のび太の結婚前夜

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のび太の結婚前夜』(のびたのけっこんぜんや)は、1999年3月6日に『ドラえもん のび太の宇宙漂流記』と同時上映公開されたドラえもんの映画作品2014年8月8日に公開の『STAND BY ME ドラえもん』には「さようならドラえもん」などと一緒に3Dで描かれている。

てんとう虫コミックスドラえもん』25巻「のび太の結婚前夜」を原作とする。また、テレビ朝日テレビアニメドラえもん』(大山のぶ代ら声優陣第1期)で1981年に放映された「のび太の結婚式?!」のリメイク版でもある。

物語のあらすじ[編集]

源静香出木杉英才が空き地で仲良く「白雪姫」の劇の練習をしているところを見て、野比のび太は本当に将来、自分としずかが結婚できるのかどうか不安になる。

そこで、ドラえもんと共に、タイムマシンでのび太の結婚式の日へ向かったが間違えて、その前日に着いてしまった。せっかくだからと、未来ののび太の結婚前日の様子を見ていくことにする。

未来ののび太は、結婚式と前日を間違えてしまった帰り道、しずかと会い、車に轢かれそうになった猫・みいちゃんを助ける。ドラえもんのおかげで助かったことを知る由もない未来ののび太としずかだが、2人はみいちゃんを家まで送り届けに行く。みいちゃんの飼い主である高木親子は、アメリカに引っ越すことから、空港にいることを知ったのび太としずかは、ジャイアン骨川スネ夫にも協力してもらい、みいちゃんを無事に送り届けることが出来た。

その夜、のび太、ジャイアン、スネ夫の3人は出来杉も交えてのバチェラー・パーティーを行い、その帰り道、のび太は小学校時代の先生と会う。先生を気遣って、上着をかけたのび太に先生は「明日は遅刻するんじゃないぞ」と激励を送る。

しずかは両親とのお別れパーティーを行うが、ドラえもんとのび太が源家に足を運んだ直後、しずかは、父親に「私が結婚したら、パパやママが寂しくなってしまうから、結婚をやめる」と言い出す。そんなしずかに父は、しずかが生まれて来てからの楽しい日々を語り、その思い出があるから大丈夫なことに加え、のび太の人間性も説き、しずかを安心させる。現代に帰還したドラえもんとのび太は、しずかに「必ず、君を幸せにする」と約束するのだった。

概要[編集]

予告編でののび太のセリフである「いつの間にか僕は夜中に1人でトイレに行けるようになった、1人で電車に乗って会社に通うようになった。でも本当に僕は変わったのかな? ねぇドラえもん、僕は明日結婚するよ…」は、のび太が少年の頃に抱いていた「社会への不安」を根本的に変える結果になった。決してドラえもんによりかかったまま成長したのではなく、成長していくにつれ、1人の男として仲間からも信頼され、しずかからも自分を本気で守ってくれる大きな存在として認められるまでになっていた。

今作中に、しずかは結婚と両親への愛情の間で困惑してしまうが、しずかのパパの言葉で戸惑いを断ち切るシーンがある。このシーンにおけるしずかのパパがのび太を評した「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ」という言葉は、しずかやその場に立ち会ったのび太とドラえもんも感涙させる。このシーンは、原作では途中でドラえもんたちが帰ってしまうために全て表現されていないが、この映画ではほぼ全て語られている。なお、原作ではドラえもんがひみつ道具「正直電波」を発信したことにより、しずかが父に戸惑いを打ち明けることになったが、本作では父の咳払いがきっかけとなり、自発的に打ち明けている(1981年、2011年のテレビアニメと2014年の3D映画では、原作に沿って正直電波が使われている)。しずかがのび太の優しさや家族と離れ離れになる哀しさを知る伏線として、猫のみいちゃんをアメリカに引っ越す飼い主の許に送り届ける展開もあり、ジャイアンとスネ夫も自動車(スネ夫の愛車)で協力している。

アニメ本編とのリンクも図られ、1983年4月29日初放送の「しずかのネックレス」(コミックス28巻収録「しんじゅ製造アコヤケース」のアニメ化作品)という話で、しずかが壊してしまい、最後の1つをのび太が見つけた真珠のネックレスが、この映画で母からしずかに託されている。

原作では未登場だった、現代でのスネ夫とジャイアン、未来でののび太の小学校時代の担任でもある先生も登場し、未来の先生が登場したのは本作が初。なお、現代のスネ夫とジャイアンはエンディング映像のみの登場。

マンションの自宅での野比一家の会話はカットされ、のび太の両親は本作ではエンディング映像での結婚式のみの登場となっている。また、のび太が自動車を運転するシーンもカット。

この映画までは大人になったのび太が登場する際には、拡森信吾が主にその声を担当していた。しかし本作では大人になったレギュラーもほぼ当時の声優陣がそのまま担当しており、のび太の青年期は、少年時代と同じ小原乃梨子が、全体的にやや太めの声変わり後を意識して演じている(1981年のアニメ「のび太の結婚式?!」ものび太の青年期は小原が担当しており、出木杉の青年期は少年時代と同じく白川澄子が担当している)。後に2011年にアニメ第2期でも同作が放送されているが、のび太の青年期は少年時代同様大原めぐみが担当している。出木杉の青年期も同様で、少年時代と同じく萩野志保子が声をあてている。『STAND BY ME ドラえもん』におけるのび太の青年期は、妻夫木聡が担当する。

この映画の公開前に『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』で後日談(およそ10年以上経過)が描かれている。

また、アニメ第2期では「白雪姫」の劇についての後日談が語られるシーンが追加されている。この中では、のび太はカエル役で、劇を途中でメチャメチャにしてしまうが、それはしずかが緊張のあまりセリフを忘れてしまったという失敗を隠すためにわざとやったことであることが出木杉の口から語られている。出木杉はさらに「昔から、しずかちゃんのことで野比くんに勝てる人はいないよ」と敗北を認める発言をしている。

キャスト[編集]

登場するひみつ道具[編集]

大人のスネ夫のスポーツカーの後ろに掛け、大人ののび太達を追いかける。

スタッフ[編集]

  • 原作 - 藤子・F・不二雄
  • 監督・作画監督 - 渡辺歩
  • 脚本 - 藤本信行
  • 美術監督 - 柴山恵理子
  • 撮影監督 - 熊谷正弘
  • 録音監督 - 浦上靖夫
  • 音楽 - 菊池俊輔
  • 効果 - 横山正和
  • 編集 - 岡安肇
  • 動画チェック - 原佳寿美
  • 色彩設計 - 照谷美和子
  • 原画 - 尾鷲英俊丸山宏一大杉宜弘、加来哲郎
  • 動画 - 森川純一、江部賢、菊池博道、滝山友紀子、岩崎太郎、立口徳孝、小澤辰則、及川あずさ、平田晃生、梶山奏子、木村郁彦、奥村光博、角田恵子、原島良夫、滝山典子、浦山智恵、渡辺杏里、渡辺菜摘
  • 仕上 - 岩切当志子、森沢千代美、渡辺信子、久保田滝子、宇井俊恵、谷島香、土屋裕美、米井ふじの、佐久間芳子、冨川小百合、まるたまりこ、渡辺真紀
  • 特殊効果 - 橋爪朋二
  • リスマスク - マキ・プロ
  • タイトル - 道川昭
  • 背景 - 土師勝弘、明石聖子、中村隆、岡部真由美、鈴木朗、西川かおり、本多美紀、天水勝
  • 撮影 - 山田廣明、倉田佳美、木次美則、鈴木浩司
  • 編集 - 小島俊彦、中葉由美子、村井秀明、川崎晃洋、三宅圭貴
  • 録音スタジオ - APUスタジオ
  • ミキサー - 内山敬章
  • アシスタントミキサー - 田口信孝
  • 録音制作 - オーディオプランニングユー
  • 音響制作デスク - 藤井奈津子
  • 技術協力 - 森幹生
  • 現像 - 東京現像所
  • 制作デスク - 武井健
  • 制作担当 - 松土隆二
  • プロデューサー - 増子相二郎木村純一梶淳
  • 制作協力 - 藤子プロASATSU-DK
  • 制作 - シンエイ動画小学館テレビ朝日

主題歌[編集]

歌 - 中西保志沢田知可子 作詞 - 沢田知可子 作曲・編曲 - 林仁

受賞歴[編集]

関連項目[編集]

  • おれ、夕子 -藤子・F・不二雄が1976年に発表したSF短編。『のび太の結婚前夜』を思わせる展開・描写がある。

外部リンク[編集]