帰ってきたドラえもん

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帰ってきたドラえもん』(かえってきたドラえもん)は、1998年3月7日に『ドラえもん のび太の南海大冒険』と同時上映公開された、ドラえもんの映画作品。感動中編シリーズの第1作目でもある。

元々は、てんとう虫コミックスドラえもん』7巻に収録されている作品(掲題作)および同6巻収録「さようなら、ドラえもん」が原作。またテレビアニメドラえもん』(第2作1期)で、1981年に同タイトルにて放送された作品で、多くのファンから高評価を受けた話である為、本作はそれらを劇場版としてリメイクしたものである。

物語のあらすじ[編集]

いつものようにジャイアンにいじめられ、ドラえもんに泣きつくのび太。だがドラえもんは憂鬱そうな感じを見せる。実はドラえもんは未来の世界へ帰らなければならなくなったのだ。のび太は必死に止めるが、別れが辛そうなドラえもんを見て、ドラえもんとの別れを受け入れる事にする。

最後の夜、2人は町を散歩する。その途中でドラえもんが少しその場を離れた間にジャイアンが現れ、相変わらずの言いがかりをつけて、のび太に喧嘩を仕掛けて来る。ドラえもんから心配を払拭させるべく、のび太は無謀を承知で、単身ジャイアンに挑むのだった。

概要[編集]

雑誌『小学三年生1974年3月号に掲載された「さようならドラえもん」と『小学四年生』1974年4月号に掲載された「帰ってきたドラえもん」が原作となっている。

映画版では、原作では登場しなかったしずかやのび太の祖母(のび太の回想シーンのみ)の登場など大幅な追加が行われた。また、ジャイアンが夢遊病という設定はなくなっている他、ドラえもんが密かに未来へ帰るシーンがある等一部演出も原作と異なっている(詳しくは後述)。一方で、ドラえもんが未来に帰らなければならなくなった理由については原作では不明だったが、こちらは映画版でも明らかにされていない。

キャスト[編集]

ドラえもん
- 大山のぶ代
ある日突然未来へ帰るとのび太に打ち明ける(原作と同様理由は不明)。この先一人になるのび太の事を憂いていたが、のび太の強い心に胸を打たれ、そっとのび太に別れを告げ未来へ帰って行く。
のび太
声 - 小原乃梨子
未来へ帰ると言い出したドラえもんを最初は泣きながら引き止めていたが、祖母との約束を思い出し、最終的に笑顔でドラえもんを見送る。
しずか
声 - 野村道子
おつかいの途中にのび太と会い、ジャイアンとスネ夫のウソに騙されたのび太を慰める。その後、のび太を心配して野比家に来る。
ジャイアン
声 - たてかべ和也
夜道を散歩していた所でのび太と衝突し、一対一の喧嘩を始める。何度も立ち上がるのび太に最終的に降参したものの、その後のエイプリルフールでスネ夫と共にのび太に仕返しするが、ウソ800で母ちゃんに強制的に連れ帰させられた。その後はスネ夫共々反省しドラえもんの好きだったどら焼きを持って謝りに来ている。
スネ夫
声 - 肝付兼太
エイプリルフールでドラえもんに変装し、ジャイアンと共にのび太に「ドラえもんが未来から帰って来た」とウソをつく。ウソ800で犬に追いかけられてしまった。その後はジャイアン共々反省し、謝りに来ている。
ママ
声 - 千々松幸子
ドラえもんがいなくなってから毎日をぼんやりと過ごすのび太を窘める。また、ドラえもんが未来から帰って来た時に、丁度彼女が焼いていた夕食のハンバーグにドラえもんの分を足していた。
パパ
声 - 中庸助
原作では、未来へ帰るドラえもんを必死で止めるのび太を厳しく諭していたが、映画では押し入れに閉じ籠もって泣いているのび太を慰めている。終盤で、ママと共に影でドラえもんとのび太の再会を微笑ましく見守っていた。
ドラミ
声 - よこざわけい子
原作には登場しなかったが、未来へ帰って来たドラえもんを出迎えていた。
ジャイアンの母
声 - 青木和代
「ウソ800」の効力により、わけも分からずジャイアンをお仕置きする。
おばあちゃん
のび太の回想シーンに登場。
店員
声- 巴菁子
子供
声 - 佐藤ゆうこ

登場するひみつ道具[編集]

  • ドラえもん型の箱

(のび太に最後に残した道具。1度だけその人が困っている時に必要な道具が出てくる。)

  • ウソ800(ウソエイトオーオー)

スタッフ[編集]

原作との変更点[編集]

  • 原作には登場しなかった、ドラミ、しずか、のび太の祖母(回想のみ)が登場する。
  • のび太が押し入れの中で泣くシーンがある。また、原作では「何とかして」と泣きつくのび太にのび助が「男らしくあきらめろ」と厳しく言うシーンがあるが、映画では言わず、押し入れで泣いているのび太を慰めている。この時のび助は、のび太の祖母が亡くなった時にものび太が似た行動を取っていた事を語っている。
  • 野比家がドラえもんとのお別れパーティーを開くシーンで、原作ではのび太は暗い顔をしていたが、映画では祖母との約束を思い出し立ち直った為、笑顔でドラえもんとどら焼きで乾杯していた。
  • ねむらなくてもつかれないくすり」が登場しない。覚せい剤等のドラッグを想起させないための措置である[要出典]
  • 涙を見せまいと途中でのび太と別れた時のドラえもんの台詞が、原作では「その辺を散歩して来る」だが、映画では「ちょっとトイレに…」となっている。この時のび太が「(ドラえもんはロボットだから)トイレなんか行かないくせに」と言っているが、過去のエピソードでドラえもんがトイレに行くシーンがあった。
  • ジャイアンが夢遊病になっていない。
  • のび太とジャイアンの一騎討ちのシーンで、途中から雨が降っている。
  • 原作では、のび太が目を覚ました頃にはドラえもんはもういなくなっていたという演出になっているが、映画ではドラえもんがのび太にそっと別れを告げながら未来へ帰って行くシーンが描かれている。また、のび太が寝言でドラえもんの名前を二度呟いている。
  • 満開の桜の下でドラミと談笑する春の22世紀に帰還したドラえもんの描写が僅かに追加。原作漫画では22世紀帰還後については読者の想像に任せており、一切触れていない。
  • ドラえもんが最後に置いていった、ドラえもんを象った箱の存在をのび太が初めて知るタイミングが異なる。原作ではドラえもんと別れる前に既に箱を渡されていたが、映画ではドラえもんが未来へ帰った後、タイムマシンの入り口だった机の引き出しから初めて箱を見つけている。また、箱の仕様も「一度だけ必要な道具が出てくる」設定となっている(原作では回数制限については特に触れられていない)。
  • ウソ800の効力が75分となっている。また液体が「真っ赤なウソ」に因み赤色なっている。
  • のび太が外出するキッカケが異なる。原作ではスネ夫に呼び出されるが、映画では自ら進んで買い物に出かけている。
  • のび太がスネ夫のウソで犬に追いかけられるシーンがない。
  • のび太がジャイアン達のウソに気付くシーンが異なる。原作ではドラ焼きを買いに行く途中、道端でジャイアン達の話を聞いて気付くが、映画ではドラ焼きを買った後、ドラえもんに変装したスネ夫を見つけ、追いかけ続け公園まで行き着いた矢先、ウソだと明かされる(ジャイアンが「決闘の時の仕返し」と言っている)。
  • ウソをつかれたのび太が「後ろにお化けがいるぞ」と咄嗟にウソを返すシーンがない。その後しずかが、泣き崩れるのび太を慰めるシーンがある。
  • ドラえもんの箱の中に説明書が同梱されておらず、代わりにドラえもんの声で説明が入る。
  • のび太が「ウソ800」を飲む際、原作では途中で残していたが、映画では飲み干していた。
  • のび太のキメ台詞として「ドラえもんの最後の力だ!!」とジャイアン、スネ夫に言い放つカットが追加。
  • のび太がジャイアンに仕返しするシーンで、原作では「君はママに褒められる。いやというほど」と言っていたが、映画では「君はママに叱られない。ちっとも」と言っている。
  • 原作ではジャイアンは母ちゃんに連れて行かれるが、映画ではその場でお仕置きされる。
  • 原作では、のび太は痛い目に遭っているジャイアン達を嘲笑うだけだったが、映画ではその後虚しくなった為か「今のは全部、本当」と言い許してあげていた。
  • のび太が「ドラえもんは帰ってこない、二度と会えない」と言うタイミングが異なる。映画ではジャイアン達に仕返しをした直後の独り言で「さようならドラえもん」呟き、さらに「桜ももう終わりだね」と言った直後に散り始めで葉桜混じりの桜が満開となる旧作アニメにも存在しなかった映画オリジナル場面が挿入され、800の効力持続が示された後のことだったが、原作漫画では帰宅後に「ドラえもんはいたか?」という問に対して玉子との会話の中で言っている。桜の場面は、前述の22世紀のドラえもんとのリンクともなっている。
  • 終盤に、大量のどら焼きを持って、のび太に「ドラえもんが帰ってきた」というウソをついた事を野比家まで謝りに来たジャイアンとスネ夫、のび太を心配しに来たしずかが、のび太と共にドラえもんが帰ってきた事を喜ぶシーンがある。

主題歌[編集]

受賞歴[編集]

関連項目[編集]