藤子・F・不二雄のSF短編

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

藤子・F・不二雄のSF短編(ふじこ・F・ふじおのSFたんぺん)では、漫画家藤子・F・不二雄が発表したSF(SUKOSHI FUSHIGI[1])短編漫画およびこのSF短編を収録した単行本について扱う。

概要[編集]

藤子・F・不二雄は、子供向けのコメディ作品を執筆するかたわら、1969年から青年誌などに多くのSF短編を発表した。着眼点の面白さや強烈なアイロニー、或いは環境警告的な作品も多く、どれも高いSF性を持ち、本格的なSF作家としての藤子・F・不二雄の名を高める要因となった。「流血鬼」(『地球最後の男リチャード・マシスン)や「ひとりぼっちの宇宙戦争」(『闘技場英語版フレドリック・ブラウン)など、藤子Fの映画や海外SFへの嗜好をうかがわせている。

月曜ドラマランド枠で単発ドラマとして『赤毛のアン子』が、1988年には短期シリーズとして『夢カメラ』が『藤子不二雄の夢カメラ』としてドラマ化されている。いくつかの作品は1990年に「藤子・F・不二雄 SF(すこし・ふしぎ)短編シアター」のタイトルでOVA化、週刊ストーリーランドテレビアニメ化され、2008年にはWOWOWで一部作品が藤子・F・不二雄のパラレル・スペースとしてドラマ化された。藤子アニメの出演で馴染みの肝付兼太率いる「劇団21世紀FOX」によって舞台化もされた。

SF短編は1977年から1987年にかけて刊行された『異色短編集』(ゴールデンコミックス、全6巻)を始めとして数度の単行本化が行われており(詳細は#単行本を参照)、全作品(112タイトル)の完全収録は2000年から2001年にかけて小学館より刊行されたPERFECT版(全8巻)が最初である。なおPERFECT版発刊にあたっては、各作品内における現在では不適切とされる表現(言葉)は無難な代替語に改変され、PERFECT版に収録された。

2009年7月より刊行されている、藤子Fの作品の網羅を目的とした漫画全集〈藤子・F・不二雄大全集〉の第2期(2010年8月刊行開始)において、過去に「少年SF短編集」として単行本化されたものが「少年SF短編」として全3巻が単行本化されたほか、2011年9月より刊行予定の第3期においても「SF・異色短編」(全4巻)、「初期SF作品」(単巻)が刊行される予定となっている(詳細は後述の#単行本を参照)。

作品[編集]

全収録を謳った『PERFECT版』は、1968年(昭和43年)に発表された「スーパーさん」から1995年(平成7年)に発表された「異人アンドロ氏」までの112タイトルを収録し、全112話をSF短編の総数としている[1]

ほぼ全ての作品が1987年(昭和62年)の藤子不二雄とのコンビ解消よりも前の作品であり、藤子不二雄名義で発表されている。コンビ解消後に藤子・F・不二雄名義で発表されたのは「異人アンドロ氏」の1話のみ。

単行本[編集]

SF短編を収録した単行本を発行名義で大別し、さらにレーベル毎にまとめた。特記のない限り、全て小学館からの発行。

書誌情報の詳細については#書誌情報、収録作品の詳細については藤子・F・不二雄のSF短編一覧をそれぞれ参照のこと。

藤子不二雄 名義[編集]

藤子不二雄名義で発行された初期の単行本。収録作品の重複はなく、いずれも初収録。

『異色短編集』〈ゴールデンコミックス〉 全6巻
1977年から1987年にかけて発売。『ビッグコミック』(小学館)および『S-Fマガジン』(早川書房)に掲載された作品を中心に、52話を収録。
朝日ソノラマサンコミックス
マンガ少年』(朝日ソノラマ)に掲載された作品を収録した単行本を2冊発売。
  • 『藤子不二雄SF短編集 宇宙人』(1979年)6話収録
  • 『藤子不二雄SF短編集 創世日記』(1980年)6話収録
双葉社アクション・コミックス
週刊漫画アクション増刊』(双葉社)に掲載された作品を中心に収録した単行本を2冊発売。
  • 『藤子不二雄SF傑作 超兵器ガ壱號』(1982年)9話収録
  • 『藤子不二雄SF短編傑作劇場 SFシアター』(1987年)11話収録
『藤子不二雄少年SF短編集』〈てんとう虫コミックス〉 全3巻
1983年から1985年にかけて発売。『週刊少年サンデー』(小学館)に掲載された作品を中心に、17話を収録。

藤子・F・不二雄 名義[編集]

コンビ解消後、藤子・F・不二雄で発行された単行本。一部に未収録作品の追加はあるが、いずれも藤子不二雄名義本収録作品の再収録が大部分を占める。

『藤子・F・不二雄 SF全短篇』 中央公論社〈中公愛蔵版〉 全3巻
1987年2月から1988年5月にかけて発売。藤子不二雄名義で発売された単行本に収録された全101話を再収録。またSF短編の他に「中年スーパーマン左江内氏」を3巻に収録している。初版からコンビ解消までは藤子不二雄名義。
中央公論社藤子不二雄ランド
『少年SF短篇』 全6巻
1989年発売。『マンガ少年』および『週刊少年サンデー』を中心に少年誌に掲載された作品を収録。〈サンコミックス(以下SC)〉および〈てんとう虫コミックス(以下TC)〉に収録されたていた29話に、『SFシアター』および〈ゴールデンコミックス(以下GC)〉に収録されていた各1話の31話を再収録。これに初収録となる「ベソとこたつと宇宙船」を加え計32話を収録している。
『異色SF短篇』 全3巻
1990年発売。〈GC〉収録作品から23話、『超兵器ガ壱號』収録作品から1話の計24話を再収録。
『藤子・F・不二雄 [異色短編集]』〈小学館叢書〉 全3巻
1989年発売。〈GC〉に収録されていた52話を再収録。
『藤子・F・不二雄SF短篇集』 中央公論社中公文庫コミック版〉 全4巻
1994年発売。〈アクション・コミックス〉収録作品20話、〈SC〉収録の12話、『少年SF短篇』収録の「ベソとこたつと宇宙船」の計33話を再収録。
『藤子・F・不二雄[異色短編集]』〈小学館文庫〉 全4巻
1995年発売。〈GC〉の文庫版で、〈GC〉と同じ52話を再収録。
『藤子・F・不二雄少年SF短編集』〈小学館コロコロ文庫〉 全2巻
1996年から1994年にかけて発売。〈TCの文庫版で、〈TC〉と同じ17話を再収録。
小学館ビッグコミックス・スペシャル
『ビッグ作家 究極短編集 藤子・F・不二雄』
1997年に『ビッグコミック』掲載作家の短編選集シリーズの4冊目として発売[注 1]。『ビッグコミック』掲載作品を中心に8話を再収録。
『ビッグコミック×藤子・F・不二雄 SF短編集』 全2巻
2009年発売。『ビッグコミック』およびその増刊に収録された全37話を再収録。
『藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版』 全8巻
2000年から2001年にかけて発売。SF短編を年代順に完全収録。再収録となる102話に、これまで未収録となっていた10話(単行本収録時に大幅に改定されていた「絶滅の島」をオリジナルのサイレント版を含む)を加えた計112話を収録。
My First BIG
廉価版コンビニコミック
藤子・F・不二雄大全集
藤子F作品の完全網羅を目指して2009年より刊行開始した全集。SF短編作品については雑誌掲載時のカラーを再現して収録している。ただし、同全集は生前に加筆がある作品については加筆後のものを完成形と見なして収録する方針のため、初出時はカラーであっても単行本収録時にモノクロでの加筆がある部分についてはモノクロでの収録となっている。
『少年SF短編』全3巻
2010年から開始された第2期での発行。『パーフェクト版』に収録された作品のうち、少年誌・少女誌に掲載された37話を再収録。ただし少年誌掲載作のうち「スタジオボロ物語」については、同全集の『オバケのQ太郎』への併録とされ、『少年SF短編』には収録されていない。
『SF・異色短編』全4巻予定[2]
2011年から開始予定となっている第3期での発行[2]

書誌情報[編集]

藤子不二雄 名義[編集]

藤子・F・不二雄 名義[編集]

アニメ[編集]

OVA[編集]

藤子・F・不二雄のSF(すこし・ふしぎ)短編シアター』として1990年3月から1991年10月に小学館ビデオからOVAとして全6巻発売。以下の11話がアニメ化されている。制作会社はスタジオぎゃろっぷマジックバスアニメーション21。藤子Fのアニメとしては唯一のOVAシリーズであり、ステレオ収録となっている。

週刊ストーリーランド[編集]

下記2編がシンエイ動画制作により『週刊ストーリーランド』で放送された。日本テレビ系で藤子アニメが放送されたのは『T・Pぼん』以来となる。末ビデオソフト化。

  • 絶滅の島
    • 2000年1月27日放送
  • 流血鬼
    • 2001年8月16日放送

ドラマ[編集]

2008年10月31日よりWOWOWミッドナイト・ドラマ枠にて『藤子・F・不二雄のパラレル・スペース』として以下の作品がドラマ化された。

舞台[編集]

劇団21世紀FOXで複数回短編を原作にした作品が舞台化されている。

  • 1989年 『SUKOSHI FUSHIGI もの語り』(北村想作。単行本化[4])オムニバス作品。原作は「オヤジ・ロック」・「コロリころげた木の根っ子」・「三万三千平米」・「定年退食」・「あのバカは荒野をめざす」・「夢カメラ」・「カンビュセスの籤」・「流血鬼」。「コロリころげた木の根っ子」部分で内海賢二、「三万三千平米」部分でキートン山田が客演しており、「流血鬼」部分では劇団員の山口勝平が主役を演じた。また戯曲本には実際には舞台化されなかった『世界名作童話』部分の脚本も収録されている。
  • 1994年 『SUKOSHI FUSHIGI もの語り・Ⅱ〜あたらしき 緑の日々〜』 北村想作
  • 2001年 「新世紀SFトライアングル」として3作品が作られた。
    • 『2001-』 小林大祐(演劇制作体V-NET)構成脚色・演出、たてかべ和也一城みゆ希らが客演。原作は「光陰」、「間引き」、「宇宙人」、「カンビュセスの籤」。
    • 『デュナミスボックス〜可能性の匣〜』 EMI (RELAX) 脚色・演出、RELAX主宰の戸部公爾らが客演。原案は「殺され屋」、「イヤなイヤなイヤな奴」、「アン子 大いに怒る」、「ノスタル爺」、「あのバカは荒野を目指す」、「流血鬼」。
    • 『F・f・-エフ-』 北村想作。原作は「休日のガンマン」、「定年退食」、「気楽に殺ろうよ」、「幸運児」。
  • 『SUKOSHI FUSHIGI もの語り』以外の作品には劇団21世紀FOX主宰の肝付兼太自身も出演している。

参考文献[編集]

Web[編集]

書誌情報の参考とした。

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 同シリーズは1997年から1998年にかけて以下の6冊が発売された。
    1. 手塚治虫
    2. さいとう・たかを
    3. 水木しげる
    4. 藤子・F・不二雄
    5. 石ノ森章太郎
    6. 白土三平
  2. ^ a b ( ) 内は通巻数。

出典[編集]

  1. ^ a b 藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  2. ^ a b c 第3期 速報”. 藤子・F・不二雄大全集 公式サイト. 小学館 (n.d.). 2011年7月30日閲覧。
  3. ^ a b c d 小学館雑誌定期購読”. 小学館 (n.d.). 2011年7月30日閲覧。
  4. ^ 北村想 『藤子・F・不二雄のSukoshi Fushigiもの語り』 1989年小学館(現在は絶版)
  5. ^ 『藤子・F・不二雄大全集 別巻 Fの森の歩き方』”. 小学館:コミック. 小学館 (n.d.). 2010年5月25日閲覧。

小学館コミックス[編集]

以下の出典は『小学館:コミック』(小学館)内のページ。書誌情報における発売日の出典としている。

  1. ^ 『少年SF短編集 1』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  2. ^ 『少年SF短編集 2』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  3. ^ 『ビッグコミック×藤子・F・不二雄 SF短編集 上』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  4. ^ 『ビッグコミック×藤子・F・不二雄 SF短編集 下』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  5. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉1 ミノタウロスの皿』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  6. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉2 定年退食』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  7. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉3 俺と俺と俺』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  8. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉4 未来ドロボウ』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  9. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉5 メフィスト惨歌』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  10. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉6 パラレル同窓会』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  11. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉7 タイムカメラ』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  12. ^ 『藤子・F・不二雄SF短編集〈PERFECT版〉8 鉄人をひろったよ』” (n.d.). 2010年8月22日閲覧。
  13. ^ 『藤子・F・不二雄大全集 少年SF短編1』” (n.d.). 2010年9月24日閲覧。
  14. ^ 『藤子・F・不二雄大全集 少年SF短編2』” (n.d.). 2011年7月28日閲覧。
  15. ^ 『藤子・F・不二雄大全集 少年SF短編3』” (n.d.). 2011年7月28日閲覧。

外部リンク[編集]