2016年メキシコグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
メキシコの旗 2016年メキシコグランプリ
レース詳細
Autódromo Hermanos Rodríguez 2015.svg
日程 2016年シーズン第19戦
決勝開催日 10月30日
開催地 エルマノス・ロドリゲス・サーキット
メキシコ メキシコシティ
コース長 4.304km
レース距離 71周(305.354km)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:18.704
ファステストラップ
ドライバー オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド
タイム 1:21.134(Lap 53)
決勝順位
優勝
2位
3位

2016年メキシコグランプリ2016 Mexican Grand Prix)は、2016年のF1世界選手権第19戦として、2016年10月30日エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催された。

レース前[編集]

  • このレースでピレリが用意したドライタイヤのコンパウンドはミディアム、ソフト、スーパーソフトの3種類[1]

予選[編集]

2016年10月29日土曜日)13:00(現地時間

  • 天候:晴
  • 路面状況:ドライ
  • 気温:17度
  • 路面温度:50度

経過[編集]

ルイス・ハミルトンが2戦連続のポールポジション

Q1ではダニール・クビアトがパワーユニットのトラブルで2回目のアタックができず脱落。ホームグランプリとなるエステバン・グティエレスが最後のアタックでスピンを喫し、チームメイトのロマン・グロージャンがその影響を受けたためタイム更新ができず、ハースは揃ってQ1脱落となった。なお、ジョリオン・パーマーはFP3終了後にモノコックにクラックが見つかったため、モノコック交換を実施。しかし作業が間に合わず予選への出走を断念した。

Q2ではグティエレス同様ホームグランプリとなるセルジオ・ペレスマクラーレン勢が脱落した。苦戦を予想していたフェルナンド・アロンソは「11位だ」という無線に「よしっ! ファンタスティックだ!」と答えた。

ここまで調子が悪かったニコ・ロズベルグはQ3最後のアタックでレッドブル勢を上回るタイムを出したが、ハミルトンには及ばず2位に終わった。結果、このレースもメルセデスがフロントローを独占した。

結果[編集]

Pos. No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:19.447 1:19.137 1:18.704 1
2 6 ドイツの旗 ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:19.996 1:19.761 1:18.958 2
3 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-タグ・ホイヤー 1:19.874 1:18.972 1:19.054 3
4 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 1:19.713 1:19.553 1:19.133 4
5 27 ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ フォース・インディア-メルセデス 1:20.599 1:19.769 1:19.330 5
6 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 1:19.554 1:19.936 1:19.376 6
7 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:19.865 1:19.385 1:19.381 7
8 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス ウィリアムズ-メルセデス 1:20.338 1:19.958 1:19.551 8
9 19 ブラジルの旗 フェリペ・マッサ ウィリアムズ-メルセデス 1:20.423 1:20.151 1:20.032 9
10 55 スペインの旗 カルロス・サインツ トロ・ロッソ-フェラーリ 1:20.457 1:20.169 1:20.378 10
11 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ホンダ 1:20.552 1:20.282 11
12 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 1:20.308 1:20.287 12
13 22 イギリスの旗 ジェンソン・バトン マクラーレン-ホンダ 1:21.333 1:20.673 13
14 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ルノー 1:21.254 1:21.131 14
15 9 スウェーデンの旗 マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 1:21.062 1:21.536 15
16 94 ドイツの旗 パスカル・ウェーレイン MRT-メルセデス 1:21.363 1:21.785 16
17 21 メキシコの旗 エステバン・グティエレス ハース-フェラーリ 1:21.401 17
18 26 ロシアの旗 ダニール・クビアト トロ・ロッソ-フェラーリ 1:21.454 18
19 12 ブラジルの旗 フェリペ・ナッセ ザウバー-フェラーリ 1:21.692 19
20 31 フランスの旗 エステバン・オコン MRT-メルセデス 1:21.881 20
21 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 1:21.916 PL1
107% time: 1:25.008
NC 30 イギリスの旗 ジョリオン・パーマー ルノー no time 212
ソース[2][3]
追記
  • ^1 - グロージャンは予選後にフロアを交換したため、決勝はピットレーンからスタート[4][5]
  • ^2 - パーマーはタイムを出せなかったが、スチュワードの判断により決勝出走を許可された[6]

決勝[編集]

2016年10月30日(日曜日)13:00(現地時間[7]

  • 天候:晴[8]
  • 路面状況:ドライ
  • 気温:19度[8]
  • 路面温度:48度[8]

経過[編集]

ルイス・ハミルトンが2戦連続のポール・トゥ・ウィンで、アラン・プロストに並ぶ歴代2位の通算51勝目を飾った。

スタート直後、ハミルトンがオーバーランしコースを大きくはみ出したがコースに復帰してトップを守り、すぐ後方ではマックス・フェルスタッペンニコ・ロズベルグをオーバーテイクする際に接触、ロズベルグがやや押し出されるようにコースオフを強いられ、フェルスタッペンの前でコースに戻った。この一件は審議対象となったがお咎めなしとなった。さらに後方ではエステバン・グティエレスパスカル・ウェーレインを押し出し、コントロールを失ったままマーカス・エリクソンと接触しウェーレインはリタイアとなった。この事故によりセーフティカーが導入された。この他にもフェルナンド・アロンソカルロス・サインツに幅寄せされコース外にはみ出したことで、サインツには5秒加算ペナルティが科せられた。

気圧が低くスリップストリームの効きづらいこのサーキットではコース上のオーバーテイクが難しく、レースはこの後膠着状態となる。

50周目、ロズベルグとの差を徐々に詰めていたフェルスタッペンがオーバーテイクを試みたが失敗、逆にベッテルとリカルドに追い詰められるようになる。残り3周のターン1でベッテルがオーバーテイクを仕掛け、フェルスタッペンはブレーキングを遅らせ対応したがコースオフ、ショートカットしてコースに復帰したがベッテルの前にい続けたために審議対象となる。その後ベッテルはリカルドに仕掛けられ、ブレーキング中に進路を変えて防御した。この行為も審議対象となる。

ベッテルに先に行かせろとチームからの指示もあったが、フェルスタッペンはそのまま3位でチェッカーを受け、ベッテルとリカルドも続いてチェッカーを受けた。フェルスタッペンは1-2フィニッシュを果たしたハミルトンとロズベルグとともに表彰式の準備をしていたが、この時に前述したベッテルとのバトルの際にコース外でアドバンテージを得たとして5秒加算ペナルティが科せられて5位に降格、代わってベッテルが3位表彰台を獲得することになり、ベッテルは慌ただしく表彰式に参加した。しかし、その後の審議でベッテルがリカルドに対して行ったアクションについて、前戦アメリカGPより適用された「ブレーキング時の進路変更禁止」のルールに抵触したとして10秒加算ペナルティを受け5位に降格。結果、リカルド3位、フェルスタッペン4位となり、この時点でリカルドはドライバーズランキング3位が確定した。これまで特にフェラーリ勢がフェルスタッペンのアクションを危険と訴え設けられたルールであったが、皮肉にもこの行為の危険性を訴えてきたベッテルがこの新ルールによるペナルティ第1号となってしまった。更にベッテルの暴言無線が大問題となり、残り3周のターン1でフェルスタッペンがコースをショートカットしたことで、その態度を理解できないベッテルは激怒し、無線でFXXX SXXX『いい加減にしろよ』などという意味の放送禁止用語を並び立てた暴言を連発。レース審議委員会からなんらかのペナルティがフェルスタッペンに与えられると期待していたが、結局そのままチェッカーフラッグが振られ、ベッテルは無線でチャーリー・ホワイティングに対しても怒りが収まらずFXXX OXX(『失せろ!』という意味の放送禁止用語)の暴言を連発した。ほかのスポーツなら、一発で退場させられても不思議はないほどの暴言をベッテルは無線で吐いた。レース後、ベッテルは出場停止処分などの重いペナルティが科せられても仕方がないという見解もあり、ベッテルの無線問題はレース後も大きな波紋を呼んだ。しかし、FIA(F1を主催する国際自動車連盟)は11月1日に「ベッテルからの誠実な謝罪と強い決意により、例外的な措置として、ベッテルに懲戒措置を科さないことを決定した」と、この問題の幕を引いた。

なお、ドライバーズチャンピオンを争うロズベルグとハミルトンのポイント差は19点となった。

このレースでバルテリ・ボッタスが決勝における最高速度372.5km/hをマークした[9]

無線に関しては2016年になって、規制が強化された後に基本的に全面解禁に変わるなど、何度もその存在がクローズアップされてきた。無線が悪いのではなく、問題はそのベッテルの暴言無線の中身である。

結果[編集]

Pos. No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア Grid Pts.
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 71 1:40:31.402 1 25
2 6 ドイツの旗 ニコ・ロズベルグ メルセデス 71 +8.354 2 18
3 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 71 +20.858 4 15
4 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-タグ・ホイヤー 71 +21.323 1 3 12
5 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 71 +27.313 2 7 10
6 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 71 +49.376 6 8
7 27 ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ フォース・インディア-メルセデス 71 +58.891 5 6
8 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス ウィリアムズ-メルセデス 71 +1:05.612 8 4
9 19 ブラジルの旗 フェリペ・マッサ ウィリアムズ-メルセデス 71 +1:16.206 9 2
10 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 71 +1:16.798 12 1
11 9 スウェーデンの旗 マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 70 +1 Lap 15
12 22 イギリスの旗 ジェンソン・バトン マクラーレン-ホンダ 70 +1 Lap 13
13 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ホンダ 70 +1 Lap 11
14 30 イギリスの旗 ジョリオン・パーマー ルノー 70 +1 Lap 21
15 12 ブラジルの旗 フェリペ・ナッセ ザウバー-フェラーリ 70 +1 Lap 19
16 55 スペインの旗 カルロス・サインツ トロ・ロッソ-フェラーリ 70 +1 Lap 3 10
17 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ルノー 70 +1 Lap 14
18 26 ロシアの旗 ダニール・クビアト トロ・ロッソ-フェラーリ 70 +1 Lap 4 18
19 21 メキシコの旗 エステバン・グティエレス ハース-フェラーリ 70 +1 Lap 17
20 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 70 +1 Lap PL
21 31 フランスの旗 エステバン・オコン MRT-メルセデス 69 +2 Laps 20
Ret 94 ドイツの旗 パスカル・ウェーレイン MRT-メルセデス 0 アクシデント[10] 16
ソース[11]
ファステストラップ[12]
ラップリーダー[13]
追記
  • ^1 - フェルスタッペンベッテルとのバトルの際にコースを離れた後、ポジションを維持しアドバンテージを得たため、5秒加算ペナルティとペナルティポイント1点が科された。このペナルティにより3位から5位に降格。その後、ベッテルのペナルティにより4位となった[14][15][16]
  • ^2 - ベッテルリカルドとのバトルの際にブレーキング時に進路を変更したとして、10秒加算ペナルティとペナルティポイント2点が科された。フェルスタッペンのペナルティにより一旦は4位から3位に繰り上がったが、このペナルティにより5位に降格となった[15][17]
  • ^3 - サインツはスタート直後にアロンソをコース外に押し出したため、5秒加算ペナルティとペナルティポイント1点が科された[18][19]
  • ^4 - クビアトグロージャンとのバトルの際にコースを離れた後、ポジションを維持しアドバンテージを得たため、5秒加算ペナルティとペナルティポイント1点が科された[18][20]

第19戦終了時点でのランキング[編集]

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ F1メキシコGP:各ドライバーのタイヤ選択”. F1-Gate.com (2016年10月25日). 2016年10月29日閲覧。
  2. ^ FORMULA 1 GRAN PREMIO DE MÉXICO 2016 - QUALIFYING”. The Official F1 Website (2016年10月29日). 2016年10月30日閲覧。
  3. ^ FORMULA 1 GRAN PREMIO DE MÉXICO 2016 - STARTING GRID”. The Official F1 Website (2016年10月29日). 2016年10月30日閲覧。
  4. ^ ロマン・グロージャン、フロア交換でピットレーンスタート”. F1-Gate.com (2016年10月31日). 2016年10月31日閲覧。
  5. ^ Stewards Decision Doc25 - R.Grosjean”. fia.com (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  6. ^ Stewards Decision Doc19 - Renault Sport F1 Team Car 30”. fia.com (2016年10月29日). 2016年10月30日閲覧。
  7. ^ この日から標準時に戻る
  8. ^ a b c ハミルトン圧勝、ロズベルグとベッテルが表彰台”. ESPN F1 (2016年10月31日). 2016年10月31日閲覧。
  9. ^ Mexico stats - Hamilton moves level with Prost”. The Official F1 Website (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  10. ^ ウェーレイン「グティエレスはなぜあんなリスクを冒すのか」:マノー F1メキシコGP日曜”. AUTOSPORTweb (2016年10月31日). 2016年10月31日閲覧。
  11. ^ FORMULA 1 GRAN PREMIO DE MÉXICO 2016 - RACE RESULT”. The Official F1 Website (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  12. ^ FORMULA 1 GRAN PREMIO DE MÉXICO 2016 - FASTEST LAPS”. The Official F1 Website (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  13. ^ Lap chart”. fia.com (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  14. ^ フェルスタッペン、3位奪うペナルティは不当と主張。「ハミルトンとロズベルグには出さないのに!」”. AUTOSPORTweb (2016年10月31日). 2016年10月31日閲覧。
  15. ^ a b ベッテル、10秒のタイムペナルティで5位に”. ESPN F1 (2016年10月31日). 2016年10月31日閲覧。
  16. ^ Stewards Decision Doc33 - M.Verstappen”. fia.com (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  17. ^ Stewards Decision Doc38 - S.Vettel”. fia.com (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  18. ^ a b 期待に届かなかったトロ・ロッソ”. ESPN F1 (2016年10月31日). 2016年10月31日閲覧。
  19. ^ Stewards Decision Doc29 - C.Sainz”. fia.com (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
  20. ^ Stewards Decision Doc31 - D.Kvyat”. fia.com (2016年10月30日). 2016年10月31日閲覧。
前戦
2016年アメリカグランプリ
FIA F1世界選手権
2016年シーズン
次戦
2016年ブラジルグランプリ
前回開催
2015年メキシコグランプリ
メキシコの旗 メキシコグランプリ次回開催
2017年メキシコグランプリ