ドラえもん のび太の宇宙開拓史

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ドラえもん のび太の宇宙開拓史』(ドラえもん のびたのうちゅうかいたくし)は、藤子不二雄藤本弘によって執筆された「大長編ドラえもんシリーズ」の漫画作品(1980年8月連載開始)。および、この漫画を原作として作られたドラえもん映画作品1981年3月14日公開)。大長編、映画ともに第2作。

部屋の畳の下と宇宙船のドアが超空間でつながったことから、開拓星・コーヤコーヤ星へ行けるようになったドラえもんとのび太達の活躍を、この星の少年・ロップル達との友情を絡めて描いた長編作品。

概要[編集]

ドラえもん のび太の宇宙開拓史(連載)
漫画
作者 藤子不二雄
出版社 小学館
掲載誌 月刊コロコロコミック
発表期間 1980年8月 - 1981年1月
話数 6
その他 全171頁(扉6頁を含む)
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漫画(連載)[編集]

1980年昭和55年)9月号から1981年(昭和56年)2月号まで、『月刊コロコロコミック』に連載された。全6回。

1980年9月号にて連載が開始された時点でのタイトルは「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」。扉には煽り文句として「超新作!! 大長編!!」と記載されているのみで「大長編ドラえもん」というシリーズタイトルは掲載されていない。

同年12月号(連載第4回)で映画化が発表され、扉には「映画化決定!!」の煽り文句が記載された。

1981年2月号(連載第6回)ではじめて扉に「映画原作」と記載された。

連載期間は前作『ドラえもん のび太の恐竜』の倍の6か月となり、夏に始まり翌年春に終わる形式となった[注 1]

前作は過去の短編に加筆する形で執筆されたが、本作は全編描き下ろし。次作以降のシリーズ作品も完全新作が基本となる。ただし、似た内容の短編が存在することが多い。本作はSF短編『ベソとこたつと宇宙船』(1978年12月)、『ドラえもん』の短編「行け! ノビタマン」(1979年8月の初出時は「ノビタマン」。てんとう虫コミックス21巻収録)、「ガンファイターのび太」(1980年3月の初出時は無題。てんとう虫コミックス24巻収録)の要素が多分に含まれている。その要素は、下記の3つに分類できる。

部屋と宇宙船が繋がる

ベソとこたつと宇宙船』でのコタツと宇宙船のハッチが繋がるという描写は、畳と宇宙船のドアが繋がるという本作の描写と類似している[1]

重力が弱い異星ならスーパーマンになれる

重力が弱い異星でのび太が力を発揮するという展開は、本作の発表以前にも「行け!ノビタマン」や、1980年モスクワオリンピック記念の特番として制作されたアニメオリジナルエピソード「のび太の夢の金メダル」(1980年5月5日放送)で描かれている。一般的に古くからあるアイデアだが、同じアイデアが使われている映画『スーパーマン』が1978年に公開されている。

西部劇世界での活躍

作品のヒントとなったのは、映画の『シェーン』(ジョージ・スティーブンス監督、1953年)と『ブリガドーン』(ヴィンセント・ミネリ監督、1954年)であると作者が語っている[2]。加えて「西部劇をモチーフとして[注 2]、のび太の特技である銃の腕前を思い切り振るわせること[注 3]」という要素が作品コンセプトとなっている[3]

クライマックスにおけるのび太と本作の敵役・ギラーミンとの早撃ち対決の描写から、師である手塚治虫が藤本を連れて見に行った西部劇映画『ベラクルス』のそれを意識しているのではないかという指摘もある[4]

ドラえもん
のび太の宇宙開拓史
Doraemon:
The Records of Nobita, Spaceblazer
監督 西牧秀夫
脚本 藤子不二雄
原作 藤子不二雄
出演者 レギュラー
大山のぶ代
小原乃梨子
野村道子
たてかべ和也
肝付兼太
ゲスト
菅谷政子
杉山佳寿子
小山茉美
内海賢二
柴田秀勝
音楽 菊池俊輔
主題歌 岩渕まこと心をゆらして
撮影 小池彰、高橋明彦
編集 井上和夫、森田清次
制作会社 シンエイ動画
製作会社 シンエイ動画
テレビ朝日
小学館
配給 東宝
公開 日本の旗 1981年3月14日
上映時間 90分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 17億5000万円[5]
前作 ドラえもん のび太の恐竜
次作 ドラえもん のび太の大魔境
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映画[編集]

1981年昭和56年)3月14日に公開された。同時上映は、『怪物くん 怪物ランドへの招待』。

ドラえもん (1979年のテレビアニメ)のスタッフにより制作された。テレビシリーズのキャラクターデザイン(絵柄)第2期の最初の映画。テレビアニメの絵柄が変わるよりも半年早く、映画が先に絵柄が変わった[要出典]。前作『のび太の恐竜』は初期キャラデザで、絵柄が異なる[注 4]

2009年に本作のリメイク作品である『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』が公開された。

ドラえもん のび太の宇宙開拓史(大長編単行本)
漫画
作者 藤子不二雄
出版社 小学館
レーベル てんとう虫コミックス
発売日 1984年2月28日
その他 全188頁[注 5]
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漫画(単行本)[編集]

1984年昭和59年)2月28日に単行本(てんとう虫コミックス)が発売されたのに伴い、22頁が加筆された。

大長編ドラえもん」は「映画の原作漫画」と呼ばれることも多いが、毎年映画の制作と重なるスケジュールで執筆されており、漫画が完結するのは映画制作の後半から終盤(作品によっては映画の完成後)である。さらに、本作は映画の公開から3年後に漫画に複数の場面が加筆されている。本作には「連載版」「映画版」「単行本版」の3種類の内容があることを理解しておく必要がある。

相違点[編集]

漫画(連載)と映画の相違点[編集]

ワープ航法の説明

作中ではSF作品では頻出の超光速航行(ワープ航法)について説明をするシーンがある。本作では離れた2点間での移動を空間を曲げてその2点をくっつけることで一瞬の移動を可能にするという空間歪曲型のワープ方式を採用している。漫画ではその原理を「1枚の紙に書いた2点を紙を曲げることで接触させる」という方法で説明しているが、映画では「ベルトを使いのび太の部屋とロップルの宇宙船が偶然空間がねじれてくっついた」という方法で説明している。

漫画で描かれた場面の省略

漫画では丁寧に描かれたドラマのいくつかが、映画では省略されている[注 6]。また、のび太とドラえもんがロップルの農作業を手伝うといったシーンが、映画では画面を4分割したダイジェストという形で描かれている(この中には漫画にない映画オリジナルのシーンも含まれる)。

別れの場面の拡張

漫画(連載版)では頁の半分以下の大きさの1コマで描かれているのび太達とロップル達が別れる超空間のシーンが映画では大幅にアレンジされ、主題歌「心をゆらして」が流れる中、手を振るコーヤコーヤ星の住民一同の映像、その後のび太達とロップル達との思い出を振り返る映像が流れ、最後に超空間の繋がりが外れる直前、クレムがのび太にあやとりを披露するという感動的なシーンとなっている。この別れのシーンについては宝島社のムックでも言及されている[4]

また、映画版では超空間の繋がりが消えた後、のび太の両親に怪しまれて畳を開けると多数のネズミが飛び出し野比一家を慌てさせるギャグオチになっている。

連載と単行本の相違点[編集]

漫画(単行本版)の別れの場面では「泣きながらその場を離れるクレム」「『超空間の出入り口が開く事は二度となかった』という文章」などが追加された他、超空間の1コマは3/4頁に拡大され、『心をゆらして』の歌詞が掲載されている。

あらすじ[編集]

超空間での事故により、のび太の部屋のとロップルの宇宙船の倉庫の扉が繋がった。ロップルが住む惑星・コーヤコーヤは、ドラえもんでも存在を知らないほど地球から遠く離れている。ロップルたちの夢を何度も見ていたのび太はドラえもんと共にコーヤコーヤに赴き、ロップルやチャミーと仲良くなる。

コーヤコーヤを含めた島宇宙の各星に鉱脈を張る鉱石ガルタイトの独占を企むガルタイト鉱業は、コーヤコーヤ星に移住し始めたばかりの開拓住民たちを採掘の邪魔になると追い出そうとしていた。そのせいでロップルたちはガルタイト鉱業の攻撃の標的となってしまい、日々執拗な脅迫や嫌がらせに耐えながらの生活を強いられていたのだ。さらに運悪く、ジャイアン、スネ夫、しずかの3人をコーヤコーヤに招待した際、ガルタイト鉱業の襲撃を受けてしまい、それによって怒ったジャイアンたち3人は地球に帰ってしまった上、のび太との関係も悪化してしまう。

ドラえもんとのび太はロップルたちの生活を守るべく、コーヤコーヤ星での重力が地球より小さいことを利用して、スーパーマンのような力を発揮し、ガルタイト鉱業と戦っていく。採掘の遅れにしびれをきらしたガルタイト鉱業はコーヤコーヤ星を爆破してガルタイトを回収する強硬手段を発動し、ロップルの宇宙船の倉庫の扉も爆破されてしまった。

のび太は勉強が疎かになっていることをママに叱られ、外出禁止を命じられていたが駆け付けたチャミーからコーヤコーヤ星最大の危機を知らされ、ドラえもんと共にコーヤコーヤ星に向かう。

のび太のお目付け役を担っていたしずかはジャイアンとスネ夫に事情を説明し、3人で救援に向かい、のび太はガルタイト鉱業に雇われたギラーミンとの決戦に挑む。

舞台[編集]

地球(銀河系)から遠く離れた別の銀河に存在する、“コーヤコーヤ星”と“トカイトカイ星”が舞台。どちらの星も地球などより重力が格段に小さいため、住人の体力や建材などの材質と強度も地球に比べて非常に低いので、逆に地球人は(たとえのび太でも)この星ではスーパーマンの如き力を発揮できる。それによりコーヤコーヤ周辺の人間・生物にとって地球の空気は汚くて重力が強く感じるため、結果的にのび太達より身体能力で劣ったり、呼吸が困難な体になるなどの悪影響がある。星は反重力エネルギーを発生させる“ガルタイト鉱”で出来ている。彼らの文明は、宇宙旅行でワープもできるなど、地球より進んだ面がある一方、石器時代からガルタイト鉱のエネルギーを基盤として発展して来たので、プロペラなどの地球にある一部の機械は発明されていない。この星域の存在は22世紀のデータを持つドラえもんも知らず、トカイトカイ星など島宇宙の星の人々も、地球の20世紀の時点では太陽系や地球の存在などは知らず、ごく一部で彼らから見て遠く離れた宇宙である銀河系の名称だけを僅かに聞いていた程度であった[注 7]

コーヤコーヤ星
トカイトカイ星の人類が移住した開拓星。のび太の部屋とは超空間を隔てて繋がっているためか時間の流れが地球と違い、1日が地球の1時間程度に当たる。地球よりも空気が清浄で、ロップルやチャミーは地球の空気を吸うと短時間で呼吸困難に陥り咳き込んでしまう。住民達は山岳地帯に鉱山を構えるガルタイト鉱業から恒常的な嫌がらせを受けているが、明確な証拠がないゆえに警察に訴えることもできず泣き寝入りを強いられている。
には猛吹雪、先には大洪水が起きるため、春までは家などの建物ごと地下に格納して冬ごもりをしている。冬季は草1本もない一面の荒野だが、その最後に東の湖が氾濫して起こる大洪水で、大量の水と共に養分に富んだ土が運ばれて来る事により、コーヤコーヤは農業に適した土地となっている。この星には赤い月と青い月があり、普段はそれぞれの月が交代で昇るが、2つが同時に出る時が冬季の終わりと大洪水の合図となる。植物の生育も早く、洪水から1日で緑が芽吹くほど。また秋になると紅葉も発生し、星形の葉も舞い落ちる。雪の色は白ではなく赤と青の2色なので、混ざり合って紫になる。入植前の調査により活火山が1つもないのが分かっている。
トカイトカイ星
コーヤコーヤが属する島宇宙の中心の星で、大都会が形成されている。星間連合本部、シティーホール、博物館を始め、けばけばしい金色をしたガルタイト鉱業本社ビルも置かれている。この周辺に暮らすロップル達人類は元々この星で進化した種族であり、文明が過度に発達した影響で既に星がビルで埋め尽くされるほどの状態にあるため、現在は約1000光年の範囲内、200余りの開拓星で人類の移住が行われている。コーヤコーヤ星もその内の1つ。

声の出演[編集]

ゲストキャラクター[編集]

ロップル
- 菅谷政子
コーヤコーヤ星の開拓民の少年。ボーガントたちの嫌がらせにより超空間へ閉じ込められたことで、自分の宇宙船倉庫の扉とのび太の部屋の畳が接続し、ドラえもんやのび太と友情を育んで冒険を繰り広げる。父の形見である拳銃サイズのショックガンを常に携帯しているが、射撃はあまり得意でない模様(のちに「君が持ってた方が役に立つ」とのび太に譲られる)。
チャミー
声 - 杉山佳寿子
ロップルと共に行動する、全体がピンクの毛で覆われたウサギのぬいぐるみのような宇宙動物。性別は雌。自在に空を飛ぶことができ、人語を解するが、文句や無茶をいうことも多く、物事に対して辛辣な感想を述べることもある。映画版では文末に「○○だわサ」、「○○わサ」を付ける。ドラえもんに貰ったどら焼きを気に入り、お互いに好意を抱く。最後の別れでは特にドラえもんとの離別を惜しんでいた。
漫画と劇場版では見た目がかなり異なる。漫画のチャミーは猫のような黒目がかった目を持つ白い毛の動物だったが、映画では見た目が大きく変更された。毛色はピンクで目は白目のある人間に近い雰囲気となり、髭は生えておらず、鼻が目立たず口元の形状も人間に近い。尻尾がハート型になっている。また、映画ではチャミーがドラえもんの鬚を引っ張るシーンがあるが、これは映画オリジナルシーンである。
クレム
声 - 小山茉美
ロップルの妹。のび太からあやとりを教えてもらうなどのツーショットが度々登場し、のび太を特に慕っている描写がある。最後の別れの際には、のび太に雪の花を贈った。
声 - 塚田恵美子
ロップルとクレムの母。夫とは死別しているが、ロップルと共に気丈に一家を支えている。
ロップルとクレムの父。コーヤコーヤ星を発見し、地殻的に安定しているとの観測結果や、ガルタイト鉱業の強引な採掘を知る人物だったが既に故人。死因は乗機が小惑星へ激突したことによる事故死とされているが、トカイトカイ星にガルタイト鉱業の横暴を告発しようとしていた矢先だったため、ガルタイト鉱業による謀殺が疑われている。
カモラン
声 - 二見忠男
ロップル一家の隣人。気の優しい人物だが、農作物の収穫を滅茶苦茶にされてしまうなどガルタイト鉱業の嫌がらせに苦しみ、スーパーマンとして活躍するのび太たちに大きな期待を寄せる。
ブブ
声 - 山田栄子
カモランの息子。クレムに想いを寄せている。性格はやや他人を見下す傾向があり、クレムがのび太を慕うことに対する嫉妬も含め、開拓民たちが地球人をちやほやすることを快く思っていない。後にガルタイト鉱業のゴス、メスたちに連行された上にボーガントに脅され、のび太達が行き来している扉についての情報を喋ってしまう。その事で罪悪感と責任を感じており、ジャイアン達をガルタイト工業のアジトまで案内し、のび太たちを助けた。
ボーガント
声 - 内海賢二
ガルタイト鉱業の主任。ゴスとメスの上司で、コーヤコーヤ星での採掘も担当している。
殺人も厭わない強欲な性格で、コーヤコーヤ星のガルタイトを独占しようと住民たちの強制的な追い出しを指示するが、社の無法は従来から当局の捜査対象になっており、最後には本社を含めた全ての拠点が一斉捜索を受けるのと同時に“コア破壊装置”使用の罪で宇宙パトロールに逮捕される。その際には「本社の命令でやった事で自分は悪くない」と往生際の悪さを見せた。
ゴス、メス
声 - 今西正男(ゴス)、北村弘一(メス)
ガルタイト鉱業の社員で、ボーガントの手下。2人組のうち、太っているほうがゴスで、背の高いほうがメス。2人とも残忍な性格で、開拓民をコーヤコーヤから追い出そうと、いつもあの手この手で住民への嫌がらせをするが、のび太たちの活躍により散々な目に遭い、情けない表情も見せる。
最後はボーガントと共に宇宙パトロールに逮捕される。
ギラーミン
声 - 柴田秀勝
ガルタイト鉱業に雇われた腕利きの用心棒。「挨拶時の余計なおしゃべりは無用な時間」などと無駄と思う行為を嫌う。コーヤコーヤ星の住民たちを守るドラえもんらを殺してでも撃退しようとする。さらにこの区域のガルタイト開発の遅れから、惑星を内部から爆破する“コア破壊装置”を星に取り付ける強引な採掘を強行するよう提案もし、実行した。一応の法と人権は守って立ち退きの事前警告はするが、それを無視した開拓民たちが星と運命を共にして大量殺人となったとしても「知った事ではない」と冷酷さを見せる。一方で「どんなに強い相手も恐れず、同時にどんなに弱い相手も見くびらない」というポリシーも持ち、強者との闘いを望む面と他人をむやみに侮らないという用心棒としての矜持も覗かせる。のび太との対決時は、口には出さなかったものの"只者ではない"とのび太の射撃の実力を一目で見抜き、のび太も“恐ろしい相手”とギラーミンの力を認めており、一騎討ちの早撃ち勝負を行うものび太に敗れ倒れた(のび太が使用したのはショックガンのため死亡はしていない)。
映画版では江戸っ子訛りのような喋り方が特徴。クライマックスでの対決シーンも、のび太がショックガンの照準を合わせ、ロップルが引鉄を弾いてギラーミンの眉間を撃って倒される、という展開になっている。映画版においてもロップルが使用したのはショックガンのため、ギラーミンは気絶しただけで死亡はしていない。
キャプテン
声 - 桜本昌弘
のび太達のいつもの空き地を占領した中学生の野球チーム(野球部ではない)のキャプテン。野球部には、野球が下手なため入れてもらえないらしい。この事がのび太に言い当てられた際に激怒し、仲間と共にのび太を追いかけた。後に、近所の窓ガラスを割って空き地を追い出される。
中学生
声 - 龍田直樹二又一成
野球チームの一員。同じくのび太を追いかけた。後に、近所の窓ガラスを割って空き地を追い出される。
宇宙パトロール
告発を受けてガルタイト鉱業本社の無法を捜査していた。ラストで関係先への強制捜索に着手すると共にボーガント主任達を逮捕する。

本作のメカニック[編集]

宇宙戦艦ブルトレイン
ボーガントとゴス、メスとギラーミン等が乗るガルタイト鉱業の宇宙戦艦。雄牛のような形状の船首が特徴。緊急時には脱出カプセルが備えられている。最期は、しずかとスネ夫が投げた後ジャイアンが打ったガルタイトの直撃によって反重力エンジンが破壊され墜落、戦没した(漫画では投石。なお、ボーガント達の乗った脱出カプセルは宇宙パトロールの宇宙船によって捕まる)。漫画では前半は別の船だったが、ドラえもんとのび太により破壊され終盤にギラーミンを乗せて登場する。映画ではブルトレインで終始一貫している。
フレンドシップ号
ロップルとチャミーが乗る宇宙船。このタイプの船はコーヤコーヤ星住人にとっての足であるとともに農作業にも欠かせない存在である。反重力推進のほかワープ航法も可能。1回のワープで2光年を跳躍できる。年季の入った船のため動作不良を起こすが、叩けば直る。映画ではコックピット部分と本体を分離する事が可能である。扉の一部は偶然にも野比家ののび太の部屋の床下とつながっている。本体はゴスとメスが仕掛けられた爆弾によって爆破され、のび太の部屋への超空間のつながりが消える原因にもなった。尚、フレンドシップ号という名称は映画版のみの名称であり、漫画版での名称は“カーゴ(貨物船)”で統一されている。

コーヤコーヤ星の動物[編集]

キャラクターは全て「ジャングル黒べえ」に登場する「ピリミー国」から持ち込まれたもの。

ウオガエル
魚とカエルの合成生物。冬にはカエルのように冬眠する。
タマゴ鳥
タマゴから羽が生えている鳥。山岳地帯の岩の中に巣を作るが、ガルタイト採掘のために山が掘り崩されているため、絶滅の危機にある。劇場版ではジャイアンとスネ夫が殻を割るが、いくら割ってもタマゴのまま。
オトト鳥
魚と鳥の合成生物。ガルタイト鉱のかけらを使って冬には宇宙空間を伝ってトカイトカイ星に飛び立つ。
パンク
体内に空気が詰まっているパンダ。常に空気を吸う事でその丸みを保っており、体内の空気を一気に放出して空を飛び移動する。秋になると冬眠に備えて、カボチャのような野菜を食べて栄養を蓄える。
マンモスナメクジ [6]
コーヤコーヤのナメクジは人間より大きく、宇宙船サイズ。
デンデンワニ
人の背丈ほどあるカタツムリワニの合成生物。
パオパオ
人の背丈ほどの二本足の。胴体はなく、顔から足が生えている。野生動物ではあるが人間を怖がらず、頼めば背に乗せてくれるほど人懐こい。漫画では緑色、映画では水色、リメイク版では黄色であった。2017年公開『のび太の南極カチコチ大冒険』にも登場、物語の鍵を握る。
ダックスキリン
普段はダックスフントのように胴長の体型をしているが、高いところのえさを取るときには胴が短くなり、キリンのように首が長くなる。劇場版ではジャイアンとスネ夫が胴と首を同時に引っ張って伸ばそうとする。

スピンオフ[編集]

1994年刊行の雑誌「ドラえもんクラブ」の3号に本作以前のロップルたちの物語を描いた外伝小説『大長編ドラえもん「のび太の宇宙開拓史」外伝 コーヤコーヤ星物語』(文・笹木輦、画・芝山努)が掲載された[3]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「ぼくドラえもん
作詞 - 藤子不二雄 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大山のぶ代こおろぎ'73コロムビア・レコード
エンディングテーマ「ポケットの中に
作詞 - 武田鉄矢 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大山のぶ代、ヤングフレッシュ(コロムビア・レコード)
前作に続いて使用された。
劇場公開時には1番のワンコーラスの音源が使用されていたが、ビデオソフト化に際してサビ部分のみが2番の音源に差し替えられた。一方、2016年2月現在、Amazonプライム・ビデオで配信されている本作の映像[7]では劇場公開時の形で視聴可能となっている。
主題歌「心をゆらして
作詞 - 武田鉄矢 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 岩渕まこと(コロムビア・レコード)
ドラえもん映画作品では通常主題歌はエンディングに用いられるが、本作に限りエンディングの直前のドラえもん達とロップル達の別れのシーンで流れている(漫画では同様のシーンで歌詞が表示される)。また、「ポケットの中に」と同様にアレンジされて作品のBGMに用いられ、その後もテレビアニメで主にシリアスな話でしばしば流用された。
挿入歌「ドラえもんのうた
作詞 - 楠部工 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大杉久美子 / セリフ - ドラえもん(大山のぶ代)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 漫画連載が夏に始まるため大長編作品の作中の季節は夏が多いが、映画公開は春のため季節が春に変更される場合もある(『のび太の大魔境』など)。
  2. ^ “不正を見て見ぬふり出来ない射撃の名手が開拓地で住民に乞われて保安官となる”という描写が同一
  3. ^ 本作に登場するショックガンはいつものドラえもんのひみつ道具ではなく、ロップルの持ち物(父の形見)。
  4. ^ 「のび太の恐竜」は1981年10月まで使用されていたイエロータイトル基準、「宇宙開拓史」は同年10月以降から使用されていたオレンジタイトル基準の絵柄となっている
  5. ^ 扉1頁+本編187頁。
  6. ^ 主なシーンとして「いつ消えるとも知れぬ超空間の出入り口(地球との繋がり)にロップルとクレムが不安を見せる」「コーヤコーヤでロップル達の歓迎を受けたのび太が、思わず感激の涙を流す」など。
  7. ^ 映画では、チャミーが最初のシーンから「宇宙船の扉を開けたら、この地球に出てきちゃったの」と発言しており、地球のことを知らないロップルに地球が太陽系第三惑星であると教えているため、彼女は地球についてよく知っているようである。

出典[編集]

  1. ^ 切通理作「〈子ども〉という名のヒーロー」『パジャママン きゃぷてんボン ほか』小学館〈藤子・F・不二雄大全集〉、2010年9月、322-323頁。ISBN 978-4-09-143440-1 
  2. ^ キネマ旬報』1990年3月下旬号。
  3. ^ a b 塚原正廣 編「タイムシアター1981 のび太の宇宙開拓史」『藤子・F・不二雄ワンダーランド ぼく、ドラえもん』 10巻、小学館、2004年7月、24-27頁。全国書誌番号:20659411 
  4. ^ a b 別冊宝島293 このアニメがすごい!』(宝島社 1997年、ISBN 4796692932)、154頁。
  5. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)400頁
  6. ^ Amazon.co.jp: 映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史を観る | Prime Video”. www.amazon.co.jp. 2022年11月20日閲覧。 再生時間=1:00:32
  7. ^ Amazon_co_jp: 映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史

関連項目[編集]

外部リンク[編集]