課せられた。レギュラーシーズンの前半戦では、1点リードの展開で登板した5月5日の対ロッテ戦(コボスタ宮城)9回表に6点を失って逆転負けを喫する[65]など、救援の失敗が相次いだ。しかし、11試合に登板した8月には、9セーブ2ホールド、防御率0.69をマーク。その結果、パ・リーグ投手部門の月間MVPを初めて受賞した。なお、受賞時点の年齢は21歳で、パ・リーグの投手部門における史上最年少記録でもあった[66]。シーズン全体では、前述の目標の到達に至らなかったものの、球団史上初の一軍公式戦2年連続30セーブを達成している[67]

選手としての特徴[ソースを編集]

最速150km/h[68]ストレートと2種類のスライダー[8]チェンジアップ[8]カーブ[8]を持ち球とし、「消える」とも称される曲がりの大きな縦スライダーで高校時代は空振りを量産した[8]。2015年シーズン途中からカットボールも投げ始めた[69]

スライダーは高校1年時に「カウントを取る速い変化球がほしい」と独学で握りを研究し習得し[8]、手首に当たるとボールの縫い目の痕がつくほどのキレを誇る[8]工藤公康は松井の奪三振数が多い理由として、「右肩が開き始めてからも左腕がなかなか出て来ず、ボールの出所が見づらい」、「軌道が直球とスライダーの軌道が同じなので見分けが難しく、直球だと思ってバットを振ってしまう」、「ボールの回転数が多いため、打者の手元で急に曲がるように見える」の三点を挙げている[70]楽天捕手である嶋基宏は、松井の投球を田中将大と比較したうえで、「スライダーについても一級品です。田中の得意球は鋭く大きく曲がるスライダーでした。一方、松井のスライダーは、打者の手元にきてスピードが増し、タテに鋭く落ちます。ふたりのスライダーは、まったく別ものです。特に松井のスライダーはあまり受けたことのないボール。楽天でこんなボールを投げる投手はいません」[71]と語っている。

高校時代には驚異的な奪三振率を記録した松井だが、本人は「三振にはこだわっていない。自分は勝てるピッチャーになりたい。球数が多くなると、どうしても勝ちには近づきにくい」と語っている[72]

プロ1年目の公式戦では、チェンジアップやスライダーで三振を奪っているものの、前述のように初登板から制球難を露呈。投球の際に踏み出した右足が突っ張りすぎて体重が後ろに残る影響で、投げた球がストライクゾーンを大きく外れるシーンがたびたび見られた。二軍調整前最後の登板になった西武戦でのストライク率が54.3%にとどまったこともあって、星野は試合後に「ストライクが入るようになるまで(一軍には戻さない)」と述べている[73]。もっとも、二軍調整中には、イースタン・リーグ公式戦6試合の登板で防御率0.89を記録[74]。さらに、星野の病気休養を機に監督代行へ就任した一軍投手コーチ・佐藤義則からは、制球力の向上を認められている[75]

人物[ソースを編集]

愛称は「まっちゃん」。この愛称は2014年の春季キャンプ開幕に際し、同じ松井姓である松井稼頭央が「(松井裕樹のことを)『松井』と呼ぶと、間違えて俺が振り向いてしまいそうになるので、(松井裕樹の)愛称を考えてほしい」と要望したのをきっかけに、チーム内で決まったものである[76]

先発登板時は験担ぎとしてブルペンでの投球練習を18球と決めている[77]

中学時代のシニアでのチームメイトによると、「声が大きくて、ワイワイやるのが大好きでしたけど、みんなの中心にいるというタイプじゃない。輪の外側で、みんなを盛り上げることが多かった」という[78]

目標とする投手は杉内俊哉[79]。プロ入り後に対戦したい打者としては、内川聖一の名を挙げている[80]

好きな芸能人女優は有村架純武井咲[8]。好きな音楽はケツメイシ[8]コブクロなど。

詳細情報[ソースを編集]

年度別投手成績[ソースを編集]





















































W
H
I
P
2014 楽天 27 17 1 0 0 4 8 0 3 .333 504 116.0 91 2 67 0 8 126 6 2 52 49 3.80 1.36
2015 63 0 0 0 0 3 2 33 12 .600 284 72.1 37 3 28 0 2 103 3 0 7 7 0.87 0.90
2016 58 0 0 0 0 1 4 30 10 .200 272 62.1 47 4 40 0 1 75 1 1 23 23 3.32 1.40
通算:3年 148 17 1 0 0 8 14 63 25 .364 1060 250.2 175 9 135 0 11 304 10 3 82 79 2.84 1.24
  • 2016年度シーズン終了時

表彰[ソースを編集]

記録[ソースを編集]

初記録
その他

背番号[ソースを編集]

  • 1 (2014年 - )

登場曲[ソースを編集]

代表歴[ソースを編集]

脚注[ソースを編集]

  1. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球.日刊スポーツ.2016年12月3日閲覧。
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  14. ^ “負けても凄かった松井 奪三振率は驚異の17.00”. Sponichi Annex. (2012年8月21日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/08/21/kiji/K20120821003945670.html 2013年8月28日閲覧。 
  15. ^ “松井「気力だけ」で15Kも涙/甲子園”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2012年8月20日). http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/f-bb-tp3-20120820-1003624.html 
  16. ^ “号泣止まらず 桐光学園・松井 577球68Kで終戦「3年生に申し訳ない」”. Sponichi Annex. (2012年8月20日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/08/20/kiji/K20120820003942090.html 2012年8月25日閲覧。 
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関連項目[ソースを編集]

外部リンク[ソースを編集]