堤大介

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つつみ だいすけ
堤 大介
別名義 Dice Tsutsumi
生年月日 (1974-11-06) 1974年11月6日(49歳)
出生地 日本の旗 東京都
国籍 日本の旗 日本
職業 アニメーター
ジャンル アニメーション映画
著名な家族 ばばこういち
堤江実(
宮﨑駿義叔父
堤未果
川田龍平義兄
主な作品

アニメーション映画


テレビゲーム

  • Cars 2』(スシ・シェフ役)
 
受賞
アニー賞
2020年 ジューン・フォーレイ賞
2022年 リミテッドシリーズ作品賞
ONI ~ 神々山のおなり
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堤 大介(つつみ だいすけ、1974年11月6日 - )は、アメリカ合衆国アニメーションアーティスト、イラストレーター。英語圏ではローマ字表記の「ダイスケ (Daisuke)」ではなく「ダイス (Dice)」を名乗っている。

ピクサー・アニメーション・スタジオアートディレクターなどを歴任した。

概要[編集]

日本出身でカリフォルニア州サンフランシスコに在住するアニメーションアーティスト、および、イラストレーターである。ルーカス・ラーニングやブルースカイ・スタジオを経てピクサー・アニメーション・スタジオに勤務するなど、主にアメリカ合衆国を中心に活動している。

経歴[編集]

東京に生まれ育ち、堤が5歳のときに両親が離婚し会社経営者であった母親の手で育てられた[1]。母親の意向により、姉とともに小学校から高等学校まで和光学園に学んだ[1]。和光学園では、野球に打ち込んでいた[1][2]。高校卒業後の1993年ニューヨークへ渡り、油絵[3]スクール・オブ・ビジュアル・アーツに学んだ。1998年に卒業後、ルーカスフィルム傘下のルーカス・ラーニング (Lucas Learning Ltd) で、任期2年のスタッフ・イラストレーターとして働き始めた。2000年には、ブルースカイ・スタジオに、視覚効果/色指定担当のアーティストとして採用され、2010年まで同社で働いた後、ピクサー・アニメーション・スタジオに入社した。2014年、ロバート・コンドウ共同監督のアニメ映画『ダム・キーパー』がアカデミー短編アニメ賞にノミネートされた [4]。 堤は、2009年に、アニメ監督である宮﨑駿と結婚している[5][6]2020年度のアニー賞(第48回)ではジューン・フォーレイ賞[7]2022年度(第50回)には、監督作『ONI ~ 神々山のおなり』で、リミテッドシリーズ作品賞を受賞した[8][9]

書籍[編集]

堤はブルースカイ・スタジオのアンソロジー『Out of Picture』の2冊に作品が掲載されており、第1巻には「Noche Y Dia」、第2巻には「The Dream of Kyosuke」が収録されている[10]

社会活動[編集]

2008年、堤はロニー・デル・カーメン (Ronnie del Carmen)、エンリコ・カサローサ (Enrico Casarosa)、ユキノ・パン (Yukino Pang) とともに、非営利団体であるトトロのふるさと基金を支援する資金集めのための展示会やオークションを行なうトトロ・フォレスト・プロジェクトを立ち上げた[11][12]。また、この運動は、ジェームズ・ジーン (James Jean)、チャールズ・ヴェス (Charles Vess)、イアン・マッケイグ (Iain McCaig)、ウィリアム・ジョイス (William Joyce) など、様々な作家から寄せられた作品を収録したコレスポンディング・アート・ブックの制作も手がけた。

堤は、2006年から、ジェラルド・ゲルレ (Gerald Guerlais) とともに、スケッチトラベル (Sketchtravel) と題された、「60人の様々な国のアーティストたちの間でスケッチブックをまわし、他所にどこにもないユニークな本を作る」ことを目的としたプロジェクトに取り組み[11][13]、最終的には71人のアーティストが参加し、4年半をかけて12か国を回ったスケッチブックは、ベルギーでオークションにかけられ、その収益を開発途上国への教育支援に取り組んでいるNGOに寄付された[14]

2020年度の第48回アニー賞において、慈善的な影響を称えるジューン・フォーレイ賞が授与され、「社会に貢献するアニメーションのコミュニティ全体から影響を受け、その幾つかに関わることが出来て幸運です」とスピーチを行った[7]

家族・親族[編集]

作品[編集]

出演[編集]

映画[編集]

テレビゲーム[編集]

  • Cars 2(2011年)- スシ・シェフ

脚注[編集]

  1. ^ a b c DICE TSUTSUMI (2/4)”. NEW PEOPLE Inc.. 2016年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月24日閲覧。
  2. ^ 糸井重里; 堤大介 (2011年10月17日). “THE SKETCHTRAVEL 3 弱小校の野球少年。”. ほぼ日刊イトイ新聞. 2015年2月24日閲覧。
  3. ^ 長谷川千尋 (2010年7月27日). “色と光で心の動き演出 映画「トイ・ストーリー3」の堤アートディレクター”. 朝日新聞・夕刊: p. 4  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  4. ^ 3DCG の夜明け 〜日本のフル CG アニメの未来を探る〜”. AREA JAPAN. 2016年4月21日閲覧。
  5. ^ 糸井重里; 堤大介 (2011年10月14日). “THE SKETCHTRAVEL 2 メイとの結婚。”. ほぼ日刊イトイ新聞. 2015年2月23日閲覧。
  6. ^ Toy Story 3 Art Director Married to Hayao Miyazaki's Niece
  7. ^ a b 米アニー賞、アニメ映画監督の堤大介さんが功労賞に”. TBS NEWS (2021年4月17日). 2021年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月20日閲覧。
  8. ^ アニー賞 堤大介監督の『ONI ~ 神々山のおなり』が作品賞受賞”. NHKオンライン(NEWS WEB). 日本放送協会 (2023年2月26日). 2023年2月27日閲覧。
  9. ^ アニー賞「ピノッキオ」が最多5冠、岡田麿里脚本のアニメ「ONI」も作品賞を受賞”. 映画ナタリー. 株式会社ナターシャ (2023年2月26日). 2023年2月27日閲覧。
  10. ^ Out of Picture Archived 2011年10月5日, at the Wayback Machine.
  11. ^ a b 糸井重里; 堤大介 (2011年10月13日). “THE SKETCHTRAVEL 1 最初の1ページ、最後の1ページ。”. ほぼ日刊イトイ新聞. 2015年2月23日閲覧。
  12. ^ 堀内隆 (2008年9月13日). “「トトロの森」守ろう 「宮崎監督に恩返し」 米でオークション”. 朝日新聞・夕刊: p. 10  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  13. ^ Sketchtravel
  14. ^ 山本亮介 (2012年9月24日). “スケッチブックが旅をした 世界のアーティスト71人、手渡し4年半 先月画集に”. 朝日新聞・夕刊: p. 13  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  15. ^ ONI ~ 神々山のおなり”. 公式サイト (2022年). 2023年2月27日閲覧。

外部リンク[編集]