山田栄子

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やまだ えいこ
山田 栄子
プロフィール
本名 久村 栄子
(ひさむら えいこ[1] 旧姓:山田[2]
愛称 クリちゃん[3]
性別 女性
出身地 日本の旗 日本神奈川県横浜市神奈川区子安[4]
生年月日 (1953-06-13) 1953年6月13日(69歳)
血液型 AB型[5]
職業 声優舞台女優
事務所 81プロデュース[6]
配偶者 あり
公式サイト 山田栄子 - 81プロデュースの公式サイト
公称サイズ([7]時点)
身長 / 体重 161 cm / 49 kg
声優活動
活動期間 1977年 -
ジャンル アニメゲーム吹き替えナレーション
女優活動
ジャンル 舞台
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

山田 栄子(やまだ えいこ、1953年6月13日[8][5] - )は、日本声優舞台女優81プロデュース所属[6]神奈川県横浜市神奈川区子安[4]出身。

経歴[編集]

内田演劇研究所[9]、劇団芸協[9]、オフィス央[9]青二プロダクション[7]、フリーランスを経て、81プロデュース所属[6]

高校卒業後、家具のデザイナーになろうと専門学校東京デザイナー学院に入学[10]

国際演劇センター制作の『海賊ハロウィン』の公演に端役で参加[10]

2ヶ月、東ヨーロッパに旅行して帰国後、演劇の魅力の虜になっていた[10]

演劇について学ぼうと学校の近くにあった劇団芸協の研究生になる[10]

オフィス央に所属後、アニメのオーディションの話が来たことで受けて合格し、1979年に『赤毛のアン』のアン・シャーリー役でデビュー[11][10]。当初は女性の役が多かったが、1980年の『太陽の使者 鉄人28号』(金田正太郎役)以降、少年役を演じる機会も増加。1983年から放送された『キャプテン翼(昭和版)』での岬太郎役は、特に高評価を受けた。

1985年の『小公女セーラ』では、主人公セーラのいじめ役・ラビニアを担当。以降、小悪魔的な要素も多く見られるようになる。また『小公女セーラ』以後、世界名作劇場シリーズへの出演がより増えてゆくこととなり、常連出演者として名前が挙がる存在となった。

1988年、出産・育児により短期間休業。これにより、『ビックリマン』のフッド役を途中降板している。またガリ犬役を担当していた『ビリ犬』では、休業中はガリ犬の出番を無くす対処がなされた。その後活動を再開し、1990年代前半頃まで活発な活動を行った。

2002年頃、青二プロダクションを退所。その後NHK教育人形劇には、結婚後の本名である久村姓で出演したが、ゲームやインタビューなどかつての出演に関連する仕事では、現在でもほぼ一貫して山田姓を使用している。

2007年4月、三ツ矢雄二が自身公式HPの中で、山田を「引退した」という言葉を付け紹介。しかし久村姓では、前述した人形劇に出演している。2008年には、復活版・世界名作劇場の第2作『ポルフィの長い旅』に数話ゲスト出演。山田姓での出演及びアニメ作品本編への出演は、2000年代ではこれが初となった。また、2009年放送開始の名作劇場の新作『こんにちは アン 〜Before Green Gables』の放映開始前、番宣CMにも出演した。

2015年3月1日81プロデュースに所属[12]

人物[編集]

声種メゾソプラノ[9]からアルト[3]

2008年1月27日放送の『大胆MAP』(テレビ朝日系)の「人気アニメキャラの声やってる人の素顔全部見せます!ベスト20」(6位 アン・シャーリー)で顔出し出演。顔出しでのテレビ出演は約20年ぶり(ただし遠目を条件での出演だった)。

娘の久村夏里奈が、『ポルフィの長い旅』第24話で声優デビューを果たした。

世界名作劇場[編集]

世界名作劇場シリーズでは、地上波で放送された23作品中、全声優中最多となる10作品に出演[注 1]している。このうち『赤毛のアン』、『愛の若草物語』の2作品で主人公を担当し、堀江美都子松尾佳子折笠愛と共に、シリーズにおいて複数の作品で単独主演を果たした声優[注 2]の1人となった。

また、出演作品数だけでなく役柄も、シリーズ内だけで多くの系統を担当した。特に1985年の『小公女セーラ』から1988年の『小公子セディ』までは、4年連続レギュラー・準レギュラーとして登場し、その都度系統の異なるキャラクターを演じた。

これらから潘恵子堀江美都子吉田理保子中西妙子らと共に、名劇を代表する声優の1人に数えられ、その中でも最も繋がりが深いとされる。また、逆に山田の経歴が語られる際にも、シリーズはほぼ触れられる存在となっている。

同シリーズは、登場人物の生活をきちんと描写することを重視し、台詞も多いとされる。この為、自分をキャラクターの心情と完全に一致させようとする山田とは、相性が良かったとも言われている。

『愛の若草物語』でジョオ役、『小公女セーラ』でラビニア役を担当した縁から、後にはそれぞれの外画版吹き替えにおいても、役を引き継いでいる[注 3]。ただし外画版『赤毛のアン』では、アンを演じる機会は無かった。

デビュー作『赤毛のアン』では、主役の最終候補に山田と島本須美が残っていた。この際、純粋に演技力とイメージの近さを評価されていたのは島本であり、山田は「演技が大げさ気味でたどたどしく、イメージとも少しずれている」という評価だったという。レイアウトなどを担当していた宮崎駿は、特に強く島本を支持したが、演出の高畑勲は「破天荒で空想がちなアンを演じるには、少しイメージを崩したほうが良い」と考え、あえて山田を起用。結果として水が合い、以後シリーズの常連となるに至ったというエピソードがある。

小公女セーラ』では、前述の通りラビニアを担当。本放送当時、作中でラビニアとミンチンがセーラへのいじめをエスカレートさせていく中で視聴者からのクレームが相次いだ結果、それぞれを演じた声優までが恨みを買う事態にまで至り、山田とミンチン役の中西妙子宛てにカミソリ入りの手紙が送られることもあった[注 4]。これらに加え、山田は執拗に陰湿な行為を行うラビニアの内面を理解出来ず、前述の信念とぶつかり、苦悩する結果となった。収録時、「涙を流しながらセーラをいじめていたほどだった」と島本は語っていた。これらの影響から、中西共々「こんな役は二度とやりたくない」と漏らすようになった一方で、ラビニアが演技の幅を更に広げる転換点にもなり、役者としては良い経験となったとも回想している。

出演[編集]

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ[編集]

1977年
1979年
1980年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1996年
1997年
2002年
2008年
2014年
2015年
2016年
2018年
2019年
  • MIX(赤井母)
2021年

劇場アニメ[編集]

1980年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1994年
1995年
1997年
1999年
2010年
2013年
2015年

OVA[編集]

1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1995年

Webアニメ[編集]

ゲーム[編集]

1989年
1990年
1991年
  • バスティール2(ボイスの母、女兵士)
1992年
1997年
1998年
2002年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2013年
2014年
2017年
2020年

吹き替え[編集]

女優[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

アニメ[編集]

日本映画[編集]

舞台[編集]

  • 飛べ!京浜ドラキュラ - マリン役 (1982年/シアターアプル81プロデュース
  • トウキョウ演劇倶楽部プロデュース公演Vol.1 「Live in toRAIN No.A-h」(2013年2月9日 - 17日)新宿シアターモリエール
  • トウキョウ演劇倶楽部プロデュース公演Vol.2 「Moonlight Rambler(ムーンライト・ランブラー)~月夜の散歩人~」(2013年7月19日~22日、俳優座劇場、2013年8月8日~11日、きゅりあん小ホール)
  • トウキョウ演劇倶楽部プロデュース公演Vol.5 「to U」(2014年4月)あうるすぽっと
  • トウキョウ演劇倶楽部プロデュース公演Vol.7 「ブラックジャックによろしく~がん患者編~」(2014年9月、六行会ホール)
  • 劇団エンゼル主催[注 6]「赤毛のアン-みどりやねの朝-」(2014年3月23日~全国で上演。うち一部は団体向け公演(一般販売なし)[注 7]マリラ・カスバート)
  • 新宿フィールドミュージアム 2017参加「三島由紀夫の世界vol.1」(2017年10月3日 ~4日、近江楽堂)

ラジオ[編集]

CD・カセット[編集]

人形劇[編集]

その他コンテンツ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ デビュー後に限れば19作品中。ただし、10作品のうち『私のあしながおじさん』のサディは数話のみの登場。
  2. ^ ただし、『あらいぐまラスカル』をスターリングだけでなくラスカルも、『愛の若草物語』をジョオだけでなく他の姉妹も主人公と捉えるなら、野沢雅子潘恵子も2度主演していることになる。また、『ナンとジョー先生』をナンだけでなくジョーも主人公と捉えた場合、山田は主演数で堀江と並ぶ3回となり、1位タイとなる。
  3. ^ テレビ放送版のみであり、現在視聴はほぼ不可能。
  4. ^ セーラを演じた島本が、レーザーディスク版に収録されている『小公女セーラ』におけるインタビューの中で発言。
  5. ^ 『ドラゴンボールヒーローズ』、『スーパードラゴンボールヒーローズ
  6. ^ 日本国内で唯一ミュージカルではない純粋舞台劇の許諾認可された上演権利を所有している劇団。
  7. ^ 2015年8月20日現在の公演実績は、2014年3月23日 江戸東京博物館ホール、2014年5月11日 群馬県バイティック文化ホール、2014年10月15日 東京エレクトロン韮崎文化ホール、2014年11月16日 木更津市民会館大ホール、2014年12月20日 ハーモニーホール座間、2015年2月11日 アスカル幸手さくらホール、2015年2月22日 平塚市民センターホール 。
  8. ^ 現:FMヨコハマ

出典[編集]

  1. ^ 『声優名鑑』成美堂出版、1999年7月、303頁。ISBN 978-4-41-500878-3 
  2. ^ 『'85 芸能手帳タレント名簿録』連合通信社・音楽専科社、1985年、242頁。 
  3. ^ a b 『アニメーション大百科』東京三世社、1981年、191頁。 
  4. ^ a b 山田栄子 (2012年4月28日). “2012年4月28日の発言”. Twitter. 2012年6月26日22:48閲覧。
  5. ^ a b 山田栄子(やまだえいこ)の解説”. goo人名事典. 2020年1月25日閲覧。
  6. ^ a b c 山田栄子 - 81プロデュースの公式サイト
  7. ^ a b 『日本タレント名鑑(2002年版)』VIPタイムズ社、2002年4月30日、901頁。ISBN 978-4-9901242-0-5 
  8. ^ 『'76 日本タレント名鑑』1976年7月1日発行、VIPタイムス社。279頁。
  9. ^ a b c d 『声優の世界-アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、107頁。 
  10. ^ a b c d e 「VOICE ACTORESS CLOSE UP」『ジ・アニメ』1981年6月号、近代映画社、1981年5月、152頁。 
  11. ^ 「人気声優にがぶりより! 第9回 山田栄子さん」『アニメディア 1988年3月号』学習研究社、1988年3月1日、雑誌01579-3、86頁。
  12. ^ Information”. 81プロデュース. 2015年3月2日閲覧。
  13. ^ 赤毛のアン”. 日本アニメーション. 2016年6月18日閲覧。
  14. ^ 鉄人28号”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月1日閲覧。
  15. ^ CHARACTER ソロシップをとりまく人々”. 伝説巨神イデオン. サンライズ. 2022年11月23日閲覧。
  16. ^ スタッフ&キャスト”. 太陽の牙ダグラム公式サイト. 2016年6月7日閲覧。
  17. ^ Theかぼちゃワイン”. 東映アニメーション. 2022年9月18日閲覧。
  18. ^ アルプス物語 わたしのアンネット”. 日本アニメーション. 2016年6月18日閲覧。
  19. ^ 伊賀野カバ丸”. メディア芸術データベース. 2022年9月15日閲覧。
  20. ^ キャプテン翼”. メディア芸術データベース. 2022年9月28日閲覧。
  21. ^ 小公女セーラ”. 日本アニメーション. 2016年5月18日閲覧。
  22. ^ がんばれ!キッカーズ : 作品情報”. アニメハック. 2020年12月6日閲覧。
  23. ^ がんばれ!キッカーズ”. ぴえろ公式サイト. 2016年6月22日閲覧。
  24. ^ 銀牙 流れ星 銀”. 東映アニメーション. 2016年7月10日閲覧。
  25. ^ ドラゴンボール”. 東映アニメーション. 2022年5月8日閲覧。
  26. ^ 愛の若草物語”. 日本アニメーション. 2016年6月23日閲覧。
  27. ^ アニメ三銃士”. メディア芸術データベース. 2023年1月8日閲覧。
  28. ^ ビックリマン”. 東映アニメーション. 2022年9月14日閲覧。
  29. ^ ビリ犬”. メディア芸術データベース. 2023年3月22日閲覧。
  30. ^ 若草物語 ナンとジョー先生”. 日本アニメーション. 2016年6月23日閲覧。
  31. ^ 冒険者”. 日本アニメーション. 2022年12月17日閲覧。
  32. ^ キャラクター”. ドラゴンボール超. 東映アニメーション. 2022年12月5日閲覧。
  33. ^ キャラクター”. ドラゴンボール超. 東映アニメーション. 2022年12月5日閲覧。
  34. ^ がん がん がんこちゃん|アニメ声優・キャラクター・登場人物・2017冬アニメ最新情報一覧”. アニメイトタイムズ. 2022年2月27日閲覧。
  35. ^ がん がん がんこちゃん(第2期)|アニメキャスト・キャラクター・登場人物・2018冬アニメ最新情報一覧”. アニメイトタイムズ. 2022年2月27日閲覧。
  36. ^ 超人ロック(劇場版)”. 日本アニメーション. 2016年6月29日閲覧。
  37. ^ キャプテン翼 ヨーロッパ大決戦”. メディア芸術データベース. 2022年9月28日閲覧。
  38. ^ キャプテン翼 危うし! 全日本Jr.”. メディア芸術データベース. 2022年9月28日閲覧。
  39. ^ キャプテン翼 明日に向って走れ!”. メディア芸術データベース. 2022年9月29日閲覧。
  40. ^ キャプテン翼 世界大決戦!! Jr.ワールドカップ”. メディア芸術データベース. 2022年9月29日閲覧。
  41. ^ ビックリマン 無縁ゾーンの秘宝|キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション. 2022年9月15日閲覧。
  42. ^ アニメ三銃士”. メディア芸術データベース. 2023年1月8日閲覧。
  43. ^ エースをねらえ!2”. トムス・エンタテインメント. 2016年6月1日閲覧。
  44. ^ 参加声優紹介”. キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~ 公式サイト. KLab. 2017年6月13日閲覧。
  45. ^ 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー メガトロンセット解説書 PLANET OF CYBERTRON GUIDE 2』タカラ、1995年3月、36頁。 
  46. ^ 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010 LD解説書 PLANET OF CYBERTRON GUIDE 3』タカラ、1995年9月、36頁。 

外部リンク[編集]