バクー市街地コース

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バクー・シティ・サーキット
Baku City Circuit, April 9, 2018 SkySat.jpg
2018年の空撮より
所在地 アゼルバイジャンバクー
標準時 GMT+4
座標 北緯40度22分21秒 東経49度51分12秒 / 北緯40.37250度 東経49.85333度 / 40.37250; 49.85333座標: 北緯40度22分21秒 東経49度51分12秒 / 北緯40.37250度 東経49.85333度 / 40.37250; 49.85333
収容人数 28,000
FIAグレード 1
設計者 ヘルマン・ティルケ
主なイベント F1世界選手権
ヨーロッパGP (2016年)
アゼルバイジャンGP (2017年-)
GP2シリーズ (2016-)
Grand Prix circuit
Formula1 Circuit Baku.svg
コース長 6.003 km (3.73 mi)
コーナー数 20
レコードタイム 1:40.495 (フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス, メルセデス, 2019年)

バクー・シティ・サーキット: Baku City Circuitアゼルバイジャン語: Bakı Şəhər Halqası、バクー市街地コース)は、アゼルバイジャンの首都バクーに仮設される市街地サーキット。2016年にフォーミュラ1(F1)ヨーロッパグランプリ(2017年からはアゼルバイジャングランプリ)が開催されている。

概要[編集]

2014年7月にF1開催契約が発表され[1]、同年10月にバクー市街地を利用するコースレイアウトが発表された[2]。設計は、近年のF1開催サーキットのデザインを一手に引き受けているヘルマン・ティルケ事務所が担当する。

カスピ海に面するバクーの新旧市街地を舞台にした左回りのコース。1周約6kmは、F1開催コースの中ではベルギーGPが行われるスパ・フランコルシャン(約7km)に次ぐ長さとなる。設計者のヘルマン・ティルケは「世界最速の市街地コースとなる[3]」と語り、平均速度211km/h、最高速度340km/hを記録すると予想されたが[4]、2016年のF1ヨーロッパGPではバルテリ・ボッタスウィリアムズ)が予選中に378km/hを記録した。なお、F1の公式最高速度記録(決勝中の計測)は2005年イタリアGPファン・パブロ・モントーヤマクラーレン)が記録した372.6km/hである[5]

近年のバクーはユーロビジョン・ソング・コンテスト2012、2015年ユーロオリンピック、サッカーのUEFA EURO 2020などの国際的イベントの誘致に熱心な姿勢を見せている[6]。モータースポーツでは、F1に先立ちGTカーの公道レースが開催されている。2012年の「バクーシティチャレンジ」はガバメントハウス (Government House, Baku周囲の約2.14kmのコース。2013年のFIA GTシリーズ最終戦、2014年のブランパンスプリントシリーズ最終戦は「バクーワールドチャレンジ (Baku World Challenge」としてフラッグ・スクエア (National Flag Square周辺の約4.38kmのコースで行われた。

初年度の2016年は予選・決勝とも現地時間午後5時スタートのトワイライトレースとなるが、日没が午後9時以降であるため照明設備は用意されない。ただし、伝統のル・マン24時間レースと日程が重なった上に[7]、2時間の時差がある都合上、ル・マンのフィニッシュ時刻とヨーロッパGPのスタート時刻が重なる形となった[8]

翌2017年は「アゼルバイジャングランプリ」と名称を変更して開催される。なお、日程の移動によりル・マン24時間レースとの重複は解消されている[9]

コースレイアウト[編集]

バクー市概図(赤線がサーキット走路)

ピット施設は「バクーシティチャレンジ」の時に使われたガバメントハウス周辺の敷地に設けられる。

セクター1(スタート〜ターン7)は直線と90度コーナーを組み合わせた典型的なストリートコース。ターン6〜7間の直線は防護壁を隔ててターン19〜20間の直線と対面走行するような格好になる[10]

セクター2(ターン7〜ターン16)はユネスコ世界遺産に認定されている旧市街地「イチェリ・シェヘル (Old City (Baku)」の城壁の周囲を巡る。北側のシェマハ門付近にあるターン8から11にかけてのスラロームセクションは、車1台がやっと通れるほどの狭さ(道幅7.6m)である[4][11]。ターン14から先は下り坂となり、ターン15の出口はアウト側の壁にヒットしやすい。

セクター3(ターン16〜フィニッシュ)は海岸沿いのブールバール (Baku Boulevardに沿って走る高速セクションで、約2.2kmに渡って加速区間が続く[2]

一部区間は旧市街地の石畳の道路を使用するので、保護シートの上に簡易舗装工事を行い、レース後はまた元の状態に戻す[12]

本来、市街地コースではダウンフォースを稼ぐ空力セッティングを施すが、バクーは直線区間が長いため、ドラッグを減らす妥協点を見つける必要がある[13]

バクーの名はペルシャ語で「風の街」を意味し、その名の通り強風が吹くと空力的依存度の強いF1マシンでは走行に影響を受けやすい[14]

2016年ヨーロッパグランプリ2019年アゼルバイジャングランプリの外れるトラブルに見舞われており、予選から番狂わせが起きることで有名で危険なコースである。

脚注[編集]

  1. ^ "アゼルバイジャンGP決定。ティルケの公道コースで". AUTO SPORT Web. (2014年7月30日) 2016年6月5日閲覧。
  2. ^ a b "バクー市街地サーキットのレイアウト発表". ESPN F1. (2014年10月8日) 2016年6月5日閲覧。
  3. ^ "F1初開催のバクーは世界最速の市街地コースに". AUTO SPORT Web. (2016年3月25日) 2016年6月5日閲覧。
  4. ^ a b "【動画・画像】バクー市街地サーキット映像公開 車1台分の狭い路地コーナーも". Topnews. (2016年2月28日) 2016年6月5日閲覧。
  5. ^ "F1最高速記録、11年ぶりの更新なるか". Topnews.(2016年09月01日)2017年06月25日閲覧。
  6. ^ 2016年夏季オリンピック2020年夏季オリンピックの開催地にも立候補したが、ともに1次選考で落選した。
  7. ^ "トッド会長、F1とル・マンのバッティングを謝罪". AUTOSPORT Web. (2015年11月9日) 2016年5月7日閲覧。
  8. ^ "F1初開催のバクー、レース開始時間変更でル・マン24時間とバッティング". AUTOSPORT Web. (2016年4月5日) 2016年6月7日閲覧。
  9. ^ バクー、F1アゼルバイジャンGPへの名称変更の理由を説明”. F1-Gate.com (2016年12月2日). 2016年12月3日閲覧。
  10. ^ "初開催なので恒例のサーキット・ウォークを@ヨーロッパGP現地情報". AUTOSPORT Web. (2016年6月18日) 2016年6月19日閲覧。
  11. ^ "アロンソ“世界最速市街地コース”バクーを視察 「腕試ししたくなる!」". AUTOSPORT Web.(2016年3月11日)2016年6月14日閲覧。
  12. ^ "GP topic:安心してください、旧市街地の石畳はアスファルトの下にあります". AUTOSPORT Web. (2016年6月18日) 2016年6月19日閲覧。
  13. ^ "レッドブル、カナダGPと初開催アゼルバイジャンのヨーロッパGPプレビュー「市街地サーキットにワクワク」". Topnews. (2016年6月5日) 2016年6月7日閲覧。
  14. ^ 秒速16m以上!?『風の街』バクーの暴風を怖れるドライバーたち - motorsport.com(2018年4月29日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]