フォーミュラ1

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フォーミュラ1
F1.svg
カテゴリ シングルシーター
国・地域 国際
開始年 1950年
ドライバー 20
チーム 10
エンジン
サプライヤー
フェラーリ · メルセデス · ルノー · ホンダ
タイヤ
サプライヤー
ピレリ
ドライバーズ
チャンピオン
イギリスの旗 ルイス・ハミルトン
(メルセデス)
コンストラクターズ
チャンピオン
ドイツの旗 メルセデス
公式サイト www.formula1.com
Motorsport current event.svg 現在のシーズン

フォーミュラ1Formula One英語発音: [ˈfɔːrmjulə ˈwʌn] フォーァミュラ・ン)は、モータースポーツカテゴリの1つであり、その世界選手権を指す場合もある。略称F1(エフ・ワン)。

F1世界選手権 (FIA Formula One World Championship) は、国際自動車連盟 (FIA) が主催する自動車レースの最高峰であり[注 1]、現在は4輪の1人乗りフォーミュラカーで行われている。

概要[編集]

フォーミュラ1における「フォーミュラ(formula)」とは、全参加者および参加車両が準拠しなければならない一連の「規定」を意味している[1]。F1に出場する車両には、タイヤシャシーエンジン等々、あらゆる部分に技術的な規定(テクニカルレギュレーション)があり、これに反する車両は出走が認められない[注 2]。また、走行中のマナーなどの取り決め(スポーティングレギュレーション)もあり、違反した場合にはレース中の強制ピット通過やスターティンググリッド降格などのペナルティを課せられる。ヨーロッパアジア南アメリカ大陸北アメリカ大陸を中心に世界各国を転戦し、各レース毎の順位によって与えられる点数「チャンピオンシップ・ポイント」の総計によってチャンピオンを決定する[注 3]

F1は戦間期にヨーロッパ各地で盛んに行われていたグランプリ・モーターレーシングをその起源とする[1]。(F1世界選手権の歴史#F1誕生)F1ドライバーズ選手権の構想は1930年代末にはすでに話し合われていたが、第二次世界大戦の勃発によってその実現は見送られた[1]。戦後、1950年イギリスシルバーストン・サーキットでF1世界選手権の最初のレースが開催された[2]

グランプリ[編集]

F1レースの開催状況を示した世界地図。
緑色 - 今年にF1レースを開催した国
濃灰色 - 過去にF1レースを開催していた国

F1世界選手権はグランプリ(Grand Prix、フランス語で「大賞」を意味する)と呼ばれる複数のレースによって構成されるシリーズである。F1初年度である1950年シーズンには、全7戦のうち6戦がヨーロッパで開催された。初年度のカレンダーに含まれていたイギリスグランプリイタリアグランプリの2レースは、1950年から2018年現在まで毎年継続して開催されている[3][注 4][注 5]。F1アメリカグランプリは1959年に初開催され、その後1970年代-1980年代にはアメリカで1国複数開催[注 6]が行われていた。F1日本グランプリ1976年に初開催された。(1977年に一旦中断するが、1987年に再開されてからは継続開催)2008年にはシンガポールGPがF1史上初のナイトレースとして開催された[4]。国々を転戦する興業一座という例えから、F1は「グランプリ・サーカス(Grand Prix circus)」の異名で呼ばれることもある[5]

1960年代には年間10戦前後だったF1世界選手権レースの開催数は、1970年代には平均で年間14戦前後に増加し、1980年代から1990年代にかけては年間16戦前後で安定して推移した[6][注 7]。21世紀に入るとレース開催数は徐々に増加し、2016年には史上最多の年間21戦に達したが[注 8]バーニー・エクレストンからフォーミュラワン・グループを買収したリバティメディアは、今後も年間25戦にまでカレンダーを拡大する意向を示している[6]。一方で、レース開催数の増加に伴う様々な負担増にドライバーを含む関係者は懸念を表明しており[7]、年間15-18戦程度の開催に回帰することを望む声もある[6]。開催数増加の対策として、2018年には史上初の3週連続開催が実施されたが、想定を超える負担にチームが運営側を批判する状況となり、3週連続開催は2018年限定とし、将来的には再導入される可能性はあるものの、開催数の増加には課題が残っている。

近年の開催国の傾向として、権威主義的政治体制を有する国家(アゼルバイジャンロシアベトナム等)の政府が潤沢な公的資金でレースを招致する例が多く見られる[8]。また、F1はアジア地域への関心を高めており[9]、その背景としてアジアではレース開催料が高額となり多くの収入が得られることや、未開拓のファン層が存在することなどが指摘されている[8]

モナコGPはF1にとって重要な存在であり、主催者がF1側に支払うレース開催料の減額など様々な優遇を受けている[10][11]

一方で、近年に開催を中止した国や開催継続が危ぶまれる国も存在している。F1レース全体での観客動員数が増加傾向にある一方で[12][13][注 9]FOMが要求するレース開催料が依然として高額であるため、一部の主催者は財政的に苦しんでいる。2018年の時点ではイギリスGPとイタリアGPが継続の条件として開催料の減額を求める姿勢を明確にしている[14][15]。特にイギリスGPは、2016年2017年に3日間で約35万人を集客したにも関わらず[12]、サーキット側が公的援助なしで高額の開催費用を負担する必要があり存続の危機に立たされている[16]。かつて1国で2つのGPを開催するほどの人気を博していたドイツでは、資金難で2015年と2017年にF1が開催されない事態に陥った[17]フランスでのレースは2008年を最後に開催が中止され、その後2018年まで復活しなかった[17]

2010年代にはいくつかの新規GPが登場したが、開催契約の中途で終了を強いられたイベントも存在する。2010年初開催の韓国GPは2016年までの開催契約を結んでいたものの[18]、資金難を克服できず2013年のレースをもって撤退した[17]。同様に、2011年初開催のインドGPにも金銭的問題が浮上し、2年間の開催契約を残したまま2013年を最後に休止され、以後復活していない[19][20]1999年から継続開催していたマレーシアGPは2017年をもって開催を終了した[21]。また、2018年あるいは2019年に契約更新を何年するかの交渉や判断の予定を念頭に開催しているGPも少なくない[注 10]。実際に、2018年シーズンに復活したドイツGPは同年7月の時点では後述のマイアミGPが開催される予定であったため、開催に関する交渉が失敗したことも影響し、2019年の開催は行われない予定[22] となっていたが、マイアミGPが2019年は開催されないこととなったため、再交渉を経て9月に2019年のみの開催契約が結ばれることとなった[23]

1国1開催時代(2007-2019)[編集]

原則として1つの国で開催されるグランプリ (GP) は1シーズン中1回だけ(1国1開催)と定められている。通常開催名は「国名+グランプリ」で表されるため、これらの例外では以下のような「別名」を使用していた。

1997年は1国2開催がスペインGPとヨーロッパGP、ドイツGPとルクセンブルクGP、イタリアGPとサンマリノGPの3例行われた。極端な例としては、1982年アメリカで「アメリカ西GP」(ロング・ビーチ)・「アメリカ東GP」(デトロイト)・「ラスベガスGP」(ラスベガス)という1国3開催が行われた。

しかしながら、FIA2007年以降は1国1開催の原則を徹底する方針を示しており、同年から2014年までドイツGPはニュルブルクリンク(2007年、2009年、2011年、2013年)とホッケンハイム(2008年、2010年、2012年、2014年)で交互開催されたが、2015年はニュルブルクリンクの財政難により中止となった。2008年からスペインのバレンシアで行われたヨーロッパGPも2012年で終了し、2013年よりスペインでのF1開催はカタロニアのみとなった。2016年にヨーロッパGPがアゼルバイジャンで初開催されて復活したが、翌2017年からはアゼルバイジャンGPに名称を変更する。

また、2007年の日本GPが富士スピードウェイで開催されることが決まると鈴鹿サーキットが別名称での開催継続を要請したものの、原則もあってカレンダーから外れた。なお、鈴鹿サーキットに限らず、イモラでのサンマリノGPも2007年からは開催されていない。FOAバーニー・エクレストンは、2007年および2008年は富士スピードウェイで日本GPを開催し、2009年以降は鈴鹿と富士で隔年開催することを発表していたが、富士のF1撤退に伴い、2010年も鈴鹿で開催されることとなった。2018年まで鈴鹿サーキットにて日本GP開催が決まっており、観客減少の影響[24] で2019年以降の開催は厳しい状況であったが、2018年からリバティメディアにF1の運営権が代わったことに伴い再交渉が実施され、その結果、2018年8月31日に、2021年までの開催継続が決定したと発表された[25]

1国複数グランプリ開催時代(2020-)[編集]

リバティメディアによりF1そのものが買収されてから配信体制が一新されたことに伴い、一国一開催も破棄することを以前から公言していた。実現性が高いのはアメリカでの2レース開催であり、テキサス州オースティンでのGPに加えてマイアミ市街地レースが新規開催されるものと見られていた[26]。その後、現地のマイアミ市がF1開催を承認し交渉が始まったため[27]、早ければ2019年10月にマイアミグランプリが開催される可能性があった[28]。これに伴い、一国一開催の方針は事実上破棄されることとなったが、地元住民からの反対もあり2019年については実現できなかった[29]

チャンピオンシップ[編集]

各レース毎の順位によって与えられる点数「チャンピオンシップ・ポイント」の総計によってチャンピオンが決定される[30]。獲得ポイントの最も多い選手が「ドライバーズ・ワールド・チャンピオン」となる。過去には有効ポイント制を採用していた事もあった。車体製造者(コンストラクター)には2台までポイントが与えられその合計で「コンストラクターズ・ワールド・チャンピオン」が与えられる[注 12]

強力なターボ・エンジンと自然吸気 (NA) エンジンが混走した1987年には自然吸気エンジン搭載車のみでのチャンピオンシップが制定され、それぞれドライバーに与えられる「ジム・クラーク・カップ」、コンストラクターに与えられる「コーリン・チャップマン・カップ」と呼ばれたが、翌1988年、ターボ・エンジンの燃費規制が厳しくなり自然吸気エンジンとの戦力差が縮小され、1年限りで廃止された。その後、ターボ・エンジンは禁止になったが、2014年からパワーユニットにターボ・エンジンが内包される形で復活した。

基本的な競技の進行[編集]

フリー走行[編集]

金曜(モナコグランプリのみ木曜)に午前・午後の2回、土曜午前に1回、計3回の練習走行が設けられる。各マシンは過去のセッティングデータに基づいて開催サーキットの特性にある程度合わせて持ち込まれるが、実際に走行することによってドライバーの意見を反映させて微調整を繰り返す。また、参戦初年度のドライバーが過去に未体験のサーキットを走る場合、コースの習熟の意味も含まれている。近年ではマシンテストの回数を制限されているため、その代わりにフリー走行をマシンテストの場として利用したり、新しいパーツの評価を行ったりする場として活用せざるを得ない傾向にある。

予選[編集]

土曜午後に行われる。各車が一定時間内で自由に走行を行い、1周の最速タイムを競い合う。

2006年からは『ノックアウト方式』でスターティンググリッドを決定する。2018年は、20台が参加し以下のように進行する。

  • Q1(第1セッション)では、20台が18分間走行し5名がノックアウト、15名がQ2進出。16位から20位までが決定される。
  • Q2(第2セッション)では、15台が15分間走行し5名がノックアウト、10名がQ3進出。11位から15位までが決定される。
  • Q3(第3セッション)では、10台が12分間走行し、1位から10位までが決定される。

Q3で最速タイムを記録した者はポールポジションとなり、以降は各セッションのノックアウト順で整列する事になる。ただし、フリー走行等でのトラブルにより予選Q1に出走しない車両がある場合は、強制的にQ1の最下位扱いとして進行し、台数に応じてQ1のノックアウト者を減らす[注 13]

また、以下のような理由でペナルティを課されグリッド降格になる場合があるため、必ずしも予選結果順にスタートするとは限らない。

  • 決勝までに規定数以上[注 14] のパワーユニットコンポーネント交換[注 15] した際、交換範囲に応じてグリッド降格や本来連続使用するギアボックスの早期交換(6戦以内)を行った場合の5グリッド降格がある。
  • 前戦やフリー走行及び予選中の危険走行に対するペナルティでの予選タイム変動(予選最速・全タイムの抹消(ノータイム扱い)[注 16] など)によるグリッド降格。
  • 15グリッド以上の降格ペナルティを科せられた場合は予選順位に関わらず、最後尾グリッドからのスタートが義務付けられる。複数のドライバーに15グリッド以上の降格ペナルティが科せられた場合は、ペナルティが適用された順に並べられる[注 17][31]

また、予選後にセッティング変更などを行うと予選の結果に関わらずピットレーンスタートとなる[注 18]。 さらに2011年からは107%ルールが再導入されており、予選Q1のトップタイムに対し自身のベストラップが107%より遅いドライバーは審議対象になり、出走許可が出なければ予選落ちとなる[注 19] ものの、「例外的な状況」という名目でグリッドに並ぶケースが多く、出走不可になったケースは2010年代にはない。

なお、タイムはマシンに搭載された無線装置により1/1,000秒単位まで計測される。まれに1/1,000秒まで同タイムのケースが見られるが、その場合には先にタイムを出したドライバーから上位グリッドに着く[注 20]。 だが、ノックアウト方式が導入された影響で、中下位チームがフロントロー入りすることが難しくなり、2018年シーズンでは中下位チームのフロントローは一切実現していない。

決勝[編集]

日曜午後に行われる決勝は、原則的に距離305kmを超える最も少ない周回数で争われる。また、レースが2時間を超えた場合は、その周回で打ち切られる。また、レース自体の時間が2時間を超えなくても途中赤旗中断があった場合、レーススタートから中断時間を含めて4時間を超えた場合、その周回で打ち切られる。例外として、モナコグランプリ市街地コースで行われることによる体力的・精神的負担などを考慮し、また平均速度が極端に遅く(他コースより60km/hほど遅い)競技時間が長くなってしまうことから、1967年から約260kmで争われている。また、ドライコンディション時に2時間を超えて終了したコースについては翌年から周回数を減らして行われる[注 21]。全車静止した状態からスタートを切り(スタンディングスタート)[注 22]、規定の周回数を最初に走破したドライバーが優勝となる。

その後の順位は走破した周回数とその時間により決まる。すなわち優勝者と同じ周回を走りきったドライバー、その次に1周遅れのドライバー、2周遅れ…という順で、それぞれの中で先にゴールしたドライバーから順位がつけられる。途中リタイヤして、最後まで走り切れなかったドライバーも、全体の9割以上の周回を走っていれば周回遅れとして完走扱いになる(例…60周で行われるレースなら54周以上走っていたら完走扱いとなる)。そのため、1996年モナコグランプリのように、リタイヤしたのに入賞という事態もあり得る。

例) 2004年日本GP 53周
順位 ドライバー タイム/時間差 備考
1位 ミハエル・シューマッハ 1時間24分26秒985
2位 ラルフ・シューマッハ +14秒098
3位 ジェンソン・バトン +19秒662
4位 佐藤琢磨 +31秒781
11位 ヤルノ・トゥルーリ +1周
16位 ジャンマリア・ブルーニ +3周
ルーベンス・バリチェロ 38周でリタイヤ(+15周) (完走扱いではない)

レース後のリザルトによって、チーム・ドライバーにはチャンピオンシップポイントが加算される。2018年現在のルールでは上位10台にポイントが順位に応じて加算され、10位以上は「入賞」となる。

ピット[編集]

2006年のピット作業の様子

レース中はタイヤ交換などのためにピットに入る(ピットイン)。ピットで可能な作業は時代によって異なり、タイヤ交換の他にマシン微調整や破損したウイングの交換などを行うことができる。かつては給油も可能だったが、2010年からレース中にピットに入り給油することは禁止となっている。タイヤに関しても2007年からはレース中に2種類のドライタイヤを使用することが義務づけられたため[注 23]、レース中のタイヤ交換が最低1回は必要となり、タイヤ無交換作戦は事実上禁止されたが、決勝レース中に雨天用タイヤ(インターミディエイトおよびフルウェットタイヤ)を使用した場合にはこの制限はない[32]

レギュレーションの変遷[編集]

自動車に関する技術の進歩とマシンの高速化による危険性の増加にともない、F1のレギュレーションは大小さまざまな変更がなされている。特に1994年サンマリノグランプリで起きた2件の死亡事故以後は、安全性向上のためのレギュレーションが多く施行された。この流れのレギュレーション変更には、主にスピードの低下を狙ったものと安全設備の設置を義務付けるものとがある。また、2000年代に入ってからは高騰したマシン開発費を抑制するための改定がたびたび施行されている。

マシン[編集]

2018年型メルセデスW09(上)と2015年型メルセデスW06(下)の比較。2017年以降のマシンは前後のウィングとタイヤが大型化し、コーナリング速度が飛躍的に向上した。

現代のF1マシンはカーボンファイバーシャシーに、内燃機関(エンジン)とエネルギー回生システム(ERS)を組み合わせた「パワーユニット(PU)」を搭載する。2018年の規定ではマシンの重量は最低733kg(タイヤ・ドライバー込み、燃料は除く)とされており、最低重量を下回った場合には失格となる[33][34]。PUのエンジンは排気量1.6リッターのV型6気筒シングルターボエンジンと規定されており、ERSによるパワー追加は最大120kw(約160hp)に制限されている[34]。2018年1月時点の推定では、エンジンとERSの合計最高出力は約950hpに到達していた[35]

F1マシンはダウンフォースを利用してタイヤを路面に押し付けることでコーナリング速度を高めており、コーナリング時の横方向のGフォースは6.5Gに達する[36]。現代のマシンが生み出すダウンフォース全体の約60パーセントがフロントウィングとリアウィングによって生じるが、残りのダウンフォースの大部分はフロア(車体底面)で生じる[37]2017年の新規定導入以降はダウンフォースが大幅に増加し[38]、多くのサーキットでそれまでの最速ラップタイム記録が更新されたが[39][40]乱気流(タービュランス)の増加により後続車が前を走るマシンに接近するのが困難となり、レース中の追い抜きが減少した[41]

F1マシンはカーボンファイバー複合材ブレーキディスクを使用しており、制動距離は非常に短い[42]。2017年には、急減速の多いモンツァ・サーキットでの減速Gは平均で5.5Gに達していた[43]。2014年以降はPUのエネルギー回生を行うためにブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)が導入され、ブレーキング時に電子制御が介入している[44]。一方で、現行規定ではアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)等のドライバー補助を目的とした制御装置は禁止されている[34]

追い抜きを容易にするため、2011年からはドラッグリダクションシステム(DRS)と呼ばれる可変リアウィング機構が全車に導入されている[45]。また、2018年シーズンからは全F1マシンに「Halo英語版」と呼ばれる頭部保護デバイスの装着が義務付けられている[46]

現在ではF1マシンは4輪のオープンホイール・カーでなければならないと規定されているが、過去に出走したF1マシンにはタイヤがフェンダーで覆われている車両(メルセデス・ベンツ・W196)や6輪の車両(ティレル・P34)も存在した[47]

開発費[編集]

かつては他のカテゴリー同様、1社のシャシーを複数のチームが使用することもあったが、現在ではコンコルド協定において、知的所有権を含め、過去2年のうちに参戦した他チームのシャシーを使用できないよう規定された。そのため、F1はフォーミュラカーの選手権としては唯一、全チームがオリジナルのシャシーを使用している[注 24]。独自にシャシーを開発・製造するためには莫大な費用がかかり、2014年シーズンには中位チームでも年間1億2000万ドルを出費していた[48]ケータハムF1チームマノーF1チームのように近年新規参入したものの数年以内に破産に追い込まれたコンストラクターも存在している[48][49]。参戦中のチームも財政的な問題を抱えており、2018年のフォース・インディアは課題となっていたチームの資金問題が遂に限界に達し、同年7月に破産申請され、2018年第13戦ベルギーGP以降の参戦が不可能という状況になった(チームは投資家により救済され、いくつかの交渉を経て第13戦以降も参戦可能となった)。

開発予算の格差を背景として[50]、近年は上位チームと中位以下のチームのマシンの性能差が非常に大きく、シーズンを通して上位3チーム(メルセデス・フェラーリ・レッドブル)所属のドライバーが表彰台を独占することが慣例化してしまっている[51]。F1の運営陣も、(中小規模チームのマシンに上位進出のチャンスがなく)レース結果が容易に予測できるものになっている現状を改善する必要があることは認めている[52]

ドライバー[編集]

F1ドライバーになるためには、FIAが発給するモータースポーツライセンスの最上位クラスである「スーパーライセンス[53]」を所持していなければならない。発給を受けるためには、FIAグレードAライセンス(国際A級ライセンス)を所持していることを始め年齢や自動車運転免許の所持などの5つの条件を満たす他、過去のF1参戦歴または下位カテゴリーでの成績に関する条件に1つ以上該当している必要がある。

近代ではドライバーの低年齢化が著しく進み、2014年にはマックス・フェルスタッペントロ・ロッソ)が史上最年少の17歳でF1のフリー走行をこなし、翌年フェルスタッペンはレギュラー契約を結んでF1デビューを果たした。しかしこれがきっかけとなって、フォーミュラワンドライバーの低年齢化が各国の道交法および酒に関する法律に抵触するのではないかと議論が進んだ結果、運転経験が少ないドライバーのデビューに苦言が呈された。その結果FIAはスーパーライセンスの発給規定を変更することになり、2016年以降は18歳未満のドライバーは特例を以てしてもF1への出場が認められなくなった(詳細はスーパーライセンスマックス・フェルスタッペンを参照)。少子高齢化と欧州全体の経済難による富裕層のモータースポーツ離れも影響しているものの、かつてのようなF3からの引き抜きや好成績を残したことがある無名の新人がデビューできるというケースは減りつつある。どちらかと言えば、育成契約を結んだドライバーが優先されている。仮にそのおかげでデビューできてもドライバーに要求される水準が年々厳しくなっており、キャリア1年目から所属チームとのコミュニケーション相性、新規コース適応能力も問われるケースが増えた。また、マシンのはずれ年などの本人以外の問題で低迷した場合でも、後任や代わりになる候補者がいれば、1年ないし2年でチームから放出されるケースも少なくない。典型例がストフェル・バンドーンブレンドン・ハートレイである。

ペイドライバー[編集]

ペイドライバーとは、資金の持ち込みと引き換えにチームとの契約を確保するドライバーの俗称である[54]

「金でシートを買った」などと悪名高い存在と言われることも多く、セバスチャン・ベッテルが「ペイドライバーは動く障害物だ」や「カーティケヤンはきゅうり」などと発言したこともある。1990年代からこの種のドライバーはまったく珍しくなかったが、資金の高額化によりパストール・マルドナドランス・ストロールなど数十億円にも及ぶ資金(後述)でシートを用意されるドライバーも存在する。井上隆智穂はかつて「F1はビジネスだから、ボクみたいな技術でも金さえ払えばF1ドライバーになれる」と発言している。それに伴い、近年はパスカル・ウェーレインエステバン・オコンなどの参戦し続けるだけの結果を出したドライバーであっても解雇が迫る問題もあり、懸念の声が挙がっている。

しかし、実際のところ、ほぼすべてのドライバーが(金額の差はあるが)自身のスポンサーを持ち込んでおり、ドライバーごとのレーシングスーツやヘルメットに個人スポンサーを掲載していることがほとんどである。逆にスポンサーも資金も持たずに契約したドライバーは非常に少数で、ロベルト・メリ[注 25] など数えるほどしかおらず、これらは稀なケースである。広義の意味では「持参金を持ち込む」ドライバーとなるが、狭義の意味では「目立った実力・実績を持っておらず知名度が低い」「(資金的に苦しいチームへ)極端に高額な資金を持ち込んで契約する」ドライバーが「ペイドライバー」として扱われる。

近年ではレギュラードライバーにはある程度実績・実力のあるドライバーを起用しながらも、ペイドライバーをテストまたはリザーブドライバーとして契約することで資金を得るチームも多く見られており、この種のドライバーはフリー走行に出現する。また2015年には「ペイドライバーが、より高額な資金を持つ別のペイドライバーにシートを奪われる」という事態が発生した。これはザウバーに契約を破棄されたギド・ヴァン・デル・ガルデの告訴により発覚したものである。ヴァン・デル・ガルデは1度は契約を結んだにも関わらず、ザウバーがマーカス・エリクソンフェリペ・ナッセと契約を結んだため、押し出される形で失ったシートの返還を求め告訴し、裁判で勝訴した。最終的にはヴァン・デル・ガルデがザウバーからの違約金を条件に出走を諦めることで和解したが、一時は2つの枠に3人のドライバー(ヴァン・デル・ガルデ、エリクソン、ナッセ)が存在するという混乱を生んだ。更には前年からの契約期間が残っていたエイドリアン・スーティルも似た経緯で同年のシートを喪失していたことが判明し、スーティルの場合は賠償金の支払いのみを求めて裁判で勝訴している。なお、この4人がどのような順番及び内容で契約していたのかは不明であり、一説ではエステバン・グティエレスジュール・ビアンキとも契約を結んでいたとされる(詳細は「ザウバー#ドライバー多重契約騒動」を参照)。

ただし、必ずしも「能力の低いドライバー=ペイドライバー」ということはなく、実力があっても本人の意にそぐわない形で資金を持ち込んでシートを得るドライバーも存在する[注 26]。これはF1だけに限ったことではなく他のモータースポーツでも普通にみられることではあるが、F1の場合は特に資金が高額のため批判の対象になることが多い。また、チーム自体が存続の危機でペイドライバーがいないと参戦できないため、やむを得ずペイドライバーを起用しているという事例も少なくない。一方で持ち込み資金の不足やスポンサーの経営状況によりシートが左右されるケースもあり、実際の例として、2016年に参戦予定だったマルドナドは自身のスポンサーであるPDVSAが、ベネズエラの石油価格の下落による経済・政治情勢が不安定なことによりシート料を払うことができず、チームとの契約が破談しマルドナドはシートを喪失した。また、大怪我が原因でF1を去ったロバート・クビサは、かつての実力は評価されていたものの、それだけではシートを得ることができず、持参金を確保したことで資金難のウィリアムズのシートを得ることに成功した。

実際にペイドライバーとして扱われながらも好走を見せたドライバーも少なからずおり、以下は活躍したペイドライバーの一例。

  • アンドレア・デ・チェザリスフィリップモリスマールボロ)の重役の息子だったため、同社の強力なスポンサードを受けて参戦していた。「クラッシュ・キング」「サーキットの通り魔」などの不名誉な異名もとったが、たびたび好走を見せ、1991年には新参チーム・ジョーダンのランキング5位に貢献した。最終的にはキャリア15年で延べ12チームに在籍し長きに渡ってドライブしていた。
  • ペドロ・ディニスは父親のブラジル有数の実業家・アビーリオ・ディニスの支援を受け、パルマラットやブラジルの多数の食品関連会社のスポンサードを受けていた。当初は「国際F3000で目立った実績を残していないが、F1に出場させるために所属チームごとF1デビュー」「ドライビングコーチが同伴」などスポンサーマネーの豊富さと実力不足を露呈していたが、移籍してオリビエ・パニスデイモン・ヒルミカ・サロジャン・アレジといった実力あるドライバーと組むうちに自身も実力を付け、時には彼らチームメイトよりも予選で上位に入るなど注目を集めた。キャリア終盤にはただのペイドライバーから「十分な実力を備え、おまけに莫大な資金源も抱えるドライバー」へと評価も変わっていった。
  • セルジオ・ペレスカルロス・スリム・ヘルの関連会社から多額の支援を受けており、荒いドライビングが多かったにも関わらず、2013年に当時トップチームであったマクラーレンと契約を結んだことを揶揄された。しかし、前年所属したザウバーでは一度の2位表彰台と二度の3位表彰台を獲得[注 27]、マクラーレンのシート喪失後に移籍したフォース・インディアでは、複数の表彰台に加え安定したドライビング[注 28] を見せ、2018年アゼルバイジャングランプリで自身8度目の表彰台を得た結果、メキシコ人ドライバーとしては最多表彰台獲得数となるなど、高い評価を受けている。
  • パストール・マルドナドは前述のようにベネズエラ政府のバックアップ及びPDVSAから40億円近い資金を持ち込んだことで知られている。ただし、マルドナドは前年にGP2のタイトルを獲得しており、仮に資金がなかったとしてもシートに見合う実績はあった。事故によるリタイアが多く、ジャンプスタートを犯してしまうなどミスも目立ったが、時折予選で上位を獲得したり決勝でも上位を走ることがあり注目を集め、2012年スペインGPでは明確なペイドライバーとしては数少ないPP獲得・優勝を果たすなど、記録だけで言えば「史上最速のペイドライバー」である。ベネズエラの経済が破綻したと同時にF1から去った。
  • ランス・ストロールはカナダ有数の実業家の父親・ローレンス・ストロールが82億円の資金をウィリアムズに提供し当時の持参金の最高額を更新しシートを獲得した。だが、マルドナドのような直下のカテゴリにあたるGP2などの経験や実績がなく、かつてウィリアムズに在籍していたジャック・ヴィルヌーヴからは実力を酷評され、F1参戦を果たした2017年序盤は事故によるリタイアが目立ったため、その影響でメディアからもその実力を疑問視された。ただ、2016年のヨーロッパF3のタイトルを得るなど、フォーミュラカーというジャンルの経験は積んでおり、直下のカテゴリ(F2・GP2)を経験せずF1へジャンプアップする例や正ドライバーとしての起用を確定すべく多額の持参金を用意する例は過去にも存在する。また、F1デビュー自体もテストドライバーとしてF1に関わっているときに正ドライバーとして起用されたため、他のドライバーと比べても異色なキャリアを築いているわけではない[注 29]。父親の資金をフル活用したという印象から「ペイドライバー」として見られた面もあるが[55]、デビューシーズンでの3位表彰台獲得[注 30] に加え、ランキングでチームメイトの大ベテランフェリペ・マッサに3ポイント差で続くなど予想を上回る活躍を見せ、再評価されることとなったものの、2018年度は予算不足によるマシンの信頼性低下で下位集団を走っていた。

人気[編集]

ヨーロッパで始まった最高峰自動車レースのF1は、ヨーロッパにおいては非常に大きな関心を集めるスポーツの一つである[注 31]。TV視聴者が最も多い国として南米のブラジルがイタリアと並んで挙げられるなど[56]、F1はヨーロッパのみならず世界的に見ても人気のあるスポーツと言える一方で、世界最大級の市場であるアメリカでの人気は長年低迷していることが知られている[2]。世界的なF1中継の有料放送化を背景に、2018年には過去10年間でF1の視聴者総数が41.3%減少したことが報道されており[56]、一部の強豪チームが勝利を独占している状態が近年のF1の人気低下につながっているとの指摘もある[57]

日本国内でも人気は低落傾向で、地上波中継(いわゆる無料放送)が打ち切られたばかりではなく[注 32]、日本GPの総入場者数は2006年に最高記録を更新してからは下降線をたどり、2008年の日本グランプリの総入場者数が鈴鹿サーキットで初開催された1987年の総入場者数を下回り(ただし、2007年と2008年は富士スピードウェイでの日本GP開催なため、一概に比較できない面もある)[注 33]、2010年の鈴鹿サーキット開催における決勝の入場者数が初めて10万人を切る事態となってしまった。現在はトヨタの撤退の影響もあり、富士スピードウェイの開催は2007年と2008年のみで終了。そのため、鈴鹿サーキットが事実上日本GPのコースとなっているが、2010年から冠スポンサーが不在となり(2016年のみエミレーツ航空が冠スポンサーとなった)、資金面でも厳しい状況となったが、2018年にホンダが冠スポンサーとなったこともあり、減少傾向に歯止めを掛ける事に成功した。

景気後退によるスポンサーの撤退ないし縮小はF1の世界にも影響を与えており、開催国の面では開催料の見直しがないこともあり、現地のコース運営者の資金に依存する傾向が強まっている。また、チーム面ではかつてに比べ資金面で左右される傾向が増えつつあるため、かつての名門が出場はしていても最下位という事態は2018年は頻繁に起きている。また、ペナルティポイントの一貫性がないという指摘もある[58][59]

レースイベント[編集]

各年毎の結果は下記囲み内のリンクを参照。

また、各グランプリの年別の勝者などについては、F1選手権レースの一覧から各グランプリ別の記事を参照。

追加決定のレース[編集]

今後、選手権に追加されることが決定しているレース

  • ベトナムグランプリ(2020年4月 / ハノイ市街地コース[60][61]
    • ヘルマン・ティルケが設計。1.5kmのロングストレートを含む3本の直線区間を有し、市街地にもかかわらず最高速は時速335km/hに達する見通し[62]

追加の検討がなされたレース[編集]

F1選手権への追加の検討が一度でもなされたレースイベントは以下。

Formula One Paddock Club[編集]

F1を代表するグランプリの1つであり毎年世界中のセレブリティーが訪れることでも有名なモナコグランプリをはじめ、各グランプリに「Formula One Paddock Club」と呼ばれる特別観戦エリアが設定されている。「Formula One Paddock Club」は、各国の有力者や文化人などのいわゆる「セレブリティー」が訪れるなど、単なるスポーツ観戦の枠を超えた社交場の1つとして提供されている。

この事は、F1がヨーロッパの文化や社交に根付いていることを象徴しているのみならず、高い入場料金が設定されている上、その多くがF1に多額の資金を注入している自動車メーカーやスポンサー向けに提供されていることから「多額の資金が投下され、商業化が進む近年のF1を象徴している」という指摘もある[67]

F1などのオープンホイールを題材とした作品[編集]

実写映画・ドラマ
マンガ・アニメ
ゲーム
音楽
小説

日本におけるテレビ・インターネット中継[編集]

現在[編集]

2018年現在は地上波での中継は行われておらず、CS放送及びインターネット配信のみが行われている。

CS放送[編集]

フジテレビNEXT」で全戦生中継(金曜フリー走行、土曜フリー走行、予選、決勝)で放送している。今宮純川井一仁が現地のスタジオで、フジテレビのスタジオにいる実況アナウンサーともう1人の解説者(森脇基恭熊倉重春など)と共に中継を行っている。

インターネット[編集]

スポーツライブ配信サービス「DAZN」で全戦生中継(金曜フリー走行、土曜フリー走行、予選、決勝)を行っており、さらにオンボードカメラ映像や下位カテゴリのF2GP3の各セッションと決勝の生中継配信と関連番組の配信も含めて、小倉茂徳中野信治などの実況、解説で日本語で中継を行っている[69][70]。なお、PCやスマートフォンのみならず、テレビでの観戦も可能である。

1986年以前[編集]

1976年のF1世界選手権イン・ジャパンと1977年の日本GPTBSが中継し、その後1986年までは、TBSがダイジェスト形式で放送を行っていた。また、カーグラフィックTV(当時はテレビ朝日、後のBS朝日)でも全戦をダイジェスト形式で放送を行っていたこともある。

1987-2011年[編集]

1987年から日本GPが復活することや中嶋悟のフルタイム参戦に伴い、フジテレビは日本GPのみを中継できる権利を購入しようとFIAにかけあった。しかし、FIAの放映権販売の方針として、一つのグランプリだけを売ることをせず、すべてのグランプリの放映権を一括で購入させる方式をとっていた。そのため、フジテレビはある意味においてはやむなく独占中継権を取得した。放映権料は30億といわれた。同局はその際、日本GPの冠スポンサー(名称は「フジテレビジョン日本グランプリ」)にもなり、23年間冠スポンサーを継続したが、リーマンショックに端を発した不況の煽りを受け、2010年冠スポンサーの座を辞した。

なお、1991年日本GPは日曜日の20時からというゴールデンタイムにテレビ放送された。バブル景気下における未曾有のF1ブームの上に、日本人初のレギュラードライバーの中嶋悟の最後の日本GP、セナとマンセルのタイトル争いといった要素が影響し、すでにレース終了から5時間以上が経ってからの録画中継という形にもかかわらず、20.8%(中部地域では27.4%)の高視聴率をマークした。

2012-2015年[編集]

1987年から25年放送されてきた地上波放送がスポンサーの減少などの理由で終了し、BSフジでの放送に移行されることになった。CS放送(フジテレビNEXT)での全セッション生中継はそれまでと同様に継続された。

2014年、インターネット視聴サービス「フジテレビNEXT smart」でも生中継を開始。地上波(関東ローカル)で数戦ごとにまとめたダイジェスト番組が放送された[71]

生中継[編集]

1976年の富士スピードウェイでのF1日本初開催時の決勝の模様はTBSが午後3時から録画映像で放送する予定だったが、スタート順延のため結果的に初のTV中継にして初の生中継となった[72]。しかし1987年に鈴鹿サーキットに移って以降は、F1と同じくフジテレビ系列が放送する日本中央競馬会の日曜日のメインレースと時間帯が重なるため生中継ができず、日本国外では生中継が行われながら開催国では同日夜のゴールデンタイム・プライムタイムでの録画放送しか見られないと言う状況が長年続いていた。1994年のパシフィックGPが日本国内開催のF1グランプリレースとして初めてフジテレビ系列で生中継されたが、この時はレーススタート時間が12時30分であったことで、中央競馬中継とのバッティングが避けられることによって実現したものであった。しかしその後も長く、日本国内開催のF1グランプリレースが地上波で生中継されることはなかった。

2005年に、フジテレビが放送を開始して初めて日本GPの地上波生中継が実現した。ファイナルラップでマクラーレンキミ・ライコネンルノージャンカルロ・フィジケラを追い抜くという、1位と2位の逆転劇があったことなどにより平均視聴率10.3%(関東地区)とまずまずの結果を残したことから2006年以降も地上波生中継が継続された。

2007年9月30日の日本GPは日本中央競馬会のGI競走スプリンターズステークスと重なることからどうなるか注目されたが、日本GPの生中継は13時10分 - 15時15分(最大延長15時35分まで)となり、レギュラーの競馬中継時間と一部重なることになるが、F1・競馬両レースを生中継するにはほぼ問題ないスケジュールとなった。しかし日本GPが雨の影響でレース時間が延長になり、15時35分までF1が中継され、トップ3記者会見のカット、また競馬もパドックや本馬場入場のカットなどの影響があった。

2009年もGIスプリンターズステークスと重なったが、スプリンターズステークスの発走時刻を通常のGI発走時刻より5分遅く15時45分とすることで回避が図られた。

2010年は日本GPのレーススタート時刻が15時に変更され、中央競馬中継(みんなのKEIBA)と時刻が被ることとなったが、中央競馬中継のための規約の関係上、みんなのKEIBAを放送休止にはできないため、日本GPは16時からの録画放送に変更となった。

海外グランプリではカナダGPブラジルGPなど南北アメリカで開催されるレースが時差の関係から生中継されていたが、1992年のメキシコGPとカナダGPは生中継ではなく、月曜朝(録画放送)・月曜深夜(ダイジェスト)の2回放送されていた。また、1999年と2006年のオーストラリアGPが生中継で放送されている(2006年は残り3周あたりから生中継)。ヨーロッパにおいて開催されるレースは、レース時間が日本におけるゴールデンタイム、プライムタイムと重なり、その時間帯に相応しい高い視聴率が望めないために地上波での生中継は行われることはなかった。

CS放送[編集]

CS放送は全戦生中継(金曜フリー走行、土曜フリー走行、予選、決勝)で、地上波とは別の実況・解説者にて放送という形態をとった。今宮純川井一仁が現地のスタジオで、フジテレビのスタジオにいる実況アナウンサーともう一人の解説者(森脇基恭熊倉重春小倉茂徳など)と共に中継を行った。(2018年現在では一部のグランプリ以外は現地でなくフジテレビのスタジオに実況アナ・全ての解説者が揃うという形態)なお音声切り替えにより、解説、実況のない現地の音声のみで楽しむことができる。

2016年 -[編集]

2016年 - 2022年のアジアでのF1放映権をFOXスポーツが獲得しており、日本でF1中継が継続されるかが注目されたが、2016年2月にフジテレビが放映権を獲得したと発表した。しかし、FOXからの購入というかたちでの獲得だったため、契約上BSフジでの放送は不可能になり(ただし、日本GPのみBSフジで録画放送された)、中継はCS放送のみとなった。

インターネット中継[編集]

-2015年[編集]

インターネットでの中継配信は2013年にソフトバンク傘下のTVバンクとイギリスのZume Motor Racingが「Formula 1 on Zume」としてパソコン及びiPad向けに2013年7月よりサービスを開始[73]、国際映像だけでなくオンボードカメラやピットレーンの映像も切り換えられる形で提供していたが、2013年シーズン限りでサービスを終了した。2015年までは「フジテレビNEXTSmart」単独契約でも試聴可能だったが、2016年からは前述の放映権の変更に伴い、CS契約者のみがネットでも見られる形に変更されている[74]

2016年-[編集]

2016年8月からは、イギリスのパフォーム・グループがスポーツライブ配信サービス「DAZN」の日本でのサービスを開始。F1の全セッション及びオンボードカメラ映像、下位カテゴリのF2、GP3の生中継配信と関連番組の配信を日本語で実施している[69]ChromecastやAir Stick 4Kといったキャストデバイスを使えば、テレビ画面で視聴することも可能である。[75]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ その影響で、「F1」はモータースポーツ以外にも、パワーボートアメリカズカップを「海のF1」、レッドブル・エアレース・ワールドシリーズを「空のF1」、ボブスレーを「氷上のF1」と称するなど、トップカテゴリーの代名詞として使われることがある。
  2. ^ かつてはタイレルP34のような6輪も認められていたが、1983年以降は4輪の1人乗りフォーミュラカーに限られている。
  3. ^ なお、FIAが主催する四輪自動車競技の世界選手権は、F1の他、世界ラリー選手権 (WRC)、世界ツーリングカー選手権 (WTCC)、世界耐久選手権 (WEC)、フォーミュラE世界ラリークロス選手権 (WorldRX)がある。
  4. ^ イタリアはイモラ開催の1980年以外はモンツァでの開催。
  5. ^ その次に開催数が多いフランスは1955年と2009年以降未開催となっていたが2018年に復活し開催された。
  6. ^ 1982年にはロングビーチ市街地コース(アメリカ西GP)、デトロイト市街地コース(アメリカ東GP)、ラスベガス市街地コース(ラスベガスGP)の3戦が開催された
  7. ^ 1967年が全11戦となったのをきっかけに増加傾向となり、1977年は当時最多の全17戦をピークにいったん減少傾向となった。だが、1984年シーズンが全16戦で開催されてから2003年までは16戦前後で推移した。
  8. ^ 2005年の全19戦の除けば、2004年から2009年の間は18戦前後へ増加。2010年から2015年の間は全19戦で固定され、この間の2012年のみ当時最多の全20戦を記録。2016年は史上最多の全21戦で開催された。2017年は全20戦だったが、2018年は21戦開催となり、2019年も21戦開催が予定されていることから、2019年以降も20戦以上の開催が確実となりつつある。
  9. ^ F1の公式発表によると、2017年の観客動員総数は2016年比で約8.8パーセント増加した。2017年に観客動員数が最も多かったカナダGP、イギリスGP、メキシコGPの各レースでの来場者数(3日間合計)は約34万-36万人だった。同年の日本GPの3日間合計来場者数は約13万7000人であり、全20レース中4番目に少なかった。formula1.com(2017年12月8日)参照
  10. ^ 仮に2019年以降も開催予定となっているGPでも、開催が事実上保障されているのはモナコGPぐらいで、カナダGPのような長期開催の契約が結ばれていても、安泰とは言えないため、大半のGPが綱渡りの状況である。
  11. ^ アゼルバイジャンでは重複するF1のレースが無く、「アゼルバイジャンGP」の名称でも開催が可能だったが、開催初年度の2016年のみ「ヨーロッパGP」の名称を使用した
  12. ^ コンストラクターにはチームと言う意味合いは含まれて無いが、2005年現在ではレギュレーションに『チームと車体製造者は同一でなければならない』と記載されており、ルール上は同様の意味合いとなっている。
  13. ^ 2015年オーストラリアGPではマノー・マルシャの2台が予選Q1に出走しなかったため、Q1ノックアウトは3台(16-18位)。
  14. ^ 2018年からエンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは年間3基、バッテリー、電子制御装置、MGU-Kは年間2基。
  15. ^ 1つ目のコンポーネントの場合10グリッド、2つ目以降は5グリッド。
  16. ^ 例外として特定のコーナーにおいて、4輪全てが縁石を越えた場合は当該周回で出したタイムが無効になる。
  17. ^ 2017年に規定数を超えたパワーユニットの交換によるグリッド降格が頻繁に発生したため、翌2018年から導入された。 【F1】 パワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティを小変更”. F1-Gate.com (2017年12月7日). 2017年12月7日閲覧。
  18. ^ 2012年アブダビGPでのセバスチャン・ベッテルのように作戦上ピットレーンスタートを選択する場合もある。
  19. ^ 審議時には「フリー走行でのタイム」「今シーズンのレースの走行ペース」などといった要素が考慮されている。またマシントラブルやアクシデントで走行できず予選ノータイムや107%を超過するタイムとなった場合も審議対象となる。
  20. ^ 1988年日本グランプリでは予選5位のタイムが1分43秒693で2名並び、先にタイムを出したネルソン・ピケが5位、中嶋悟が6位になった。また1997年ヨーロッパグランプリではトップ3名が1分21秒072の同タイムで並び、タイムを記録した順でポールポジションからジャック・ヴィルヌーヴミハエル・シューマッハハインツ・ハラルド・フレンツェンの順でグリッドに着いた。
  21. ^ フェニックス市街地で行われたアメリカGPが代表例(1989年では75周で優勝タイム2時間1分33秒133、翌1990年では72周に変更)。
  22. ^ ただし、雨天時などスタンディングスタートで行うリスクが高いと判断された場合は、セーフティカーの先導によるローリングスタートが行われる場合もある。
  23. ^ コンパウンド(硬さ)は全部で7種類ありそのうちの3種類がグランプリ毎に指定され、3種類のうち最低2種類を決勝レース中に履かなければならない。
  24. ^ ローラダラーラなどのシャシーメーカに製作を依頼することは可能だが、その場合もそのシャシーを他チームと共用することはできない。
  25. ^ メリ自身が自分にスポンサーが無いことを明言している。“メルヒ、シート維持にはスポンサーが必要”. ESPN F1. (2015年3月11日). http://ja.espnf1.com/manor/motorsport/story/193971.html 2015年4月15日閲覧。 
  26. ^ 7度のチャンピオン経験者であるミハエル・シューマッハも、デビュー戦はメルセデスのスポンサー資金提供を受けたことでシートを確保し、2度のチャンピオン経験者のフェルナンド・アロンソもサンタンデール銀行のスポンサードを受けている。
  27. ^ これはザウバーに所属した歴代ドライバーの中で最高位、最多回数である
  28. ^ 特に完走率が非常に高く、2017年までの4年間では、93.5%(決勝に進出した78戦中73戦完走)という記録を誇る。
  29. ^ 同じウィリアムズのドライバーで見れば、持参金以外の点ではバルテリ・ボッタスと似たようなキャリアとなっている。
  30. ^ 当時3強と呼ばれるチーム以外では唯一の表彰台獲得。
  31. ^ ヨーロッパで人気のある他のスポーツとしてはサッカーなどが挙げられる。
  32. ^ F1総集編については2009年シーズン分で終了。地上波も2011年シーズン分で終了し、以降は有料放送のみとなった。ただし、2014年と2015年シーズン分についてはダイジェスト版という形でBSフジで放送された。
  33. ^ 他にも2007年の開催は直接的な要因は開催コース変更に伴う集客率の変化だが、間接的な要因は運営側の不手際が頻発し、観戦者より民事訴訟が起きる事態になったうえ、競技面でもトラブルが頻発してしまった。また、それが影響し、2008年の富士スピードウェイの日本GPにおいてはその対策を施したものの、前述のイメージ低下を払しょくすることができず、入場者数の低下を招いた面もある(ただ、2008年については決勝観客動員数を14万人から11万人相当に縮小したため、分母が減った分だけ入場数が減ったという見方もできる)。

出典[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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