珍豪ムチャ兵衛
『珍豪ムチャ兵衛』(ちんごうムチャべえ)は、週刊少年マガジンに連載された森田拳次の漫画作品、またそれを原作として、日本国内で20世紀に最後に放送された白黒テレビアニメである。
目次
ストーリー[編集]
徳川家が平定して間もない江戸の、とある長屋に住む浪人ムチャ兵衛は、豊臣の末裔であるというボケ丸という男児を貧乏ながら育て上げ、豊臣家を復興させようとするというギャグ漫画。
ギャグ漫画という事で、江戸の街にテレビがあるのは元より、街中に道路標識が立ってたり、東京タワーまがいの塔が立ってたり、駕篭にタクシーの料金メーターが有ったり、家光とカブレズキンの密話にトランシーバーを使ったり、江戸と大坂の間に「新幹線駕篭」という駕篭が走ってたり、通貨単位が「円」で藩札が連載(およびアニメ放送)当時発効されていた「C一万円券」と同じ(肖像は家光)など、江戸時代と現在の風景がごちゃ混ぜになった光景となっている。
登場人物[編集]
レギュラー、又は準レギュラーとして登場するのは以下のとおり。他に、カブレの部下の忍者隊、通称「徳川忍者隊」も何度か登場する。
豊臣側[編集]
- ムチャ兵衛
- 声 - 雨森雅司
- 本編の主人公。元は豊臣家の忠臣だったが、豊臣家壊滅後は末裔のボケ丸を引き取り、いずれ豊臣家を復興とさせようとしている。普段は傘貼りを営んでいるが、儲からないので家賃を滞納中。腰に傘を差しており、日本刀の如く振るって敵を倒したり、開いて手裏剣などを防ぐ。
- ボケ丸
- 声 - 曽我町子
- 豊臣家の末裔である、少々ボケた少年。「寺小屋学園」に通っている。「〜ぞよ」が口癖。
徳川側[編集]
- カブレズキン
- 声 - 滝口順平
- 徳川家の御庭番である忍者。豊臣家の残党を探っている、いわばムチャ兵衛の宿敵。流行はもとより、あらゆる物にすぐカブレる。通称「カブレ」。
- 徳川家光
- 声 - 田の中勇
- 徳川家三代将軍。カブレの主君。タヌキの様な顔をしている。
- 大久保彦左
- 声 - 上田敏也
- 徳川家の家老。
長屋「江戸マンション」の主な住人[編集]
- ピーナッツばあちゃん
- 「江戸マンション」という長屋に住む、双子の老婆。
- 穴太、南太(駕籠かき)
アニメ版[編集]
珍豪ムチャ兵衛 | |
---|---|
ジャンル | テレビアニメ |
原作 | 森田拳次 |
企画 | 河島治之 |
脚本 |
松元力 吉田秀子 吉田喜昭 辻真先 伊東恒久 草川隆 松岡清治 山田正弘 豊田有恒 |
演出 |
岡部英二 斉藤博 前川治男 大石力 長浜忠夫 |
出演者 |
雨森雅司 曽我町子 滝口順平 他 |
オープニング | 「珍豪ムチャ兵衛」(熊倉一雄) |
エンディング | 「ボケ丸子守唄」(熊倉一雄) |
製作 | |
制作 | TBS、東京ムービー |
放送 | |
放送国・地域 |
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放送期間 | 1971年2月15日 - 同年3月22日 |
放送時間 | 平日18:00 - 18:30 |
放送分 | 30分 |
回数 | 26 |
特記事項: 日本最後のモノクロアニメ。 | |
1971年2月15日から3月22日までTBS系で放送。全26回(49話)。1968年にモノクロで制作されたが、当時テレビが全面カラー化を控える中で「今さらモノクロ作品はどうか」とお蔵入りになったという。だが3年後、殆どのテレビ番組がカラー化された中で突如日の目を見た。今作を最後に、日本のテレビアニメは全てカラーへ移行した[1]。
放送時間(日本時間)は、月~金の18時~18時30分。2009年にCS放送の「ホームドラマチャンネル」で38年ぶりに再放送[2]された後、2016年3月25日にベストフィールドより「想い出のアニメライブラリー 第52集」としてDVD-BOXが発売された。ただし、第5回Bパート「運動会作戦」は未収録となっている。
スタッフ[編集]
- 企画 - 河島治之
- 音楽 - 広瀬健次郎
- 音響演出 - 大野満男
- 効果 - 片岡陽三
- 作画監督 - 楠部大吉郎
- 原画 - 北原健雄、富永貞義、山口泰弘、森下圭介、中村英一 他
- 撮影 - 小林恒夫、森泉正美
- 編集 - 井上和夫
- 制作協力 - Aプロダクション
- 制作 - 東京ムービー、TBS
主題歌[編集]
- オープニングテーマ - 「珍豪ムチャ兵衛」
- エンディングテーマ - 「ボケ丸子守歌」
- 作詞 - 東京ムービー企画部 / 作曲・編曲 - 広瀬健次郎 / 歌 - 熊倉一雄
OPとEDは、「東京ムービーアニメ主題歌大全集」(ビデオソフト、LD)と「トムス・エンタテインメントTV主題歌大全集」(DVD)に収録されているが、EDはノンクレジット版。
各話リスト[編集]
サブタイトルクレジット部は、拍子木の「カン!」という音がした後、江戸城をバックにしたムチャ兵衛が「珍豪、ムチャ兵衛!」と叫んで傘を開き、ボケ丸のナレーションで「『○○の巻』ぞよ。」と読み上げる。
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 |
---|---|---|---|---|
1971年 2月15日 |
1 | ああ忠臣ムチャ兵衛の巻 | 松元力 | 岡部英二 |
無責忍者カブレ頭巾の巻 | 吉田秀子 | 斉藤博 | ||
2月16日 | 2 | 国際的ブジョクの巻 | 松元力 | 前川治男 |
珍説桃太郎の巻 | 吉田喜昭 | 大石力 | ||
2月17日 | 3 | いざ合戦でござるの巻 | 松元力 | 前川治男 |
母恋珍道中の巻 | ||||
2月18日 | 4 | ご先祖さま作戦の巻 | 伊東恒久 | - |
ボケ犬将軍の巻 | 松元力 | |||
2月19日 | 5 | あっぱれカブレ頭巾の巻 | 辻真先 | 前川治男 |
運動会作戦の巻 | 吉田秀子 | 大石力 | ||
2月22日 | 6 | カブレ名誉の戦死の巻 | 伊東恒久 | 前川治男 |
眠豪ボケ丸の巻 | 松元力 | 大石力 | ||
2月23日 | 7 | とび出した将軍の巻 | 草川隆 | 長浜忠夫 |
カミナリさんこんにちわの巻 | 松岡清治 | 前川治男 | ||
2月24日 | 8 | ムチャ兵衛の最後の巻 | 辻真先 | |
カブレ大学生の巻 | 伊東恒久 | 大石力 | ||
2月25日 | 9 | ひとりぼっちのカブレの巻 | 吉田秀子 | |
ねずみ小僧チュー吉の巻 | 岡部英二 | |||
2月26日 | 10 | カブレ浪士の巻 | 松元力 吉田秀子 |
前川治男 大石力 |
3月1日 | 11 | 魔法のほうきの巻 | 松元力 | 大石力 |
太平洋ふたりボッチの巻 | 辻真先 | 岡部英二 | ||
3月2日 | 12 | かわいい転校生の巻 | 吉田秀子 | |
将軍になりたいぞヨの巻 | ||||
3月3日 | 13 | 大江戸の決闘の巻 | 山田正弘 | 長浜忠夫 大石力 |
3月4日 | 14 | わたしがママよの巻 | 吉田秀子 | 前川治男 |
宝くじ騒動の巻 | 草川隆 | |||
3月5日 | 15 | ボケ猿のツボの巻 | 辻真先 | 長浜忠夫 |
さらばマンションよの巻 | 松元力 | 前川治男 | ||
3月8日 | 16 | カブレ捕物帖の巻 | ||
江戸城カキ騒動の巻 | 松岡清治 | 大石力 | ||
3月9日 | 17 | ボケ丸決闘にいくの巻 | 岡本欣三 | 前川治男 |
江戸城売りますの巻 | 草川隆 | 大石力 | ||
3月10日 | 18 | ボケ丸城の巻 | 松元力 | 前川治男 |
ムチャ兵衛土俵入りの巻 | 草川隆 | 大石力 | ||
3月11日 | 19 | 江戸のガンマンの巻 | 松岡清治 | 前川治男 |
百万両の地図の巻 | 豊田有恒 | |||
3月12日 | 20 | テレビが見たいぞヨの巻 | 辻真先 | 前川治男 |
3月15日 | 21 | ガードマンムチャ兵衛の巻 | 松元力 | 長浜忠夫 |
道場破りの巻 | 松岡清治 | 大石力 | ||
3月16日 | 22 | 寄らば斬るぞよの巻 | 松元力 | |
怪盗ベンケイ組の巻 | 岡本欣三 | 斉藤博 | ||
3月17日 | 23 | ボケ丸小守唄の巻 | 岡部英二 | |
お医者さんヤーイの巻 | 松元力 | 前川治男 | ||
3月18日 | 24 | ボケ丸コック長の巻 | 吉田秀子 | 長浜忠夫 |
怪盗ムチャ兵衛の巻 | 松元力 | |||
3月19日 | 25 | ちょんまげ騒動の巻 | 松岡清治 | 大石力 |
教育おやじの巻 | 吉田喜昭 | 斉藤博 | ||
3月22日 | 26 | 怪獣ウズラの巻 | 辻真先 | 長浜忠夫 |
天下泰平の巻 | 松元力 | 大石力 |
脚注[編集]
- ^ 国産で事実上最後のモノクロアニメは『もーれつア太郎』(NET、1970年9月放送分まで)、次は「ア太郎」の3日後より半年放送された『ウメ星デンカ』(TBS、1969年)である。なお2015年7月から9月まで、本作より44年ぶり(21世紀としては初)の新作白黒アニメ『暗闇三太』がKBCにて放送された。
- ^ この時はOPラストの制作クレジット「制作 TBS 東京ムービー」が、「製作・著作 トムス・エンタテインメント」に差し替えられた(バックはオリジナル同様グレイバック)。
外部リンク[編集]
TBS系 平日18時台前半枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
サスケ
(再) |
珍豪ムチャ兵衛
|
ばくはつ五郎
(再) |