スペイングランプリ
| カタロニア・サーキット | |
|
| |
| レース情報 | |
|---|---|
| 周回 | 66 |
| コース長 | 4.655 km (2.892 mi) |
| レース長 | 307.104 km (190.825 mi) |
| 開催回数 | 60 |
| 初回 | 1913年 |
| 最多勝利 (ドライバー) |
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| 最多勝利 (コンストラクター) |
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| 最新開催(2019年): | |
| ポールポジション |
メルセデス 1:15.406 |
| 決勝順位 |
1. メルセデス 1:35:50.443 2. メルセデス +4.074s 3. レッドブル-ホンダ +7.679s |
| ファステストラップ |
メルセデス 1:18.492 |
スペイングランプリ(スペインGP、英: Spanish Grand Prix、西: Gran Premio de España、カタルーニャ語: Gran Premi d'Espanya)は、スペインで行われるF1の選手権レースの1つ。
概要[編集]
1990年代以降、スペインGPは例年5月にバルセロナ近郊のカタロニア・サーキットで開催されている。シーズン開幕からアジア・オセアニア地域を転戦したのち、ここからヨーロッパラウンドの戦いが始まり、マシンに大掛かりなアップデートを施すチームもある。カタロニア・サーキットはテスト走行でも走りなれているため、ここでの成績から中盤戦以降の力関係を予想することもできる。ヨーロッパラウンドの中でもイタリア・ポルトガルと並びもっとも南に位置する地域で行われるレースであり、開催時期もあいまって猛暑の中での開催となることも多い。
正式名称は、2010年までは大手通信事業会社テレフォニカの名前を冠したGran Premio de España Telefónica(グラン・プレミオ・デ・エスパーニャ・テレフォニカ)、2011年と2012年はサンタンデール銀行が冠スポンサーとなりGran Premio de España Santanderと称した。2013年は冠スポンサーが付かなかったが、2014年から2017年はF1にタイヤを供給するピレリが冠スポンサーを務め、レース名称はGran Premio de España Pirelliとなり、2018年から冠スポンサーがエミレーツ航空に変わり、レース名称もGran Premio de España Emirates(2019年はEmirates Gran Premio de España)に変わった。
歴史[編集]
1913年にマドリード近郊のグアダラマ山脈のロードコースで、ツーリングカーイベントとして初開催された。1923年にはカタルーニャ州のシッチェスに建設されたオーバルトラック (Autódromo de Sitges-Terramar)にて、欧州のグランプリ規定に則ったレースが開催された。1926年以降はバスク地方のラサルテ・サーキット (Circuito Lasarte) へ舞台を移したが、1936年にスペイン内戦が勃発すると長い中断期間に入った。
1950年にF1世界選手権が創設されると、1951年と1954年にバルセロナ市街地のペドラルベス公道コースで再開された。しかし、ル・マン24時間レースの大事故の影響で1955年のグランプリが中止され、以後1966年まで開催されなかった。
1967年にノンチャンピオンシップ戦として再開。1968年よりF1世界選手権に復帰し、1975年までマドリード近郊のハラマ・サーキットとバルセロナの公園内にあるモンジュイック・サーキットで交互に開催された。モンジュイックはガードレールなど施設安全面に問題があり、1975年の観客死傷事故を最後に使われなくなり、1976年から1981年まではツイスティーなハラマで連続開催された。
1986年にはアンダルシア州に新設されたヘレス・サーキットで再開され、隣国のポルトガルGPとセットで、シーズン終盤の「イベリア半島連戦」として開催された。ヘレスはハラマと似た抜き所の少ないレイアウトが歓迎されず、1991年以降はバルセロナ郊外に新設されたカタロニア・サーキットに舞台を移すことになった。
2008年からバレンシア市街地コースでヨーロッパGPの開催が始まったことにより、スペインで2つのレースが開催されることになったが[1]、FIAによる1国1開催の徹底やスペイン国内の経済状況も踏まえ、2014年よりカタロニアとバレンシアで隔年開催することに合意したと伝えられたが、カタロニア側は少なくとも契約期間内の2016年までは当地で開催すると主張し[2]、2013年からはカタロニアのみの開催となった。2015年、カタロニアとの開催契約を2019年まで延長することが発表された[3]。2020年以降の開催について、F1を経営するリバティメディアと交渉していたが[4][5]、観客動員数の減少や同国の英雄フェルナンド・アロンソが2018年をもって引退したことや[6]、例年カタロニアで開催されている5月にオランダGPが復活する見込みとなったことで開催継続が危ぶまれ、主催者であるRACC(カタルーニャ・リアル自動車クラブ)は開催継続へ向けて、スペイン政府などに財政支援を要請した結果[7]、カタルーニャ州は1年の開催延長を承認し、ひとまず2020年の開催にこぎつけ、2021年以降の開催契約交渉についての猶予を得ることができた[8][9]。
スペインGP以外のF1レース[編集]
スペインGP以外にもうひとつのF1レースを開催する場合、「1カ国1開催」という原則を回避する手段としてヨーロッパグランプリという名称が使用された。1994年と1997年はヘレスにて開催。2000年代に入ると、スペイン出身のフェルナンド・アロンソの活躍と共に国内では高い人気と注目を集めるようになり、2008年から2012年まではバレンシア市街地コースでヨーロッパグランプリが再び開催された。
主な出来事[編集]
- 1951年 - F1での初開催は最終戦のチャンピオン決定レースとなった。フェラーリチームがタイヤ選択を失敗し、アルファロメオのファン・マヌエル・ファンジオが自身初のタイトルを獲得した。この年限りで撤退するアルファロメオにとって、F1最後の勝利となった。
- 1969年 - 高層式ウイングの破損によりロータスのヨッヘン・リントがクラッシュして顔面を骨折。次戦モナコGPよりウィングの固定や高さ制限が導入された。
- 1975年 - 予選では安全対策の不備を理由にボイコット騒ぎが発生。レースはロルフ・シュトメレンのコースアウトにより観客4人の死亡事故が発生し赤旗終了。F1史上2人目の女性ドライバーであるレラ・ロンバルディが6位入賞して0.5ポイントを獲得し[10]、F1で唯一の入賞記録を持つ女性ドライバーとなった。
- 1976年 - このレースよりマシンの全高制限が施行され、当時流行した大型インダクションポッドが姿を消した。ティレルの6輪車P34がデビューした。トップチェッカーを受けたジェームス・ハント(マクラーレン)が車両寸法違反により失格し、ニキ・ラウダ(フェラーリ)が繰り上がり優勝と判定されたが、マクラーレンの抗議で2ヵ月後にハントの優勝が復活した。
- 1980年 - 国際自動車スポーツ連盟(FISA)とF1コンストラクター協会(FOCA)の政治的対立のあおりを受け、レース後にFOCAから選手権除外を通達された。
- 1981年 - ジル・ヴィルヌーヴ(フェラーリ)、ジャック・ラフィット(リジェ)、ジョン・ワトソン(マクラーレン)、カルロス・ロイテマン(ウィリアムズ)、エリオ・デ・アンジェリス(ロータス)の5人が相次いでゴールし、優勝から5位までが1.24秒差という緊張感あふれるレースが展開された。2位以下の車が、後続よりも明らかに遅い首位のフェラーリを抜くことが出来なかったことで、ハラマにおけるコース幅の狭さとストレートの短さをあらわしたレースとなった。
- 1986年 - 新設のヘレスで行われ、アイルトン・セナ(ロータス)とナイジェル・マンセル(ウィリアムズ)によりその差0.014秒というゴール前での僅少差の攻防戦が演じられた。
- 1990年 - マーティン・ドネリー(ロータス)が瀕死の重傷を負う大クラッシュが発生。
- 1994年 - ベネトンのミハエル・シューマッハは5速ギアしか使えなくなってしまったマシンを巧みに駆り、2位でフィニッシュした。
- 1996年 - シューマッハが大雨の中で独走し、フェラーリ移籍後初優勝を果たす。
- 2001年 - スペインGP4連勝を目指したミカ・ハッキネン(マクラーレン)が優勝目前の最終ラップにマシントラブルのためリタイア。
- 2004年 - ジミー・ジャンプがコースに乱入。
- 2006年 - ルノーのフェルナンド・アロンソがスペイン人ドライバーとして初の母国GP制覇。
- 2008年 - スーパーアグリの売却交渉失敗が発覚。このレースを最後にF1から撤退した。
- 2012年 - ウィリアムズのパストール・マルドナドがベネズエラ人ドライバーとしてF1初優勝。レース後、勝利を祝うウィリアムズのピット内で火災騒動が発生。
- 2016年 - スタート直後にメルセデスのニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンが接触しリタイアとなる。このレースからレッドブルに移籍したマックス・フェルスタッペンが18歳228日で初優勝を果たしF1最年少優勝記録を更新[11]。オランダ人初のF1ウィナーとなった。
- 2019年 - メルセデスが開幕から5戦連続の1-2フィニッシュを達成。5戦連続はF1タイ記録で[12]、開幕からの5戦連続はF1新記録[13]。
結果[編集]
F1世界選手権として開催された1951年以降の結果について記載する。
| 年 | 決勝日 | ラウンド | サーキット | 勝者 | 所属チーム | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1951 | 10月28日 | 8 | ペドラルベス | アルファロメオ | 詳細 | |
| 1952 - 1953 |
開催されず | |||||
| 1954 | 10月24日 | 9 | ペドラルベス | フェラーリ | 詳細 | |
| 1955 - 1966 |
開催されず | |||||
| 1967 | 11月12日 | 非選手権 | ハラマ | ロータス | 詳細 | |
| 1968 | 5月12日 | 2 | ハラマ | ロータス | 詳細 | |
| 1969 | 5月4日 | 2 | モンジュイック | マトラ | 詳細 | |
| 1970 | 4月19日 | 2 | ハラマ | ティレル | 詳細 | |
| 1971 | 4月18日 | 2 | モンジュイック | ティレル | 詳細 | |
| 1972 | 5月1日 | 2 | ハラマ | ロータス | 詳細 | |
| 1973 | 4月29日 | 4 | モンジュイック | ロータス | 詳細 | |
| 1974 | 4月28日 | 4 | ハラマ | フェラーリ | 詳細 | |
| 1975 | 4月27日 | 4 | モンジュイック | マクラーレン | 詳細 | |
| 1976 | 5月2日 | 4 | ハラマ | マクラーレン | 詳細 | |
| 1977 | 5月8日 | 5 | ハラマ | ロータス | 詳細 | |
| 1978 | 6月4日 | 7 | ハラマ | ロータス | 詳細 | |
| 1979 | 4月29日 | 5 | ハラマ | リジェ | 詳細 | |
| 1980 | 6月1日 | 非選手権 | ハラマ | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 1981 | 6月21日 | 7 | ハラマ | フェラーリ | 詳細 | |
| 1982 - 1985 |
開催されず | |||||
| 1986 | 4月13日 | 2 | ヘレス | ロータス | 詳細 | |
| 1987 | 9月27日 | 13 | ヘレス | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 1988 | 10月2日 | 14 | ヘレス | マクラーレン | 詳細 | |
| 1989 | 10月1日 | 14 | ヘレス | マクラーレン | 詳細 | |
| 1990 | 9月30日 | 14 | ヘレス | フェラーリ | 詳細 | |
| 1991 | 9月29日 | 14 | カタロニア | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 1992 | 5月3日 | 4 | カタロニア | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 1993 | 5月9日 | 5 | カタロニア | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 1994 | 5月29日 | 5 | カタロニア | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 1995 | 5月14日 | 4 | カタロニア | ベネトン | 詳細 | |
| 1996 | 6月2日 | 7 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 1997 | 5月25日 | 6 | カタロニア | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 1998 | 5月10日 | 5 | カタロニア | マクラーレン | 詳細 | |
| 1999 | 5月30日 | 5 | カタロニア | マクラーレン | 詳細 | |
| 2000 | 5月7日 | 5 | カタロニア | マクラーレン | 詳細 | |
| 2001 | 4月29日 | 5 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 2002 | 4月28日 | 5 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 2003 | 5月4日 | 5 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 2004 | 5月9日 | 5 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 2005 | 5月8日 | 5 | カタロニア | マクラーレン | 詳細 | |
| 2006 | 5月14日 | 6 | カタロニア | ルノー | 詳細 | |
| 2007 | 5月13日 | 4 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 2008 | 4月27日 | 4 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 2009 | 5月10日 | 5 | カタロニア | ブラウン | 詳細 | |
| 2010 | 5月9日 | 5 | カタロニア | レッドブル | 詳細 | |
| 2011 | 5月22日 | 5 | カタロニア | レッドブル | 詳細 | |
| 2012 | 5月13日 | 5 | カタロニア | ウィリアムズ | 詳細 | |
| 2013 | 5月12日 | 5 | カタロニア | フェラーリ | 詳細 | |
| 2014 | 5月11日 | 5 | カタロニア | メルセデス | 詳細 | |
| 2015 | 5月10日 | 5 | カタロニア | メルセデス | 詳細 | |
| 2016 | 5月15日 | 5 | カタロニア | レッドブル | 詳細 | |
| 2017 | 5月14日 | 5 | カタロニア | メルセデス | 詳細 | |
| 2018 | 5月13日 | 5 | カタロニア | メルセデス | 詳細 | |
| 2019 | 5月12日 | 5 | カタロニア | メルセデス | 詳細 | |
複数回優勝したドライバー[編集]
| 回数 | ドライバー | 優勝年 |
|---|---|---|
| 6 | 1995, 1996, 2001, 2002, 2003, 2004 | |
| 4 | 2014, 2017, 2018, 2019 | |
| 3 | 1928, 1929, 1933 | |
| 1969, 1970, 1971 | ||
| 1987, 1991, 1992 | ||
| 1988, 1990, 1993 | ||
| 1998, 1999, 2000 | ||
| 2 | 1972, 1973 | |
| 1977, 1978 | ||
| 1986, 1989 | ||
| 2005, 2008 | ||
| 2006, 2013 |
- 太字は2019年のF1世界選手権に参戦中のドライバー。
- ピンク地はF1世界選手権以外で開催された年。
複数回優勝したコンストラクター[編集]
| 回数 | コンストラクター | 優勝年 |
|---|---|---|
| 12 | 1954, 1974, 1981, 1990, 1996, 2001, 2002, 2003, 2004, 2007, 2008, 2013 | |
| 8 | 1975, 1976, 1988, 1989, 1998, 1999, 2000, 2005 | |
| 1980, 1987, 1991, 1992, 1993, 1994, 1997, 2012 | ||
| 7 | 1967, 1968, 1972, 1973, 1977, 1978, 1986 | |
| 1934, 1935, 2014, 2015, 2017, 2018, 2019 | ||
| 3 | 1926, 1928, 1929 | |
| 2010, 2011, 2016 | ||
| 2 | 1933, 1951 |
- 太字は2019年のF1世界選手権に参戦中のコンストラクター。
- ピンク地はF1世界選手権以外で開催された年。
- クリーム地は第二次世界大戦前に行われていたヨーロッパ・ドライバーズ選手権[15]の一戦として開催された年。
脚注[編集]
- ^ これ以前に1994年と1997年にヘレスでヨーロッパGPが開催され、2レース開催となっている。
- ^ "バルセロナ、来季のチケット販売に悪びれず". ESPN F1.(2013年6月28日)2013年6月28日閲覧。
- ^ “スペインGP、契約を延長”. トーチュウ F1 EXPRESS (2015年5月10日). 2019年5月10日閲覧。
- ^ “F1スペインGP開催契約延長交渉がスタート”. TOPNEWS (2019年3月23日). 2019年5月10日閲覧。
- ^ “カタルニア・サーキット、スペインGPの開催継続に意欲「日程変更は問題ない」”. motorsport.com (2019年5月12日). 2019年5月13日閲覧。
- ^ “スペインGP消滅危機を嘆くサインツJr.「魅力のないF1に責任がある」”. motorsport.com (2019年5月16日). 2019年5月16日閲覧。
- ^ “スペインGP主催者、F1開催継続に向け政府に協力を要請”. motorsport.com (2019年5月31日). 2019年5月31日閲覧。
- ^ “F1スペインGP、2020年も開催へ。州政府が1年の契約延長を承認”. motorsport.com (2019年8月2日). 2019年8月3日閲覧。
- ^ “スペインGPが2020年の開催契約延長へ。長期契約も交渉中”. motorsport.com (2019年8月28日). 2019年8月28日閲覧。
- ^ レースが規定周回数の75%未満で打ち切られた場合、入賞ポイントは半分に減らされる。
- ^ フェルスタッペンJr. 18歳228日で最年少優勝 - スポニチアネックス、2016年5月16日掲載、2016年8月6日閲覧
- ^ “史上初の開幕4連続ワンツー……メルセデスがこれまで破った記録、これから破るべき記録”. motorsport.com (2019年5月1日). 2019年5月11日閲覧。
- ^ “F1スペイン決勝:『メルセデス帝国』前人未到の開幕5連続ワンツー! フェルスタッペン、3位表彰台獲得”. motorsport.com (2019年5月13日). 2019年5月13日閲覧。
- ^ 2019年にザウバーから名称を変更したアルファロメオ・レーシングとは別扱い。
- ^ 1931年-1932年および1935年-1939年に行われた四輪モータースポーツにおける最高峰の選手権。現在のF1世界選手権の前身にあたる。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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