MIX (漫画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
MIX
ジャンル 少年漫画野球漫画
漫画
作者 あだち充
出版社 小学館
掲載誌 ゲッサン
レーベル ゲッサン少年サンデーコミックス
発表期間 2012年6月号 - 連載中
巻数 既刊13巻(2018年8月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

MIX』(ミックス)は、あだち充による日本漫画。『ゲッサン』(小学館)にて、2012年6月号から連載中。

概要[編集]

舞台は『タッチ』から約30年後の明青学園。すっかり低迷した明青学園の野球部に入部した、同い年の義兄弟である立花投馬・走一郎たちが、上杉達也らを擁して以来の甲子園出場を目指す[1]

連載が開始された号は品薄状態となり、増刷されるも追いつかなかった。それを受けて第1話は『ゲッサン』2012年7月号と『週刊少年サンデー』(同社刊)2012年28号に再掲載された。

2018年8月時点でのコミックスの累計部数は750万部を突破[2]

「明青学園をもう一度、甲子園に連れて行ってください」との担当編集者からの希望を受け連載が決定。古豪復活の物語であるという。『MIX』とは過去作の要素のミックスを意味し、面白いと思える要素を既に手がけたかどうかに囚われず、現在の作者の手腕で描きあげることを目指している。当初『タッチ』の続編という意識は無かったといい、上杉達也や浅倉南の「その後」に関しても「すごく良いアイデアが浮かんだら描くかも」と言葉を濁していた。ファンからの反響の大きさには応えたくなった部分がありつつも、想像を刺激する部分は刺激させてあげようという感じとのこと[3] [4] [5]

なお『タッチ』のアニメ版独自の続編におけるあだち充のクレジットは原作でなく原案であり[6]一切口出ししていないため、本作とは全く関係がない[3]

2018年8月3日に、2019年春からの地上波・全国ネットでのテレビアニメ化が発表された[2]

あらすじ[編集]

明青学園中等部2年生の立花投馬・走一郎は同年同月同日に生まれた血の繋がらない兄弟である。母を亡くした投馬と父を亡くした走一郎・妹で1年生の音美の3人は、7年前に両親の再婚によって義兄弟となったのだ。

野球部に所属する2人は鬱屈した気持ちを抱えていた。野球部に大きな影響力を持つOBの息子である二階堂大輔という3年生が、監督の意向によって優れた能力もないままにエースとして起用され続けていたからだ。甲子園優勝から26年、エース上杉達也の巻き起こした明青旋風の見る影もなく、野球部は高等部も中等部も低迷を続けていた。バッテリーとして活躍することを夢見ていた2人は、高校は他校に進学することを検討するようになる。だがエースの不甲斐なさに憤っていたある日、二階堂が重い病を抱えていたことに気が付く。病院で奇跡的に手術が成功していた二階堂と対面し、死ぬ前に父親にエースとしての自分の活躍を見せるため監督に無理を言っていたという告白を受け、完全ではないにしろわだかまりを解く。そして明青のエースナンバー背番号1を託される。

明青学園高等部に進学した投馬・走一郎は、新監督として迎えられた大山吾郎、中等部からの内部生である駒耕作や一学年上の今川正、外部生の南郷四郎、吾郎の娘でマネージャーとして途中加入した春夏らとともに甲子園を目指す。東東京地区は、1年生エース西村拓味の勢南高校、名門復活に取り組み1年生で4番の赤井智仁などの人材を確保した健丈高校(元須見工業高校)、プロ注目の3年生エース三田浩樹の東秀高校などの強豪揃い。

そのさなか2人は吾郎と投馬の父の英介だけなく、走一郎の実父の澤井圭一も明青学園野球部に所属していたことを知る。圭一は、1年生の東東京大会で負傷し引退したものの、上杉達也卒業後の世代で最も才覚を示した伝説のエースだったのだ。英介が古い納戸にこっそり保管していた背番号1も圭一から譲り受けたものだった。走一郎は英介や吾郎からエースを争ってみないかと提案されていたが、エースにふさわしいのはあくまで投馬だと固辞し、捕手に徹する。

夏の東東京大会初戦の相手は健丈高校。投馬にとって赤井智仁は第一印象の悪い相手だったが、プレーの中で考えを改める。明青が勝利を収めるものの、結果的にこの大会中投馬から打点をあげたのは智仁のみであった。その後も明青は快進撃を続け、準決勝戦で東秀と激突する。投馬は三田浩樹と熾烈な投手戦を繰り広げるが、経験と体力が及ばず惜敗。野球部の復活と投馬の活躍は世間からの大きな注目を集めた。入部希望者が続々と現れる中、中等部時代に監督に反発して部を辞めていた錦研二も戻り、新たな人員とともに野球部は練習を重ねる。

翌年、明青学園高等部に音美とピッチャー志望の夏野一番、三田浩樹の妹の亜里沙、赤井智仁の弟の遼が入学する。投馬は智仁から自分たちも血の繋がらない兄弟であること、過去のトラブルにより兄弟仲がうまく行っていないこと、自分に対するコンプレックスから辞めてしまったが弟は元々野球好きで才能もあると考えていることなどを打ち明けられる。そして、おれを悪者にしてあいつをくどけと頼まれ、承諾。夏野や遼ら新入部員を迎えてこの年の野球部が始動する。

登場人物[編集]

立花家[編集]

立花 投馬(たちばな とうま)
明青高2年生。野球部では投手を務める。右投げ右打ち。
中学時代は野球部監督の方針や二階堂の存在により、2年の夏まで三塁手だった。そのため高校は明青学園以外に進学することを考えたこともある。二階堂がグラウンドにいない時には走一郎とともに投球練習をしていたことから、実力は部内では誰からも認められている。高等部では先輩部員達からの後押しもあり、一年生ながらエースに抜擢。元々女子人気は高い方だったが東秀との練習試合以降急上昇している。携帯電話を持っていない。
観察力と吸収力が高く、他の投手のフォームの利点を取り入れることに長けている。特に走一郎のフォームは長年一緒に練習を重ねたことからよく参考にしている。上杉達也の試合の映像も幼い頃から幾度も見返していた。東秀の三田には対戦中に自分のフォームを取り入れることのできるほどのセンスを深く感心される。父・英介は万年控え投手であった自分に似なかったことを喜んでいる。ソフトボールで全国大会準優勝投手だった実母の才能を受け継いだのだろうとのこと。
高1の夏の東東京大会では、三光学院相手に上杉達也以来のノーヒットノーランを達成し、注目を集める。また、海旺西との試合では温存のために左翼手を務めた。準決勝で東秀の三田との激しい投手戦の末、延長で敗れる。
負けん気が強く、他人に口で喧嘩を売ることも多いが、歯切れのいい性格。実母を失ったこともあって家族思い。義兄の走一郎とは昔よく大喧嘩していたが遠慮なく本音を言える相手でもある。バッテリーとしての信頼を積み重ねた現在では、「日本一だよ!兄弟としても、バッテリーとしても――」と義妹の音美から断言されるほど。音美のことも妹としてとても大切にしているが、成長し女性らしさを増す姿に複雑な思いが芽生えつつある。
立花 走一郎(たちばな そういちろう)
明青高2年生。野球部では主に3番、正捕手を務める。右投げ左打ち。
投馬とは両親の連れ子同士の再婚による義理の兄弟であり、血の繋がりはないが生年月日は偶然にも同じ。記録上は投馬より10分先に産まれたため兄となる。
強打で俊足、リードも巧みで捕手としての己に自信を持っている。中学の時には他の高校のスカウトからも注目されていた。
小学生時代は投馬とエース争いをしていたが、中学に入る際にどちらが投手をやるかでジャンケンをして負けてしまい、捕手に転向した経緯がある。このことがきっかけのひとつとなり、強運やスター性といったエースに必要な何かを投馬は持っているという思いを強める。実父の澤井圭一が伝説のエースだったことを知った後、圭一を知る吾郎から「もう一度エースを目指してみるか?」と問いかけられた際も「なめてませんか?投馬を。」ときっぱり否定し、エースとしての投馬を信じていることを示した。
頭の回転が早く、三兄弟で長兄の立場にあることもあって、比較的他人の行動を読むのが上手い。そのため試合などでは「やな奴」と評されることが多い。
容姿・運動・勉強と優秀で多くの女子生徒にモテており、女好きなため中学生時代は大人数と頻繁にデートをしていた。だが高等部野球部の新監督吾郎の娘である春夏と出会って惚れ込み、浮ついた遊びを控えるようになる。春夏とはともに野球に打ち込む者同士激論を交わすことが多く、時につれなくあしらわれる場面もあったが、結果的に一定の信頼は得られたようである。
立花 音美(たちばな おとみ)
明青高1年生。吹奏楽部に所属しフルートを担当している。
走一郎の実妹で、投馬の義理の妹にあたる。若干天然ボケな部分はあるが素直で明るい性格。元々は人見知りな性格であったが、投馬と兄弟の仲を深めるうちに克服した。可愛らしい容姿ゆえに近寄ってくる男子生徒が多い。中2、中3でミス明青に輝いている。
アイドルに向けるような好意に慣れている反面、自分絡みの恋愛感情に疎い。赤井遼から真剣に思いを告げられても「ふつうの女子ならドキッと来るとこなんだよね。 …きっと。」と返すことしかできなかった。遼と親しくはしており周囲からいい関係だと見られることもあるが、友達として気安く付き合えても男としては眼中にないだけでもある。
三田亜里沙には対抗心を燃やされ度々突っかかられているものの、嫌ってはいない。むしろ高飛車さとは裏腹な向上心を気に入ってもいて、一方的にライバル視される点まで含めて親しい友人に近い関係となっている。
立花 英介(たちばな えいすけ)
投馬の実父で、走一郎と音美の義父。明青学園高校野球部OBでもある。学生時代の野球の腕は、万年控え投手止まりだった。澤井圭一が怪我をした際に投手を務め一時善戦するも、結局は敗退する。明青が甲子園に出場した際の上杉達也の勇姿が映ったビデオテープを大切にし、繰り返し見ていた。ビデオテープはついに擦り切れてしまったが、映像そのものは音美が事前にDVDへダビングしていたため無事である。
立花 真弓(たちばな まゆみ)
投馬の義母で、走一郎と音美の実母。マイペースでざっくばらんとしており、やや複雑な家庭環境を周囲の人々にオープンにしている。投馬に走一郎や音美を明るい性格にしてくれたと感謝している。
前夫の圭一は高校時代をほとんど語らず、野球部に所属していたことも聞かされなかった。圭一の先輩である英介との再婚も偶然の結果。
澤井 圭一(さわい けいいち)
真弓の前夫で、走一郎と音美の実父。故人。明青学園高校野球部OBであり、英介と吾郎の後輩にあたる。1年生ながら背番号1を任され、甲子園で優勝した後の明青学園高校野球部の投手の中では№1と期待されていた。だが東東京大会準決勝で無失点に抑えて来た7回、ベースカバーに入った一塁上でランナーと交錯し、利き腕をスパイクされ靱帯を断裂してしまう。2度とマウンドに戻ることはなかったものの、その後も卒業するまでマネージャーとして変わらぬ笑顔で野球部を支えていた。
だが妻の真弓には野球部での活動は一切語らなかった。走一郎にも野球が下手だったとごまかして、キャッチボールの相手をすることさえなかった。後に英介と吾郎から、気持ちはわからんでもないとその際の思いを偲ばれる。
パンチ
音美が友達の家から譲り受けた犬。容姿は『タッチ』や『H2』に登場したパンチと似ている。音美の夢の中に出てきた人物(あだち充)によって命名。初めは小さな子犬だったが、他のパンチ同様丸々とした体格に成長する。
原田 正平(はらだ しょうへい)
記憶喪失の男。車にはねられそうになった音美をかばったことをきっかけに立花家の居候となる。この事故の1か月ほど前から名前すら思い出せないまま放浪していた。現在は警察に届け出をして立花家が身元引受人となっているものの、依然身元は不明。学生時代の彼を知る者から原田正平であることに気づかれるが、未だ恨みの消えない間柄だったために声をかけられることはなかった。喫茶店ドラゴンによく通っている。
タッチ』では上杉達也の同級生の友人として登場。明青学園OB。

明青学園[編集]

学校は高等部と中等部とが併設されており、同じ敷地に位置する。高等部の野球部はかつて一度だけ甲子園に出場して優勝したこともある[7]が低迷を続けていた。中等部野球部も東京都大会の本選出場がここ20年間なかった。

立花家は高等部の正門近くの立地。

高等部野球部[編集]

今川 正(いまがわ ただし)
高等部3年生。ポジションは一塁手。
中等部野球部では3年生で主将を務め、現在は高等部でもキャプテンを務める。打者としては主に4番を任される。
選手としての目立った活躍は少ないが、人柄が温厚で同級生や下級生から信頼されている。ただし上級生からデブ呼ばわりされた際には激怒した。
二階堂とは小学校以来の友人で、昔はバッテリーを組んでいた。二階堂が横暴なエースとして振る舞い距離を置いていた際も、自分は親友だと信じていると語る。二階堂が病を隠していたことを知った後には関係を修復し、現在も親友付き合いは続く。
中等部時代に退部した錦が黒柳監督を殴った場面を目撃したことと、彼が付き合っていた不良グループからリンチを受けて出来た傷を「喧嘩で出来た」と誤解したことから、彼の入部届を拒んだ。だが、周囲の意見によって誤解に気付き、二階堂に不良グループの牽制の協力を頼んで、錦を自ら迎え入れる。
夏野 一番(なつの いちばん)
高等部1年生。2番手投手。
投手としての能力に自信があり中等部野球部入部時にも投手志望をアピールする。しかし監督から外野に回るよう指示されて反発した。監督が交代した3年生ではエースで4番。
名前の通りに夏の甲子園で投手として活躍するのが目標。音美に度々アピールをし、他の男子や嫉妬する女子からも守ろうとしているが、さほど関心を持たれていない。だが、野球に対する真剣な姿勢は音美や赤井遼にも評価されている。
作中の立ち位置としては木根などの流れを汲むお調子者のキャラクターだが、最初から練習熱心で男気を見せる部分もある。中等部では投馬のフォームを手本に練習していた。
大山 春夏(おおやま はるか)
高等部2年生。マネージャー。
大山吾郎の娘。父親から観察力を買われており、敵チームの偵察も行う。野球のこととなると後先考えずに突っ走るところがある。
野球部から距離を置くよう父に言われ新体操部に所属していたが、三光学院への偵察中に左腕を負傷し、復帰するまでという条件でマネージャー就任を許可される。2年生では意図的に新体操部の新入生勧誘を疎かにして休部を招き、正式に野球部のマネージャーとなる。アイドル顔負けの美人マネージャーとしてネットで評判。
父の教え子である南郷とは親しく、彼を「ナンちゃん」と呼んでいる。
3歳の時に投馬と彼の母の葬式で出会い、サイダーを浴びせて泣かせてしまっていた。それを投馬は忘れていたが春夏はよく覚えており、以来幾度も懐かしんでいた。2人の関係を訪ねた勢南高校野球部の監督に対して「投馬の幼なじみ」と名乗る。投馬と同じく携帯を持っていない。
忙しい時間帯にラーメン屋「ドラゴン」でアルバイトしていた。
母親は「月影渚」という名前で小説家をしており、執筆のために別居中。
駒 耕作(こま こうさく)
高等部2年生。ポジションは右翼手。
投馬と小学生からの付き合いで気のおけない友人。音美に気のある男子のひとり。はっきりした物言いで監督への不満もすぐ口に出してしまい、南郷の怒りを買う事が多い。投馬や南郷とはじゃれ合いの範疇でよく喧嘩している。
打者としては、打率は高くないものの当たれば飛ぶ。
両親は医者と弁護士。
南郷 四郎(なんごう しろう)
高等部2年生。ポジションは三塁手。
九州出身で、中学生の時から大山監督を慕っており、高等部より明青学園に加わる。野球名門校からの誘いを断り吾郎についてきたと言うが、投馬たちからは春夏に惚れてることも理由だろうと見られている。春夏に近づこうとする男子生徒たちに睨みを利かせ、特に走一郎を威嚇する事が多い。無口で威圧感があるが、虫は全般的に苦手。
駒同様に安定感に欠ける強打者だが、頭を使うプレーもそれなりにこなせる。
錦 研二(にしき けんじ)
高等部2年生。ポジションは遊撃手。
立花兄弟のファンを自認。無口で暗い印象があり、誤解され易い。中等部から野球部に所属していたが、投馬をマウンドに上げるよう再三頼んでも聞かなかった黒柳監督を殴ってしまい、野球部を去った。その後は不良グループと付き合いを持つが、高等部1年の時に投馬の活躍を知り野球部への復帰を希望する。一旦は普段の素行と退部の経緯から今川に断られてしまうが、二階堂の計らいと最後まで野球部への入部を諦めなかった思いが今川に通じ復帰。吾郎曰く、錦の守備は大きな魅力だが打者としての脅威は今ひとつとのこと。
赤井 遼(あかい りょう)
高等部1年生。ポジションは中堅手。
赤井智仁の弟。立花家と同じく赤井家も子連れ同士の再婚のため、兄弟の血は繋がっていない。音美・夏野・三田亜里沙のクラスメイト。
勉強もスポーツも出来て人当たりのいい優しい人物。音美に片思いをしており、好意を伝えたものの気のある返事は返ってこなかった。亜里沙からアプローチを掛けられているが応じる素振りはない。夏野からは「面白味には欠けるが、女を見る目はある」と評される。
中等部ではサッカー部に所属し、三年生でキャプテンを務める。実は幼い頃は野球が好きだったが、兄が不注意で飼い犬を事故に遭わせてしまったことから関係が悪化し、どうやっても兄には敵わない野球から遠ざかっていた。だが音美や夏野と仲良くなり野球を観戦する機会が増えたこと、自分に才能が無いわけではないと気付いたこと、裏で智仁に頼まれた投馬たちから勧誘を受けたことなどにより、高等部では野球部に入部する。経験は乏しいものの走力と肩力を評価され、レギュラーとしてポジション中堅手で打順1番を任せられる。
大山 吾郎(おおやま ごろう)
高等部監督。
投馬らが高等部へ進級するのと同時期に九州から引っ越してきて野球部監督に就任する。明青学園のOBであり、英介とは同学年にあたる。当時はキャプテンで捕手を務めており、走一郎と音美の実父の圭一とバッテリーを組んでいた。おおらかだが厚かましいところがあり、友人である英介にお金を借りたり、家に押しかけて食事やビールをたかったりすることもしばしば。各地で野球部のコーチをしてきたが、監督には母校の明青でしか就く気がなく、監督としての誘いは断っていたという。
妻は売れっ子小説家で、執筆に集中するために別居している。男としてのプライドのためか、妻の収入を当てにはしたくない様子。

生徒[編集]

二階堂 大輔(にかいどう だいすけ)
高等部3年生。
中等部時代は1年の秋からエース投手だったが能力は高くなく、他の部員たちからの評価も低かった。いつも他の部員たちよりも早く練習を切り上げる、練習試合であっても一時間経過したら帰ってしまう、試合ではスタミナ切れで打たれる、と選手として問題のある行動が多い。ただし、そのような状態でも走一郎のリードには従い、最後まで黙々と投げ抜くなどプライドは持っていた。
実は心臓病を抱えており、監督の協力の下でそれを隠して無理をしながら野球部の活動を続けていた。手術の成功は絶望的であり、少しでも多くの活躍を父に見せることが唯一の親孝行だと考えたのだという。奇跡的に生還した後、事情を知った立花兄弟と「互いに謝らない」という条件で和解する。幼馴染の今川とも関係が修復され、偶然夏野とともに仮病で夏季大会初戦を観戦し、試合での今川を疑問視された際に「あいつの悪口は許さねえぞ。」と注意するほど。自分が原因で野球部を離れることになった錦にも気にかけており、不良仲間と手が切れずに暴力を受ける彼を助け、野球部復帰の手助けをした。清濁併せ呑むタイプで、成し遂げたい目的のためなら手段を選ばずに家の権力なども利用する。
命はとりとめたが激しい運動は医師から禁じられ、野球部として活動することはできない。
父の耕三は一人息子の大輔を溺愛している。会社社長、OB会長でもあり、野球部に多額の寄付をしている。外見で敵を作ることが多いが、まっすぐな性格の好人物。大輔が高校3年生になった直後に病没する。
三田 亜里沙(みた ありさ)
高等部1年生。
三田浩樹の妹。同じ学年の赤井遼に好意を抱いている。そのため赤井と同じクラス委員でありミス明青にもなった音美に対抗心を燃やす(自身はミス明青2位)。野球には全く興味がなかったが、兄の名声を利用して自分の株を上げようとする等、彼と違って軽薄な性格の持ち主。だが、自身の意地のため、勉強や水泳で努力することが出来る根性は持っている。
兄の才能に夢中な両親から彼の足を引っ張るなと執拗に釘を刺されており、幼いころから仲が良い兄妹だったが、現在は素直に兄の活躍を喜べない部分がある。だが、甲子園まで兄を応援に行き、東秀が敗北した際には涙を流していた。音美からは向上心の強さや人柄を認められている。

元関係者[編集]

黒柳(くろやなぎ)
元中等部野球部監督。二階堂の父とは中学高校以来の付き合いがある。二階堂の父に気を遣って息子を重用し、他の投手をぞんざいに扱っているかのような態度から部員に嫌われていた。だが二階堂の代が引退すると言い訳をせずにチームを離れる。ただ何の説明もしなかったことは退部者の続発を招き、立花兄弟の3年生での活動に苦労をかけることにもなってしまった。
性根が悪い人間ではないが、指導者として内外共に評判が悪く、中等部の野球部にとってマイナスな結果ばかりを残している。二階堂とは気持ちの折り合いをつけた投馬も錦の事情を聞いた際に「(監督は)自分が殴れば良かった」と、決して良い感情を抱いてない様子を見せた。監督を辞めた後は妻の実家である北海道の牧場を手伝っている。

勢南高校[編集]

西村 拓味(にしむら たくみ)
投馬らと同学年。水神中学校では2年生からエースで4番。高校でも1年生からエース。速いストレートと、一級品のカーブを持つ。立花兄弟の能力を高く評価している。中学生の時は捕手に恵まれず、走一郎に自分のバッテリーの相方となって同じ高校に進学するよう誘いをかけるが断られた。音美に一目惚れをする。
西村 勇(にしむら いさみ)
西村拓味の父親。都内の強豪・勢南高校野球部の監督。野球部員として同校に在籍していた当時は、エースで4番打者。右投右打、変化の大きいカーブを武器とする変化球投手で、『タッチ』でも上杉達也のライバルの1人として登場する。息子に浅倉南に恋をしていたころの自分を重ねている。

東秀高校[編集]

夏の甲子園ベスト8の強豪校。

三田 浩樹(みた ひろき)
投馬たちが1年生の時の3年生。ポジションは投手。身長183cm、体重78㎏。左投げ左打ち。B型。プロ注目の選手。150km/h近くの速球、キレのあるスライダー、ツーシームを武器にしている。小学生まで野球よりも俊足で有名だった。
野球で勝つこと以上に野球自体が好きである。立花兄弟のことも中学3年生の都大会でノーヒットノーランを達成した試合を見ていたため以前から知っていた。対戦中、自分の投球フォームを参考に投馬が投球フォームを改良していった際も、焦る以上に喜んでいる。
ワガママで見栄っ張りな妹の亜里沙とは違い、礼儀正しく度量が広い。試合を通して相手の成長に期待をかけている節もある。立花兄弟からは対戦を経て敬意を抱かれ、赤井智仁からは小学生の時から憧れられている。
妹を大切に思っており、夏野が妹の悪口を言った時には音美曰く「ネットが間に無かったら殴られてた」というまでの怒りを珍しく見せた。自分ばかりが両親から期待される分妹には我慢をさせてしまう部分があるため、せめて自分の活躍を見せることで妹にも野球を楽しんでもらいたいと思っている、と同じく兄の立場にある智仁から推察される。

健丈高校[編集]

かつて強豪であった須見工業高校。赤井智仁が2年生の現在、野球部は須見工時代から通算で創部60周年。プロ入りした選手は1人しかいない。長年明青学園と同じくただの参加校と見られていたが、学校側が名門復活に取り組み、新監督と新入生の加入によって注目を集めだす。小宮山監督2年目で、選抜に出場。

赤井 智仁(あかい ともひと)
2年生。ポジションは一塁手。左投げ左打ち。
中学時代より注目されていたバッター。1年生から4番を任される。練習中にボールがフェンスを越えて無くなってしまうことが多かったため、フェンスを高くする工事が必要になるほどの長打力を誇る。1年生の東東京大会での明青学園との試合では、3打数2安打2打点1本塁打と活躍する。この大会での投馬の他の失点はエラーによるもので、打点をあげたのは智仁のみである。
赤井遼の兄。立花家と同じく赤井家も子連れ同士の再婚であり、智仁が5歳で遼が4歳の時に義兄弟となる。
口が悪く、親しくない相手への当たりは特に強い。弟の見舞いに自宅に訪れた三田亜里沙に冷淡かつ辛辣に応対したことで、それを目の当たりにした投馬からの第一印象は極めて悪かった。だがチームメイトに対してはしっかりとした仲間意識をもって接しており、対戦した投馬に「やな奴」という認識を改められる。
現在遼との仲は悪いが、遼本人も忘れていた誕生日を記憶しているなど、根底には弟に対する情を持ち合わせている様子。幼い頃は仲の良い兄弟だったが、弟の可愛がっていた飼い犬を散歩中に不注意で交通事故に遭わせてしまい、謝るタイミングを逃したことがきっかけとなり関係が拗れてしまっている。自分へのコンプレックスから辞めた野球を弟が再び始めようとしているのを知り、投馬に弟を野球部に勧誘するように頼む。引っ込み思案でいつも後ろに隠れていた弟が、自分を敵視し反発し合えるまで成長したことには複雑な思いを抱いている。
この事故の後は犬が苦手になってしまっているが、犬からは好かれる。仲が良かった頃の自分と遼と飼い犬の写真は、今でも写真立てに入れて机の上に置いている。
三田浩樹に小学生のころから憧れており、彼と対決できる数少ないチャンスの1年生の夏を初戦敗退でふいにしてしまったことで、一時軽いスランプに陥った。亜里沙が三田浩樹の妹であることに二度目の対面の際に気が付き、急激に態度を和らげる。頼んだ三田浩樹のサインを亜里沙から喫茶店で受け取っているところを音美に目撃されたこともある。
OBの大熊から「創部二人目の天才」と表現されている。
小宮山 新平(こみやま しんぺい)
健丈高校野球部の監督。かつては四国の名門野球部のコーチであったが、そこで鬼と呼ばれた名将と指導方針で衝突し、喧嘩して飛び出したところに健丈に声をかけられた。最初の2年は監督補佐として、都内の中学を自分の目と足で見て回って有望選手をピックアップし、そのうち5人を1年がかりで口説いて健丈に入学させ、同じ時期に晴れて正式に監督に就任した。
とぼけた顔立ちに反し積極的に勝ちを狙いに行くタイプの監督。ややブラックな冗談を言うこともあるが教え子の叩く軽口にも気さくに応じるなど信頼関係は堅い。
喜多(きた)
2年生。ポジションは投手。左投げ左打ち。
変則フォームとクセ球でタイミングの取りづらい投手。冷静沈着で勝ち方を知っていると小宮山監督に評される。
人相が悪く誤解されやすいが気骨のある性格。投馬に誤って死球を与えてしまった後で打順が回ってきた際、報復死球を恐れずにバッターボックスの本塁近くに立ち、三振を取った投馬に「ナイスボール。」とコメントした。
轟(とどろき)
投馬たちが1年生の時の3年生。ポジションは右翼手。
他の野手に比べ守備範囲が狭く、東東京大会の明青学園との試合で打球を後逸し2者を生還させてしまう。小宮山監督曰く、監督補佐として訪れた2年前は低迷するチームの中で1人光る選手だったが、負け試合続きの日々に倦み2年生では練習に手を抜くようになっていたという。3年生になり新1年生の入部とともに輝きを取り戻し始めていたものの、この試合の9回裏2死からの攻撃で打ち取られ健丈は敗北する。一塁手前でうなだれていたところを赤井智仁に支えられ球場を去った。

その他[編集]

間崎 竜一(まさき りゅういち)
元ラーメン屋ドラゴンの店長。本人曰く、甲子園で優勝した明青学園に感動し、母校でもないのに応援に明け暮れて以前にやっていた喫茶店を潰してしまい、ラーメン屋を開業し直したとのこと。最近、野球部を応援する時間を確保するために、ラーメン屋を喫茶店に戻した。かなりの資産家でラーメン屋や喫茶店は道楽でやっているらしい。
同作者で『タッチ』と世界観を同じくする『みゆき』にも同一人物と考えて差し支えない外見の間崎竜一が登場する。『みゆき』の間崎竜一は喫茶店ドラゴンの息子で達也らより少し上の世代[9]
「生まれも育ちもこの辺」だといい、『みゆき』の舞台と『タッチ』の舞台は近所の設定だが、『みゆき』の喫茶店ドラゴンとこのドラゴンが同一の地点かは明言されていない[10]
月影 渚(つきかげ なぎさ)
大山吾郎の妻で春夏の母。売れっ子小説家で、執筆に集中するために吾郎と別居しているが離婚はしていない。月影渚はペンネーム。野球に興味が薄く吾郎の野球指導者としての仕事を評価していないが、春夏は信頼しており、世話を任せている。小説家らしく理知的なように見えて実は豪快な性格で、吾郎とは似た者夫婦。
ギャグ描写の範疇だが、非常に喧嘩の腕が立つ。
大熊(おおくま)
須見工業高校OB。『タッチ』では2年生ながら新田の後の5番を任されていた。卒業後はプロ入りするも、1度も1軍登録をされることがなく2年で引退。その当時は怪我もしており、本人曰く「身の程知らずが背伸びして無理を重ねた結果」だと表現している。赤井智仁の実力を高く評価している。

書誌情報[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 高等部の過去の成績について、1話目の今川の台詞と5話目の作者の解説によると、本作では『タッチ』作中での甲子園出場が最初で最後ということになっており、『KATSU!』でのそれから16年後にも出場したという設定は引き継がれなかった。
  2. ^ a b あだち充氏最新作『MIX』来年春にテレビアニメ化 『タッチ』から30年後の野球部が舞台 - ORICON NEWS 2018年8月3日
  3. ^ a b ダ・ヴィンチ 2012年12月号』、メディアファクトリー
  4. ^ “野球漫画描き続ける あだち充さん 勝っても負けても美しすぎる”. 朝日新聞. (2014年8月8日) 
  5. ^ マンガ質問状:「MIX」 「タッチ」の上杉達也や浅倉南は…… - まんたんウェブ 2016年8月6日
  6. ^ TVスペシャル「タッチ」 - VAP 2018年9月19日
  7. ^ 『タッチ』の南ちゃんが44歳!? あだち充の新連載「MIX」が始動![3] - エキサイト 2012年5月15日
  8. ^ あだち充キャラクタークイズ! - サンデーうぇぶり 2017年
  9. ^ 「サンデーうぇぶり」で行われた「あだち充キャラクタークイズ!」[8]では、本作に登場する間崎を【間崎 竜一<大人>】、『みゆき』に登場する間崎を【間崎 竜一<高校生>】と記載している。
  10. ^ 宣伝などにら~めんドラゴンを元「南風」(『タッチ』の浅倉家の喫茶店)と表記するものがあったが、当時の漫画本編にそれを裏付ける描写はなく、第71話にて南風は別の場所であり現在駐車場となっていることが描写された。

外部リンク[編集]