月が導く異世界道中
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月が導く異世界道中 | |
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ジャンル | 異世界ファンタジー |
小説 | |
著者 | あずみ圭 |
イラスト | マツモトミツアキ |
出版社 | アルファポリス |
掲載サイト | 小説家になろう |
連載期間 | 2012年2月 - 2016年8月(Web版) |
刊行期間 | 2013年5月 - |
巻数 | 既刊19巻(本編18巻+番外編1巻) (2022年8月現在) |
漫画 | |
原作・原案など | あずみ圭(原作) マツモトミツアキ(キャラクター原案) |
作画 | 木野コトラ |
出版社 | アルファポリス |
掲載サイト | アルファポリス |
レーベル | アルファポリスCOMICS |
発表期間 | 2015年6月 - |
巻数 | 既刊11巻(2022年10月現在) |
アニメ | |
原作 | あずみ圭 |
監督 | 石平信司 |
シリーズ構成 | 猪原健太 |
脚本 | 猪原健太 |
キャラクターデザイン | 鈴木幸江 |
音楽 | 高梨康治 |
アニメーション制作 | C2C |
製作 | 月が導く異世界道中製作委員会 |
放送局 | TOKYO MXほか |
放送期間 | 第1期:2021年7月7日 - 9月22日 |
話数 | 全12話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『月が導く異世界道中』(つきがみちびくいせかいどうちゅう)は、あずみ圭によるライトノベル。イラストはマツモトミツアキ。略称は「ツキミチ」[1]。
2012年に小説投稿サイト「小説家になろう」で発表され、同年にアルファポリス「第5回ファンタジー小説大賞」読者賞を受賞し[2]、同社から書籍版も発行された。小説家になろうとアルファポリスの書籍で同時執筆していたが、2016年時の小説家になろうの規約変更により、ウェブ版の執筆を停止し、アルファポリスでの書籍版の連載に注力する。2022年10月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は300万部を突破している[3]。
あらすじ
一男二女というごく平凡な五人家族の高校生「深澄真」は、突如として日本から異世界へヒューマン(異世界における一般的な人間とほぼ同意)を救う勇者として召喚される、はずがその異世界の唯一神である女神の「顔が醜いから[注釈 1]」というあまりにも個人的かつ身勝手の過ぎる我儘からヒューマンと交わること(交流及び結婚)を禁じられ[注釈 2]、勇者としてではなく、汚くて忌わしいゴミとしてこの異世界の果てに捨てられた[注釈 3]。
その女神に立ち会う前に出会った真のいた世界の三貴神の一柱、「月読命」の説明によると、真の両親が異世界出身という出自、日本へ向かう際の女神との契約として両親の大切なものをささげるという取り決めがされていたことを知る。女神の横暴さを知っていた月読命よりあらかじめ加護として、女神に与えられるより上回る能力を与えられ、勇者の役割をはく奪されたことで転移先の世界で責務を負うことなく自由に生きる許可まで月読命に与えられた[注釈 4]。
月読命の話では、真の元いた世界では神々の加護すら届かず肉体的にも魔力的にも負荷を受けて知らずに鍛錬するような生活を送っていたため[注釈 5]、その負荷から解放された異世界では超人とも言うべき能力を発揮できることを保証されているが、同時に無敵ではないという注意もされている。
降りた異世界はまさしく「世界の果て」と呼ばれる荒野であり、人どころか動物、魔獣にさえ会えなかったが、やっとのことで魔獣に襲われたオークの娘に会ったことがきっかけで異世界人との交流が始まる。真の解放された身体能力と、月読命から与えられた加護により、異世界での強大な亜人、魔族、上位竜、魔物に立ち向かい、真の力を認めた上位竜・巴(旧名:蜃)、災厄の黒蜘蛛・澪、リッチ・識と主従契約を結び、主従契約時の変化の法則に従い彼らは真と同じく人(ヒューマン)の姿となる。最初に主従を結んだ巴との契約によって出来た亜空(霧の結界)の中に、真を尊敬し、崇める亜人(オーク、ドワーフ、リザードマン、半人半蜘蛛)を招いて、元の異世界の荒野とは対照的な環境で村を作って発展、一癖も二癖もある主従を結んだ者たちに振り回されながら、異世界での生活を送っていく。
真は続いて、出身地である両親の軌跡を求めて荒野の中の何処かにあるヒューマンの街を探査、人恋しさも相まってヒューマンとの交流を図る。ところが、異世界の価値観ではヒューマンと思えないほどとされている醜い顔[注釈 6]と漏れ出す強大な魔力[注釈 7]、さらにヒューマンとの共通言語を知らず意思疎通ができないため、ヒューマンの多くは真を恐れており、真の印象隠ぺいを講じた上でヒューマン化した従者を伴った行商として挑むことに。戦争による異常な物価を感じながらその後、一部のヒューマンとは友好を結ぶが、それでも女神の持つヒューマン第一主義が蔓延っているため、ヒューマン以外の亜人は家畜か道具という考えが根強く、ヒューマンと亜人、特に魔族との友好などは難しい状況であった。
ヒューマン偏重主義を端に発した戦争が続く荒廃した異世界で、荒野にたたずむ街と、自然豊かな亜空を行き来しながら、真一同は巻き込まれるように世直しの旅をしていく。
登場人物
声の項はテレビアニメ版の声優。
主人公
- 深澄 真(みすみ まこと) / クズノハ・ライドウ / マコト=クズノハ(コミック版)
- 声 - 花江夏樹[4]
- 異世界に来る前は、弓道部副部長の高校二年(17歳)。両親と姉・妹の五人家族で、両親は異世界のケリュネオンという国の貴族と神官であった。両親が結んでいた契約により異世界に呼ばれるも、その容姿から最低限の加護のみ付与され、異世界に放逐されるが、それより前に月読命の加護で補助を施されている。
- 元々異世界出身者(ヒューマン)の血を引き、それなりの鍛練を積んでいた真は、異世界では一切の負荷から解放された超人クラスの力(巴曰く、魔力だけでも「魔王数人分」)を持ち、風属性を除いた五属性の魔法[注釈 8]を使えるが、自身が受けるのも含めて回復魔法に関する適性がまったくない。冒険者ギルドのレベルは1だが、これは前述の通り、基本的なステータスが大きすぎるため[注釈 9]で、得意の弓でも当初は射た際に的を破壊してしまっていた。その魔力は弓の鍛錬に際しての集中法による「意識の拡散と再構成」によって増大を繰り返している[注釈 10]。本来生まれもった上限に支配される魔力容量だが、真のように意識を拡散させ再構成するなどという鍛錬は常識の範疇外らしい。幼少時は両親からヒューマンとしての形質を引き継いだ虚弱な身体で、常に死の恐怖が側にあったが、地球世界の魔術士の女性と出会い、魔法属性のラインを繋ぎ直し補強することで回復と風の適性を失くした代わりに身体を強化する道筋を得た。そのような経験から口では痛みや死を忌避しながらも達観した部分がある。
- 異世界ではヒューマンに不信を与えないように、クズノハ(葛葉)商会の代表のライドウという通り名でギルドに登録している。蜃気楼都市・亜空の所有者で住人からは若様の呼称[注釈 11]で、クズノハ商会の従業員の何人かからは旦那の呼称で呼ばれる。学園都市の非常勤講師として戦闘技術実技を教え、教え子たち七人は学園のトップ7に入る実力に成長させている。
- 異世界に来て以来、ヒューマンから人間扱いされない[注釈 12]ながらも、ヒューマン共通語を覚えたり[注釈 13]、魔力を抑える努力をしたり、顔をマスクで隠したりと、ヒューマンの悪意のある出来事に遭遇しながらどうにか平和的に過ごしていこうとしたが、緊急避難的に亜空に移動させていたヒューマンが手前勝手な理屈で廃棄予定の武器を奪い、ドラウプニルによる暴発事故まで起こして亜空の民に損害を出してもまったく悪びれることもなく逆に自分を非難したことで、自身の見通しが甘すぎたことを自覚。それ以来、直接関わって信を得た者を除いてヒューマンには極めて事務的に接するようになり、魔族とヒューマンの戦争も第三者として傍観し、物資が不足して困っているなら種族に関係なく商売するとしている。これによって戦争がより深刻化したとしても、それでヒューマンと魔族が滅びるなら自分と関わりのある者たちだけを亜空に保護して放置しようと考えている。
- 界(かい)
- 月読から与えられた加護によって発現した固有能力。自身の周囲に半球状の可変式領域を作りだす。その領域内では大抵の物ごとを即座に感知できるほか、任意に強化・不可視化といった各種属性付加などを行える。
- ドラウプニル
- エルダードワーフ謹製の指輪で、試作段階で真の魔力に耐え切れずに損壊したため全力で製作された。魔力を吸収して圧縮し蓄積する作用があり、最初は白色だが魔力を貯めることで赤色に変わる。恐れの原因となる真から駄々洩れ状態の魔力を隠蔽するため両手の5本指全てに装備している。桁外れな魔力をもつ真だから無事というだけで、通常普通のヒューマンなら魔力を吸い尽くされて死ぬ「呪いレベル」のアイテム。
- 魔力を吸い切った赤い指輪はわずかな衝撃で爆発的な魔力を放出する危険物だが、亜空では魔力の有効利用を研究している。
- 魔力体(まりょくたい)
- ソフィア、ランサーとの戦いから得た教訓「引き出す魔力の底上げと常に身を守る障壁」という条件を両立させた技術。魔力で形成した動く着ぐるみの様なもので、傍からみると無駄遣い以外の何物でもないが、真の有り余る魔力があってこそ成立する。
真の従者
- 深澄 巴(みすみ ともえ)
- 声 - 佐倉綾音[4]
- 真の第一の従者で正体は「無敵」の二つ名を持つ上位竜・「蜃」。霧に関する能力を持ち霧の結界の能力の一つとして、相手の記憶を直接閲覧したり物理的に保存できる。真の記憶から時代劇、特に水戸黄門を好み、従者としての服装や武器の趣向もそれらに由来する。真を黄門様、自分を格さんに見立てて行動したがるが、そのあまりの強さから真からは「核さん」と例えられたり、その言動が「悪代官巴」や「悪商人巴屋主人」であるとみられることもしばしばある。ただし記憶閲覧の能力から、相手の真意で行動を起こす役割も併せ持つ。冒険者ギルドのレベルは1,320(2回目は1,340)。
- また、その同じく能力の一つである亜空は元々蜃の物で、真との契約で日本の要素を含む村的な物に変化。そこへ、真を慕う亜人を招き、村(蜃気楼都市)を作ることを主導する。眷属のミスティオリザードマン108名も蜃気楼都市の初期参加者。
- 分体(トモエミニ)
- 巴の分体。巴を10歳ほどの子供にしたような姿をして、本体に代わって亜空内の探索などをしていたが、正式な命名はされていなかった。
- 誘い込んだヒューマンの起こした事故によって一度消滅した。
- コモエ
- 先の分体消滅後に生み出された新たな分体で記憶などは受け継がれておらず、真から「コモエ」と命名される。
- 普段は亜空にて森鬼たちの訓練を担当している。
- 深澄 澪(みすみ みお)
- 声 - 鬼頭明里[4]
- 真の第二の従者で正体は「災厄の黒蜘蛛」と呼ばれる魔獣。捕食という形で空間を削り取る能力を有し、真の従者となるまで空腹からあらゆる物を食い続け恐れられていた。後に、巴が保存していた真の記憶から、アニメや特撮に興味を持つ。好戦的な巴に対し、真との連携で切り開く頭脳派。冒険者ギルドのレベルは1,500。
- エルダードワーフを追って亜空へ侵入した際、迎撃してきた真の痛撃に快感を覚え、真の血に甘露を感じる。そのことに嫌悪を感じた真により戦闘不能にされるが、真も気絶。蜃[注釈 14]の提案で、気を失っている真と勝手に主従契約を結ばせた。この契約で亜空が広がり黒い森や川ができる。過去において、蜃、魔将コンビ、勇者パーティ等に撃退はされているが、食欲がある程度満たされたことで食事を止めて別方向に移動したに過ぎず、本当の意味で敗れたのは真が初めて。眷属の半人半蜘蛛のアルケー4名[注釈 15]も蜃気楼都市の初期参加者。食べる事は今でも好きだが、かつての量第一から質が重要に変わる。自身の手料理を真に食べさせることが生きがいになっており、勇者・響から日本料理の手ほどきを受けた。ただし、勇者とは知らず、自分が撃退された時の記憶もなく、真により満足を覚える前の記憶は、空腹であったことのみでそれ以外は記憶していない。
- 深澄 識(みすみ しき)
- 声 - 津田健次郎
- 真の第三の従者で正体は自ら研究のためアンデッドになった元ヒューマンの「リッチ」。アンデッドになった頃或いはその前の記憶は失われている。森鬼に憑依して、樹刑の力を与えていたが、真に取り憑こうとして敗れる。ヒューマンの上位種と呼ばれ世界を渡ることが出来るといわれる存在「グラント」になろうと願っていたが、巴に真実を告げられる。本来の格としては、主従どころか餌-捕食者の契約でしかなれない存在であったが、真の一時的能力低下の詐術と真の魔力を蓄えた指輪13個を手にすることで、上げ底ながら主従契約を結ぶ。学園都市には、真の助手として授業に参加。真の意向で真が厳しくする役に対して、慰め役を担当。その影響か生徒の能力評価・対応が甘くなっている。
- 環(たまき)
- 大黒様、スサノオ様ら神々によって贈られてきた真の第四の従者で、過去にはトウダと呼ばれたことがある。他の従者と違って真からの信頼は不確かで、そのため亜空の外へ出ることを禁じられている。
神々
- 女神
- 声 - 上田麗奈[5]
- この世界の唯一の神たる女神。黄金を背景にし、美に偏執した性格に、月に関連した処女神の記載がある。後者よりアルテミス、ヘカテ―、ルナ辺りに該当する可能性はあるが、言及はされていない。
- 容姿こそ美しいが、性格は高慢ちきかつ独善的で、美しい物のみを絶対とし、それ以外の者に関しては毛程の価値も見出さない常軌を逸した差別思考の持ち主。創造を行った神である自身に酔いしれ、他の神を見下しているが、一から世界を創った訳では無く、巴によると上位竜や魔獣といった先住者と交渉して「既に存在していた世界」に人間(後のヒューマン種)の住む環境を後から整えたに過ぎないとの事で、「間借り人」か「管理委託人」という方が適切である。神の格としても他神に一段劣るような描写だが、一番の問題である酷すぎる性格や行動により、他神はもとより一部のヒューマン達からすら見限られ始めている。
- 10年眠って起きたら加護するヒューマンがピンチであったので月読に協力してもらう形で勇者を召喚するのだが、契約によって召喚する予定となっていた真を「容姿が気に食わない」という理由だけで、ヒューマン以外の種族とだけ会話出来る能力だけを与え地の果てに捨ててしまう[注釈 16]そして、それに並行して日本から自分の好みに合う容姿の美形2名を誘拐も同然で連れ去って勝手に勇者に任命。彼等には自身の加護を惜しみなく与えた上で、伝言メモのような言葉と追加の一言で、それぞれ筆頭の二大国に渡している。
- 本来勇者にする予定だった真に対する態度は初対面より「辛辣」かつ「最悪」の一言に尽き、「不細工」、「白鳥成分ゼロのみにくいアヒルの子」と侮蔑した上で、「自分の世界を汚さないよう世界の果てでじっとしていろ」と言い渡し、捨てる直前には「ヒューマンと交わったら殺す」という脅しまでかけている。その癖、自らの寵愛する勇者達が危機に陥ると、自分から関わるなと言っていながら真を探し出し、本人の意思などお構いも無しに無理矢理召喚しては、生き延びる為に戦わざるを得ないよう仕向ける等、完全に使い捨ての便利屋扱いしている。当然、その身勝手極まりない横暴の数々から、最も振り回されている真には忌み嫌われ、当初は「くそ女神」だったが、後に「虫」としか呼ばれなくなっている程。また、かつての上司である月読の事も軽んじている無礼な姿勢もあってか、他の神々からもかなり嫌われているらしく、月読を騙して勝手に自分好みの人間(性格・品性は問わない)を勇者にしただけでは飽き足らず、本来の契約相手であった真に対して行った無責任な仕打ちについても大きく問題視される事になっている。
- 自らの世界にはヒューマンのみに加護[注釈 17]を与え、かつヒューマン同士なら道理より美しい方に加護を与えるという容姿差別を当たり前に思っているだけでなく、魔族や亜人[注釈 18]には加護を与えず奴隷・家畜扱いするのは「醜いんだから当然の事」程度にしか思っておらず、その差別思考はヒューマン全体の思想にも悪影響を与えている。異世界において女神の美的基準のみに従って調製されたヒューマンは、善人だろうが悪人だろうが、バカでもダメ人間でも真視点から見ると呆れかえるくらいに美形揃いである[注釈 19]。また、基本的に前述の女神による加護を当てにしている為、最低限の戦術もなく過剰なまでにステータスを重視した正面攻撃しか行わない悪癖もある。一方で、ヒューマンから勇者を出さず、外部からわざわざ勇者を召喚している点も含めて自世界の住人が力を付けることを嫌っている面もある等、担当する世界に対し、只管自らの個人的な価値観やエゴを押し付ける事しかやろうとしておらず、結果的にヒューマンとそれ以外の種族達との軋轢は引っ込みがつかなくなるまでに深刻化し、泥沼状態となってしまっている。この為、自らが個人的に選抜した勇者の一人である響からは、そのやり方を完全に疑問視されている。
- 月読命
- 声 - 前野智昭[5]
- 真の召喚に先立ち、真へ事前に説明を行った三貴神の一柱。女神と真の両親との契約上、召喚されるのが真でなければ契約内容に該当する真の姉妹のどちらかに話は通しているだろうと言い、真は自分が異世界に行くことに納得し決意する。女神が少しではなく色々問題のあることを事前に告げてはいたものの、真に対する女神のあまりの横暴と仕打ち(同時に、断りも無くこちらの人間2人を連れ去った不作法)に怒り、真に女神を超えると自負する加護を与える。だが、加護を与えた上に、異世界へ送られた真へ交信という無理をしたため、数百年の眠りにつくだろう事と他の神々に真のことを頼んでおくと伝え、連絡は途切れてしまう。
- スサノオに女神の不正を伝えることにはどうにか成功しており、これが後に神々の間で大問題を引き起こすこととなる。
- スサノオ
- 真のことを月読命に頼まれた神の一柱で月読命の弟神。この世界の女神を「馬鹿娘」と呼ぶ。
- 大黒天(シヴァ)
- 真のことを月読命に頼まれた神の一柱。この世界の女神の馬鹿さ加減に呆れている。真を気に入り「手土産」として何らかの加護を与えたが、それによって別の可能性未来(パラレルワールド)を夢に観るという事態が起きた。
- アテナ
- 真のことを月読命に頼まれた神の一柱。この世界の女神に「ちいときつい説教と首輪」(スサノオ談)を与える為にこの世界へ来た。真らが扱いに困ったチビドラゴンに退化した魔将レフトの体を戻して記憶を消した。真と手合わせをし、他の二人からは真の善戦と称されたが、真にとっては完敗だった。とはいえ、神を相手にして近付ければいい方であり、傍目から見れば善戦したとも言える内容ではある。
- サマル
- 真が元の世界へ戻る手段を知る者として召喚した門。自ら「神」と名乗るが、実際は付喪神と呼ばれる妖怪の類であるため、厳密に言えば神ではない。1000名の生贄を要求し、真が断るとその腹いせと報復で亜空の住人を殺そうとするが真に阻止・撃退される。劣勢となるや自らの能力で逃げようとするが、真によって引き戻され意識だけはあるが一切力を使えない唯の門にされた。
亜空の住人
- エマ
- 声 - 早見沙織[5]
- ハイランドオークの娘(17歳)。初対面で真に助けられ、最初に真と話した亜人。魔法の才能があり、初歩の魔法ブリットを真に伝授した。蜃への生贄に決定されていたが、真が蜃を打ち負かして以降、他のハイランドオークの住人ともども真に従える。親からは真へ嫁がせるつもりでいるが、真としては回避したい意向。後に、亜空へ移住すると官僚的な亜空の指導者の一人となり、自由人である巴ですら従うほどとなる。真の従者である上位亜人と比較すると温厚で対等に接してくれている。
- ベレン
- 声 - 辻親八[5]
- 鍛冶に長け、伝説・神話級の作品を作ったという伝承を持つエルダードワーフ[注釈 20]の一族で、その中でも腕の良い部類に入る。ヒューマンによる略奪・搾取を避けるために、ヒューマンが容易に近づけない荒野に住むが、鍛冶の材料や食料の入手、更には外敵に襲われる等の苦労をしている。基本的にヒューマン、女神や魔族に対しては関わりを持ちたくないと考える。災厄の黒蜘蛛に襲われ、ある意味芸術品ともいえる武器類も喰われ、絶体絶命のところを、真、蜃[注釈 21]に助けられる。巴が日本刀を作らせたいという私情もあったが、亜空と云う安全な土地を提示され、同族の長老を説得し、一族をあげて亜空へ移住する。当初は真の従者を見て真は女神が使わした存在かと長老が意見したが、真が猛烈に否定したため信頼を得る。巴の二本差し、ライムの日本刀、識の杖など取り敢えず使えるレベルの物は作るが、将来真や巴の実力に見合う業物を冶つのが夢。
- ルグイ
- 声 - 北沢洋
- エルダードワーフ。真の魔力を抑える装備を開発している。エルドワの中では使う者を選ぶ偏った研究をしており、変わり者と呼ばれている。
- ハルナ、アキナ、ホクト、ミナト
- 声 - 佐藤恵(ハルナ)、大久保瑠美(アキナ)、手塚ヒロミチ(ホクト)
- 澪の眷属であるアルケーたち。名前は漫画版で付いた。当初は無口だったが、それまで使う必要のなかった言語に不慣れだったためで、共通語や日本語を修得してからはハルナは戦闘、ミナトは各種研究活動、ホクトは大工仕事と忍者修行、アキナは澪と共に料理研究を行っており、人間態への化身時には澪を真似ていた和装から洋服に切り替えている。
- ヒューマンの姿に化身できるため、蜃気楼都市として区画分けされた内部で来訪者を迎えて案内する役を持ち回りで務めている。
- アクア、エリス
- 声 - Lynn(アクア)[6]、田中美海(エリス)[6]
- 「森鬼(もりおに[注釈 22])」と呼ばれる亜人の少女。ロッツガルドのクズノハ商会店員で集客の一助ともなっている名物店員。アクアはともかく、エリスはやたらとメタな発言をすることが多い。
- モンド
- 声 - 大塚明夫
- 森鬼の青年でアクア、エリスの師匠。リッチ(後の識)に取り憑かれていたが、その影響で森鬼の中でも失伝していた「樹刑(対象を樹木に変える呪い)」を発現していた。
- リディ、マーサ
- 声 - 虎島貴明(リディ)
- 巴の眷属であるミスティオリザードの戦士。ロッツガルドにおける戦術講義の実践訓練で相手役「アオトカゲくん&アオトカゲくんツヴァイ」として参加する。
クズノハ従業員
- ライム・ラテ
- 声 - 八代拓[7]
- ヒューマン。元ツィーゲの筆頭冒険者でレベル201。冒険者たちの兄貴分として、駆け出し冒険者の仕事を囲い込んでしまうレンブラント商会への嫌がらせのため、その妻子に呪病を掛ける者と手を組む。薬の材料を調達した商会の二人を襲撃したが、短剣を折られ配下ともども巴に一蹴される。ライム本人は呪いは数年眠り込む程度のものと騙されていたこともあり、許されて冒険者を引退することでレンブラントとも和解する。後にその時折った短剣の代わりに日本刀(エルドワ製試作品)を預けられ、巴に鍛えられることで隠密(弥七か飛び猿ポジション)になることを承諾し、表向きにはクズノハ従業員になることを受諾する。
- グリトニアの勇者・岩橋智樹の「魅了」に惑わされて不覚を取り、肩を貫かれた際に巴の血肉を分け与えられ、彼女の眷属となる。調査の過程でリミアの勇者・音無響のパーティに協力し、一定の信頼を得ている。
真の友好者
- パトリック=レンブラント
- 声 - 井上和彦[7]
- ツィーゲ随一の商会・レンブラント商会の代表にして、実質的ツィーゲの支配者。親馬鹿、夫馬鹿で妻子には甘い。かつては外道鬼畜の類で、金、恫喝、殺戮等あらゆる非道な手段を駆使してツィーゲの支配者となった。娘シフ、そしてユーノが生まれてからはやや丸くなったものの、金、恫喝等は今でも普通の手段としている。真に対しては、新しくできた(末の)息子のように見守りつつ、真に本当に敵対する者には容赦しないつもりでいる[注釈 23]。記憶を巴に覗かれ、過去の殺戮、呪術者の殺害やその関連を知られているが、巴が誰にも話さないため、知られたという事実もレンブラントは知らない。
- モリス
- 声 - 佐藤正治[7]
- レンブラント家の執事で真が羨むほど有能である。元冒険者で、レンブラント商会の裏仕事を実行していた。今は家中の事を主に行っているが、裏仕事の采配もしているパトリックの腹心。
- 老化による視力の衰えが原因で、真を学生ではなく非常勤講師として推薦状を作ってしまった。
- リサ=レンブラント
- 声 - 佐藤恵
- パトリックの妻。リサはパトリックのツィーゲでの立ち上げ時には、別の街にいたが本人たちはつきあっていた模様。パトリックの裏の面はモリス同様知っている。
- とある呪術師によってレベル8の呪病に侵されていたが、真が提供した素材で作った秘薬で救われる。
- シフ=レンブラント
- 声 - 花守ゆみり
- レンブラントの夫妻の長女。
- レベル8の呪病に侵されてロッツガルドの学園を休学中に、母共々真が提供した素材で作った秘薬で救われる。その際に異世界の美意識において最低と言えるほど外見が変わった経験もあって、見た目よりも内面を意識するようになる。学園復学後には真の講義を受け急成長し、学園祭では覇者(個人総合優勝)となるほどの魔術師となる。
- ユーノ=レンブラント
- 声 - 稗田寧々
- レンブラントの夫妻の次女。
- レベル8の呪病に侵されてロッツガルドの学園を休学中に、母姉共々真が提供した素材で作った秘薬で救われる。その際に異世界の美意識において最低と言えるほど外見が変わった経験もあって、見た目よりも内面を意識するようになる。学園復学後には真の講義を受け学園屈指の実力者に急成長するが、学園祭では真の教え子同士を当てられた為一回戦敗退。後に澪主導の特撮スーツを着て前衛としての能力を身に着ける。
- リノン
- 声 - 二ノ宮愛子[5]
- 姉のトアに連れられベース・絶野に住んでいる少女(10歳)。姉が冒険者として稼げなくなり借金から娼婦にされたため、どうにかしようとしていた所を付け込まれて筆頭冒険者のスパイとなり、盗みなどの悪事を働かされていた。姉と違って家の復興等はあまり積極的でない。
- 漫画版では真から家計簿など効率的な計算を習い、金にルーズな姉に代わって家の財布を握り、ツィーゲにパーティのホームを購入する計画を立てている。
- トア
- 声 - 久保ユリカ[5]
- 絶野ベースに住む冒険者。職業は「闇盗賊」。容姿は真の高校弓道部の後輩「長谷川温深(はせがわ ぬくみ)」に髪・瞳の色以外はそっくりの容姿。国ではそこそこの実力(レベル120)であったが、強さの次元が違う荒野では通用せず、仲間や武器・防具を失いつつも何とか依頼をこなせる事もある駆け出し程度の冒険者だった。かつて先祖が「無敵」のふたつ名をもつ上位竜・蜃に挑んださいに携えていた神器と謳われた短剣を取り戻し、一族の名誉を挽回するために世界の果てと呼ばれる荒野に来た。借金で武器・防具を整えて荒野にはいったが、武器・防具を失い借金を返す当ての依頼も未達成で首が回らなくなる。借金のかたとして薬漬けの娼婦にされ荒くれ者達の玩具となったが、扱いの過酷さに早々に壊れて使い物にならなくなり、最後は非道な実験のモルモットとするため薬で動く事も出来なくされていた。真達に助けられた際に澪によって回復され、薬漬けだった身体は元に戻った。その際に壊滅した絶野からツィーゲへと移ることになり、巴らの戦闘技術指導の修行がてら荒野で冒険者の依頼をこなすことで、ヒューマンに蔓延するステータス頼りなただの力押し一辺倒の戦い方から脱却。パーティーはツィーゲ筆頭の存在となる。
- 漫画版では金にルーズで何かと無駄遣いが多いところが描かれている。
- ハザル、ルイザ、ラニーナ
- 声 - 新祐樹(ハザル)、鎌倉有那(ルイザ)、北守さいか(ラニーナ)[8]
- トアと同様に囚われていた冒険者で、救出された後は彼女とパーティーを組む。職業はそれぞれ「アルケミーマイスター」「ブレスガンナー」「神官騎士〈土〉」。ツィーゲに移ってからトアとパーティを組む。
- ハザル(ヒューマン・男)は、真に頼まれてレンブラントの妻子に掛けられた呪病を治療する秘薬作りを行ったが、せっかく作った秘薬を不用意に扱い落っことすとかなりのドジ。ルイザ(エルフ・女)とラニーナ(ドワーフ・女)は漫画版で名前が付いた。
- 巴らの指導により、メンバー各々に向いた戦い方や役割を意識しそれを生かした戦術を身に付ける。
- ジン=ロアン、イズモ=イクサベ、アベリア=ホープレイズ、ミスラ=カズパー、ダエナ=セブリス
- ロッツガルドで学ぶ学生。臨時講師となったライドウ(真)の戦術講義と訓練を受け、学園でもトップクラスの実力の持ち主となる。
- エヴァ、ルリア
- ロッツガルドで司書とウェイトレスとして働く姉妹。10年前魔族によって滅ぼされたケリュネオンの貴族・アーンスランド家の出身で、真の両親の顔を知っていた。
真たちの敵対者
- ミルス=エース
- 声 - 手塚ヒロミチ
- 荒野に最も近い絶野ベースの筆頭冒険者でレベル444。ただしこのレベルはあるものの体液を使った改竄で、巴、澪のレベルも改竄だと思い込む。弱い者から奪う、娼婦は薬漬けで、使えなくなったら人体実験と、あくどいことをしていた。リノンを使って真たちをスパイにしたため、逆にリノンに姉を助けてくれと依頼され、巴、澪の襲撃(手加減の練習)でアジトどころかベースごと壊滅させられる。
- デレク
- 声 - 左座翔丸
- ミルスの配下の冒険者。裏ではトアの借金を方にリノンを脅迫してスパイや盗みなどあくどいことをさせていた。トアを救出にきた巴と澪の襲撃でミルスと共に倒される。
- 復讐の呪術師
- 声 - 虎島貴明
- ライムを半ば騙した形で手を組み、レンブラントの妻子をレベル8の呪病に掛ける。パトリックに捕らわれ拷問死となる[注釈 24]が、得られた情報は入手困難な特効薬によってしか救えない事実を残す。更には、特効薬の匂いを嗅ぐと被術者は狂暴化しそれを破壊しかねないという念の入りようであった。その理由は、20年程前に恋人であった女性が、ツィーゲのハンザ商会代表を継ぐために彼と別れた。その女性は寂しさからもあり、格下であるレンブラント商会の代表パトリックと恋仲になり、男女の関係を持つ。だがパトリックにとっては、男女の関係は持っていても、彼女は自分がのし上がるための踏み台でしかなく、折をみて彼女と共に旅程にあるハンザ商会一行を全員殺害し、涙を演じながらハンザ商会を吸収合併するという悪辣さを発揮した。それを知った彼は呪術師に転職して復讐を図ったというのが事の始まりにして真相だった。
- ソフィア=ブルガ
- 声 - 沢城みゆき
- レベル920のヒューマン筆頭の女性冒険者。「竜殺し」の異名は上位竜・「ランサー」の別名「御剣」を殺したことによる。
- 本来の目的は自分の能力(ヒューマン扱いされない)の元になった先祖である上位竜ルトへの復讐である。そのため一時的に魔族側に付いたが、突然現れた真に重傷を負わせ、ランサーと共に真と闘うが、真が抑えていた魔力を全開にしたことで途中からダメージを与えられなくなる。高空からの墜落死を狙うが真の反撃(複数の「赤くなったドラウプニル」仕込みの全力ブリット)により周辺の両軍ごと壊滅的な被害を受けて痛み分けとなる。
- ランサー
- ソフィアのパートナ。上位竜を参照。
- イルムガンド=ホープレイズ
- リミア王国貴族の次男坊。ふとした行き違いからライドウ(真)に反感を持つようになり、学園祭のトーナメントにて裏工作を行うも、あえなく敗退。ロナがばら撒いた「薬」を服用していたことによって変異体となり暴走。ジンたち7人に倒された際に不定形の肉塊になりながらも正気を取り戻すが、それを知られないうちに澪に処分された。
ツィーゲの街
- シトラス
- 声 - 山口智広
- ライム・ラテの仲間の魔術師。ライムと共に秘薬を誂えたライドウを害そうとするが仲間は巴に倒され、逃げようとした彼はライドウによって顔面を擦り剥くケガを負った。
- イレイン
- 声 - 前田玲奈
- ツィーゲの街で娼婦の恰好で真(ライドウ)に接触し篭絡しようとしていた冒険者。彼に接触したのも彼経由で澪や巴に取り入り澪たちのPTとして絶野の素材を手に入れ、それを換金し良い装備を揃えて剰えそれに伴うレベルアップまで画策をしていた。その後も真達を付けていたためアンブロシアに関わるひと騒動に巻き込まれる形で、蜃気楼都市に入る。そこでエルダードワーフ達が保管していたドラウプニルを含めた廃棄予定の武器(エルドワ視点では失敗作)を盗んだことによりドラウプニルが爆発し同じく案内されたヒューマンの中で唯一生き残り、最後は真が初めて直接手を下し死亡する。彼女らが起こした爆発事故が真のヒューマン嫌いの原因になる。
- マルコム
- 声 - 土田玲央
- イレインの仲間
- ネリエ
- 声 - 古賀葵
- イレインの仲間
ティナラクの森
- ニルギストリ
- 声 - 樫井笙人
- 森鬼の村、長老代表でかつて巴に血の涙を流して請い願い、森鬼の集落に無限結界を張っていた。
- アドノウ
- 声 - 武内駿輔
- ニルギストリの息子で魔族と通じていたため真と契約前の識に殺される。
勇者
契約によって召喚された真に容姿を理由に徹底的なダメ出し(という名の侮蔑と扱き下ろし)をした女神が、好みの容姿だからと勝手に召喚した日本人。魔獣と戦える体、魔族を凌ぐ魔力を始めとした特典を与えたというが、真の例でも分かる通り地球世界で育った者は異世界では全ての負荷から解放され高いステータスを発揮するため、実際には大した加護は与えられていない。
- 音無 響(おとなし ひびき)
- 真の高校の3年生で剣道部に所属する少女。容姿端麗。成績、部活は全国レベル、満場一致で生徒会長に選出されるなど優秀だが、当の本人は何でもできてつまらないと感じていた。勇者として女神によりリミア王国に召喚される。魔獣と戦える体、魔族を凌ぐ魔力、人を惹きつけるカリスマ、闇を退け魔力を高める作用も持つ銀帯を与えられた。
- 勇者として智樹よりは真っ当に活動しており、ヒューマンの差別意識の是正なども提言しているが、一朝一夕に解決する問題でもないため、実際には放置状態。直接かかわった相手はともかく、ヒューマンという種族自体には好意的ではない真を危険視している。女神に対して疑念を持ち、魔族における戦争も迫害に対しての抵抗であると理解しつつも、「地道な権利獲得ではなく、戦争にまで至ったのは魔族の短絡・自己責任」と冷淡に断じており、仲間を魔族に殺されたことから復讐の念に囚われていることを本人も自覚している。巴には「本人の才覚と若さもあって努力すればこの世界では何でもできる、できないのは当人の努力不足と考えるなど視野が狭い。努力ではどうしようもない環境や才能のない者に対して無理解」と評されている。ウェブ版補足の「extra」では真の師匠筋の剣術家にも「自身の強さ(個人の武力)に価値を見出しておらず、自分より強い相手とは戦おうと(正確には自分の力で勝とうと)しない」と言われた。また、武道界に影響を持つ人物によって真の部活仲間(息吹正宗)の許婚にされかかっていた。
- 岩橋 智樹(いわはし ともき)
- 中学3年生で運動は中の中、成績は特に努力することもなく中の上。女神が召喚した勇者ではあるが、行動・実力共に(笑)と付けられる程度の存在。日本人ながら非常にすぐれた容姿で親の頼みでモデルのバイトをしており、そのため女子にはモテ、男子にはやっかまれていた。本人は自分の容姿や才能に無自覚で、気安く付き合える友人を大事にしていた[注釈 25]。しかし、数少ない友人との間に齟齬[注釈 26]が生じて落ち込んでいる時に勇者として女神によりグリトニア帝国に召喚される。魔獣と戦える体、魔族を凌ぐ魔力、人を虜にする魔眼(魅了)、空を駆け癒しを与える銀靴を与えられ、(帝国にある)あらゆるレベルの武器を使いこなす。更に召喚の際の折衝で、銀髪に金銀妖瞳の容姿や夜(月の出ている間)には死なない効果を追加で得る。魅了した女性やリリ皇女と関係を持つが、元々のメンタルの弱さから落とした女性も大半は道具扱いしている。魅了の力も響やローレル連邦の巫女、巴に対しては効かず、むしろそれにより彼女らに悪印象を与えている[注釈 27]。普段の言動も支離滅裂であり、女神の加護無しでは自ら戦おうという気概もなく無能を晒している。
リミア王国
- ベルダ=ノースト=リミア
- 第1王子。召喚された勇者・響に一目惚れし、王子としてではなく、騎士として同行している。だが、騎士としては凡才であり、次期国王として動くことを求められている。
- ウーディ
- 宮廷魔術師。「移動砲台」の二つ名をもつ男性。
- ナバール
- 傭兵。「銀髪鬼」の二つ名を持つ女性。響らを逃がす為に魔将イオと戦い、自爆により戦死。その復讐の為に響は魔族との戦争は、彼らを滅ぼすまで止める気は無くなる。
- ヨシュア
- 対外的には第2王子とされているが、実は女性で母は平民。兄であるベルダからも「自分よりも王に向いている」と言われているが、出自ゆえに王位に就くことはない。学園祭の際にライドウ(真)に女性と知られるが、口約束の秘密を守ったライドウには一定の信用を持っている。
- アルグリオ=ホープレイズ
- 王国内でも指折りの有力貴族。間接的にとはいえ次男・イルムガンドの死因となったクズノハ商会が王国を訪問した際、自領を通過には意図的にぞんざいに扱い、刺客を放った。そのことをヨシュアに知られて隠居を勧められ、彼女の出自を種に交渉するが戦場で傷ついた長男を盾に取られて降参した。
- 良くも悪くも筋金入りの貴族で、貴族未満の女性との間に生まれた子は手切れ金を渡して母子共々放逐し、血縁を利用しようとした者は全員処分している。
- オズワール=ホープレイズ
- ホープレイズ家の長男で跡取り。無能という訳ではないが父親の命令には逆らえない。魔族との戦争で右腕を欠損する傷を負い、毒に侵された状態で城に収容されていた。クズノハ商会から提供された薬と魔法の併用で腕は再生し回復するが、世話役として宛がわれた貴族女性6人(王家からのハニトラ要員)全員と結婚した。
グリトニア帝国
- リリ=フロント=グリトニア
- 第2皇女。10年前の魔族侵攻から女神の存在に対して疑問を感じており、女神に頼らない戦術・戦略と人体実験まで実行するなりふり構わない戦力強化を行っている。智樹に対しては勇者として利用するために魅了されたふりをしている。元の世界における智樹の人間関係についても「甘ったれた考え」と内心では軽蔑している。
ローレル連邦
- チヤ
- ローレルにて重要な立場である「巫女」。幼いながら高レベルの結界と治癒魔法の使い手。響のパーティの一員。対象の本質的な部分を観通す能力を持つが、ライドウのあまりに異質な内面に恐怖してしまう。その後呪われた土地の調査を経て自分だけが見えるものに捕らわれていたことを反省した。
- カハラ=サイリツ
- ローレルの要職に就く女性。強大な力をもつライドウ(真)を自国の繁栄を決定づけてきた異世界人「賢人」ではないかと考え、取り込むことを考えている。
上位竜
- ルト
- 「万色」の二つ名を持つ、最上位の上位竜。今は男だが、300年ほど前までは女性だった。自分が男でも、女でも良いからと真にモーションを掛け、真からは変態扱いされ、女性従者二人からは警戒される。現ギルドマスター・ファルスでもあり、冒険者ギルド創設者にして初代マスター。竜殺しソフィアの先祖で、ファルスとしては公式にはソフィアの父扱いになっている。
- 蜃(巴)
- 真の従者を参照。
- ランサー[注釈 28]
- 声 - 斉藤壮馬
- 「御剣」の二つ名をもつ上位竜の一体。リミア王都襲撃の際に識と戦い敗れ殺される。後に卵として再生し、グロントに預けられる。
- グロント
- 「砂々波」の二つ名をもつ上位竜の一体。グリトニア帝国の「白の砂海」という砂漠を根城にしている。
- リュカ
- 「瀑布」の二つ名をもつ上位竜の一体。ソフィアに殺されるが、卵として再生。ルトの依頼で本拠であるメイリス湖にて孵化した。
- 再生後は生前の記憶を受け継がないはずであったがソフィアにその力を吸収されていたためか、ソフィアの死までの状況を覚えていて真の存在を危険視した。記憶があることをルトや巴に知られ、記憶消去のために再度殺されかけるが、真によって制止される。
- ドマ
- 「夜纏」の二つ名をもつ上位竜の一体。ソフィアに殺されるが、卵として再生。再生前の記憶があることをルトや巴に知られ、記憶消去のために再度殺される。
- アズマ
- 「紅璃」の二つ名をもつ上位竜の一体。ソフィアに殺されるが、卵として再生。再生前の記憶があることをルトや巴に知られ、記憶消去のために再度殺される。
- フツ
- 「天竜ルト」と対をなす「地竜」だが、一般には疎かルト以外の上位竜にさえ知られておらず、「はじまりの冒険者」たちには知られている。ローレルの民には一部存在こそ知られているが詳細は知られていない。
- 事実はルトとある男を独占しようとして争い、博愛を宥すルトに敗れ存在ごと黄泉平坂の向こうへ追いやられる。後に真やアズともに訪ねて来た巴にその力を譲り渡す。
魔族
- ゼフ
- 魔王。優秀な者を生かすためならば弱者の排除も厭わない魔族の掟を進んで認めており、それに対し何ら負い目を感じていない。一度は過酷な地に追いやられた魔族を大勢力にのしあげた実績もあり、力を信奉する魔族や亜人からの信望は厚い。
- モクレン=カズサ
- 魔将。見た目はほぼヒューマンの男。
- ロナ
- 魔将。諜報と工作を得意とし、「カレン=フォルス」と名乗ってロッツガルドに潜入していた。リッチ時代の識と面識があり、かなり悪印象を持たれている。
- イオ
- 魔将。2対4本の腕をもつ男。部下に対する情に厚く、ヒューマンであっても強者には敬意を払うが、その上で魔王に仕える軍人の立場を優先することができる。
- レフト
- 魔将。変異竜と呼ばれる存在。カウンターや攻撃の反射を得意とする。かつてはイオの副官だった。
国・地域
魔族支配領域、四大国、地の果ては日本の本州から九州に類似した形を持つ。 ただし、瀬戸内海はほぼ山脈を形成し、地の果てである九州は南部はどこまで続くか確認が取れていない。
- 亜空
- 真と巴の契約で生じた領域で世界とは別の空間。最初に、ハイランドオーク、エルダードワーフ、ミスティオリザード、アルケーが住人となる。真の魔力の増大で領域が拡がり、真やエマの許可で入居する種族は増加中。真か巴の意思で出入りは可能で、この世界の女神(程度)では存在さえわからない。亜空での品物をそのまま直接外部に売る場合のリスクを考え、クズノハ商会で扱う品物の認知度を上げる目的で定期的に部外者を迷わせるように呼び込んで土産を持たせて印象を広める「蜃気楼都市」としての活動を行っている。
- 緊急避難で呼び込んだヒューマンが事故を起こしてからは隔離した区画内に来訪者を呼び込む形になり、接触する者も一定以上の実力者のみに限定した。
- スサノオ、大黒天、アテナの3柱は自力でこの亜空に入り、真と友好的に話し歓待を受ける。
- 魔族支配領域
- 東北地方北部辺りに該当し、極寒で作物が育たない地域[注釈 29]。この地域から脱する為に、女神が眠っていたことでヒューマンへの加護が無くなった事を活かし侵攻を開始する。当時五大国の1つで、最も女神への信仰の篤かった国とその衛星国家を滅ぼし、その半分の地域を支配下に入れる。魔王は統治を優先するためにそれ以降は侵攻をせず、外交(対亜人)・諜報を主体とした活動を行っている。10年ぶりに女神が目覚め、慌てて勇者を召喚した事の対策として、女神の加護を無効にする使い捨ての技術を開発し再侵攻を開始する。
- リミア王国
- 東北地方日本海側南部から北陸に位置する。四大国のひとつで、勇者響を擁する四大国の上位国。王はもちろん宰相等も世襲制で、国家の運営は無能な者が行なっているのが現状。勇者響の近くで接する者はその影響で、王、王子、ホープレイズ家次男イルムガンドなどは、その現状を打破した国作りの必要性を認識し行動しつつある。
- グリトニア帝国
- 東北地方太平洋側南部から関東・東海に位置する。四大国のひとつで、勇者智樹を擁する四大国の上位国。後述の宗教国家・エリュシオンの滅亡から女神の存在に疑念を抱いており[注釈 30]、リリ皇女が主体となって人体実験を行い、それは勇者智樹にさえ及んでいる。
- アイオン王国
- 北陸・近畿北部・中国地方に位置する。四大国のひとつで、国外へ赴く商人を諜報に積極的に利用する国。真が最初に訪れた大きな街ツィーゲもアイオン王国に所属していた。諜報に使われる事を嫌った真は、ツィーゲに店を構えるのではなくレンブラント商会に間借りした。
- ローレル連邦
- 東海・近畿南部・四国に位置する。四大国のひとつで、四大国では唯一連邦国家であり巫女が統一の要。過去において日本人が「賢人」として国の重要な部分を担っている。氏名の多くが日本人的な名前であるが、「賢人文字」と呼ばれる漢字は国の極限られた上位の者しか知られていない。
- ロッツガルト
- 四大国に対し均等になる外交を持つ独立した学園都市。学園の卒業生が各国で重要な戦力として招かれる(就職)為、学生はエリートとして扱われるが、真が感じる学生達の実力は荒野の冒険者や亜人たち比べに大きく劣るものでしかない。
- エリュシオン
- 東北地方北部にかつて存在した五大国の一つ。女神への敬虔の篤い宗教国家。女神の睡眠により加護が失われた10年前に、魔族の侵攻により滅亡。主要地域は魔族に占領される。
- ケリュネオン
- エリュシオンを宗主国とした属国のひとつ。魔族軍の前進基地として「ステラ砦」が設置されていたが亜空勢によって陥落し、国家として再建が始まる。
- 地の果て(荒野)
- 九州に位置する。その北部は荒野と呼ばれ、冒険者が集い一攫千金の魔物討伐、資材収集の機会が多い為、冒険者のレベルが高い事は各国に伝わっている。冒険者ギルドに寄せられる仕事は過剰で、成功率は低く失敗により失われる命も多い。ツィーゲより3つ目の街・絶野は巴、澪の二人により壊滅したが、荒野の危険さを知る者にとってそれは不自然な事とは思われていない。ヒューマンによる迫害、搾取を避ける為、不毛な地にも拘らず荒野に敢えて住居・村落を構える亜人も少なくなかったが、生活する場としては苦しい場所であり、亜空への移住は喜んで従う者が多い。南部はヒューマンはおろか亜人もほとんどおらずどれだけ広大か不明の地域。
言語
- 共通語
- ヒューマンたちが使用する言語。学習することで巴や澪を始め亜人にも使える者が存在する。ただし、ヒューマンの場合は生誕後に神殿に詣でるうちに話せるようになる。このことを聞いた真からは「語学じゃない」と言われた。当然ながら話せるようになる際の個人差も「女神の贔屓」によるもの。
- 理解
- 女神が真にダメ出しをして世界の果てに放逐する際に「お情け」で与えた能力。「ヒューマンの使う共通語以外の言語」を文字通り理解し、ヒューマン以外の種族となら問題なく意志疎通を行える。各種魔術言語も日常会話レベルで使えるほか、亜人のみならず魔獣の類とも会話できる。
- 真は共通語の読み書きまでは習得したが発音だけはできなかったため、言霊の極みを得るまで共通語は「筆談(魔術で空中に文字を書く)」でコミュニケーションを取っていた。
- 言霊の極み
- 王国、帝国の両首都を襲撃した魔族軍から「勇者を助けろ」と女神から命じられた際に「共通語が通じるようにしろ」と取引して与えられた。
- 大黒天曰く、本来は限られた聖人にのみ与えられる「悟り」に相当する物で、本来は俗人に与えられる物ではないが、女神は一部を削除することで真に押し込んだ。与えられた時点でも真の受け入れることのできる限界ギリギリの容量だったが魔力容量を増やすことで解決可能とのこと。
- コモンチャント
- 一般に知られる魔術詠唱言語。下位の古代言語で習得することは比較的容易だが、魔力を1で済むのに10消費しているなど効率はかなり悪い。漫画版では呪文内容にも具体性の欠如や無駄な重複があるほか、精霊に働きかけるこの世界の魔術には無関係な女神に対する余計な修飾・賛美の言葉が多い。
- ノーブルチャント
- 攻撃魔術特化言語。扱える者は学園都市でも稀で、使える冒険者は一流の魔術者とされる。
- グラフチャント
- コモンチャントの上位汎用言語。扱える者は学園都市でも稀で、使える冒険者は一流の魔術者とされる。
- ウェアードチャント
- ノーブルチャント、グラフチャントよりも上位の古の詠唱言語であるが失われた部分が多く、ロッツガルトで分かる者はいない。ごく限られた研究者以外では、ミスティオリザードが使っているくらい。
- フォルカチャント
- コモンチャントが使える者ならば詠唱可能で、ウェアードチャントより少し上位と言える。ただし、一度使うと以後女神の祝福を一切失う禁忌の言語である。
- ロストチャント
- 威力は高く詠唱時間も短いが、魔力消耗が激しく継承が難しかった。これの劣化版[注釈 31]をエマは使用し、真はこれのオリジナルに近いものを改造して使っている。エマも逆に真からオリジナルに近いもの教わり使い始めた。
制作背景
著者は『異世界迷宮でハーレムを』『理想のヒモ生活』など「小説家になろう」に投稿された作品を読み、それらのいいとこどりをしながら本作を執筆している。また、『アルカナ・オンライン』などのデスゲームものやVRMMORPGものからも影響を受けているという[9]。
著者が本作を執筆しようと考えていたころには未来的な題材を扱った作品が多かったことから、それに逆行して「古さ」を取り入れるために自身が学生時代に読んでいた「GS美神 極楽大作戦!!」のようなギャグとシリアスを織り混ぜつつ、横島忠夫のような美形ではないキャラクターを活躍させたいという考えから、真が不細工として扱われる設定となった[9]。また、本作の構想は前述の「古さ」を取り入れるという発想から膨らませていったが、その過程で著者自身が時代劇が好きだったことから、時代劇が好きなキャラクターを作ろうと考えた。ただ、高校生に時代劇を趣味とさせるのは厳しいので異世界ヒロインの趣味とすれば問題ないと考えから巴の設定が誕生し、「巴をヒロインとして出せば話が書けそうだ」と思ったという[9]。
既刊一覧
小説
- あずみ圭(著) / マツモトミツアキ(イラスト) 『月が導く異世界道中』 アルファポリス、既刊19巻(2022年8月7日現在)
- 1. 2013年5月28日発行、ISBN 978-4-434-17953-2
- 2. 2013年10月3日発行、ISBN 978-4-434-18369-0
- 3. 2014年2月4日発行、ISBN 978-4-434-18860-2
- 4. 2014年6月2日発行、ISBN 978-4-434-19324-8
- 5. 2015年2月10日発行、ISBN 978-4-434-19771-0
- 6. 2015年5月30日発行、ISBN 978-4-434-20673-3
- 7. 2015年9月3日発行、ISBN 978-4-434-20960-4
- 8. 2015年12月12日発行、ISBN 978-4-434-21315-1
- 8.5. 2016年3月28日発行、ISBN 978-4-434-21772-2(番外編)
- 9. 2016年7月29日発行、ISBN 978-4-434-22262-7
- 10. 2016年11月30日発行、ISBN 978-4-434-22683-0
- 11. 2017年3月31日発行、ISBN 978-4-434-23157-5
- 12. 2017年7月21日発行、ISBN 978-4-434-23597-9
- 13. 2017年11月30日発行、ISBN 978-4-434-24023-2
- 14. 2018年3月1日発行、ISBN 978-4-434-24446-9
- 15. 2020年10月30日発行、ISBN 978-4-434-24921-1
- 16. 2021年6月30日発行、ISBN 978-4-434-24921-1
- 17. 2021年9月30日発行、ISBN 978-4-434-29400-6
- 18. 2022年8月5日発行、ISBN 978-4-434-30753-9
漫画
2015年6月9日より、木野コトラの作画によりコミカライズが『アルファポリス - 電網浮遊都市 -』(アルファポリスの公式サイト)で連載。コミックスは同レーベルより刊行。
- あずみ圭(原作) / 木野コトラ(作画) 『月が導く異世界道中』 アルファポリス〈アルファポリスCOMICS〉、既刊11巻(2022年10月31日現在)
- 2016年2月29日発行、ISBN 978-4-434-21604-6
- 2016年10月31日発行、ISBN 978-4-434-22470-6
- 2017年6月23日発行、ISBN 978-4-434-23287-9
- 2018年2月1日発行、ISBN 978-4-434-24184-0
- 2018年10月1日発行、ISBN 978-4-434-25105-4
- 2019年6月30日発行、ISBN 978-4-434-25990-6
- 2020年2月29日発行、ISBN 978-4-434-27015-4
- 2020年10月31日発行、ISBN 978-4-434-28011-5
- 2021年6月24日発行、ISBN 978-4-434-29014-5
- 2022年2月22日発行、ISBN 978-4-434-29999-5
- 2022年10月31日発行、ISBN 978-4-434-31025-6
ゲーム
アルファポリスがPC向けブラウザゲームが配信していた[10]シミュレーションRPG。2017年4月28日に配信を開始したが、2018年3月19日にサービス終了。 アルファポリスがPC向けブラウザゲームが配信していた[11]シミュレーションRPG。2017年4月28日に配信を開始したが、2018年3月19日にサービス終了。
イメージソング
- 「月下流進」
- 作詞・歌:KOTOKO、作曲・編曲:青木宏憲
テレビアニメ
![]() | この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。ウィキペディアはニュース速報でも宣伝サイトでもありません。 |
第1期は2021年7月から9月までTOKYO MXほかにて放送された[5]。
第2期は第1期終了後に製作が発表された[12]。放送時期は未定。
第1期は日本テレビ史上最高金額で海外セールスされた[13]。
スタッフ
- 原作 - あずみ圭[5]
- 原作イラスト - マツモトミツアキ[5]
- 漫画 - 木野コトラ[5]
- 監督・絵コンテ - 石平信司[5]
- 助監督 - 清水一伸[5]
- シリーズ構成・脚本 - 猪原健太[5]
- キャラクターデザイン - 鈴木幸江[5]
- アクションディレクター - 鈴木勇士[5]
- レイアウト監修 - 池下博紀
- モンスターデザイン - 有澤寛[5]
- キーアニメーター - 高木有詩、芳賀亮[5]
- 色彩設計 - 高木雅人[5]
- 美術監督・設定 - 佐藤正浩[5]
- プロップデザイン - 永富浩司、今田茜、たなべようこ[5]
- 撮影監督 - 小野寺正明[5]
- 編集 - 定松剛[5]
- 音響監督 - はたしょう二[5]
- 音楽 - 高梨康治[5]
- 音楽プロデューサー - 水田大介、青井宏之
- 音楽制作 - 日音[5]
- プロデューサー - 青井宏之、大路菜央、野見山展、曹聡、太田鉄平、澤田愛理、金子広孝、丸山創、伊藤拓己、前田吉輝、中川岳
- アニメーションプロデューサー - 島田洋輔、佃昇平
- アニメーション制作 - C2C[5]
- 製作 - 月が導く異世界道中製作委員会
主題歌
- 「ギャンブル」[14]
- syudouが作詞・作曲・編曲・歌唱する第1期オープニングテーマ。
- 「ああ人生に涙あり」
- 第1期 第1話・第4話で使用されたエンディングテーマ。作詞は山上路夫、作曲は木下忠司。
- 第1話は深澄真(花江夏樹)の歌唱、編曲はJohannes Nilsson。第4話は巴(佐倉綾音)・澪(鬼頭明里)の歌唱、編曲は高梨康治。
- 「ビューティフル・ドリーマー」[15]
- Ezoshika Gourmet Clubによる第1期エンディングテーマ。作詞・作曲は池澤英。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 | |||||||||||||||||||
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第1期 | ||||||||||||||||||||||||
第一夜 | 勇者…失格 | 清水一伸 | 北尾勝 | 鈴木幸江 | 2021年 7月7日 |
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第二夜 | 災害の黒蜘蛛 | 鈴木勇士 | 壽恵理子 |
| 7月14日 | |||||||||||||||||||
第三夜 | ヒューマンショック | 辻橋綾佳 |
| 鈴木幸江 | 7月21日 | |||||||||||||||||||
第四夜 | あとのまつり | 大木比呂 |
| 中村佑美子 | 7月28日 | |||||||||||||||||||
第五夜 | よくばり馬車の旅 | 秦義人 |
| 鈴木幸江 | 8月4日 | |||||||||||||||||||
第六夜 | ヒナイスミドルの憂鬱 | 清水一伸 |
| 中村佑美子 | 8月11日 | |||||||||||||||||||
第七夜 | 秘薬精製 | 小野田雄亮 |
| 鈴木幸江 | 8月18日 | |||||||||||||||||||
第八夜 | 亜空ランキング | 鈴木勇士 |
| サトウミチオ | 8月25日 | |||||||||||||||||||
第九夜 | 喰うか喰われるか | 宇和野歩 |
| 中村佑美子 | 9月1日 | |||||||||||||||||||
第十夜 | 鬼の隠れ里 | 辻橋綾佳 |
| 鈴木幸江 | 9月8日 | |||||||||||||||||||
第十一夜 | さようなら | 大木比呂 |
| 小田武士 | 9月15日 | |||||||||||||||||||
第十二夜 | 月が導く… | 清水一伸 |
|
| 9月22日 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [17] | 備考 |
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2021年7月7日 - 9月22日 | 水曜 23:00 - 23:30 | TOKYO MX | 東京都 | 製作参加 / リピート放送あり |
2021年7月8日 - 9月23日 | 木曜 0:00 - 0:30(水曜深夜) | BS日テレ | 日本全域 | 製作参加 / BS放送 / 『アニメにむちゅ〜』枠 |
2021年7月9日 - 9月24日 | 金曜 2:30 - 3:00(木曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 | 製作参加 |
金曜 22:00 - 22:30 | AT-X | 日本全域 | CS放送 / 字幕放送[18] / リピート放送あり | |
2021年7月10日 - 9月25日 | 土曜 1:00 - 1:30(金曜深夜) | J:COMテレビ | 日本国内 | CATV / 『アニおび』枠 |
2021年9月24日 - | 金曜 1:20 - 1:50(木曜深夜) | テレビ長崎 | 長崎県 |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト |
---|---|---|
2021年7月7日 | 水曜 23:30 更新 | |
2021年7月12日 | 月曜 0:00 更新 |
BD
巻 | 発売日[19] | 収録話 | 規格品番 |
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第1期 | |||
1 | 2021年10月27日 | 第1話 - 第3話 | DMPXA-209 |
2 | 2021年11月24日 | 第4話 - 第6話 | DMPXA-210 |
3 | 2021年12月22日 | 第7話 - 第9話 | DMPXA-211 |
4 | 2022年1月26日 | 第10話 - 第12話 | DMPXA-212 |
脚注
注釈
- ^ 日本基準では十人並。
- ^ しかもこの時既に、自分の好みの顔を持った者数名を独断で勇者として召喚した後であり、真に対しては「保険を掛けといてよかったわ」と嘲笑したうえ、禁じた時に「汚い種をまき散らすんじゃねぇぞ」と破った際には本気で殺すという脅しまでかけた。
- ^ 遥か天空から落ちていくよう叩き出し、配下のニンフたちに「徹底的に洗浄しときなさい! また湧いてきたらたまんないわ!」と忌々しく吐き捨てている。
- ^ 月読命も女神の我儘と増長まで読み切れなかったことを後悔し、真へのあまりの仕打ちに苦々しく感じていた。
- ^ 月読曰く、元の世界では「深海の底」か「灼熱の溶岩の中」という不毛な環境で暮らしていたようなもの。
- ^ 所謂普通の容姿以下では醜いというのが、作品世界での美的判断基準。
- ^ 魔力を感知できるヒューマンからは、魔王が列をなしてきた様な脅威に見られる。
- ^ 適性は水・闇・火・土・雷の順で高い。
- ^ RPGでいえば、ほぼカンスト寸前のレベルで最弱モンスターと戦っても経験値が溜まらないということ。
- ^ 巴曰く、稀に「死の淵を臨んで生き返る」といった臨死体験をした者が魔力を増大させた例がある。
- ^ 多数決で決定。
- ^ 真を慕う亜人たちからも「容姿自体は異世界におけるヒューマンの基準からは外れている(曰く、かろうじてヒューマン種)」と認識されてはいる。
- ^ 最終的に、魔力を使用した文字会話に落ち着く
- ^ この時はまだ巴の名はない。
- ^ アニメ版ではもっと沢山いる。
- ^ しかも、召喚時はかなりの超高度から真を落としている(ろくな加護の無い真だと、身体能力は強化されてもかなり危険)上に、地面に激突して死んでくれるのならそれに越した事は無いと言わんばかりの言動まで見せており、事態を知った月読が助けなければ、かなり危うかった。
- ^ 加護を与えられた側は1ランクアップし、相手側は1ランクダウンと、数が互角だったとしても「3倍の戦力差」になる。
- ^ 獣人といえるレベルの種族はともかく、大抵の種族はヒューマンにはない意匠(耳の形や肌の色、角や尻尾など)を備えているというだけで真視点で見れば十分以上に整っている。
- ^ 本来、容姿と人間性は無関係ではあるが、なまじ整った容姿だけに下種な悪人は尚更憎たらしく見える。なお、この世界の人間は自分たちが美形だという認識はないが、前述の通り自分たちの基準以下は醜いと認識している。
- ^ エルドワと巴に略して呼称される。
- ^ 当時巴の名は付けられていない。
- ^ 書籍化の際に行き違いで正確な読みが伝わっておらず、書籍3巻では「しんき」とルビが振られている。
- ^ 真たちクズノハ商会メンバーの実力(戦闘力)から、これまでの既得権益全てを叩き壊す代わりに心置きなく商取引が可能になることを夢見ている。
- ^ 真に会うことはなかった。
- ^ これは父親からモデルを含めた業界は甘くないと釘を刺されていたのを真に受けて、周囲が「自分の才能に負けておもねってきた」のを仕事を都合した親に対するものと勘違いしていたため。
- ^ 友人の意中の相手に告白されるが断っており、元々勉強に対して熱意がなく、友人との交遊を優先して成績が低下しているのを「自分に合わせて手を抜いている」と思われていた。
- ^ 薬物や宗教による奴隷化している人物に近い。その後、魅了は掛かった相手から更に多くのヒューマンに伝播していく伝染病に近い代物に進化している。
- ^ テレビアニメのエンディングクレジットでは御剣で表記されている。
- ^ 北海道があるかどうかは不明。
- ^ 前述の通り、例え道理の通った側でも女神の加護を得られるわけではないことから、女神には何らかの「偏った基準」が存在し、それはヒューマンにとって利益になるとは限らないと気づいている。
- ^ 威力は減少するが消耗も軽減。
出典
- ^ “TVアニメ公式Twitterのハッシュタグにて。”. 2021年2月28日閲覧。
- ^ 結果発表 | アルファポリス - 電網浮遊都市 - - アルファポリス
- ^ “月が導く異世界道中 11(漫画)”. アルファポリス. 2022年12月11日閲覧。
- ^ a b c “声優・花江夏樹さん、佐倉綾音さん、鬼頭明里さんらが出演するアニメ『月が導く異世界道中』が2021年放送! 特報映像などが公開”. アニメイトタイムズ. (2020年10月20日) 2020年10月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z “アニメ「月が導く異世界道中」放送は7月、追加キャストに早見沙織・辻親八ら”. コミックナタリー. ナターシャ. 2021年4月28日閲覧。
- ^ a b “追加キャラクター&キャスト情報公開!”. TVアニメ『月が導く異世界道中』 (2021年5月26日). 2021年5月27日閲覧。
- ^ a b c “追加キャラクター&キャスト情報公開!”. TVアニメ『月が導く異世界道中』 (2021年5月19日). 2021年5月19日閲覧。
- ^ “追加キャラクター&キャスト情報公開!”. TVアニメ『月が導く異世界道中』 (2021年5月12日). 2021年5月13日閲覧。
- ^ a b c “「月が導く異世界道中」原作者・あずみ圭が「転スラ」伏瀬と初対談、あえて“古さ”を取り入れた異世界ファンタジーの裏側に迫る”. コミックナタリー. (2021年9月1日) 2022年9月28日閲覧。
- ^ “「月が導く異世界道中」の正式サービスが本日開始。「黄金貨」機能や新章の開放,新難度「EXモード」が実装。記念キャンペーンも”. 4Gamer.net. 2017年4月28日閲覧。
- ^ “「月が導く異世界道中」の正式サービスが本日開始。「黄金貨」機能や新章の開放,新難度「EXモード」が実装。記念キャンペーンも”. 4Gamer.net. 2017年4月28日閲覧。
- ^ “第2期制作決定!第2期決定ビジュアル公開!さらにメインキャストからはお祝いコメントが到着!”. TVアニメ『月が導く異世界道中』 (2021年9月22日). 2021年9月23日閲覧。
- ^ “2021年度第1四半期 決算説明資料”. 日本テレビホールディングス (2021年7月30日). 2021年9月23日閲覧。
- ^ “オープニング主題歌”. TVアニメ『月が導く異世界道中』. 2021年6月4日閲覧。
- ^ “エンディング主題歌”. TVアニメ『月が導く異世界道中』. 2021年6月4日閲覧。
- ^ a b “ONAIR”. TVアニメ『月が導く異世界道中』. 2021年7月10日閲覧。
- ^ テレビ放送対象地域の出典:
- 政府規制等と競争政策に関する研究会 (2009年10月9日). “放送分野の動向及び規制・制度(資料2)” (PDF). 通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2. 2018年10月24日閲覧。
- “基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号. 総務省 (1988年10月1日). 2022年5月11日閲覧。
- “地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2022年8月5日閲覧。
- ^ “週間番組表(2021/07/05〜2021/07/11)”. AT-X. エー・ティー・エックス. 2021年7月10日閲覧。
- ^ “Blu-ray”. TVアニメ『月が導く異世界道中』. 2021年7月7日閲覧。
外部リンク
- あずみ圭 - 小説家になろう
- 月が導く異世界道中 | アルファポリス - 電網浮遊都市 - - アルファポリス
- 月が導く異世界道中extra | アルファポリス - 電網浮遊都市 - - アルファポリス
- 月が導く異世界道中 | アルファポリス - 電網浮遊都市 -(漫画作品) - アルファポリス
- あずみ圭の書籍 | アルファポリス - 電網浮遊都市 - - アルファポリス
- ゲーム公式サイト
- TVアニメ『月が導く異世界道中』
- 『月が導く異世界道中』TVアニメ公式 (@tsukimichi_PR) - Twitter