葬送のフリーレン

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葬送のフリーレン
ジャンル 少年漫画ファンタジー
漫画
原作・原案など 山田鐘人
作画 アベツカサ
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
レーベル 少年サンデーコミックス
発表号 2020年22・23合併号 -
巻数 既刊4巻(2021年3月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

葬送のフリーレン』(そうそうのフリーレン)は、山田鐘人(原作)、アベツカサ(作画)による日本漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2020年22・23合併号より連載中[1]

概要[編集]

魔王を倒した勇者一行のその後を描く後日譚ファンタジー[1]。2021年5月時点で累計発行部数は250万部を突破している[2]

第2巻が発売された時、有野晋哉浦井健治江口雄也小出祐介近藤くみこ須賀健太鈴木達央豊崎愛生が本作にコメントを寄せている[3]

原作担当の山田の前作である「ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア」の連載終了後、いくつかの読切のネームを描くもうまくいかず、担当編集者から、最初の受賞作が勇者・魔王物のコメディーだったことから、その方向でギャグを描いてみてはと提案したところ、いきなり「葬送のフリーレン」の第1話のネームが上がってきた[4][5]。ちなみに第1話・第2話のネームはほぼ当時のままであり、現在もネームはほとんど直されていないという[4][5]。その後、作画担当をつけることになり、同じく担当していたアベにネームを見せたところ「描いてみたい」と反応があり、フリーレンのキャラ絵を描いてもらったところ、山田からも「この方ならお願いしたい」と返答をもらったため、アベが作画担当になった[4][5]。ちなみにマンガ大賞を受賞した2021年3月現在、山田とアベは一度も会ったことがないという[4]

「葬送のフリーレン」のタイトルの由来は、山田が考えたタイトル案がありながら、編集部でも検討をし、編集部会議で「いいタイトルが決まったら自腹で賞金1万円出します」と担当編集者が募ったところ、副編集長が出したタイトル案の中に「葬送のフリーレン」があり、最終的に山田、アベに決めてもらい「葬送のフリーレン」になった[6]

あらすじ[編集]

魔王を倒して王都に凱旋した勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンの勇者パーティ4人。10年間もの旅路を終え、感慨にふける彼らだが、1000年は軽く生きる長命種のエルフであるフリーレンにとっては、その旅はとても短いものであった。そして50年に一度降るという「半世紀エーラ流星」を見た4人は、次回もそれを見る約束をしてパーティを解散する。

50年後、すっかり年老いたヒンメルと再会したフリーレンは、ハイターやアイゼンとも連れ立って再び流星群を観賞する。その後にヒンメルは亡くなるも、彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしなかったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑した彼女は、人間を”知る”旅に出るのだった。

登場人物[編集]

フリーレン一行[編集]

フリーレン
本作の主人公。魔王を討伐した勇者パーティーの魔法使い。見た目は少女だが長命なエルフ族の生まれで、既に1000年以上の歳月を生き続けている。人間とは時間の感覚が大きく異なるため、数ヵ月や時には数年単位の作業を全く苦に思わず、ヒンメルを始めとしたかつての仲間との再会も50年の月日が経ってからのことだった。ヒンメルが天寿を全うした後は、彼女にはたった10年程度の付き合いでしかなかった彼のことに関心を抱くようになり、人間を知るための旅を始めることになる。
大魔法使いフランメを師匠に持ち、彼女から闘いの技術や魔力制御の方法を伝授されている。魔法使いとしての実力は極めて強大で圧倒的な魔力を誇り[注 1]、魔王亡き後の現在の魔族を弱いと感じ、七崩賢のアウラですら難なく倒すほど。歴史上で最も多くの魔族を葬り去った魔法使いとして「葬送のフリーレン」の異名を持ち、魔族から忌み恐れられている。一方で服が透ける魔法やかき氷を作る魔法など、およそ役に立たない魔法を収拾するのが趣味でもあり、そうした魔導書を対価に仕事を引き受けることもある。
再会したハイターの差し金でフェルンを弟子にとって以降は彼女と共に旅をしているが、人間であるが故、日々、大人の女性へと成長していく彼女と自分の身体を見比べるなど、思うところがあるようである。性格はドライで厳しい一面もあるが、普段はやさしく面倒見も悪くない。朝は苦手なのか寝坊は日常茶飯事であり、たまに早起きした場合はフェルンに驚かれる。
宝箱の中身に異常なまでの興味を示し、判別魔法によりそれが99%の確率でミミック(宝箱に化けた魔物)だとしても残り1%の可能性に賭けて宝箱を開ける。そのせいで、過去に幾度となくミミックに食べられそうになった。
フェルン
現時点でフリーレン唯一の弟子である少女。南側諸国の戦災孤児だったが、両親を失い絶望して飛び降り自殺を図ろうとした所を勇者パーティーの僧侶ハイターに助けられる。幼少期をハイターの元で過ごしながら、「一人で生きていける力」を得る為に魔法の修行を始める。その後、9歳の頃にハイターを訪ねてきたフリーレンと出会って彼女に魔法の教えを請い、一人前の魔法使いに成長する。ハイターの死後、15歳の頃にフリーレンの弟子として共に旅立つ。フリーレンのことを師として尊敬し慕ってはいるものの、人間であるためエルフの彼女とは時間の感覚がズレており、長期滞在に辟易したりすることもある。また、フリーレンの散財を戒めたり、私生活がだらしのない彼女の面倒を見るうちに、自分のやっていることが完全に「お母さん」であることに気付くなど苦労も多い。
魔法使いとしては幼少期より多くの研鑽を積み、彼女に出会ったばかりのフリーレンが「卓越した魔力の操作技術」と驚いた。さらにフリーレンの指導の下で素質を開花させ、史上最年少で三級魔法使いの試験にトップの成績で合格しており、後に一級魔法使いのゼンゼに「その若さで君ほど優秀な魔法使いは見たことが無い」とも評された。魔族の力を持ってしても魔力を探知され難い特性から隠密行動が出来るほか、魔法の発動もフリーレンよりも早いため多くの手数を出せる特技を持つ。フリーレンから改良されたゾルトラーク(魔族を殺す魔法)を習得しており、アウラ配下の魔族リュグナーを葬った。
シュタルク
勇者パーティーの戦士アイゼンの弟子である少年で、師匠と同じく斧使い。極端なビビり屋で自分に自信が無いなど情けない性格が目立つものの、実際は巨大な断崖に斧で亀裂を作るほどの実力者。師匠と喧嘩別れをした後、紅鏡竜の脅威にさらされた村に3年程度滞在していた。アイゼンがフリーレンに仲間としてシュタルクを薦めたおり、シュタルクは紅鏡竜を一撃の下に倒し、彼女たちの旅に同行することとなった。中央諸国クレ地方にあった戦士の村出身で、幼い頃は魔物とまともに戦えない失敗作だと父親から見下されていたが、兄のシュトルツだけは彼を認めていた。
「俺の弟子はとんでもない戦士になる」とアイゼンに言わしめさせるほどの素質を持つ。人間であるため、時間の感覚はフェルンと同じ。彼女からは「シュタルク様」と呼ばれているが、落ち着かないためやめて欲しいと思っている。なお、フェルンが服の透ける魔法で彼を見たところ、「ちっさ」との感想を漏らした。後に18歳の誕生日を迎える。好物はハンバーグ。変な人に好かれやすい。
ザイン
アルト森林近くの村に住んでいた僧侶。大人の男性で、好きな物は酒やタバコ、ギャンブル、年上のお姉さん。底なし沼に嵌まり、動けなくなっていた所をフリーレンに助けられる。幼い頃から冒険者に憧れていたが、それになることは無かった。シュタルクが蛇に噛まれて罹った、脳が数時間で溶けて死ぬという不治の毒を一瞬で治療するほど天性の才を持つ。神父の兄から村から連れ出して欲しいと言われた件もあり、フリーレンから仲間に勧誘される。
10年前に3年で戻ると先に出ていった「戦士ゴリラ」を名乗る親友が戻らなかった件をずっと気に掛けており、兄のためにと村に残っていたがその兄から叱咤され、親友を探すためついに旅立つことを決意し、一時的に一行に加わる。旅中では大人としてフェルンとシュタルクの仲を取り持つこともあり、もう互いに二人が付き合うべきではないかと悩むこともあった。探す友が交易都市テューアに向かったことを知ると、彼を追いかけるため一行と別れた。

勇者一行[編集]

ヒンメル
フリーレン、ハイター、アイゼンと共に魔王を討伐した勇者であり、種族は人間。仲間を率い、10年の歳月を掛けて目的を完遂した。その偉業や数々の功績から、各地に銅像が建てられ、英雄の如く広く存在を知られている。人格者ではあるがナルシストな一面もあり、銅像のモデルとなった際は細かく注文を出すなどしていたが、それも後々のフリーレンを想ってのことだった。旅を始める際は王様にため口を利いたため、危うく処刑されそうになったらしい。
これからのフリーレンの人生を「想像もできないほど、長いものになる」といい、後日の再会を約束するも、彼女が次に訪れたのは50年後のヒンメルの晩年だった。「たった10年一緒に旅をしただけ」の彼の死がフリーレンに与えた影響は大きく、彼のことを知ろうとしなかった事実がフリーレンには悔いや心残りとなる。
フリーレンと初対面の際に彼女の強さを見抜き、冒険の仲間としてスカウトした。魔族の本質を知らなかった為にフリーレンの忠告を無視して人を食った魔族の少女を見逃したことがあるが、後に彼女がまた人を殺めたと言う苦い経験をする。また、勇者のみが抜ける「勇者の剣」がある里を訪れた際はそれに挑戦するも、結局抜くことは出来なかった。だが、「偽物の勇者でもかまわない、魔王を倒せば偽物でも本物でも関係ない」と話して実際にそれを成し遂げ、フリーレンも彼を「あんな剣が無くてもヒンメルは本物の勇者」だと評し、剣が抜けなかったという一件は秘匿された。
困った人を決して見捨てない性格で、その生涯をかけて人助けに奔走したようである。死後も作中での存在感は大きく、事あるごとにフリーレンの回想シーンに登場してはその「勇者ぶり」を魅せている。かつてフリーレンに恋心を抱いていたと思わせるようなエピソードも多い。
ハイター
勇者パーティーの僧侶であり、種族は人間。戦災孤児で、ヒンメルとは同じ村で幼少期を過ごした幼馴染という関係。魔王討伐の旅を終え後年は聖都の司教となり、偉大な僧侶として人々の尊敬を集めた。穏やかで明るい性格だが、お酒が大好きな生臭坊主。大酒飲みであったにも関わらず、ヒンメルの死後も20年以上に渡り生き続けるなど人間としてはかなりの長寿を保った。但し、晩年は体調を崩したこともあって酒を絶った模様。
最晩年、戦災孤児であるフェルンを引き取り、訪ねてきたフリーレンにちょっとした謀を仕掛けてフェルンを彼女の弟子として託すことで、自分の死後の悩みを解決した。かつては自身が孤児だったことから、孤児院の復興資金を自ら出すなどしたこともあった。その存在は、フェルンにとって「育ての親」として死後も大切なものとなっている。ザインからも、ハイターは自分と違って優しく頼りがいのある理想的な大人だったと評されていた。
アイゼン
勇者パーティーの戦士。エルフほどではないが人間よりは遥かに長命のドワーフ族で、ヒンメルやハイターの死後も容姿の変化があまり見られない。体が非常に頑強であり、過去に竜を昏倒させるほどの猛毒の矢を受けても平気でいたり、自由落下程度ならどんな高さから落ちても無傷な姿を見せた際はハイターをドン引きさせた。しかし、肉体的には着実に老化しており、ヒンメルの死後、前衛として旅に同行して欲しいとフリーレンに請われた際は「もう斧を振れる歳じゃない」と断っている。
家族を魔族に殺された影響からか、かつてはヒンメルのどこかおちゃらけた旅を「くだらない」と切って捨てることもあったが、魔王討伐後はハイターと文通をしたり、ヒンメルの葬儀で見せたフリーレンの姿に二人の関係を可哀想に思うなど仲間想いの性格となっており、魂の眠る地オレオールにてフリーレンとヒンメルの再会を願っている。ヒンメルの死後にシュタルクを弟子とし育て上げるも、些細な行き違いから出奔された。

北側諸国[編集]

グラナト伯爵
グラナト伯爵領を治める領主。街を覆うフランメの防護結界の管理を担う。息子がいたが、断頭台のアウラとの戦いで戦死している。アウラ側が申し出てきた和睦を進めるため、使者のリュグナーと会談するも、街を訪れたフリーレンがドラートを殺した件でリュグナーを問い詰めた際に捕らわれてしまう。その後は拷問を受けていたが、フェルンとシュタルクに助けられた。祖父の代にも街が勇者一行に救われた恩があり、アウラ討伐後はフリーレン一行の旅立ちを見送った。
剣の里の里長
シュヴェア山脈にある剣の里の長。容姿は幼い少女で、現在は49代目に当たる。女神が授けたとされる「勇者の剣」を守護する役目があり、里近辺には定期的に魔物が湧くため、半世紀に一度は退治してもらうようフリーレンと約束を結んでいるが、実際にフリーレンが訪れたのは前回から80年後だったため、彼女に文句を零した。先々代(祖母)から遺言を預かっており、山の主討伐後の「マジ感謝」という言葉はシュタルクから呆れられた。
オルデン卿
要塞都市フォーリヒのオルデン家当主。北側諸国の三大騎士に数えられている。フリーレンは彼の祖父を知っていた。魔族との戦闘で戦死した長男ヴィルトの死を隠し、社交会で息子の健在を示すため、シュタルクへ替え玉を依頼し、報酬を条件にフリーレン一行の承諾を得る。その後は執事のガーベルと共にシュタルクやフェルンに作法を教える。今は次男のムートを大切にしており、シュタルクについても彼が良ければ家に迎えようと考えていた。
フォル爺
クラー地方の村に住んでいるドワーフの老人。フリーレンの長寿友達で、彼女曰く「ヒンメル達を知る機会をくれた」人物。400年近く村を守ってきた歴戦の老戦士で、ザイン曰く「とんでもない爺さん」。ボケていると油断させ、シュタルクを指南した。村人は会話もままならず、友人もいない耄碌爺として扱っており、彼が村を守る理由も分からずにいた。村の守り神となっていた訳は、かつて亡くなった人間の妻との約束のためであった。

選抜試験関係者[編集]

ユーベル
三級魔法使い。問題児とされる女性。2年前に二級試験で試験官を殺害し、失格処分となった。一級魔法使いの試験を受けるためオイサーストへ向かう道中でクラフトと知り合うが、人殺しの目をしていると見抜かれる。
「共感」することによりその相手の得意な魔法を使えるようになる能力を持ち、ヴィアベルとの戦いの際にソルガニール(見た者を拘束する魔法)を取得した。一次試験で同じパーティーになったラントに付きまとう。
ヴィアベル 
二級魔法使い。魔王軍残党と戦ってきた北部魔法隊隊長。明朗な性格で、リーダーシップに優れる。ソルガニール(見た者を拘束する魔法)を得意とし、一級魔法使いの一次試験ではこの魔法を使って隕鉄鳥を捕獲した。
幼い頃に故郷で好きだった女の子に対する"下心"が魔族と戦う理由とのこと。30代半ばと言う年齢のわりに若作りな外見をしている。
デンケン 
老齢の二級魔法使い。熾烈な権力争いを勝ち抜いた、海千山千の老獪な宮廷魔法使いでもある。フリーレンとは面識は無かったが世代的に存在を認識しており、一級魔法使いの一次試験で対峙した際にその正体を見抜いた。
一級魔法使いと遜色がない実力者とされるが、フリーレンとの闘いでは全く歯が立たず赤子扱いされた。常に冷静沈着で洞察や策謀に長ける一方、魔力が切れたら男らしく殴り合うなど泥臭く熱い魂も持っている。
ラヴィーネ
三級魔法使いの女性。カンネとは幼馴染で、共に魔法学校を卒業した。一次試験でカンネと共にフリーレンと同じグループになる。凍らせる魔法を得意とし、試験では湖を凍結させた。口は悪いが根はやさしそう。
カンネ
三級魔法使いの女性。ラヴィーネとは幼馴染で、共に魔法学校を卒業した。水を操る魔法を得意とし、試験でフリーレンが結界を破った際、雨を利用してリヒターを撃破した。ラヴィーネとよくケンカをする。
リヒター
二級魔法使いで大人の男性。一次試験でデンケンやラオフェンと同じパーティーになる。地殻(土や岩)を操り、物質による質量攻撃を得意とする。理性的で実力者ではあるが、試験ではカンネの水を操る魔法に敗れた。
ラオフェン
三級魔法使いの女性。未熟ながらジルヴェーア(高速で移動する魔法)を得意とし、一度はフリーレンから隕鉄鳥を奪うことに成功した。一次試験後、同じパーティーだったデンケンに孫娘のように可愛がられる。
ラント
二級魔法使いの青年。決して他人を信用せず、誰とも打ち解けようとしない。完璧な分身を作る魔法を得意とし、一時試験中は同じパーティーのフェルンやユーベルの前にさえ本体を現すことは無かった。
エーレ
二級魔法使いの女性で、一次試験でヴィアベルやシャルフと同じパーティーになる。魔法学校を首席で卒業したエリートであるが、一次試験ではフェルンの圧倒的物量の攻撃魔法の前になす術なく敗れる。
シャルフ
三級魔法使いの男性で、一次試験でヴィアベルやエーレと同じパーティーになる。ジュベラード(花弁を鋼鉄に変える魔法)を駆使してラントと対峙するが、彼の分身魔法を見抜けず敗北した。
エーデル
二級魔法使いの女性で、一次試験でブライやドゥンストと同じパーティーになる。戦闘能力は皆無だが精神操作魔法のスペシャリスト。二次試験で、水鏡の悪魔が創り出す複製体に"心"が無いことを突きとめた。
メトーデ
一次試験でレンゲやトーンと同じパーティになった女性魔法使い。二次試験ではデンケン達と共闘する。拘束魔法や精神操作魔法を使用できるが、フリーレンには通じなかった。回復魔法も使える。
ゲナウ
魔法都市オイサーストの一級魔法使いの男性で、第一次試験の試験官を務める。一級魔法使いの価値を重んじて受験者に過酷な試験を課し、多くの死傷者が出ても悪びれる様子は全く無い。不敵で冷徹な言動が目立つ。
ゼンゼ
一級魔法使いの女性で、第二次試験の試験官を務める。受験者同士の争いや無下に死傷者が出ることを好まない平和主義者であるが、過去に担当した4回の試験では1人の合格者も出していない。
少女のような見た目と裏腹に物言いはぶっきらぼうで愛想は無く、何事にも動じず常に落ち着いている。魔力により自身の長い髪の毛を自在に操り、非常に高い戦闘能力を持つ。

魔族[編集]

魔王
魔族の王で、少なくとも1000年前から存在していた。勇者一行に討伐されたが、現在も大陸最北端のエンデに魔王城が存在する。
クヴァール
「腐敗の賢老」の異名を持つ魔族で、魔王の部下として悪逆の限りを尽くすも、ヒンメル一行によって封印された。魔王軍の中でも屈指の魔法使いで、史上初の貫通魔法、ゾルトラークと呼ばれる人を殺す魔法を完成させ、数多の冒険者や魔法使いを屠ってきた。ヒンメルたちでさえ強すぎたために封印することしか出来ず、ヒンメル自身は毎年のように封印を確認しに来ていたほど。
封印が解けるタイミングでフリーレンとフェルンが討伐に乗り出すも、即座に現代魔法を解析し、弱点と対処法を編み出すなど、腐敗の賢老の名に恥じない力を見せたが、最終的にフリーレンが使った自らと同じゾルトラークによって討たれる。
アウラ
魔王直下の大魔族で、七崩賢の一人。「断頭台のアウラ」と呼ばれる女性。約80年前に勇者一行と戦い、当時は配下のほとんどを失って消息不明となっていたが、28年前に力を取り戻し北側諸国と戦っていた。和睦と称して使者のリュグナー達をグラナト伯爵領へ送るも、無論それは嘘であり、再侵攻を目論む。
魔族の中でも長寿で500年以上を生きており、己の魔力に絶対的な自信を持つ。「服従の天秤」という天秤に自身と相手の魔力を乗せて魔力が少ない方を「服従させる魔法」を扱い、首が無い不死の軍勢を手駒としていた。
不死の軍勢と共に、自身を倒しに来たフリーレンと対峙。フリーレンの魔力制御による隠蔽を見抜けず侮って天秤を使用するが、実際は相手の方が遥かに格上だと知って驚愕のあまり呆然とする。最後は自害しろという命令を受け、泣きながら自ら首を斬って死亡した。
リュグナー
アウラの配下。首切り役人。人間との和睦の使者としてグラナト伯爵領を訪れる。言動は丁寧だが、裏では街の防護結界を解除させ、アウラの軍勢を招き入れるために暗躍する。街をフリーレン一行が訪れ、ドラートが先走って衛兵に死人が出たことで伯爵に問い詰められ、本性を表して彼を捕らえる。伯爵を助けに来たフェルンの魔法を見たことで、忘れていたフリーレンの顔を思い出す。その後は「血を操る魔法」を使いフェルンと交戦するが、リーニエの敗北に気を取られ、改良されたゾルトラークの直撃を受けて致命傷を負った末に討たれる。
リーニエ
アウラの配下。使者の少女。魔力探知が得意で、りんごが好き。ドラートが死んだ際は、油断したからだと高をくくっていたが、リュグナーに諫められる。その後はシュタルクと交戦し、過去に記憶した相手の魔力を真似るという「模倣する魔法」を使いアイゼンの技で彼を驚かせるも、その技はアイゼンと比べて全く攻撃の重さに欠けるとされ、閃天撃を受けて死亡する。
ドラート
アウラの配下。使者の少年。フリーレンを邪魔者だと独断で暗殺を目論み、衛兵を殺害した上、魔力の糸で彼女も始末しようと襲いかかるが、両腕を切断されて呆気なく返り討ちに遭い、死亡した。

その他[編集]

クラフト
シュヴェア山脈に向かう途中、デッケ地方の避難小屋でフリーレン一行が出会ったエルフの男。同族(フリーレン)に出会ったのは300年ぶりとのこと。職業は武道僧(モンク)で、小屋内でスクワットをしていた姿をフェルンに目撃され、変質者と間違われた。その後、吹雪で低体温症のシュタルクを暖めて救い、長い冬を越すために半年間フリーレンたちと過ごす。フリーレンとは女神を信仰しているという身の上話を交わし、今生の別れとは思わないと告げて去った。遥か昔に世界を救ったとされ、石像が立てられるほど偉業を成した英雄であったことが示唆されている。
フランメ
伝説の大魔法使いであり、人類の魔法の開祖とされる。今ではおとぎ話の人物とも言われて存在すら疑われているが、1000年ほど前に実在し、その唯一の弟子がフリーレンとされる。また、エルフの大魔法使いゼーリエの弟子でもある。これまでに発見されている彼女の魔導書は、その全てが偽物として扱われている。フリーレン曰く、彼女の顔を覚えているのは恐らく自分のみだとのこと。
過去に魔王の命令でエルフの集落が襲撃された際、一人生き残ったフリーレンを保護した。当時は魔王軍の将軍より強い追っ手を瞬殺するほどの実力者で、フリーレンからは自分より遙かに強い魔法使いだと見抜かれている。フリーレン同様に魔族を憎んでおり、彼女に魔力を低く抑えて相手を油断させ殺すという戦闘方法を教授し、一生掛けて魔族を欺けと伝えた。ちなみに一番好きな魔法は綺麗な花畑を出す魔法らしい。
ゼーリエ
古より生き続けるエルフの大魔法使いであり、フランメの師匠。約1000年前、フランメが連れてきたフリーレンと顔合わせをした。人類の歴史上のほぼ全ての魔法を網羅し生ける魔導書と言われ、全知全能の女神様に最も近い魔法使いと評される。
半世紀以上前に突如として歴史の表舞台に現れ、大陸魔法協会を創始した。魔王軍との長い戦火時代の洗練された魔法使いを追い求め、一級魔法使いの座に就いた者には「一つだけ望んだ魔法を与える」特権を約束している。
一級試験の一次試験において強力な結界を施したが、フリーレンの解析により破壊された。
エーヴィヒ
賢者エーヴィヒと呼ばれた人物。死者の蘇生や不死の魔法を研究していたと思われる。

魔物[編集]

ミミック
ダンジョンなどで獲物を待つ、宝箱に偽装した魔物。迂闊に宝箱を開けた冒険者に襲いかかり捕食すると考えられる。フリーレンは過去に幾度となくミミックに食われそうになるが、今のところ無事である。
アインザーム
幻影鬼。人間のみを捕食する狡猾で貪欲な魔物。その人にとって大切だった死者の幻影を見せて相手を誘い込むという。フリーレンの前にはヒンメル、フェルンの前にはハイターの姿で現れた。
紅鏡竜
中央諸国のリーゲル峡谷に住む竜。魔道書など、魔力の籠もった物を営巣の材料にしている。シュタルクの強さを見抜いており、彼がいる村を襲えずにいたが、後にシュタルクの手で討伐された。
山の主
剣の里近くの勇者の剣を祭る洞窟前にいた魔物。巨大な狼のような風貌で、フリーレンからはたった80年で主となった新顔と呼ばれる。フリーレン一行の活躍によりあっさり討伐された。
混沌花の亜種
北側諸国ラオブ丘陵の村人を「呪い」で眠らせていた巨大な花。対象の魔力を吸い取り肥料とする。ザイン以外が眠らされるが、彼がフリーレンを目覚めさせ、弱点の核を撃ち抜かれて倒された。
水鏡の悪魔(シュピーゲル)
神話の時代から存在するとされている。未踏破の迷宮「零落の王墓」の最深部に潜み、迷宮に侵入して来た者の完璧な複製体を創り出す。自身は脆弱であるが、複製体により侵入者の迷宮探索を阻害する。

用語[編集]

魂の眠る地オレオール
フリーレン一行の最終目的地。大魔法使いフランメの手記によれば、この世界の人々からは天国と呼ばれる魂の集まる場所で、死者との対話ができるとのこと。位置は魔王城のある大陸最北端のエンデ。ヒンメルと会話をするために一行が目指す地となった。
エルフ族
フリーレンの種族。寿命がとてつもなく長いのが特徴。種族数は少なく、エルフ(フリーレン)を生まれて初めて見たという者もざらにいる。フリーレン自身もクラフトに出会うまでは同族を見たのは400年以上前だと語っており、エルフは恋愛感情や生殖本能が欠落しているため、絶滅が近いのではないかと考えている。ちなみにエルフ以外、例えばドワーフの平均寿命は300年ほどであるらしい。
魔族
人食いの捕食者である人類の敵。大魔法使いフランメは言葉を話す魔物を「魔族」と名付けた。誕生後は天涯孤独に過ごし、家族という概念や子育ての習慣もない。長い寿命の中で一つの魔法の研究に生涯を捧げると言われる。フリーレン曰く「人の声真似をするだけの言葉が通じない猛獣」。強力な魔力を持つ強者こそが偉いという世界で、魔力が地位や財産、尊厳であるという考えを持ち、魔力制限を行うことはほぼない。
呪い
人類が未だに解明できていない魔法のこと。主に魔物や魔族が使い、人を眠らせたり石にしてしまう。人類の魔法技術では原理も解除方法も不明であるが、唯一僧侶が使う女神様の魔法だけは別で、呪いに対処できる(僧侶自身は女神の加護があるために呪いが効きにくい)。ただし、女神様の魔法も聖典所持者かつ資質がないとうまく扱えず、その原理も魔族の魔法と同様分かっていない。
大陸魔法協会
魔法使いの資格認定を行う組織。フェルンは三級魔法使いに当たる。シュタルクによれば半世紀以上前から存在するそうだが、フリーレンは知らなかった(彼女からすれば長い年月の経過で魔法を管理する団体が次々変わるため、覚えていられない模様)。無資格の場合は闇魔法使い呼ばわりされる。五級から一人前となり、魔法使いの総数は五級以上が600人、それ以下を含めた全体では2000人。
オイサースト
北側諸国キュール地方にある諸国内で最大の魔法都市。フリーレンが一級魔法使いになるための試験を受けに訪れた。一級試験は3年に一度しか開催されず、この街の大陸魔法協会北部支部か聖都シュトラールの本部でしか受験できない。フリーレンは魔法都市ですら魔法使いをあまり見かけないため、100年前の頃と比べ数が減ったと感じていた。

社会的評価・受賞[編集]

主な受賞・ノミネート歴
発表年 部門 結果
2020年 このマンガがすごい!2021 オトコ編 2位[7]
2021年 全国書店員が選んだおすすめコミック2021 2位[8]
出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2021 3位[8]
新刊マンガ大賞2021 Presented by 東京マンガレビュアーズ 2位[9]
第1回 ebook japanマンガ大賞 2位[10]
マンガ大賞2021 大賞[11][12]
第25回手塚治虫文化賞 新生賞[13][14]

書誌情報[編集]

  • 山田鐘人(原作) / アベツカサ(作画) 『葬送のフリーレン』 小学館〈少年サンデーコミックス〉、既刊4巻(2021年3月17日現在)
    1. 2020年8月18日発売[15]ISBN 978-4-09-850180-9
    2. 2020年10月16日発売[16]ISBN 978-4-09-850181-6
    3. 2020年12月18日発売[17]ISBN 978-4-09-850285-1
    4. 2021年3月17日発売[18]ISBN 978-4-09-850490-9

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、人生の中で自分よりも魔力の低い魔法使いに負けたことが11回あるとのこと(相手の内訳は人間が6人、魔族が4人、エルフが1人)。

出典[編集]

  1. ^ a b 魔王を倒した勇者一行の“その後”描く「葬送のフリーレン」サンデーで開幕”. コミックナタリー. ナターシャ (2020年4月28日). 2020年10月17日閲覧。
  2. ^ TikTok、週刊少年サンデー人気三作品『よふかしのうた』『古見さんは、コミュ症です。』『葬送のフリーレン』のハッシュタグチャレンジを開催!, , PR TIMES (Bytedance株式会社), (2021年5月19日), https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000405.000030435.html 2021年5月22日閲覧。 
  3. ^ 「葬送のフリーレン」特集 有野晋哉(よゐこ)、浦井健治、江口雄也(BLUE ENCOUNT)、小出祐介(Base Ball Bear)、近藤くみこ(ニッチェ)、須賀健太、鈴木達央、豊崎愛生が読後の思い綴る - コミックナタリー 特集・インタビュー
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  5. ^ a b c マンガ大賞受賞「葬送のフリーレン」担当編集が語る思い「普遍的な感情が佇ずむ作品」
  6. ^ 葬送のフリーレン:死を丁寧な感情で描く 意外なタイトル秘話も 「マンガ大賞2021」大賞の話題作
  7. ^ 『このマンガがすごい!2021』今年のランキングTOP10を大公開!!【公式発表】
  8. ^ a b 「全国書店員が選んだおすすめコミック2021」ランキング
  9. ^ 東京マンガレビュアーズ編集部 2021年2月17日 twitter
  10. ^ ebookjapanマンガ大賞2021
  11. ^ マンガ大賞2021
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外部リンク[編集]