コロリころげた木の根っ子

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コロリころげた木の根っ子」(ころりころげたきのねっこ)は、藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)の読み切り漫画作品。1974年(昭和49年)『ビッグコミック』4月10日号に掲載された。ゴールデンコミックス『異色短編集』第2巻、愛蔵版『SF全短篇』第1巻、『藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版』第2巻などのSF短編を収録した短編集に収録。

概要[編集]

この話のタイトルは、北原白秋作詞の童謡待ちぼうけ」の一節「ころりころげた きのねっこ」からつけられている。この童謡は韓非子の「守株待兎」が元になっており、守株とは本来ならいつまでも古い習慣に拘って進歩の無いものの譬えであるが、今作では詩の猟師をヒントに、自分は手を下さず、ひたすらチャンスを待つ者の意味として使われている。

あらすじ[編集]

出版社の編集部所属である新人の西村。彼は結婚1周年記念の日に、運悪く小説家大和の原稿を受け取りに行くことになった。電話先で妻にその事を伝えるが、結婚記念日に仕事が長引き帰りが遅くなると言うものだから揉め始めた。そんな中、突然書類をに奪われてしまう。猿を追いかけていくと、そこには大和本人がいた。

登場人物[編集]

西村
本作の主人公。文芸公論社編集部に勤める若手社員。暴君であることで有名な大和の原稿を受け取りに行かされるも、運悪く結婚記念日と重なってしまう。予てより仕事の多忙もあって、妻とのすれ違いを抱えている。
大和
男性小説家。酒を好む遊び人タイプであり、締切直前まで何も仕事をしないため、完成まで西村を家に留めておく。キー公と言う名のカニクイザルを飼っている。外部の人間には鷹揚に振る舞うが、家庭内ではに対して常習的にドメスティックバイオレンスを働くなど非常に凶暴な性格をしており、妻に自分の愛人に電話をかけさせるなど常識を逸した言動も目立つ。しかし、その一方では、20年間も黙ってついてきた妻への感謝と愛情を抱いている。
大和の妻
大人しい性格の女性で、夫からはことある毎に暴力を振るわれている。本心では感謝され、愛されてこそはいるが、自分に対して暴力を加える夫に対して強い憎しみを抱いており、その裏で様々な手段を用いて、復讐殺人を遂げようと企てている(ただし、その計画の多くは、大和の運の良さもあって悉く失敗に終わっている)。
優子
西村の妻。結婚記念日に帰ってこない夫に苛立ち実家に帰ってしまう。
大和の愛人
妻を通して、大和から自宅に呼ばれるも、彼の暴力の現場を目撃したことで、夫への復讐を企てている妻の本心を悟っている。