舞妓さんちのまかないさん
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舞妓さんちのまかないさん | |
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ジャンル | 日常、料理 |
漫画 | |
作者 | 小山愛子 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
レーベル | 少年サンデーコミックス |
発表号 | 2017年5・6合併号 - |
発表期間 | 2016年12月28日 - |
巻数 | 既刊15巻(2020年11月現在) |
その他 | 第65回小学館漫画賞 少年向け部門受賞 |
アニメ | |
原作 | 小山愛子 |
監督 | 鈴木洋平 |
シリーズ構成 | 山川進 |
音楽 | 坂部剛 |
アニメーション制作 | J.C.STAFF |
製作 | NHK |
放送局 | NHKワールド JAPAN NHK Eテレ |
発表期間 | 2021年2月25日 - (ワールド) 2021年秋 - (Eテレ) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
『舞妓さんちのまかないさん』(まいこさんちのまかないさん)は、小山愛子による日本の漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)にて2017年5・6合併号より連載中[1]。第65回(2019年度)小学館漫画賞少年向け部門受賞作品[2]。
京都の屋形(舞妓置屋)で賄いの仕事をする少女「キヨ」を主人公として、花街で共同生活をする舞妓たちの日常を食生活を中心に描いている物語。各回では、キヨが作ったまかない料理が大きなコマで料理名を添えて描かれることが多い。
登場人物[編集]
声の項はテレビアニメ版の声優。
屋形「市」[編集]
- 野月 キヨ(のづき きよ)
- 声 - 花澤香菜[3]
- 物語開始時点で16歳の主人公。元は舞妓になるために青森県から京都の屋形「市」に来たが、マイペース過ぎる性格が祟り、仕込みさん(舞妓候補)として才能が無かったために、早々に「お止め」の身の上とされ、里に返されそうになった時に、前任のまかないのおばちゃんが腰を痛めて仕事ができなくなったため、まかないさんとして残ることになる。
- 子どものころより故郷のおばあちゃんに家事全般を仕込まれたことに加え、仕込みさん時代には厨房に入り浸っておばちゃんの手伝いをし続けてきたことから料理の腕は抜群で、特に家庭料理の才覚がある。そのため、時にごはんたべ(お得意さんの旦那衆にご馳走してもらうこと。その性質上、高級店に入ることも多い)の機会もある舞妓たちにとっては「一番必要とする料理」を作れるまかないさんでもある。
- 料理以外の家事全般も得意で、仕込みさんとしての経験があることから、時にまかないのみならず、仕込みさんの仕事(屋形の掃除や舞妓たちの小物の整理や洗濯)を代理することもある。
- 戸来 すみれ(へらい すみれ)/ 百はな(ももはな)
- 声 - M・A・O[3]
- キヨと共に「市」に来た幼馴染でキヨからは「すーちゃん」と呼ばれる。周囲からは「100年に一度の舞妓になるかもしれない逸材」「とことん自分に厳しくできる子」と評されている。「百はな」という名で舞妓として店出し(舞妓としてデビューして仕事を続けていくこと)された。評価通りの努力家ではあるが、その分、舞妓としての仕事が忙しくなるにつれ、それ以外(日常生活と一般常識)に関してはおざなりになる傾向が見え隠れするようになっている。キヨの存在がそれを留めてバランスを保たせている部分があり、すみれ自身もそれを自覚しており、キヨを自身にとってかけがえのない存在として考えている。唐揚げが好物。
- 市のおかあさん(いちのおかあさん)
- 声 - 片貝薫[3]
- 屋形「市」の女将さんで、店の舞妓や舞妓候補たちからは「おかあさん」と慕われている。花街の「おかあさん」としては一番若手(第2話で「まだ三十路前」との台詞あり)で、他の店の女将との付き合いにはやや苦労している。
- つる駒(つるこま)
- 声 - 松田颯水[3]
- 「市」の中では中堅クラスの先輩舞妓。オフの時はメガネをかけており「姉さん」(先輩舞妓)の中では出番が多い。神奈川県横浜市出身[4]。水玉模様を好んでおり、屋形でのオフ時はいつも「水玉模様のパジャマ」を着ている。
- 舞妓としての仕事はキッチリこなす反面、屋形での私生活はズボラ。そのため「妹」である理子からは「姉」であるにも関わらず軽く見られていて、時に些細なことで舌戦を繰り広げる。しかし、それでも理子のことを「姉」として心配し苦言も恐れず呈する、妹に対しては情の篤い姉さんである。
- 第93話より、おかあさんの許しを得て髷替えを行い、舞妓時の髪型が割れしのぶからおふくへと変わった(年長の舞妓として認められ、芸妓などの上級職を目指すことを許されることを意味する)。
- 理子(りこ)
- キヨやすみれの次の世代の「妹」として「市」に入ってきた仕込みさん。バスケットボール経験者で背が高く、些少ではあるが言葉が荒い。基本的に素直で正直な子だが、あまりに素直が過ぎて感情がすぐに顔に出るタイプであり、一度は男衆のお兄さんからそのことに対して苦言を呈されている。百はなに対しては籠持ちを務めてその所作を身近で見ていることから「かっこいい」と評して尊敬の念を欠かさないが、つる駒に対しては当初は「メガネ先輩」のちには「めがねさん姉さん」とあだ名で呼んでおり、彼女の普段のズボラな生活ぶりを見ているために尊敬の念が薄い。
京都の人々[編集]
- 百子(ももこ)
- 年始に表彰されるほどの売れっ子芸妓。舞妓と異なり独立し、自分のマンションに住んでいる。百はなの義理の姉(芸姉妹)となる。視点が達観しており飄々とした人物だが、御座敷の体力づくりのためにフルマラソンを走るなど、百はなに通じる努力家でもある。
- (まかないの)おばちゃん
- キヨの前任者であり、屋形に出す料理の師と言える人。仕込みさん時代、厨房に入り浸っていたキヨにとっては、よい話し相手であった。体が動かない時にはキヨに仕上げを任せるなど、おばちゃん側もキヨを助手的に扱う(キヨ自身が申し出ていたため)こともあった。キヨがお止めになるのと前後して腰を痛め、まかないを引退することとなってしまう。時にキヨがレシピや調理法に困った際には電話でアドバイスを貰ったり、屋形では作れない料理を行うときには自宅のキッチンを貸したりと、後任であるキヨを快くサポートしてくれる。
- おばちゃんが腰を痛めて入院した際には「市」の食事が立ち行かなくなり、当初はコンビニ弁当やごはんたべで食事をまかなっていた屋形の舞妓たちも、徐々に外食に対して食傷気味になっていき、食べ物がのどを通らなくなり、やつれていってしまった。また自炊を試みた舞妓たちもいたが、芸一筋に極めて来たことが逆に災いして料理の心得を持てなかったために、厨房でボヤ騒ぎを起こしかけた。それを見かねたキヨがおばちゃんの代わりに厨房に立ったことが、彼女がまかないとしておばちゃんの後任となった事情である。
- 男衆のお兄さん(おとこしのおにいさん)
- 声 - 小山力也[3]
- 屋形「市」に出入りしてくれている男衆(おとこし)の一人。男衆としては仕事の代を息子に譲り半ば隠居の身の上であるが、市のおかあさんをはじめとして未だ経験の浅い屋形「市」の面々を心配して時折、様子を見に来てくれる。キヨの仕込み時代には、着付け時における彼女の手際の悪さに悩まされていたため、キヨがまかないとして料理の才覚を持ち「市」の台所を立派に支えていることに驚く。
青森の人々[編集]
- 中渡 健太(なかのわたり けんた)
- 声 - 高山みなみ[3]
- キヨとすみれの幼馴染の少年。面差しは柔らかいが表情に乏しく、どこか生真面目で武骨な印象を与えやすい人物。
- 大家族の子で盆暮れには家は兄弟や上の姉の里帰りで大騒ぎであるため、そのころは野月家にいることが多い。このような家庭環境からか様々な細かい事は気にしない大らか(あえて悪く言えば、気配りに欠ける大雑把)な性格である事が、折に触れて部分的に見られる。キヨとすみれの里帰りの際や、回想シーンなどで登場する。キヨとすみれが京都に行ってからは、一人残された野月家のおばあちゃんの様子を折に触れて見に行き、男手が必要な家事(雪かき)などを手伝っている。
- 青森の高校(通称:東高校)に通っており、野球部に所属。部活ではエースナンバー(背番号1)を背負い、地域で注目される気鋭の投手として地元新聞に名前と写真が載るほどの活躍を見せている[5]。東高校の修学旅行で京都に来た時には、生来の大雑把な気質から「京都に来れればなんとかなるだろう」と考えてしまいノーアポイントメントでキヨたちに会おうとして、各所ですれ違いまくった上で花街に迷い込んだ挙句すみれ(百はな)に出会ったはいいが、いつも(地元)のノリで本名呼びしたために、百はなを動揺させて叱られる事となった[6]。のち、すみれの尽力でキヨとも出会い、その際3人で次の夏に甲子園で会う事を約束する[7]。しかし東高校は夏の地区大会の緒戦で敗退を喫したため、この約束は叶えられないものとなった[8]。
- のちに、東高校のこの敗退は健太自身がマウンドに立てず、やむなく緊急登板した控え投手によって投げられたことによるものと明らかにされる。その大元の原因は健太が練習中に起こした投球の酷使による故障。長期間に及ぶ野球生活の中で経年疲労を蓄積させた上で本人はおろか指導者たちもそれを見抜けずに地域の注目を浴びたことも手伝って健太の酷使を続け、結果として限界を超えてしまったが故のものとされる。結局、この故障を原因として健太は二度とマウンドに立つことのできない体となってしまった[9]。
- キヨのおばあちゃん
- 野月家のおばあちゃん。健太同様、キヨとすみれの里帰りの際や、回想シーンなどで登場する。キヨが京都に上るまでは彼女と二人で、キヨが京都に行ってからは一人で青森にて暮らしている。キヨのことを第一に考えて、優しく見守ってくれ、時にふるさとの味をキヨに送ってくれる。
用語[編集]
- 屋形(やかた)
- いわゆる舞妓置屋のこと。本作の主な舞台。なお本作においては「置屋」という言葉は使われず、これに類する施設は、おおよそ「屋形」と表記される(これに関しては他の用語に関しても同様で、髷替えに関しても水揚げなどの用語は使われていない)。
- 舞妓たちを所属させ、花街の各御座敷(料亭・宴会場)へ派遣する、一種の人材派遣業であるとともに、所属する舞妓たちの共同生活の場でもある。
- 仕込みさん(しこみさん)
- 舞妓候補。舞妓となるために屋形に所属(就職)した少女たちのこと。いわゆる舞妓になるための見習い期間にある者。下働きとして、同じ屋形に所属する舞妓たちの生活の世話や屋形の家事を受け持つとともに、その生活を通して舞妓としての所作や基礎的な芸を学ぶ。
- お止め(おとめ)
- 芸の精進上の問題や生活態度の不備(練習中に気を散らせて集中しない、自身の心根の優しさを原因として芸の精進で必要な同僚との競争心や対抗心を持てない、自身よりも他者を優先するおせっかいな性格、舞妓や花街の上下関係を遵守しない、自身の身支度に無頓着、舞妓として必要な京言葉を日常使いにしない、など)から、芸の師匠などから舞妓になることを疑問視され、芸を習うことを禁じられること。仕込みさんとしての実質上の辞職勧告。
- おかあさん・おとうさん
- 花街に店を構えている店主、あるいは女将のこと。おおよそ「(店名あるいは稼業名)のおかあさん」「(店名あるいは稼業名)のおとうさん」と呼ばれる。
- 姉さん(ねえさん)/ 妹(いもうと)
- 「姉さん」は先輩の舞妓および芸妓のこと。個人名を指す場合は「(源氏名)さん姉さん」と呼称する。逆に後輩となる舞妓および仕込みさんは先輩側の舞妓自身から見た時には「妹」という立場になり、そのように面倒を見なければならない。
- 芸姉妹/縁組姉妹
- 仕込みさんが舞妓となる時に行われる、特別な儀礼に基づく姉妹縁組。自身の所属する屋形のおかあさんたちや芸の師匠たちとの話し合いをはじめとする、花街のしきたりに基づいて決められ、そこに当事者の意思の介在は許されない。縁組の姉妹として決められた「姉さん」と「妹」は「固めの杯」を交わして「特別な姉妹(芸上の姉妹)」となり、互いの面倒を見ることを常とされる。本作では百子と百はな(すみれ)が、この芸姉妹に相当する。
- 男衆(おとこし)
- 舞妓の生活の中で男手が必要な部分をサポートするため、屋形や料亭・舞台・劇場の裏方など花街において本来なら女性しか入れない場所に、特別に出入りすることを許された職能家の男性。花街では時に「(男衆の)お兄さん」と呼ばれる。
書誌情報[編集]
- 小山愛子 『舞妓さんちのまかないさん』 小学館〈少年サンデーコミックス〉、既刊15巻(2020年11月12日現在)
- 2017年4月12日発売[10]、ISBN 978-4-09-127562-2
- 2017年7月18日発売[11]、ISBN 978-4-09-127726-8
- 2017年9月12日発売[12]、ISBN 978-4-09-127828-9
- 2017年12月12日発売[13]、ISBN 978-4-09-128028-2
- 2018年4月12日発売[14]、ISBN 978-4-09-128188-3
- 2018年6月12日発売[15]、ISBN 978-4-09-128329-0
- 2018年9月12日発売[16]、ISBN 978-4-09-128537-9
- 2018年12月12日発売[17]、ISBN 978-4-09-128752-6
- 2019年3月12日発売[18]、ISBN 978-4-09-128883-7
- 2019年6月12日発売[19]、ISBN 978-4-09-129258-2
- 2019年9月12日発売[20]、ISBN 978-4-09-129389-3
- 2019年12月12日発売[21]、ISBN 978-4-09-129489-0
- 2020年3月12日発売[22]、ISBN 978-4-09-850088-8
- 2020年7月10日発売[23]、ISBN 978-4-09-850129-8
- 2020年11月12日発売[24]、ISBN 978-4-09-850316-2
テレビアニメ[編集]
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NHK系列の放送局で放送され[25]、NHKワールド JAPANでは2021年2月より、NHK Eテレでは同年秋よりそれぞれ放送予定[26]。
スタッフ[編集]
- 原作 - 小山愛子[3]
- 監督 - 鈴木洋平[3]
- シリーズ構成 - 山川進[3]
- 音楽 - 坂部剛[3]
- アニメーション制作 - J.C.STAFF[3]
- 制作 - NHKエンタープライズ[3]
- 制作・著作 - NHK[3]
放送局[編集]
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 備考 [27] |
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2021年2月25日 - | 木曜 | NHKワールド JAPAN | |
2021年秋 - | 未定 | NHK Eテレ |
出典[編集]
- ^ “サンデーで小山愛子の新連載、舞妓さんに料理を振る舞う16歳の少女描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2016年12月28日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ “小学館漫画賞” (日本語). 小学館コミック. 2020年1月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “「舞妓さんちのまかないさん」NHKワールド JAPAN にて2/25放送スタート!”. NHKアニメワールド. NHK (2021年1月20日). 2021年1月20日閲覧。
- ^ 本作単行本4巻,p.90
- ^ 本作単行本9巻,p.105
- ^ 本作単行本10巻,p.76
- ^ 本作単行本10巻,p.101
- ^ 本作単行本12巻,p.110
- ^ 本作単行本12巻,p.126
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 1』”. 小学館. 2018年9月23日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 2』”. 小学館. 2018年9月23日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 3』”. 小学館. 2018年9月23日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 4』”. 小学館. 2018年9月23日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 5』”. 小学館. 2018年9月23日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 6』”. 小学館. 2018年9月23日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 7』”. 小学館. 2018年9月23日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 8』”. 小学館. 2018年12月12日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 9』”. 小学館. 2019年3月12日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 10』”. 小学館. 2019年6月16日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 11』”. 小学館. 2019年9月12日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 12』”. 小学館. 2019年12月12日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 13』”. 小学館. 2020年3月31日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 14』”. 小学館. 2020年7月12日閲覧。
- ^ “『舞妓さんちのまかないさん 15』”. 小学館. 2020年11月12日閲覧。
- ^ “「舞妓さんちのまかないさん」アニメ化決定&PV公開!”. NHKアニメワールド. NHK (2020年3月31日). 2020年3月31日閲覧。
- ^ “アニメ「舞妓さんちのまかないさん」 2021年から放送決定!”. NHKアニメワールド. NHK (2020年10月8日). 2020年10月8日閲覧。
- ^ テレビ放送対象地域の出典:
- 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2) (PDF)”. 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
- “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2018年10月24日閲覧。
- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2018年10月24日閲覧。
外部リンク[編集]
- 舞妓さんちのまかないさん
- Maiko-san Chi no Makanai-sanh - NHK WORLD(英語)
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