世界三大レース

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世界三大レース(せかいさんだいレース、Triple Crown of Motorsport)とは、[MOTOGP]、[F1]、[マン島TTレース]という3つの自動車レースに対する伝統的な呼称である。

概要[編集]

今日世界三大レースに数えられるレースは、いずれもモータースポーツの歴史とほぼ等しい長い歴史と高い人気を持つ。現在では

  • MotoGP-ロードレース世界選手権
  • F1-F1世界選手権
  • マン島TTレース

の看板レースを担っている。


これらのレースは、それぞれが大きく異なる特徴を持つ。

MotoGP[編集]

開催地 - 国際
初開催 - 1949年
MotoGP™は、「オートバイレースの世界選手権シリーズ」。

いまや「世界最高峰のバイクレース」ともいわれるMotoGPですが、その歴史は、1949年からと古く、四輪であればF1にあたります。 MotoGPはエンジンの排気量別に「MotoGPクラス(1000㏄)」、「Moto2クラス(600㏄)」,「Moto3クラス(250㏄)」の3つのクラスに分かれており、それぞれのクラスで予選・決勝のレースが行われます。 2016シーズンは世界14か国を回って、全18戦が開催され、各クラスごとに年間チャンピオンが決定します。 ヨーロッパでの人気は、サッカーを凌ぐともいわれ、決勝日の最高観客動員数はおよそ14万人、テレビ中継の視聴率は40%を超えたこともあります。 「ESPN」の2011年の記事によると、イタリアのスポーツ選手・最高所得者は、サッカー選手ではなく、MotoGPのロッシ(ヤマハ)とのことですから、このスポーツの注目度の高さがわかります。 最高峰クラスのMotoGPクラスは排気量1000cc、そのバイクは「モンスターマシン」とも呼ばれます。 最高時速は、新幹線より速いおよそ350km/h、コーナリング時のバンク角(マシンの傾斜角)はなんと最大64°!(直立した状態から64°なので、地面からなんと26°!) 生身のライダーが、モンスターマシンを切り返し、膝はもちろん、肘まですりながら、縦横無尽に操る姿は圧巻の一言です。 その最高峰クラスのマシンは「HONDA」「YAMAHA」「SUZUKI」といった日本のメーカーが激しくトップを争っています。 2016年は大きな変更が2つあります。タイヤも最高峰クラスは「ブリヂストン」から7年のブランクを経て「ミシュラン」のワンメイクとなります。また、全てのマシンがソフトウェアを含め、共通のECU(エンジン・コントロール・ユニット)を使用することになります。この変更により、各マシンの戦闘力が均一化され、下位チームとの差が少なくなります。よりライダーたちの腕が試されるシーズンともいえるでしょう。 MotoGPの最大の魅力は、なんといってもエキサイティングなライダー同士のバトル。 四輪と異なり生身のライダーが、時には接触しながらライバルとラストラップのラストコーナーまで、ギリギリの熱いバトルを繰り広げ、目まぐるしく順位が変動します。

F1[編集]

開催地 - 国際
初開催 - 1950年
1950年に世界自動車連盟(FIA)のもとで規格化されたフォーミュラカー(オープンホイールカー)のトップカテゴリーとして開催された。

最大の特徴は、チームが必ずオリジナルのマシンを開発し、持ち込まなければいけない点である。他のカテゴリーがワンメイク、もしくは販売されているマシンの使用が認められている中で、唯一のカテゴリーとなっている。 そのため、参戦チームは製造者を意味する「コンストラクター」 とも呼ばれる。 レースは3セッションに分かれたノックダウン方式の予選と、300kmに相当する(モナコGPでは2時間以内にレース終了できる)周回数で競われる決勝が行われる。 2015年現在、ヨーロッパを中心に、日本をはじめとするアジア、南北アメリカを転戦し、全20戦で行われる。 グランプリサーカスとも呼ばれ、世界中での観戦者も多く、セレブも集まる高級感を持つ特別な選手権となっている。

マン島TTレース[編集]

開催地 - イギリスマン島
初開催 - 1907年
マン島TTレースは当初、ツーリング・マシンと呼ばれる市販車と同じオートバイのために開催されていて、まもなくツーリスト・トロフィーとして知られるようになった。

TT(Tourist Trophy - ツーリスト・トロフィー)レースという名称は、レースの形態が現在のように周回コースを使用して行われるようになるまで、ヨーロッパの都市と都市を結ぶ公道を使用して行う都市間長距離移動レースという形態であったため、"tourist"(旅行者ではなく「遠征するスポーツ選手」という意味で、マン島TTレースの場合はライダーのことを指す)によって競われるレースという意味合いを持つことに由来していて、自転車競技のステージレースで「ツアー(フランス語では「ツール」)」という語が用いられるのと同様である。当初のマン島TTレースの目的は、市販車の改良であった。そのため、レースに出場するオートバイは年々スポーツタイプと化していった。

伝統的に5月最終週から6月第1週にかけて開催され、コースは島の南東部にある首都ダグラスを起点として、西へ北へと大きく曲がりながら、北東海岸部の町ラムゼイに入り、スタート地点まで戻る。1周の長さは37 3/4マイル(60.7km)で、200以上のカーブが存在し、海抜0ftから1,300ft(396m)を超える高低差がある。コースは普段一般道として日常生活や観光のために使われており、レース中は一般車両の通行を封鎖する。

授与されるトロフィーはマルキ・ド・モウジリ・サン・マルス(the Marquis de Mouzilly St. Mars )が寄贈したもので、その銀のフィギュアはオリンピックの神ヘルメースが羽の生えている車輪にまたがっているものである。このトロフィーは、マン島・ツーリスト・トロフィー・自動車レースの勝者に授与されるモンタギュー・トロフィーに似ている。

近年、初参加選手にはマンクス・グランプリでの実績と経験が求められる。

各レースの比較[編集]

MotoGP F1 マン島TTレース
主催団体 国際モーターサイクリズム連盟(FIM) 国際自動車連盟(FIA) マン島議会ティンワルド
決勝レースの
開催時期
3月~12月
(決勝は開催国の日曜日)
3~12月
(決勝は開催国の日曜日)
5月最終週から6月第1週
出走台数 MotoGPクラス:21人、Moto2クラス:30人、Moto3クラス:33人。このほかに各大会にはそれぞれのクラスに限られたワイルドカードという特別出場枠があり、レースの主催者の推薦によりスポット参戦が認められている。 最大26台 90台前後
スタート方式 スタンディングスタート スタンディングスタート クラッチスタート
使用するマシン 各チームが選手権向けに
開発したGPマシン
各チームが選手権向けに
開発したF1マシン
市販車
レース距離/周回数 約120km 約305km 37 3/4マイル(60.7km)
レース時間 各クラス40分前後 2-3時間
周回平均速度:最高速度
(およその値)
172km/h:350km/h 214km/h:320km/h 212km/h:330km/h
車両一台あたりの
ドライバー/ライダー人数
1人 1人 1人

日本勢の活躍[編集]

優勝回数 17:加藤大治郎(250cc)、原田哲也(250cc) 13:上田昇(125cc) 11:宇井陽一(125cc)、坂田和人(125cc) 10:東雅雄(125cc) 9:青木治親(125cc)、青山博一(250cc) 6:岡田忠之(500cc ×4、250cc ×2)、中野真矢(250cc)、眞子智実(125cc) 5:辻村猛(125cc)、宇川徹(250cc ×4、MotoGP ×1)、徳留真紀(125cc) 4:片山義美(50cc ×3、125cc ×1)、高橋国光(125cc ×3、250cc ×1) 3:阿部典史(500cc)、金谷秀夫(500cc ×1、350cc ×1、250cc ×1)、高橋裕紀(250cc ×2、Moto2×1) 2:伊藤光夫(50cc)、玉田誠(MotoGP) 1:伊藤史朗(250cc)、長谷川弘(250cc)、田中禎助(125cc)、小林大(250cc)、宮崎敦(250cc)、森下勲(50cc)、青木宣篤(250cc)、 平忠彦(250cc)、小山知良(125cc)、富沢祥也(Moto2) 2010年最終戦終了時

表彰台(3位以内)獲得回数 編集 55:原田哲也(250cc ×53、500cc ×2) 44:坂田和人(125cc) 39:宇川徹(250cc ×29、MotoGP ×9、500cc ×1)、上田昇(125cc) 36:岡田忠之(500cc ×21、250cc ×15) 27:加藤大治郎(250cc ×25、MotoGP ×2)、青山博一(250cc) 22:宇井陽一(125cc) 21:中野真矢(250cc ×18、500cc ×1、MotoGP ×2) 20:青木治親(125cc ×19、250cc ×1)、東雅雄(125cc) 17:阿部典史(500cc) 15:金谷秀夫(500cc ×5、350cc ×4、250cc ×5、125cc ×1) 14:高橋国光(125cc ×8、250cc ×5、50 ×1) 13:伊藤光夫(50cc ×10、125cc ×3)、辻村猛(125cc) 12:片山義美(125cc ×7、50cc ×5) 11:徳留真紀(125cc) 9:清水雅広(250cc)、高橋裕紀(250cc ×7、Moto2 ×2)、小山知良(125cc) 7:青木宣篤(500cc ×4、250cc ×3)、 6:伊藤真一(500cc)、斉藤明(125cc)、森下勲(50cc) 5:玉田誠(MotoGP) 4:粕谷勇(350cc ×2、250cc ×2)、青木拓磨(500cc)、田中禎助(250cc ×1、125cc ×2)、伊藤史朗(250cc)、高田孝慈(125cc) 3:仲城英幸(125cc)、本橋明泰(250cc ×2、125cc ×1)、市野三千雄(50cc) 2:小林大(250cc)、平忠彦(500cc ×1、250cc ×1)、長谷川弘(250cc)、畝本久(125cc)、浅見貞男(350cc)、若井伸之(125cc)、松戸直樹(250cc)、富沢祥也(Moto2) 1:田中健二郎(250cc)、菊池寛幸(125cc)、宮崎敦(250cc)、加藤義昌(125cc)、酒井大作(250cc)、高井幾次郎(250cc)、河崎裕之(500cc)、梁明(MotoGP)、砂子義一(250cc)、伊藤巧(500cc)、浜野順(250cc)、匹田禎智(250cc)、芳賀紀行(500cc)、沼田憲保(250cc)、清原明彦(250cc)、青山周平(250cc)、中須賀克行(MotoGP) 2012年最終戦終了時

ポールポジション獲得回数 編集 29:坂田和人(125cc) 21:原田哲也(250cc ×20、500cc ×1) 19:上田昇(125cc) 17:宇井陽一(125cc) 11:加藤大治郎(250cc ×10、MotoGP ×1) 8:青山博一(250cc) 7:岡田忠之(500cc) 6:青木治親(125cc) 5:中野真矢(250cc)、徳留真紀(125cc) 3:玉田誠(MotoGP)、宇川徹(250cc ×2、500cc ×1)、東雅雄(125cc)、金谷秀夫(350cc)、平忠彦(500cc) 2:富沢祥也(Moto2) 1:青木宣篤(250cc)、本間利彦(250cc)、伊藤真一(500cc)、清原明彦(250cc)、青山周平(250cc)、仲城英幸(125cc)、根本健(250cc)、清水雅広(250cc)、高井幾次郎(250cc)、辻村猛(125cc)、和田欣也(125cc) 2010年最終戦終了時

年間ランキング 編集 チャンピオン獲得回数 編集 2:坂田和人(125cc ×2: 1994・1998年)、青木治親(125cc ×2: 1995・1996年) 1:原田哲也(250cc : 1993年)、加藤大治郎(250cc : 2001年)、青山博一(250cc : 2009年) 2位獲得回数 編集 2:岡田忠之(500cc ×1: 1997年、250cc ×1: 1994年)、原田哲也(250cc ×2: 1995・2001年)、坂田和人(125cc ×2: 1993・1995年)、上田昇(125cc ×2: 1994・1997年)、宇井陽一(125cc ×2: 2000・2001年) 1:宇川徹(250cc : 1999年)、中野真矢(250cc : 2000年)、徳留真紀(125cc : 1996年)、眞子智実(125cc : 1998年)、片山義美(50cc : 1967年) 3位獲得回数 編集 2:原田哲也(250cc ×2: 1997・1998年)、辻村猛(125cc ×2: 1993・1994年)、眞子智実(125cc ×2: 1996・1997年) 1:宇川徹(MotoGP: 2002年)、金谷秀夫(500cc : 1975年)、青木宣篤(500cc : 1997年)、岡田忠之(500cc : 1999年)、伊藤史朗(250cc : 1963年)、加藤大治郎(250cc : 2000年)、東雅雄(125cc : 1999年)、小山知良(125cc : 2007年) 2010年最終戦終了時

現在のところF1、マン島TTレースにおいて日本人チャンピオン、優勝等の記録は無い。(2015年4月まで)

出典[編集]

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参考文献[編集]