ハースF1チーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
アメリカ合衆国の旗 ハース・フェラーリ
エントリー名 ハースF1チーム
Haas F1 Team
チーム国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
チーム本拠地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ノースカロライナ州カナポリス(本部)
イギリスの旗 イギリス
イングランドの旗 イングランド
オックスフォード州バンベリー(ヨーロッパ部署)
チーム代表者 ジーン・ハース
(チームオーナー&チーム会長・創設者)
ジョー・カスター
(COO)
ギュンター・シュタイナー
(チーム代表)
テクニカルディレクター ロブ・テイラー
(チーフデザイナー)
ベン・アガサンジェロー
(チーフエアロダイナミシスト)
2018年のF1世界選手権
ドライバー 8. フランスの旗 ロマン・グロージャン
20. デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン
テストドライバー アメリカ合衆国の旗 サンティノ・フェルッチ
インドの旗 アルジュン・マイニ
シャーシ VF-18
エンジン フェラーリ 062 EVO
タイヤ ピレリ
F1世界選手権におけるチーム履歴
参戦年度 2016-
出走回数 50
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズ
タイトル
0
優勝回数 0
通算獲得ポイント 125
表彰台(3位以内)回数 0
ポールポジション 0
ファステストラップ 1
F1デビュー戦 2016年オーストラリアGP
2017年順位 8位 (47ポイント)
(記録は2017年第20戦アブダビGP終了時)
テンプレートを表示

ハース・フォーミュラLLCHaas F1 Team、Haas Formula LLC)は、2016年からF1に参戦しているアメリカ合衆国のレーシングチーム。

概要[編集]

NASCARの有力チームであるスチュワート=ハース・レーシングの創設者でありオーナーを務めるジーン・ハース英語版が創設したチーム。チーム本拠地はスチュワート=ハース・レーシングの隣に置かれるが、ヨーロッパでの拠点として以前マルシャF1チームが使用していた旧ファクトリーを買収して使用する。シャシーはダラーラに依頼し製造した。

なお、かつて1980年代にF1に参戦していたチーム・ハース及び同チームのオーナーだったカール・ハース英語版とは全く関係はない[1]

歴史[編集]

NASCARチームの共同所有者であるジーン・ハースが2014年1月、F1チームの設立を目指していると発表。当初は2015年からの参戦を目指して準備を進めていた。2014年4月に国際自動車連盟(FIA)から、ハースの参戦が承認されたが、より確実な準備を行ってから参戦するため参戦を2016年に延期した。2014年9月に2016年からの参戦を正式発表。またフェラーリと技術提携を行うことが発表され、フェラーリ製パワーユニット、トランスミッションが供給されることとなった。

2016年[編集]

VF-16(2016年)

2015年9月に、ロータスよりエースドライバーとしてロマン・グロージャンが移籍することが発表。またセカンドドライバーにはフェラーリのリサーブドライバーを務めていたエステバン・グティエレスを迎えた。

ハースF1最初のレースとなった2016年オーストラリアGPでは予選こそ2人ともQ1で敗退したものの、決勝では波乱絡みのレースをかいくぐったグロージャンが6位に入賞。チーム初参戦ながらポイントを獲得する快挙を達成。次戦で5位に連続入賞するも、次の中国GPにてタイヤ最低内圧の前年からの変更に対しグロージャンが不満を訴え[2]、これ以後チームは勢いを落としたが、グロージャンはオーストリアGPで7位、ホームグランプリとなるアメリカGPで10位に入賞した。最終的にグロージャンがチームの全得点を獲得し、コンストラクターズランキング8位と健闘した。

2017年[編集]

2016年11月12日、グロージャンの残留とルノーよりケビン・マグヌッセンが移籍することが発表された[3]。エンジニアの小松礼雄は、レギュレーションの変化によるマシン開発が追いついていないため、2017年に関しては苦戦を覚悟していると語っていたが、いざシーズンが始まってみれば、グロージャンが開幕戦オーストラリアGPで予選6位を獲得、そして中国GPでマグヌッセンが、バーレーンGPでグロージャンがそれぞれ8位入賞を達成しており、中団グループでの争いには充分入れる力を示している。モナコGPでチーム初のダブル入賞を果たした。アゼルバイジャンGPでは荒れたレースを生き残りマグヌッセンが7位入賞。第9戦オーストリアGPではグロージャンが6位入賞で2017年のベストリザルトを獲得するとともに、前年のポイントに並んだ。終盤にはトロ・ロッソとルノーとのポイント差を詰めていきランキング6位まで見えていたが、結局逆転には至らず前年と同じ8位でシーズンを終えた。しかしポイント自体は2人で順調に入賞を重ねたこともあり前年を大きく上回る47ポイントを獲得し成績は向上している。

なお、今シーズンは両ドライバー共に荒いドライビングが見られ、グロージャンは単独クラッシュを繰り返しており[4][5]、マグヌッセンも危険なドライビングやそれを肯定する発言[6][7]で周囲の顰蹙を買うなどといったシーンが見られていた。そして接触や進路妨害などによるペナルティ受けることが多かったため、2018年シーズンの開幕時点での有効ペナルティポイントが両ドライバー共に6ポイントと全ドライバー中最も多く、「危険なドライバーコンビ」という体制が浮き彫りになった。これらについて結果的に静観する方針としたことが、2018年シーズンに少なからず響くこととなった。

2018年[編集]

ドライバーはグロージャン、マグヌッセン共に残留[8]。新車VF-18がバルセロナテストから好調で、今シーズンの「ダークホース」として大いに注目された。その中で開幕戦オーストラリアGPではいきなり両者予選Q3進出、クラッシュしたメルセデスバルテリ・ボッタスを除くトップ3チームに次ぐ6・7番手を獲得する。決勝ではレッドブルを抑え4・5番手を走行していたが、1回目のピットストップ時に両者ともに左リアのホイールがうまく装着されず、そのままコース上でマシンを止めてダブルリタイアするという不運に見舞われた[9]

これ以降、シーズンのほぼ2分の1にあたる第10戦までマグヌッセンとグロージャンの明暗が分かれていくこととなる。マグヌッセンは第2戦バーレーンGPの5位入賞をきっかけに度々入賞するようになり、第8戦フランスGPの6位入賞を以て前年の成績を上回った。一方、グロージャンはマシントラブルが頻発したうえ、運転ミスが目立つようになり、第4戦アゼルバイジャンGPにおいてセーフティカー導入中のスイッチ類の誤操作による単独クラッシュを筆頭に(チーム側のミスやマシントラブルもあるが)入賞のチャンスを不意にするケースを何度か起こしてしまい、第8戦までノーポイントだったが、第9戦で4位入賞でポイント獲得。1stドライバーとしての意地を見せた。

ただ、前年に続き接触や進路妨害などがたびたび起きており、第4戦ではグロージャンが前述の一件、マグヌッセンはピエール・ガスリーと接触。第5戦スペインGPではグロージャンが1周目にマグヌッセンが挙動を乱したのに反応して単独スピンしたのが原因で2台(ニコ・ヒュルケンベルグ、ピエール・ガスリー)を巻き込んでクラッシュするという大事故[10]を起こし、マグヌッセンもフリー走行中にザウバーのシャルル・ルクレールの進路妨害に相当する行為があったと判断され[11]、批判にさらされることとなった。

両者批判に晒されているが、マグヌッセンが謝罪[12]などの釈明や悪童のイメージのせいで正しく評価されていない面[13]があるのに対し、グロージャンは反省の色が見えにくいコメント[14][15]をしているせいで批判が彼に集中してしまっている面もある。ただ、第17戦日本GPでのマグヌッセンとルクレールの接触の際、ルクレールが激怒[16]したように、2人がシーズンを通じて何らかのトラブルに関わっていることが多いため、危険なイメージは払拭されていない。イタリアGPでグロージャンが失格[17]、そしてアメリカGPではマグヌッセンも失格[18]処分を受けた。「ミッドフィールドチームのような状況では、ポイントを保証されていない[19]」とはいえ、最も過激なチームとして睨まれる結果となった。

戦績[編集]

シャシー エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 ポイント ランキング
2016 VF-16 フェラーリ 061
1.6L V6ターボ
P AUS BHR CHN RUS ESP MON CAN EUR AUT GBR HUN GER BEL ITA SIN MAL JPN USA MEX BRA ABU 29 8位
フランスの旗 グロージャン 6 5 19 8 Ret 13 14 13 7 Ret 14 13 13 11 DNS Ret 11 10 20 DNS 11
メキシコの旗 グティエレス Ret Ret 14 17 11 11 13 16 11 16 13 11 12 13 11 Ret 20 Ret 19 Ret 12
2017 VF-17 フェラーリ 062
1.6L V6ターボ
P AUS CHN BHR RUS ESP MON CAN AZE AUT GBR HUN BEL ITA SIN MAL JPN USA MEX BRA ABU 47 8位
フランスの旗 グロージャン Ret 11 8 Ret 10 8 10 13 6 13 Ret 7 15 9 13 9 14 15 15 11
デンマークの旗 マグヌッセン Ret 8 Ret 13 14 10 12 7 Ret 12 13 15 11 Ret 12 8 16 8 Ret 13

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ Haas F1: Who are they and what do we know about them? - Sky Sports・2015年9月30日
  2. ^ ピレリに内圧の不満をぶつけたグロージャン - ESPN F1・2016年4月21日
  3. ^ “ハース、ケビン・マグヌッセンとの契約を正式発表…グロージャンも残留”. F1-Gate.com. (2016年11月12日). http://f1-gate.com/haas/f1_33766.html 
  4. ^ “ロマン・グロージャン 「予選をオンタイムで開始したのは間違い」”. F1-Gate.com. (2017年9月3日). https://f1-gate.com/grosjean/f1_38367.html 
  5. ^ “【動画】 ロマン・グロージャンがクラッシュ / F1日本GP 予選”. F1-Gate.com. (2017年10月7日). https://f1-gate.com/movie/f1_38983.html 
  6. ^ “ケビン・マグヌッセン 「ドライビングスタイルを変える気などない」”. F1-Gate.com. (2017年10月9日). https://f1-gate.com/kevinmagnussen/f1_38928.html 
  7. ^ “ケビン・マグヌッセン 「文句を言ってきたのはヒュルケンベルグだけ」”. F1-Gate.com. (2017年12月30日). https://f1-gate.com/kevinmagnussen/f1_40297.html 
  8. ^ ハースF1、2018年シーズンもグロージャンとマグヌッセンを起用すると明言”. AUTO SPORT web (2017年7月22日). 2018年5月4日閲覧。
  9. ^ ハースF1、上位走行もタイヤ交換のミスでWリタイア”. ESPNF1 (2018年3月25日). 2018年5月4日閲覧。
  10. ^ ロマン・グロージャン、次戦F1モナコGPで3グリッド降格ペナルティ”. F1-Gate.com (2018年5月14日). 2018年5月20日閲覧。
  11. ^ マグヌッセンの危険なブロックに戒告。ルクレールとザウバー代表が怒り示す”. AUTO SPORT web (2018年5月12日). 2018年6月27日閲覧。
  12. ^ マグヌッセン、「レースで死ぬ」発言を釈明。ガスリーへの謝罪も明かす”. AUTO SPORT web (2018年5月4日). 2018年6月26日閲覧。
  13. ^ 「ライバルの戦術に屈するな!」ハース、”口撃”されるマグヌッセン擁護”. motorsport.com (2018年8月16日). 2018年8月16日閲覧。
  14. ^ グロージャン「ミスは誰にでもある」と自身を擁護。フェラーリF1移籍を視野に入れつつもハース残留を希望”. AUTO SPORT web (2018年5月24日). 2018年6月26日閲覧。
  15. ^ ハースF1代表がグロージャンを擁護。「ペナルティは彼に追い打ちをかけてしまう」”. AUTO SPORT web (2018年5月17日). 2018年6月26日閲覧。
  16. ^ 「バカは永遠に治らない」とルクレール”. ja.espnf1.com (2018年10月7日). 2018年10月7日閲覧。
  17. ^ ロマン・グロージャンのF1イタリアGPからの失格が確定”. f1-gate.com (2018年11月2日). 2018年11月2日閲覧。
  18. ^ “失格のマグヌッセンは燃料0.1kgオーバー”. ja.espnf1.com. (2018年10月22日). http://ja.espnf1.com/haas/motorsport/story/250212.html 2018年10月23日閲覧。 
  19. ^ ミッドフィールドチームのような状況では、ポイントを保証されていない。”. f1-gate.com (2018年5月3日). 2018年10月23日閲覧。

外部リンク[編集]