世界ツーリングカー選手権

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世界ツーリングカー選手権
カテゴリ ツーリングカー
国・地域 国際
開始年 1987
コンストラクター 2
タイヤ
サプライヤー
ヨコハマADVAN
ドライバーズ
チャンピオン
アルゼンチンの旗 ホセ・マリア・ロペス
マニュファクチャラーズ
チャンピオン
フランスの旗 シトロエン
公式サイト fiawtcc.com
Motorsport current event.svg 現在のシーズン

世界ツーリングカー選手権(せかいツーリングカーせんしゅけん、World Touring Car Championship、WTCC)は、国際自動車連盟 (FIA) が管轄する、ツーリングカーによるレースの名称である。

概要[編集]

ツーリングカー(市販車改造車)による世界選手権(WTC)は、初めて1987年に開催されており、当時はグループA車両によるセミ耐久レース(500km、スパ・フランコルシャンのみ24時間レース)であった。しかし運営面、規則面でトラブルが多発し、わずか1年で崩壊した。

その後2001年から2004年までヨーロッパツーリングカー選手権(ETCC)の名称で開催されていたスプリントレースが、2005年からFIAにより再び世界選手権のタイトルが懸けられた。マカオグランプリの併催レースである「ギア・レース」も選手権の一戦として組み込まれている。他のレースに比べて激しいぶつかり合いが許容されているため「ケンカレース」[1]や、「格闘技レース」[2]と呼ばれる。

興行面ではサーキットへの観客動員よりもテレビ中継を重視していて、基本的に欧州でのテレビ放映権を持つユーロスポーツによる放送に合わせてタイムスケジュール等がパッケージ化されているのが特徴。そのため観客動員が少なくても興行としての採算が取りやすい構造になっている[3]

参戦メーカー[編集]

F1やWRCと異なり、プライベーター供給されているマシンが多いのが特徴である。2017年現在マニュファクチャラーとして参戦しているのはホンダとボルボのみで、シトロエン、ラーダ、シボレーはインディペンデントチームで参戦している。

かつてはBMW、アルファロメオ、セアトも参戦していた。

レギュレーション[編集]

車両はかつてスーパー2000規定により改造範囲を厳しく制限された市販車によって行われたが、2014年から大幅な空力開発が認められたTC1規定に移行している(従来のスーパー2000はTC2規定として存続したが、事実上消滅している)。重量ハンデキャップ制が採用されており、レース毎に運営に指定されたウェイト(最大80kg)を積まなければならない。

搭載するエンジンは、GRE(グローバル・レース・エンジン)の直列四気筒1.6Lターボ。以前は市販エンジンを改造した2.0L NA ガソリンエンジンのみであったが、2008年から市販エンジンを改造した2.0L ターボディーゼルエンジンの使用も認められ、セアトのみが採用していた。

タイヤは当初1年ごとにタイヤメーカーの入札を行いワンメイクのメーカーを選ぶ仕組みとなっていて、2005年はミシュラン、2006年は横浜ゴムが選ばれた。その後FIAのタイヤメーカー選定方針に変化が生じたため、2007年以降も横浜ゴムのワンメイクが継続されている[4]

競技進行[編集]

予選は1周の最速タイムを競い、Q1、Q2、Q3で行われる。Q3の上位5台には、1位から5-4-3-2-1とドライバーズポイントが付与される。予選が終了した後、MAC3というイベントが開催される。これはマニュファクチャラーズタイトルを争うチームのみが参加できるタイムアタックで、同一マシンが3台で連なる様に走り、2周の合計タイムを計測する。その順位に応じてマニュファクチャラーズポイントが1位から12-8-6と与えられる。

決勝はオープニングレースとメインレースの2レース制である。オープニングレースはQ2のリバースグリッド。オープニングレース終了後、表彰式と15分の修復時間が与えられた後に、Q3までの予選結果が反映されたグリッドからメインレースがスタートする。2017年からオーバーテイクの難しい市街地では、ラリークロス同様ジョーカーラップと呼ばれる回り道が採用されており、レース中1度はここを通らなければならない。このジョーカーラップをいつ消化するかが勝敗のカギを握る。

タイトルは総合のドライバーズランキング、ワークスチーム向けのマニュファクチャラーズランキングの他に、インディペンデントチーム向けのWTCCトロフィーがドライバー・チーム共に存在する。

フォーマットやポイントシステムは時代よって様々に変化している。かつては予選は1次予選(Q1)、2次予選(Q2)の2回で行われた。第2レースのスタート順にはリバースグリッドが採用され、2次予選の上位10位のドライバーが、第2レースでは逆順に並んでスタートした(つまりQ2で10位のドライバーがポールポジションからスタートする)。また2007年シーズンより第1レースのスタートに際してローリングスタートが採用されてた。通常のスタンディングスタートが採用されていた前年までの開催において、FF車両のスタート加速がFR車両に対して明らかに不利となるケースが目立ったための救済措置ではあるものの、リバースグリッドの第2レーススタートに際してはスタンディングスタートのままであった。

歴代チャンピオン[編集]

ドライバーズ マニュファクチャラーズ
1987年 イタリアの旗 ロベルト・ラヴァーリア シュニッツァー/BMW) フォード・テキサコ・R.T
2005年 イギリスの旗 アンディ・プリオール (BMWチーム・UK) BMW
2006年 イギリスの旗 アンディ・プリオール (BMWチーム・UK) BMW
2007年 イギリスの旗 アンディ・プリオール (BMWチーム・UK) BMW
2008年 フランスの旗 イヴァン・ミュラー (セアトスポーツ) セアト
2009年 イタリアの旗 ガブリエル・タルキーニ (セアトスポーツ) セアト
2010年 フランスの旗 イヴァン・ミュラー (レイ・マロック/シボレー) シボレー
2011年 フランスの旗 イヴァン・ミュラー (レイ・マロック/シボレー) シボレー
2012年 イギリスの旗 ロバート・ハフ (レイ・マロック/シボレー) シボレー
2013年 フランスの旗 イヴァン・ミュラー (レイ・マロック/シボレー) ホンダ
2014年 アルゼンチンの旗 ホセ・マリア・ロペス (シトロエン・C-エリゼ WTCC) シトロエン
2015年 アルゼンチンの旗 ホセ・マリア・ロペス (シトロエン・C-エリゼ WTCC) シトロエン
2016年 アルゼンチンの旗 ホセ・マリア・ロペス (シトロエン・C-エリゼ WTCC) シトロエン

日本開催[編集]

日本におけるツーリングカーレースの世界選手権はWTC時代の1987年、富士スピードウェイインターTECに選手権タイトルが懸けられ開催された。この年の富士では世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)次ぐ2つめの世界選手権レースであり、さらに鈴鹿サーキットF1も含め、3つの異なる世界選手権が日本で開催されたのである。

2005年にWTCCとして世界選手権が復活してから、2008年からは岡山国際サーキットで開催されることになった。岡山では1994年と1995年にF1開催実績(パシフィックGPとして)があり、それ以来の世界選手権となる。2011年には、鈴鹿サーキットの東コースで初めてWTCCが開催された。なお、2.243kmの東コースは2011年にWTCCが開催されるサーキットとしては最短であった。2014年は初めてフルコースで開催されたが、2015年からはツインリンクもてぎに開催地が変更されている。

この他、岡山では1996年に国際ツーリングカー選手権(ITC)が開催されることになっていたが、直前にキャンセルされたことがある。なお、ITCは1996年に鈴鹿で、FIA-GT選手権は1997 - 1998年に同じく鈴鹿で開催されている。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]