ましろのおと

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ましろのおと
ジャンル 音楽漫画
漫画
作者 羅川真里茂
出版社 講談社
掲載誌 月刊少年マガジン
発表期間 2010年1月号(読切)
2010年5月号 - 連載中
巻数 既刊19巻(2017年11月現在)
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ましろのおと』は、羅川真里茂による津軽三味線を題材にした日本漫画

概要[編集]

月刊少年マガジン』(講談社)にて2010年1月号に読み切りが掲載された後、同年5月号より連載化された。作者にとって初となる少年誌での連載作品であり、また白泉社以外での連載も初である[1]。タイトルには「ましろの音」と「ましろノート」(ノートは音符などの意)の2つの意味がある。単行本は2017年11月現在、既刊19巻。

全国書店員が選んだおすすめコミック2011」、9位。「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」、6位。

2012年平成24年)度 第36回講談社漫画賞「少年部門」、第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門にて優秀賞を受賞した[2]

あらすじ[編集]

16歳の津軽三味線奏者の澤村雪。三味線の師であった祖父が亡くなったことで、自分の音を探すため、単身上京する。

登場人物[編集]

澤村家[編集]

澤村 雪(さわむら せつ)
16歳。青森県生まれ。幼い頃から祖父が弾く津軽三味線の音を聞いて育った。師匠であり育ての親でもあった祖父・松吾郎が亡くなり、自分だけの音を探そうと、思いつきで上京する。
高校には1年生の夏から通っていなかったが、上京後は母・梅子の言い付けで梅園学園へ転入する。祖父譲りの津軽三味線の才能を持つものの、その演奏にはムラがあり、何の為(誰の為)に弾いていいか分からない時はおざなりな演奏しか出来ないが、明確に目的がある時の演奏ではその才能を遺憾なく発揮する。幼い頃より松吾郎の演奏を耳で聞いて技術を身に付けてきたため、譜面が読めない。他人と関わったり馴れ合ったりする事をしない性分のため、その言動は時に冷たいものにも映るが、根は優しく真面目な性格。祖父と同じく三味線で他人と競う事に興味を持たなかったものの、学園での出会いなどを機に少しずつ変わっていく。
澤村 若菜(さわむら わかな)
雪の兄で、津軽三味線奏者。5月2日生まれで老け顔の19歳。こと三味線に関しては感情的になる一面も見せるが、生真面目で弟思いの性格。松吾郎の愛弟子という点においても、雪の兄弟子にあたる。全国大会でも上位に入る実力の奏者だが、むしろそれゆえに雪や総一には及ばない自分の才能の限界を痛感している。
澤村 松吾郎(さわむら まつごろう)
雪と若菜の祖父で、梅子の父親。故人。全盲の津軽三味線奏者。無欲さゆえに生涯を通して世間に名が知られる事はなかったものの、その才能は一部では高く評価されており、彼の演奏を知る者からは「名人」と呼ばれている。雪と若菜の師匠でもあるが、「自分の音で奪え」が口癖で、手取り足取り教えるようなことはなかった。即興曲「春暁」(しゅんぎょう)の完成に30年を費やし、この曲が雪と朱利を繋いだ。
澤村 梅子(さわむら うめこ)
雪と若菜の母親で、松吾郎の娘。2人からは「梅子」と呼び捨てにされ、不仲というより険悪な関係。40代だが、一見すると20代にしか見えない。ビューティー業界の会社「梅丸」の女社長で、出産後も日本国外で仕事をする傍ら、澤村家に毎月100万円の生活費を送り、子育ては父の松吾郎に任せっきりだった。伴奏(三味線に合わせて歌う事)の達人。松吾郎の才能が世に出なかった事を惜しんでおり、息子の雪の才能を世に出すべく津軽三味線甲子園「松吾郎杯」を開催するなどしている。
性格は豪快で、傍若無人を絵に書いたような人物。行動力も尋常ではなく、息子達を振り回す。竹千代や小百合とは犬猿の仲。

私立梅園学園[編集]

雪が上京後、梅子により強引に転入させられ、通う事になった高校。

前田 朱利(まえだ しゅり)
1年C組。雪のクラスメイト。当初は津軽三味線愛好会の唯一のメンバーであった。津軽三味線をやるようになったきっかけは、彼女の祖母がかつて少女時代に疎開先で聞いたという津軽三味線の曲の手がかりを掴み、それを祖母に聞かせてあげたいという一心からである。その曲とは雪の祖父・松吾郎が30年かけて作り上げた即興曲「春暁」の一部であった。後に、雪が自分なりの解釈を入れた「春暁」を演奏した事で、祖母に聞かせたいという夢は叶えられた。その後は雪を目標に据え、彼の腕前に近づくために津軽三味線を続けることを決意する。
山里 結(やまざと ゆい)
1年B組。朱利の友人で幼馴染。ゲームや漫画が好きなオタクで、またゲーム愛好会部員でもある。ある日偶然、テレビで流れた雪の演奏を耳にし、以来雪の演奏に惹かれる。朱利に付き合って津軽三味線を一緒にやっているが、当初は津軽三味線愛好会には入っていなかった(後に入部)。
海人の事が好きなものの、海人はその気持ちに一切気づいておらず、朱利に好意を持って彼女ばかり構っている。その事への嫉妬と、朱利の優柔不断さなどに時折苛立ち感情的になる面があった。松吾郎杯団体戦の直前、メンバーを前に朱利と比較した自分のコンプレックスを吐き出したことで、朱利との友人関係はより強固なものになったようだ。
矢口 海人(やぐち かいと)
2年生。朱利と結の幼馴染。幼少時に友人と共に朱利へ意図せず嫌がらせをしてしまっていた事から、朱利の男嫌いの原因となっていた。実際は朱利に好意を持っているが、その想いには気付いてもらえず、朱利と親しくなりつつある雪に対抗心を燃やしていた。
父親は有力政治家つきの弁護士。その父親からは跡を継いで欲しいと思われているが、本人はプロサッカー選手の夢を持っており、またスポーツ推薦で梅園学園に入学できるほどの才能があった。しかし入学直後の練習試合による膝の故障により、サッカー選手としての生命を絶たれる。そのため、才能が活かそうともしない雪に苛立ち、津軽三味線同好会への入部を賭けて雪にサッカー勝負を挑み、結果として入部する事となった。学業成績も優秀で常に学園3位以内に入っている。
永森 雷(ながもり らい)
2年A組。団体戦に数合わせの助っ人として出るため、手芸部と掛け持ちで津軽三味線愛好会に入部する。オネエ言葉で喋り、手芸部の女子達ととても仲が良い。手先が器用で、普段は手芸部の女子達と一緒に編物などをしている。
父親は噺家の米福であるが、両親は既に離婚しており、母方に引き取られたため姓が異なる。幼い頃より三味線の師範である母親から、半ば強引に三味線を習わされた。弾く三味線は太棹の津軽三味線ではなく、細棹の方である。将来は三味線で米福の演目に曲をつける演奏をしたいと思っている。
小薮 啓子(こやぶ けいこ)
津軽三味線愛好会の顧問を務める若い女性教師。緒方洸輔(神木清流)に惚れており、顧問になったのも彼と連絡を取りたいため。三味線については全くの素人であるため、大俵に指導を依頼している。
教頭
梅園学園の生き字引。小藪に緒方洸輔の情報を伝える。

三味線奏者[編集]

緒方 洸輔(おがた こうすけ)
津軽三味線の全国大会でA級を二連覇している実力派奏者。神木流で、名取名は神木 清流(かみき せいりゅう)。青森に住む神木流師範の流絃に師事しており、実力者になった今も彼に対する敬意は変わらず、年に一度ほど挨拶に赴いている。梅園学園の卒業生で、津軽三味線愛好会の創設者。学生時に使用していた三味線を、後輩のために学校に残している。
雪との邂逅後、彼の才能の底を知ろうと、演奏によって幾度かのアプローチをかけている。
神木 流絃(かみき りゅうげん)
青森在住。神木流の師範。「神木流絃」は名取名であり、本名は「田沼源造」。緒方洸輔の師であり、総一と舞の父親。
実は雪の実の父親であり、総一と舞は彼とは血の繋がりがない養子である。雪に神木流を継いでほしいと望んでいるが、「松吾郎の音」が欲しいことが理由であり雪本人に愛情を持っている様子はない。
田沼 総一(たぬま そういち)
流絃の息子(養子)で、緒方の弟弟子。高校3年生にして全国大会では緒方に次いで準優勝経験なども持つ、若い俊英。常にマイペースであると同時に行動が子供っぽく、妹の舞曰く「お子様性格」。面倒くさい「自分ルール」を持つ故に友人がおらず、友達作りを目的に「松吾郎杯」に参加する。
田沼 舞(たぬま まい)
流絃の娘(養子)で、総一の妹(血の繋がりがあるかは不明)。高校2年生。同じく津軽三味線奏者。雪の小学校時代の同級生。ライバル視している雪が公式の大会に出たことがないため、父親に実力を認めてもらえなかったと感じている。そのため今でも雪を激しくライバル視しており、彼の名を聞くと血相を変える。高校生になった現在でも雪との勝負の機会を伺う。
荒川 潮(あらかわ うしお)
福岡在住の高校3年生。団体戦において一人前列・真ん中で弾くなど、目立つことを好む。演奏は荒々しく独創的。スリ上げを好んで多用し、持ち味でもある連続スリ上げは「荒川トゥイン」と呼ばれている。
梶 貴臣(かじ たかおみ)
大阪在住の高校3年生。派手さはないが、確実で狂いのない統制のとれた演奏を行うのが特徴。男女ともに人気のある奏者。大学進学とともに竹の華に就職。

唄い手[編集]

成宮 あやこ(なりみや あやこ)
東ノ宮杯準優勝、無冠の女王。踊りながら歌う成宮流「ゆさぶり」でライブ会場をわかしている。
壬生 悠里(みぶ ゆうり)
第34回東ノ宮杯優勝。

竹の華[編集]

三吉 竹千代(みよし たけちよ)
民謡居酒屋「竹の華」を経営する中年女性。梅子と同じく、雪の祖父・松吾郎の才能が、彼の無欲さゆえに後世に伝えられずに埋もれてしまった事を惜しんでいる。梅子とは面識があるらしく、犬猿の仲。
大河 鉄雄(たいが てつお)
29歳。津軽三味線、唄担当。
沙上 麻二(さじょう まに)
プロの民謡歌手、唄担当。第35回東ノ宮杯民謡全国大会に出場
追 一大(おい かずひろ)
26歳。津軽三味線、笛担当
江戸 鮎(えど あゆ)
28歳。津軽三味線、太鼓、唄、踊り担当。ツインテール、片目萌え。
三島 撫子(みしま なでしこ)
22歳。津軽三味線、太鼓担当。三島カオルと双子。
三島 カオル(みしま かおる)
22歳。津軽三味線、太鼓担当。三島撫子と双子。

その他の人々[編集]

立樹 ユナ(たちき ユナ)
22歳。キャバクラで働きながら、グラビアアイドルを目指す女性。彼氏でもあるタケトの才能を買っており、バンドの援助をしている。成り行きで上京直後の雪の面倒を見た。アダルトビデオ出演を持ちかけられ、夢を諦め帰郷する。
タケト
インディーズバンド「ピンク・パンク・ガジェット」のボーカル。譜面も書いており、バンド活動の傍らで曲を楽譜に起こす仕事もしている。ユナの彼氏だったが、女癖の悪さが原因で別れた。ユナが帰郷した後も雪のアパートに来るなど交流がある。
健(けん) / ジル / 紀雄(のりお)
「ピンク・パンク・ガジェット」のメンバー。順に、ベース / ギター / ドラム。健はバンドのリーダー。全員中学時代の同級生。
山野 寅治(やまの とらじ)
葛飾区に店を構える「たぬきち食堂」の店主。45歳、158cm。食堂とは別に大家もやっており、店の2階のいくつかの部屋を賃貸している。雪もここに部屋を借りている。
山野 桜(やまの さくら)
寅治の娘。中学1年生、140cm。世話好きな性格。下宿人である雪に憧れのような感情を持っている。
大俵 ヒロシ(おおだわら ヒロシ)
三味線ショップ「鈴音」(リンネ)を経営する中年男性。小薮に頼まれて週に一度、津軽三味線愛好会に指導に来ている。
米福(よねふく)
たぬきち食堂の2階に下宿している噺家。雷の父親でもある。
田沼 小百合(たぬま さゆり)
流絃の妻で、総一と舞の母親。総一、舞と血の繋がりがあるかは不明。夫が総一や舞より雪に目をかけていることに、表立って口は出さないものの懸念を示している。一見物静かで上品な女性だが、流絃を挟んで対立する立場の梅子と初対面ながら堂々と渡り合う気の強さも持ち合わせている。よき母親ではあるが、総一の「自分ルール」についていけずに翻弄されている様子も。

書誌情報[編集]

羅川真里茂 『ましろのおと』 講談社KCGM〉 既刊19巻(2017年11月17日現在)

  1. 2010年10月15日発売[講 1]ISBN 978-4-06-371261-2
  2. 2010年12月17日発売[講 2]ISBN 978-4-06-371266-7
  3. 2011年04月15日発売[講 3]ISBN 978-4-06-371281-0
  4. 2011年09月16日発売[講 4]ISBN 978-4-06-371298-8
  5. 2012年01月17日発売[講 5]ISBN 978-4-06-371316-9ISBN 978-4-06-358379-3(特装版)
  6. 2012年06月15日発売[講 6]ISBN 978-4-06-371334-3ISBN 978-4-06-362221-8(特装版)
  7. 2012年11月16日発売[講 7]ISBN 978-4-06-371353-4
  8. 2013年4月17日発売[講 8]ISBN 978-4-06-371371-8ISBN 978-4-06-358438-7(特装版)
  9. 2013年10月17日発売[講 9]ISBN 978-4-06-371393-0
  10. 2014年2月17日発売[講 10]ISBN 978-4-06-371411-1
  11. 2014年6月17日発売[講 11]ISBN 978-4-06-371425-8
  12. 2014年10月17日発売[講 12]ISBN 978-4-06-371443-2
  13. 2015年4月17日発売[講 13]ISBN 978-4-06-371443-2
  14. 2015年8月17日発売[講 14]ISBN 978-4-06-371479-1
  15. 2016年2月17日発売[講 15]ISBN 978-4-06-392510-4ISBN 978-4-06-362319-2(演奏CD付き特装版)
  16. 2016年10月17日発売[講 16]ISBN 978-4-06-392558-6
  17. 2017年3月17日発売[講 17]ISBN 978-4-06-392572-2
  18. 2017年7月14日発売[講 18]ISBN 978-4-06-392594-4
  19. 2017年11月17日発売[講 19]ISBN 978-4-06-510443-9

小説版[編集]

『月刊少年マガジン』2011年12月号および2012年5月号に円山まどかによる小説版が掲載された。

出典[編集]

  1. ^ 勝手に読書伝説7 スペシャルインタビュ 2013.11.30
  2. ^ 第16回文化庁メディア芸術祭”. 文化庁メディア芸術祭. 2012年12月13日閲覧。

発売日に関する出典[編集]

  1. ^ 『ましろのおと(1)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2012年8月26日閲覧。
  2. ^ 『ましろのおと(2)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2012年8月26日閲覧。
  3. ^ 『ましろのおと(3)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2012年8月26日閲覧。
  4. ^ 『ましろのおと(4)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2012年8月26日閲覧。
  5. ^ 『ましろのおと(5)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2012年8月26日閲覧。
  6. ^ 『ましろのおと(6)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2012年8月26日閲覧。
  7. ^ 『ましろのおと(7)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2012年11月16日閲覧。
  8. ^ 『ましろのおと(8)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2013年4月18日閲覧。
  9. ^ 『ましろのおと(9)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2013年10月17日閲覧。
  10. ^ 『ましろのおと(10)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2014年2月17日閲覧。
  11. ^ 『ましろのおと(11)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2014年6月17日閲覧。
  12. ^ 『ましろのおと(12)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2014年10月17日閲覧。
  13. ^ 『ましろのおと(13)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2015年4月17日閲覧。
  14. ^ 『ましろのおと(14)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2015年8月18日閲覧。
  15. ^ 『ましろのおと(15)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2016年2月17日閲覧。
  16. ^ 『ましろのおと(16)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2016年10月17日閲覧。
  17. ^ 『ましろのおと(17)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年3月17日閲覧。
  18. ^ 『ましろのおと(18)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年7月14日閲覧。
  19. ^ 『ましろのおと(19)』(羅川真里茂)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年11月19日閲覧。

外部リンク[編集]