わかとの
『わかとの』は、藤子不二雄Ⓐによる日本の少年漫画作品、および作品中に登場する主人公の一人の通称。
概要[編集]
1964年(昭和39年)10号~47号までは「サンスケ」として、『週刊少年マガジン』(講談社)に連載。その後、登場サブ・キャラクターであるわかとのの人気により、「わかとの」として「サンスケ」が終了した翌年の1965年(昭和40年)2号~31号まで、同じく『週刊少年マガジン』に連載される。1968年(昭和43年)には講談社の『ぼくら』に「怪人わかとの」のタイトルで1年間連載された。
なお、「わかとの」の3話目より、スタジオゼロ雑誌部の仕事となり、クレジットが藤子不二雄とスタジオ=ゼロに変更される[1]。主人公の「わかとの」と一部のキャラクターは藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎が担当している。
ストーリー[編集]
大富豪の御曹司・わかとのと、お目付け役の発田利、さらにわかとのにライバル心を持つ銭湯「サンスケ湯」の息子サンスケ達が繰り出すドタバタ劇。
登場人物[編集]
- わかとの
- 本編の主人公(『サンスケ』時代は敵役)。大富豪・徳河家の御曹司。河童の様な頭で、「ムキ―」「アーアー」「イーイー」などの擬音しか言えない。一見奇妙な子だが優しい心の持ち主。
- 発田利 心臓(はったり しんぞう)
- わかとののお目付け役で、伊賀流忍者を自称。わかとのの通訳も担当。いつもラッパを携帯している。
- サンスケ
- 銭湯「サンスケ湯」の息子で、わかとののライバル的な存在(『サンスケ』時代は主人公)、いつもわかとのに変な目に合わされる。頭はスキンヘッド。
- サンスケの父
- 「サンスケ湯」の主人。サンスケにとっては口うるさい存在。本名や妻(サンスケの母)に関しては語られなかった。『怪人わかとの』には登場せず。
- ミヨちゃん
- 「カワイコちゃんが越してきた」から登場。「サンスケ湯」の隣に母と共に引っ越してきた美少女。キャラは『オバケのQ太郎』のよっちゃんを流用。『怪人わかとの』には登場せず。
単行本[編集]
- サンデーコミックス『わかとの』(秋田書店)全2巻
- パワァコミックス『怪人わかとの』(双葉社)全1巻
- 藤子不二雄ランド『わかとの』(中央公論社)全3巻
- 藤子不二雄ランド『怪人わかとの』(中央公論社)全1巻
- 藤子不二雄Aランド『わかとの』(ブッキング)全3巻
- 藤子不二雄Aランド『怪人わかとの』(ブッキング)全1巻
『怪人わかとの』は、パワァ版と藤子(A)ランド版では一部順番が異なっている。また一部タイトルがマイナーチェンジされている。
パワァ版 | (A)ランド版 |
---|---|
怪人わかとの学校へ行く | |
怪人わかとの海へ行く | |
わかとの駅をムキ―ッと発車 | 怪人わかとのアフリカへ行く |
海の男だ!ムキキのキー | わかとのマンガ家になる |
のぞきは楽し | わかとの名子役 |
ダイヤのなる木はキキのキ | チャンバラ修行 |
わかとのマンガ家になる | 10円おくれ |
10円おくれ | 海の男だ!ムキキのキー |
チャンバラ修行 | ダイヤのなる木はキキキのキー |
わかとの名子役 | のぞきは楽し |
怪人わかとのアフリカへ行く | わかとの駅をムキ―ッと発車! |
マブタのママ | パパーッママーッムキ―ッ |
補足[編集]
「サンスケ」「わかとの」「怪人わかとの」3作はいずれもアニメ化はされなかったが、1968年にイメージソング(作詞:藤子不二雄、作曲:いずみたく、歌:楠トシエ)を収録したEP番が、キングレコードから発売された。この歌は、キングから発売されたCD「楠トシエ大全」に収録されている。
脚注[編集]
- ^ 幸森軍也『ゼロの肖像』講談社、2012年、79頁。