フォーミュラE

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フォーミュラE
カテゴリ シングルシーター
国・地域 国際
開始年 2014-15
ドライバー 20
チーム 10
コンストラクター スパーク
タイヤ
サプライヤー
ミシュラン
公式サイト FIAFormulaE.com
Motorsport current event.svg 現在のシーズン

フォーミュラEFormula E 、フォーミュライー)は化石燃料を使用しない電気自動車フォーミュラカー2014年9月よりFIA フォーミュラE選手権 (FIA Formula E Championship ) が開催されている。

概要[編集]

アプト・スポーツラインのフォーミュラEチーム(2015年、ベルリン)

2012年8月27日、国際自動車連盟 (FIA) がシリーズ設立を発表した[1]。フォーミュラEホールディング (FEH) がシリーズを運営し、同社CEOにはスペインの実業家アレハンドロ・アガグ英語版[2] が就任した。都市部の大気汚染対策となる電気自動車の普及促進を狙い、レースは世界各地の大都市や有名リゾート地の市街地コースで行なわれる[3][4]。シリーズは秋に開幕し、年をまたいで年間10戦程度が行なわれる予定。

初年度の2014年は「スパーク・ルノー・SRT_01E (Spark-Renault SRT_01E) 」と呼ばれる専用マシンを用いたワンメイクレースとして実施される。2015年以降はチーム独自にマシンを製造・改良することが認められる。搭載バッテリーの充電量に限度があるため、ドライバー1名あたり2台のマシンを使用し、レース中にピットで乗り換えなければならない[5]。2年目以降は停車中にワイヤレス充電するシステムが採用され、将来的にはコース上の給電レーンを走行してワイヤレス充電する「ダイナミック・チャージング」の導入を目指している[6][7]

2013年8月にFOX SPORTSがテレビ放映権を獲得しており[8]、同社が国際的なマルチメディア展開を担当する。

日本でのテレビ放映権はテレビ朝日が獲得しており、同社の保有する地上波・BS(BS朝日)・CS(テレ朝チャンネル)の3波を活用して全戦生中継を行う。フリー走行はBS朝日、予選はテレ朝チャンネル、決勝レースは地上波のテレビ朝日にて放送されることが発表された[9]が、この体制で放送されたのは開幕戦の北京大会のみであり、以降は決勝レースについてもBS朝日での放送となっている。後に地上波ではレース後1週間後を目安として決勝レースの録画放送がされるようになった[10]。全戦で解説は片山右京[11]、実況は田畑祐一が務める。

またワイヤレス給電などのテクニカルパートナーとしてクアルコムと契約を結んでいるほか[12]、物流面ではDHLと契約し、同社が全面的にマシン等の機材輸送を担当する[13]

オフィシャルカーはフォーミュラーE選手権の公式パートナーのBMWが供給、セーフティーカーi8を2台とオフィシャルカーにi3を2台の計4台が供給された。なおセーフティーカー(正式名称はクアルコム・セーフティーカー)のドライバーは、長年WTCCでセーフティーカーのドライバーを務めるブルーノ・コレイアが務める。

また「電気自動車」という都合上、ほとんどのマシントラブルが「電気系統のトラブル」で一括りになってしまったり、また燃料ではないため「電費(燃費)」「電欠(ガス欠)」などといった独特の言い回しがあるのも特徴である[14]。またマシンの順位と速度だけでなくバッテリーの残量もリアルタイムで確認できるため、それらの情報が実況に反映される。

レギュレーション[編集]

フォーミュラE公式サイト[15]、FIAプレスリリース[16][17]より。

  • 選手権はドライバー部門とチーム部門がある。ドライバー部門は年間成績のうち下位2戦を切り捨てる有効ポイント制。チーム部門は全成績が対象となる。
  • ポイントは1位から10位まで順に25-18-15-12-10-8-6-4-2-1ポイント。ポールポジション3ポイント、ファステストラップ2ポイント
  • レースは土曜日のワンデイイベント。
    • 練習走行は1回のみ、60分。
    • 予選は55分。ただし走行時間は40分。5台ごとにグループとなり計4グループに分かれて行う。各グループで10分間タイム計測を行う。練習走行のタイム順に1台ずつ出走し、最大4周まで(アタックラップは2周)。
    • 決勝レースは最大で60分。フォーメーションラップはなし(初開催の第1戦のみフォーメーションラップありで行われた)。スターティンググリッドから2列下がったダミーグリッドについた後、スターティンググリッドに移動してからスタンディングスタートでレースが開始される。
  • レース中にマシン乗換えのための最低1回のピットストップが義務付けられる。
    • 乗り換え前と後の2台のカーナンバーを異なる色にする。
    • 時間制限が設定されており、ガレージ内での乗り換え作業は50秒以上かけなければならず、ピットインからピットアウトまでのトータルタイムも指定秒数(レース毎に指定)以上をかけなければならない。
  • タイヤがパンクした場合を除き、マシン乗り換え時にタイヤ交換作業は行なえない。
  • 練習走行と予選ではパワーユニットの最大出力 (200kw/270bhp) を使用可。決勝レース中はセーブモード (150kw/202.5bhp) に制限されるが、ファンブーストを持つドライバーは車につき5秒間のあいだ最大出力を180kw/243bhpに上げることが出来る。
    • SNS上で最も支持されたドライバーのみ追加でプッシュ・トゥ・パスを使用できるというファン連動システムを導入[18]。これは「Fan Boost(ファン・ブースト)」と命名された。「Fan Boost」の使用は、マシンから伝送された他の情報と共に中継映像で確認できる。
  • 参戦するには最低でも国際B級ライセンスを持った上でFIAからeLicenceを取得する必要がある。
  • 1シーズンにつき、各ドライバーは車毎にモーター・バッテリーパック・ギアボックスの使用は1つまで。
  • 1イベントにつき、最大で5つの前輪用タイヤと5つの後輪用タイヤが使用できる。
  • 1チームに於いて車のオペレーションスタッフは12名まで。
  • セーフティカー手順はFIA標準に従う
  • 公式以外のテストは認めない

マシン[編集]

スパーク・ルノー・SRT 01E
ミシュラン製全天候型18インチタイヤ

2013年9月のフランクフルトモーターショーで「スパーク・ルノー・SRT_01E」がお披露目された[5]。設計はスパーク・レーシング・テクノロジー[19]が担当し、パワートレイン全体を監修するテクニカルパートナーにルノーが就き、後述する主なサプライヤーから供給される各種コンポーネントを統括する[20]。開発ドライバーにはルーカス・ディ・グラッシ[21]佐藤琢磨[22]が起用される。

動力性能的にはF3マシンと同等レベル[18]。0-100km/h加速は2.9秒、市街地コースのため最高速度は225km/h程度に抑えられる(いずれも想定値)。市販EVは変速機非搭載(最終減速のみ)だが、フォーミュラEでは4段ギアボックスを搭載する[18]

シャシーは、F1などのオープンホイールカーのレースで常に憂慮されるタイヤ同士の接触を原因とする車体が宙に舞うクラッシュを極力防ぐための工夫が凝らされている。フロントウィングの翼端板は正面から見た時にフロントタイヤのトレッド面を完全に覆う形状となっている他、サイドポンツーン後部はリアタイヤ前部のトレッド面を、さらにリアウイング下部と一体になったバンパーがリアタイヤ後部のトレッド面を覆い、トレッド面同士の接触を防ぐ構造になっている。また、コクピット両側には翼断面形状のクラッシャブルストラクチャーが取り付けられている。

ミシュランが供給するタイヤは18インチの溝入り全天候型タイヤとなり、1イベントにつき1台のマシンが使用可能なタイヤは1.5セット(6本)に限られる[23]

現在は実質ワンメイクレースであるが、他には陸上・水上の速度記録挑戦で知られるブルーバードが新マニュファクチャラーとして参戦の意向を表明している[24]

主なサプライヤー[編集]

反応[編集]

マシンがF3レベルであることや、マシンの乗換が必須であること、エンジン音がなく静かなためレース中にBGMが流されるといった既存のモータースポーツとは違うルール・環境のため、「フォーミュラEはチーズ」[25]「こんなものはスポーツではない」[26]といった印象もある。

また2014-2015シーズンのドライバーの多くはシートを失った「元F1ドライバー」が大半を占めているなど、人材面でも未だに模索が続いているがかつてF1に参戦しフォーミュラEへ参戦するヴァージン・レーシングリチャード・ブランソンは、2020年代にはF1に代わりフォーミュラEがトップシリーズとなると予想している[27]

脚注[編集]

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  1. ^ "New FIA Formula E Championship". 国際自動車連盟.(2012年8月27日)2013年10月20日閲覧。
  2. ^ GP2GP3に参戦するアダックス英語版のオーナーで、かつてはスーパーアグリF1チームの株式買収候補として噂された。
  3. ^ "“フォーミュラE”、EV普及促進を狙い大都市で開催". オートスポーツweb.(2012年8月10日)2013年10月22日閲覧。
  4. ^ 川原田剛 "鈴木亜久里、プロストが参戦する「フォーミュラE」って何だ? page2/3". Web Sportiva.(2013年11月14日)2013年11月16日閲覧。
  5. ^ a b "【フランクフルトモーターショー2013】フォーミュラE用のEVマシンがお目見え!". autoblog 日本版.(2013年9月16日)2013年10月20日閲覧。
  6. ^ 平澤寿康 "クアルコムがカーレース『フォーミュラE』とのパートナーシップを発表". 週アスPLUS.(2010年9月10日)2013年10月20日閲覧。
  7. ^ "フォーミュラE、レース中のワイヤレス充電の導入を目指す". F1-Gate.com.(2013年9月10日)2013年10月20日閲覧。
  8. ^ FOX Sports confirms international multi-media deal with FIA Formula E Championship - Formula E・2013年8月9日
  9. ^ BS朝日によるハイライトの放送あり
  10. ^ テレビ朝日と一部系列局のみ放送
  11. ^ 第6戦は元F1ドライバーの中野信治が務めた。
  12. ^ Qualcomm becomes Founding Technology Partner of FIA Formula E Championship - Formula E・2013年9月9日
  13. ^ DHL delivers Formula E across the globe - Formula E・2013年9月10日
  14. ^ 開始当初は実況・解説がこの言い回しに苦笑するシーンが多々あった。
  15. ^ "Event Format". Formula E. 2013年10月20日閲覧。
  16. ^ "FIA Formula E Championship". FIA.(2013年12月)2014年2月9日閲覧。
  17. ^ World Motor Sport Council - Friday 11 April, Marrakech”. 国際自動車連盟 (2014年4月11日). 2014年4月13日閲覧。
  18. ^ a b c 世良耕太 "ahead 1月号- EVのF1開幕元年“Formula E”とは何か". オートルックワン.(2014年1月31日)2014年2月9日閲覧。
  19. ^ GP2に参戦するARTグランプリの創始者フレデリック・ヴァスールが代表を務める新会社。ヴァスールは以前にも電動フォーミュラカー「フォーミュレック・EF01」を開発している。
  20. ^ Formula E unveils new Spark-Renault SRT_01E at Frankfurt Motor Show - Formula E・2013年9月10日
  21. ^ パワー抑え、フォーミュラEの新車初テストを実施 - オートスポーツ・2013年11月21日
  22. ^ 佐藤琢磨、フォーミュラEの開発ドライバーに就任 - オートスポーツ・2013年11月20日
  23. ^ フォーミュラE、全天候型の18インチタイヤを採用 - オートスポーツ・2013年9月18日
  24. ^ "フォーミュラEに新マニュファクチャラー参戦表明". オートスポーツ.(2013年6月26日)2013年10月20日閲覧。
  25. ^ espnf1
  26. ^ espnf1
  27. ^ 「2020年にフォーミュラEはF1を上回る」 | Formula 1 | F1ニュース | ESPN F1 - ESPN

外部リンク[編集]