川村元気

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かわむら げんき
川村元気
生誕 (1979-03-12) 1979年3月12日(39歳)
横浜市[1]
職業 映画プロデューサー、小説家、絵本作家

川村 元気(かわむら げんき、1979年[2]3月12日[3] - )は、日本映画プロデューサー小説家絵本作家[2]

略歴[編集]

日本大学芸術学部を出て日活で助監督を務めたが挫折した経験を持つ父から、映画の英才教育を受ける。3歳の時に人生で初めて見た映画は、当時のスティーヴン・スピルバーグの最新作『E.T.』。この頃から、クリスチャンの母の勧めで旧約・新約聖書を読むことも始める[4]。家庭の方針によって、自宅にテレビがなく、幼稚園にも保育園にも行かなかった。小学校に上がると、毎週土日に父と名作映画を見続けるのが習慣となった[5]。高校・大学時代にはレンタルビデオ店に通い詰め、ピーク時は、年500本を鑑賞した[6]

横浜市立金沢高等学校[7]から、第一志望だった[8]上智大学文学部新聞学科に進学。卒業後の[1]2001年、東宝入社。入社当初は大阪難波南街の劇場でチケットのモギリの仕事をしていたが、社内の企画募集に応募したことでプロデューサーになる[2]

2005年、26歳で映画『電車男』を企画・プロデュースし、37億円の興行収入を記録した[2]

2008年、『デトロイト・メタル・シティ』を企画・プロデュースし、23億円の興行収入を記録[2]

2010年、『告白』『悪人』を企画・プロデュース[2]。『告白』は38億円の興行収入を記録し、日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか、米アカデミー賞外国語映画賞日本代表に選出される。『悪人』は19.8億円の興行収入を記録し[9]キネマ旬報日本映画ベストテン第1位に選出されたほか、モントリオール世界映画祭にて最優秀女優賞を受賞した。

同年、ハリウッド・リポーター誌の「Next Generation Asia 2010」にプロデューサーとして選出された[2]

2011年、「藤本賞」を史上最年少で受賞[10]

同年、映画『モテキ』を企画・プロデュースして22.2億円の興行収入を記録[11]

2012年、初小説『世界から猫が消えたなら』で作家デビュー[10]

2013年、佐野研二郎との共著の絵本『ティニー ふうせんいぬのものがたり』を上梓。同作はNHKにて『ふうせんいぬティニー』としてテレビシリーズアニメ化される。

2014年、BRUTUS誌に連載された小説第2作『億男』、そして絵本第2作『ムーム』を上梓。同年、宮崎駿、坂本龍一ら12人のクリエイターとの対話集『仕事。』を発表。

2016年、初小説『世界から猫が消えたなら』が映画化され、130万部を突破。同年、絵本『ムーム』が、『Dam Keeper』にて米アカデミー賞にノミネートされたRobert Kondo&Dice Tsutsumi監督によりアニメ映画化され、32の国際映画賞を受賞。

同年、小説『億男』の中国での映画化が決定。そして、週刊文春にて連載された小説第3作『四月になれば彼女は』を上梓。

同年、『君の名は。』『怒り』『何者』を企画・プロデュース。『君の名は。』は観客動員1900万人、興行収入250億円を超える大ヒットになり、中国、韓国、台湾等でも歴代の日本映画の最高興行収入を記録。欧米においても、第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞 長編アニメーション賞、第49回シッチェス・カタロニア映画祭 アニメーション部門 最優秀長編作品賞などを受賞し高く評価された。

2017年、「藤本賞」を再び受賞。「渡辺晋賞特別賞」を受賞。

同年、The Chainsmokers & Coldplay『Something Just Like This』のミュージック・ビデオを監督[12]

東京2020 開会式・閉会式 4式典総合プランニングチーム(計8人)のメンバーに就任。

2018年、38作目となる劇場版『ドラえもん のび太の宝島』の脚本を担当。これまでのシリーズ最高興収である44.3億円を超える興収48億円を記録する大ヒットとなった[13]

同年、佐藤雅彦らと製作した初監督作品『どちらを選んだのかはわからないが どちらかを選んだことははっきりしている』(英題:『Duality』)が第71回カンヌ国際映画祭短編コンペテシション部門に出品された[14]

主な作品[編集]

映画[編集]

テレビアニメ[編集]

ミュージックビデオ[編集]

  • The Chainsmokers & Coldplay『Something Just Like This』(2017年)- 脚本・監督・プロデュース[12]

教養番組[編集]

広告・イベント[編集]

  • LOUIS VUITTON -BEYOND-LOUIS VUITTON 、2012年)- クリエイティブ・ディレクター
  • 明光義塾「おしえるしごと おそわるしごと」(2015年)- クリエイティブ・ディレクター
  • 明光義塾「ありがとう」(2016年)- クリエイティブ・ディレクター
  • LOUIS VUITTON -DANCE WITH AI-(LOUIS VUITTON 、2016年、森山未來・真鍋大度・MIKIKO)- クリエイティブ・ディレクター
  • 六本木アカデミーヒルズ(2017年)- シリーズディレクター
  • TIFFANY × ゼクシィ WEBショートフィルム(TIFFANY & Co.)- 脚本・クリエイティブ・ディレクター
    • 「ティファニー・ブルー」(2017年)[19]
    • 「TIFFANY BLUE」(2018年)[20]

著作[編集]

  • 仕事。集英社、2014年、山田洋次・沢木耕太郎・杉本博司・倉本聰・秋元康・宮崎駿・糸井重里・篠山紀信・谷川俊太郎・鈴木敏夫・横尾忠則・坂本龍一)
  • 理系に学ぶ。ダイヤモンド社、2016年、養老孟司、川上量生、佐藤雅彦、宮本茂、真鍋大度、松尾豊、出雲充、天野篤、高橋智隆、西内啓、舛田淳、中村勇吾、若田光一、村山斉、伊藤穰一)
  • 超企画会議KADOKAWA、2016年)

小説[編集]

  • 世界から猫が消えたなら(マガジンハウス、2012年) - 2016年に映画化
  • 億男(マガジンハウス、2014年) - 2018年に映画化
  • 四月になれば彼女は(文藝春秋、2016年)[21]

絵本[編集]

連載[編集]

  • 勝手にハリウッド(T.、2011年-)
  • ジタク映画祭(marie claire、2012年-)
  • ふうせんいぬティニー(Casa BRUTUS、2012年-)
  • 億男(BRUTUS、2014年)
  • 仕事の学校(UOMO、2012年-)
  • 理系の友達(UOMO、2014年-)
  • 四月になれば彼女は(週刊文春、2016年-)
  • 百花(文藝春秋、2017年-)

受賞[編集]

個人[編集]

  • ハリウッド・リポーター誌 「Next Generation Asia 2010」(2010年)
  • 第30回藤本賞(2011年) - 『悪人』『告白』の製作
  • 第35回藤本賞・特別賞(2016年) - 『バクマン。』の製作
  • 第12回渡辺晋賞・特別賞(2017年)[22]
  • 第36回藤本賞(2017年) - 『君の名は。』の製作[23]

作品[編集]

悪人(2010年)
  • 第34回モントリオール世界映画祭 最優秀女優賞
  • 第84回キネマ旬報 作品賞、日本映画ベストテン第1位、日本映画監督賞、日本映画脚本賞、助演男優賞
  • 第34回日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀音楽賞
  • 第23回日刊スポーツ 映画大賞、主演男優賞、主演女優賞
  • 第35回報知映画賞 作品賞、主演女優賞、助演男優賞
  • 第65回毎日映画コンクール 日本映画大賞
  • 第53回ブルーリボン賞 主演男優賞
告白(2010年)
  • 第34回日本アカデミー賞 最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞
  • 第34回報知映画賞 監督賞
  • 第53回ブルーリボン賞 作品賞、助演女優賞
君の名は。(2016年)
  • 第49回シッチェス・ カタロニア国際映画祭 アニメーション部門 最優秀長編作品賞
  • 第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞 長編アニメーション賞
  • 第18回プチョン国際アニメーション映画祭 長編コンペティション部門 優秀賞/観客賞
  • 第40回日本アカデミー賞 最優秀脚本賞、最優秀音楽賞
  • 第41回報知映画賞 特別賞
  • 第40回山路ふみ子映画賞 山路ふみ子文化賞
ムーム(2016年)
  • ワールドフェスト プラチナム賞
  • カナダ国際映画祭 ベストアニメーション賞
  • ナッシュビル映画祭 特別賞
  • SENE映画祭 ベスト短編アニメーション賞
  • USA映画祭 審査員特別賞
  • トロントアニメーション・アート国際映画祭 特別賞
  • サンスクリーン映画祭 ベストアニメーション賞
  • メキシコ国際映画祭 ベストアニメーション賞
  • ポーリッシュ国際映画祭 ベストアニメーション賞
  • NYCピクチャースタート映画祭 審査員特別賞
  • 24th Curtas Vila do Conde ベストフィルム賞
  • アトランタショートフェス ベストアニメーション賞
  • ショートストップ国際映画祭 ベストアニメーション賞
  • フィルムマイアミフェス ベストアニメーション賞
  • リアルトゥーリール映画祭 ベストアニメーション賞
  • イリノイ国際映画祭 ベストアニメーション賞
  • プリックス・アルス・エレクトロニカ祭 特別賞
どちらを選んだのかはわからないが どちらかを選んだことははっきりしている(2018年)
  • 第71回カンヌ国際映画祭 短編コンペテシション部門出品

脚注[編集]

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  1. ^ a b 川村元気 (2014年10月29日). 映画プロデューサー/作家 川村元気さんインタビュー. (インタビュー). BOOK SHORTS.. http://bookshorts.jp/kawamuragenki/ 2016年4月30日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g INTERVIEW #20”. ホウガホリック (2010年12月28日). 2013年2月23日閲覧。
  3. ^ 一番お金を使ったのは?――仕事選び、川村元気プロデューサーの“極意” p.1 - 日経トレンディネット 2012年5月16日
  4. ^ (4ページ目)3歳のときに感じた気持ちは、いつか絶対誰かが書いてしまうと思っていた。でも、30年経っても誰も書いていなかったので物語にした──川村元気(2) - 文春オンライン 2016年11月27日
  5. ^ 「モテキ」の川村元気プロデューサーに聞く、“ヒット作連発”の秘密 p.1 - 日経トレンディネット 2011年9月13日
  6. ^ 川村元気と山崎隆明のインプットとアウトプット。(前編) - ウェブ電通報 2015年11月6日
  7. ^ 恋愛なき時代に恋愛の物語紡ぐ 1/2 カナロコ(神奈川新聞ニュース)2017年1月15日
  8. ^ 上智で学んだジャーナリズムの視点が映画作りに活きています。 川村 元気 氏 東宝株式会社 映画プロデューサー - 朝日新聞デジタル:SOPHIA.com「上智大学の今を知る」 2012年3月1日
  9. ^ 2010年(平成22年)興収10億円以上番組 (PDF)”. 日本映画製作者連盟. 2018年6月26日閲覧。
  10. ^ a b “気鋭の映画プロデューサー、川村元気による初小説『世界から猫が消えたなら』”. 読売新聞. (2012年11月2日). オリジナル2013年5月1日時点によるアーカイブ。. https://archive.is/20130501060320/http://www.yomiuri.co.jp/komachi/mcs/mcolumn/20121102-OYT8T00633.htm 2016年4月30日閲覧。 
  11. ^ 2011年(平成23年) 興行収入10億円以上番組 (PDF)”. 日本映画製作者連盟. 2018年6月26日閲覧。
  12. ^ a b 主演は小松菜奈、ザ・チェインスモーカーズMVに川村元気ら豪華クリエイター集結”. BARKS (2017年5月25日). 2018年6月26日閲覧。
  13. ^ 『映画ドラえもん のび太の宝島』、シリーズ史上No.1の観客動員数を記録”. マイナビニュース. マイナビ (2018年4月9日). 2018年6月26日閲覧。
  14. ^ 川村元気、佐藤雅彦らが世界に仕掛けた短編映画。“数学的理論”を“ヒューマンドラマ”に導くまで”. Movie Walker. KADOKAWA (2018年6月3日). 2018年11月11日閲覧。
  15. ^ 漫画「バクマン。」が実写映画化 - 主人公コンビは佐藤健&神木隆之介、『モテキ』の大根仁が監督”. Fashion press. 2015年9月6日閲覧。
  16. ^ 川村元気 (2016年4月20日). 〈インタビュー〉話題の“せか猫”が映像化! 映画プロデューサー・小説家 川村元気インタビュー. インタビュアー:松本理惠子. T-SITEニュース.. http://top.tsite.jp/news/book01/i/28497928/ 2016年4月30日閲覧。 
  17. ^ “韓国のヒット作「サニー」の日本版を大根仁が撮る!主人公の現在は篠原涼子、過去は広瀬すず”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2017年10月2日). http://eiga.com/news/20171002/1/ 2017年10月2日閲覧。 
  18. ^ 平成27年度PTA運営委員会だより第3号 並木中学校がNHKから全国に発信されました! - 横浜市立並木中学校 平成28年3月9日発行
  19. ^ 成田凌が杉咲花にプロポーズ!川村元気・脚本ショートフィルム「ティファニー・ブルー」”. cinemacafe.net. カフェグルーヴ (2017年11月9日). 2018年6月26日閲覧。
  20. ^ 佐野玲於が松本穂香にプロポーズするまで…川村元気が手掛けるショートフィルム第2弾”. cinemacafe.net. カフェグルーヴ (2018年11月3日). 2018年11月11日閲覧。
  21. ^ 川村元気、2年ぶりの最新小説『四月になれば彼女は』 新海誠監督、星野源さんからの推薦コメント公開”. 文藝春秋BOOKS. 文藝春秋. 2018年6月26日閲覧。
  22. ^ “「君の名は。」の川村元気プロデューサーが渡辺晋賞”. nikkansports.com. (2017年3月3日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1786620.html 2018年11月11日閲覧。 
  23. ^ 第36回藤本賞受賞者・川村元気「君の名は。」には「映画界の夢がある」”. 映画.com (2017年5月19日). 2018年11月11日閲覧。

外部リンク[編集]