うどん

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茹であげた状態のうどん
うどんの製麺風景
ざるうどんと揚げ物

うどんは、小麦粉を練って長く切った、ある程度の幅と太さを持つ。またその料理。饂飩[1]とも書く。

細い物などは「冷麦」「素麺」と分けて称することが一般的ではあるが、乾麺に関して太さによる規定がある以外は厳密な規定はなく「稲庭うどん」のように細い麺であってもうどんと呼ぶもの存在する。薄い物については、乾麺については基準を満たせば「きしめんひもかわ」と称してよいと規定がありうどんの種類の一つである。

目次

概要[編集]

手軽な庶民食、食の代用食として、また、祝い事に際して振る舞われる「ハレ」の食物として、古くから日本全国で食べられてきた。地域によって、調理法や具材が違っている。

麺を大きな鍋で茹で上げる場合には、鍋の周囲に引っ掛けた状態で茹でることができるよう、金属製あるいは竹製で深いザル状になっている「鉄砲ざる」(略してテボ、てぼざるとも言われる)が用いられることも多い。うどんを供する場合には丼(かけうどん)、(うどん鉢など)やざる(ざるうどん等)、鍋(すき鍋等)のほか、(うどん桶)も用いられる。

うどん専門店や蕎麦も提供する麺類の専門店のほか、外食チェーン店などのメニューともなっている。また、麺はスーパーマーケットなどで乾麺または茹で麺や生麺の状態で販売される。また、カップ麺としても販売されている。


歴史[編集]

うどんの誕生には諸説あり定かでないが、説を時代順に並べると以下のようになる。

  • 奈良時代に遣唐使によって中国から渡来した小麦粉の餡入りの団子菓子「混飩(こんとん)」に起源を求める説。青木正児の「饂飩の歴史」によれば、ワンタンに相当する中国語は「餛飩」(コントン)と書き、またこれを「餫飩」(ウントン、コントン)とも書き、これが同じ読み方の「温飩」(ウントン)という表記になり、これが「饂飩」(ウドン)となったという。
  • 平安時代に空海が唐から饂飩を四国に伝えて讃岐うどんが誕生したという伝説。
  • 平安時代の989年、一条天皇が春日大社へ詣でた際に「はくたく」を食べたという、藤原実資の日記「小右記」の記述から、うどんの発祥は奈良とする説[2][3][4]
  • 仁治2年(1241年)に中国から帰国した円爾(聖一国師)が製粉の技術を持ち帰り、「饂飩・蕎麦・饅頭」などの粉物食文化を広めたとする説。円爾が開いた福岡市承天寺境内には「饂飩蕎麦発祥之地」と記された石碑が建っている[5]
  • うどんは中国から渡来した切り麦(今の冷や麦)が日本で独自に進化したものであるという説。奥村彪生によれば、麵を加熱して付け汁で食する(うどんの)食べ方は中国には無く、日本平安時代の文献にあるコントンは肉のあんを小麦の皮で包んだもので、うどんとは別であり、うどんを表現する表記の文献初出は南北朝時代の「ウトム」であるという[6]
  • 南北朝時代末期の庭訓往来節用集などに「饂飩」「うとん」の語が現れる。江戸時代は「うどん」と「うんどん」の語が並存し、浮世絵に描かれた看板などに「うんとん」と書いてあることがよくあり、明治初期の辞書である「言海」は、うどんはうんどんの略とする。
  • 室町時代には一条兼良の著書『尺素往来』に、「索麺は熱蒸し、截麦は冷濯い」という記述があり、截麦(切麦)がうどんの前身と考える説もあるが、その太さがうどんより細く、冷やして食されていた事から、冷麦の原型とされている。切麦を温かくして食べる「温麦」と冷やして食べる「冷麦」は総じてうどんと呼ばれた[7]

いずれにせよ、現代の形の「うどん」は、江戸時代前期には全国的に普及して広く食べられるようになっていた。

備考
  • 現代の中華圏では、日本のうどんを「烏冬」あるいは「烏龍麵」と表記するが、いずれも日本語の発音に基づく当て字であり、うどんそのものの起源・由来とは関係がない。
  • 江戸時代中期まで、うどんの薬味コショウだった。江戸時代後期にトウガラシの栽培が軌道に乗るに連れてその地位を奪い、今日に至っている[8]

文化[編集]

日本におけるうどんの文化として、歴史的には蕎麦(蕎麦切り)よりうどんの方が古い。また、小麦の原産地は中央アジアから西アジアとされており、米作に向かない地域で耕作され発展している。「門前蕎麦」と同じく、参拝者などに対する「門前饂飩」として古い歴史を持った社寺にまつわる文化的なうどんが各地に存在している(加須うどん吉田のうどん伊勢うどんなど)。

日本東西のうどん・そば文化[編集]

関東では蕎麦が好まれ、関西ではうどんが好まれるとされているが、蕎麦=東日本、うどん=西日本とするのは正しくない。

江戸時代前期の江戸の市中においては、まだ麺類としての蕎麦(蕎麦切り)が普及しておらず、蕎麦がきなどの形で食べられていたことから、江戸でも麺類としてはうどんに人気があったようである。蕎麦きりの元祖は信州そばであり(蕎麦切りの最古の記録は、天正2年(1574年)に木曽の定勝寺で落成祝いに蕎麦切りを振る舞ったというもの)、これが信州から甲州街道中山道を通して江戸に伝えられたものとされる。蕎麦きりが普及すると、蕎麦と蕎麦屋が独自の文化を育む母体となっていったこと、脚気防止のために冷害にも強い蕎麦が好まれたことなどの理由により、うどんと共に蕎麦が広がった。現在の関東地方でも、武蔵野群馬県を中心として、「武蔵野うどん」や「水沢うどん」をはじめとするうどん専門店も多い[9]。実際、2004年平成16年)度のうどんの生産量でも1位は日本全国に向けて宣伝をしている讃岐うどん香川県だが、2位は埼玉県であり、群馬県もベスト5に入っている[10]。これらの地域では二毛作による小麦栽培が盛んで、うどんは日常的な食事だったのである。うどんは、かけうどんや付け麺(もりうどん)にして食べられることが多い。

大坂で天正12年(1584年)に「砂場」という蕎麦屋が開業した記録があるなど、近畿地方でも早い時期から蕎麦が食べられており、蕎麦きりも普及していった。近畿地方では「そば屋」よりも「うどん屋」が多いが、京都では近隣の丹波地方で蕎麦作りが盛んだったため蕎麦文化も根付いており、専門の「そば屋」も多い上ににしんそばは京都の名物ともなっている。「出石そば」をはじめとする近畿北部の蕎麦文化は、江戸時代に信州から導入されたものだという。讃岐を除く西日本の大部分の地域では、うどんは腰がなくツユを吸いやすい柔らかい麺が好まれている(柔肌の大阪うどんより)。一方、蕎麦はツユを吸わせて食べるようなものではないためこのようなツユとの相性は良くない。

[編集]

うどんの麺は、小麦粉に2%から6%程度のを加えた生地から作られる。生地に加えた塩分の90%前後は、茹でる間に麺から失われる。

規格[編集]

乾麺については、日本農林規格(JAS)の『乾めん類品質表示基準[11]』にて、小麦粉に食塩と水を混ぜてよく練った生地を帯状に細く切って乾燥させる製法で機械にて製造しているものは機械麺に分類し、長径[12]が1.7mm以上に成形したものを「うどん」としている。また、長径[12]1.3mm以上 - 1.7mm未満に成形したものは「ひやむぎ」の基準でもあるが、それを満たしている場合「細うどん」とも表示可能である[11]手延べうどんについては、小麦粉に食塩と水を混ぜてよく練った生地に、でん粉や食用油または小麦粉を塗付して、よりをかけながら引き伸ばして乾燥、熟成させる製法で長径[12]1.7mm以上の丸棒状または帯状に成形し、『手延べ干しめんの日本農林規格』の詳細を満たしているものが該当する。

生麺・茹で麺等(半生・冷凍麺等も含む)については製麺法を問わず『生めん類の表示に関する公正競争規約[13]』にて、「この規約で「うどん」とはひらめん、ひやむぎ、そうめんその他名称のいかんを問わず小麦粉に水を加え練り上げた後製麺したもの、または製麺した後加工したものをいう」となっているので、この規約上「ひやむぎ」や「そうめん」はうどんに分類されており、狭義では「生麺・茹で麺タイプはうどんのみ存在する」とも解釈できる。しかし、別項にて「一般消費者に誤認されない名称に替えることができる」となっているため、それにより「ひやむぎ」や「そうめん」の名を使用することも認められている[14]

かつては製法の違い(麺棒や機械で生地を伸ばしてから切るか、細く丸めた生地を引いて伸ばすか等)、社会通念上も、細い麺の「細うどん」と「ひやむぎ」は明確に区別されていたが、現在では「うどん(細うどん)」と「ひやむぎ」の名前の区別は基準・規約に沿った上で取り扱う業者に委ねられているため、乾麺・生麺等において曖昧となっている部分がある。

製法の一例[編集]

  • 1人分 小麦粉 260g(出来上がり750g)、、食塩適宜
  • 塩と水を混ぜる
  • うどん粉を容器に入れ食塩水を少しずつ流し込んで混ぜ、固まる程になったらしばらく寝かせ、板の上に載せ棒で伸ばして細く切る[15]

製法による分類[編集]

うどんの製法は一般的には手打ちうどん手延べうどんのどちらかである。製麺機によるうどんの製造もこの2つの製法の中のいづれもしくは全てを機械で行っているものである[16]

手打ちうどん
小麦粉(一般的には中力粉)を水と食塩で練り上げた生地を練り、こねた後一定期間寝かせ、寝かした生地をよく踏み、麺棒で平たく伸ばし最後に、包丁で切ったもの。よく踏むことでグルテンが成長しコシが出るのが特徴。包丁で切るため断面は四角になる。産地により食塩を入れないものを存在する。一部もしくは全ての工程を機械で行うことが可能で、機械で行ったものは“手打ち風うどん”と呼ばれる。
手延べうどん
小麦粉(薄力粉が多い)を水と食塩で練り上げた生地を練りあげ後一定期間寝かせ、寝かした生地を2本の棒の両端に掛け何度も伸ばしたもの。伸ばす際、油を塗るものもある。細くてのど越しが良い麺が特徴。伸ばしの際、折れたり切れたりしないよう、コシがないのが一般的。伸ばして作るため断面は丸となる。練りには機械を用いるものも存在する。伸ばす作業は人手によるものがほとんどである。

麺の状態による名称[編集]

チルド麺(うどん玉)
生うどんを製麺後、熱湯で茹でる事により麺の熟成を止め、1食分ずつに分けたもの。丸くまとめるので「玉」と言われている(この「玉」という言葉はうどんの量の目安となる単位にも「1玉、2玉」などという表現で使われる)。袋詰めにしたものは「ゆでうどん」としてスーパーやコンビニなどでも売られる。
カップ入りや袋入りのインスタントうどんには、茹でた後に、エチルアルコールを保存料としてまぶし、真空包装にしたものもある。
生うどん
製麺後そのまま、もしくは表面に粉をまぶして包装されたもの。食味に優れるが、麺の熟成度が時間と共に変化するため長期保存には向かない。少しでも熟成や酸化を抑えるべく、脱酸素剤といっしょに包装している場合もある。
半生うどん
脱酸素剤といっしょに包装している場合が多い。食べる直前に熱湯で茹で、湯切りの後に流水で締めて供するのが正統。小麦の専用品種の作付けが増加している。
干しうどん
一般的に「乾麺」と呼ばれる状態。細うどんに多い。製麺後に乾燥させて20cm内外の棒状に揃え、保存しやすくしたもの。
冷凍うどん
うどんを熱湯で茹でた直後、急速冷凍したもの。一般的に麺類を凍らせると、凍結時に水分が膨張して分子構造が分断された状態となり食味に劣る。そこで茹で戻してからの弾力を得るため、冷凍うどんでは主にタピオカなどのデンプンがツナギとして使われる。
油揚げ麺(フライ麺)などインスタント麺
カップ入りや袋入りのインスタントうどんは、で揚げたり、フリーズドライや茹でてから熱風乾燥したもの。

料理[編集]

うどんの麺を使用して、多種多様な料理が作られている。料理方法や食べ方のよる名称分類と上にのせる具(加薬/種物/薬味)による名称分類が存在する。

料理方法や食べ方によるうどんの種類[編集]

薬味や具は地域や店により様々なものが存在する。

ざるうどん
かけうどん
つけ汁うどん

かけうどん・素うどん[編集]

丼に入れたうどんに熱いつゆをかけたもの。主に関東では薬味(主に刻み葱)以外は入れず、具・種物を入れた場合それらは「かけうどん」とは呼ばれない。西日本(香川県を除く)では「素(す)うどん」と呼ばれ、とろろ昆布や薄切りのかまぼこなど何かしらの具材が入ることが多い。

ざるうどん[編集]

茹でた麺を冷水で締めて、笊(ざる)などの器に盛ったもの。つゆに付けて食べる。「もりうどん」とも呼ばれるが、ざるそばと同様に刻み海苔の有無で区別される場合もある。

ぶっかけうどん[編集]

茹でた麺を湯きりして器に盛り、生醤油や少量のつゆをかけて食べる。具は様々であり、具材名を冠して「肉ぶっかけ」などと呼ばれることがある。

釜揚げうどん[編集]

茹であげた麺を水で締めない状態で、つゆにつけたり、生醤油を直接かけたりして食べる。麺に生卵を和えたものは「釜玉うどん」と呼ばれる。 また、一度水で締めた麺を湯に浸かった状態で供するものは「湯だめうどん」という。

つけ汁うどん[編集]

つけ汁うどんは、茹でたうどんを器に盛り、豚肉やきのこなどを煮込んだ汁につけて食べる。「つけうどん」「汁つけうどん」とも呼ばれる。

煮込みうどん[編集]

つゆの中でうどんを煮込んだもの。

焼きうどん[編集]

うどんを炒めて調理したもの。

上にのせる具(加薬/種物/薬味)によるうどんの種類[編集]

きつねうどん[編集]

きつねうどん

甘く煮た油揚げを載せたうどん。地域により、「けつね」、「しのだ」とも呼ばれる。近畿地方では「きつね=油揚げの乗ったうどん」のことであるため、「きつねうどん」という表現はあまり用いられない。

きざみうどん[編集]

細くきざんで油抜きした薄揚げを載せたうどん。通常、揚げに味付けはされていない。近畿地方では「きつね」とは別メニューとして供される。

月見うどん[編集]

かけうどんに生卵を落としたもの。の卵白(白身)を雲、卵黄(黄身)を月に見立てたことから月見と呼ぶ。夜空に見立てた海苔を敷く場合もある。

山かけうどん[編集]

山芋などのすりおろしをのせたうどん。ぶっかけ・冷やしなどの種類もある。生卵や刻み海苔をのせることも多い。地域によっては「とろろうどん」とも呼ばれる。

とじうどん[編集]

「卵(玉子)とじうどん」ともいう。丼の表面を半熟の卵で綴じたもの。鶏肉も使用し親子丼の頭と同じものをのせたうどんは「親子うどん」とも呼ぶ。

天ぷらうどん[編集]

天ぷらうどん

天ぷら(エビやイカなど)、あるいはかき揚げを載せたうどん。特に断りのない限り、一般のそば屋ではエビの天ぷら、立ち食い店ではかき揚げが用いられる。かき揚げを使用したものは「かき揚げうどん」と呼ぶ事もある。関西地方の立ち食い店では、具材のほとんど入らない「天ぷら」と、野菜中心の「かき揚げ」の二種が用意されていることも多い。また、薩摩揚げを載せたものを天ぷらうどんと称する地域もある。

たぬきうどん[編集]

「たぬきうどん」は地域によって様々である。関東近郊では天かす(揚げ玉)を散らしたうどんのことを指し、京都においては、細切りの油揚げを載せてからくずあんを掛けておろし生姜を添えたうどんを指し、金沢では「いなりあんかけうどん」となる。大阪では「はいからうどん」と呼ぶ事もあるが、葱や天かすを無料トッピングとして提供している店舗も多いため(北部九州地方も同様)、素うどんのバリエーションとして認識されている面もある。大阪や神戸などで「たぬき」と言えば、きつね(うどん)の麺をそばに変えたものを指すのが一般的である。

力うどん (ちからうどん)[編集]

力うどん

が入ったうどん。他の具と組み合わされる場合も多い。近畿地方での呼び方の「かちんうどん」「かっちんうどん」とは、「餅」を指す女房言葉から。通常は焼き餅が乗せられることが多い。

かやくうどん・五目うどん・おかめうどん[編集]

「たねもの」・「かやく」と呼ばれる具を数種類入れたうどん。具は、なると、ほうれん草、鶏肉などさまざまで、「五目うどん」と呼ばれる。特に具の種類の多いもの(8種類以上)については、東京や西日本の一部地域で「おかめうどん」(おかめ八目に由来)と呼ばれることもある。おかめうどんは元々東京の太田庵が発祥で本来そばのメニューであり、松茸や湯葉、かまぼこ等の具がおかめの顔に見立てて配置されている。現在ではかまぼこ以外の具は省略されるか別の食材に置き換えられることが多い。具の事を関西では「加薬(かやく)」と呼ぶことが多い。関東では具の入ったうどんを「種物(たねもの)」と呼ぶ。

卓袱うどん (しっぽくうどん)[編集]

上記の五目うどんに似るが、地域によって具・出汁など内容が異なる。香川・京都などに多く、山形にも「しっぽく」が訛ったと推定される「すっぽこうどん」がある。京都の卓袱うどんは、しいたけの煮付け、かまぼこゆば板麩三葉などを載せたもの。香川では、冬のメニューともなっている。元々は江戸時代に卓袱料理の影響を受けて京阪地区で考案されたうどん[17][18]

あんかけうどん[編集]

つゆにくず粉片栗粉などを入れ、とろみをつけた(あん)をかけたうどん。京都では細切りの油揚げを載せて、くずあんを掛け、おろし生姜を添えたうどんを「たぬきうどん」と呼ぶが、そこから油揚げを除いた物のことを「あんかけうどん」呼ぶ。また、餡に溶き卵を混ぜたものを「けいらんうどん」と呼ぶ。

おだまきうどん[編集]

茶碗蒸しの材料にうどんを入れたもの。うどん入り茶碗蒸しを「おだまき蒸し」と言うのに対し、おだまきうどんはあくまでうどんが主体である。「おだまき」は「小田巻」と漢字で書かれることが多いが、うどん玉が麻糸を空洞の玉のように巻いた様に似ていることから「苧環」と名付けられたという説もある。高価な品だったが、大正期までは大阪で盛んに供された。しかし手間がかかることが嫌われ、現在では正規のメニューに載せている店は非常にまれである。

カレーうどん[編集]

カレーうどんカレー南蛮うどん(地方によってはカレーなんば)と呼び、蕎麦の「カレー南蛮」と同様のうどん料理である。だし汁にカレー粉を加えてカレー風味にしたものや、だし汁で延ばした和風カレーをつゆとして用いたもの、あるいは茹でた麺にカレーライス用のカレーを直接ないし温かい麺つゆと共に掛けたものなど多彩である。昭和10年頃は、カレーライスより盛んに食べられており、各社から「南蛮カレー粉」が発売されていた[19]。地域により具材、調理法が異なりバリエーションが多い。南蛮は、かつお節などの出汁を使用し長ネギを入れたカレー風味のつゆを使用したもの(南蛮はネギなどを表す場合があった)で、カレー南蛮が古くから食べられていたが、これと同様の味付けと調理を行う。「冷やし」もあり、地方では町おこしの為の独自料理など種類や独自名称も多い。

鴨南蛮・鶏南蛮・かしわうどん[編集]

蕎麦における「南蛮」のうどん版であり、鴨肉鶏肉ネギを用いる。地域によっては「鴨南蛮」「かもなんば」という名前で鶏肉が用いられる例もしばしば見られる。白ネギの流通が少なかった西日本では、青ネギの斜め切りが用いられることも多い。

肉うどん[編集]

肉うどん

牛肉豚肉、また地方によっては馬肉を具にしたうどん。肉は甘辛く煮付けらていることが多い。

その他の食べ方[編集]

鍋焼きうどん
土鍋を用いた煮込みうどん。通常は天ぷら、卵、かまぼこ、鶏肉、野菜など他種類の具材が用いられる。
味噌煮込みうどん
味噌仕立ての汁にうどんや具材を入れ土鍋などで煮込んだ料理。豆味噌を用いたものは愛知県の郷土料理とされている。また、その他各地でもその地域特有の味噌を用いたものが提供され、それらは田舎煮込みうどん田舎風味噌煮込みうどんなどと呼ばれることもある。
姫路ちゃんぽん焼き(うまいもん横丁)
焼きうどん
麺にうどんを使用した焼きそば風の料理。
ちゃんぽん焼
姫路市発祥のご当地グルメで「焼きうどん」と「焼きそば」がミックスされたもの[20]。太さの違うが合わさった食感は新感覚としてテレビ番組で幾度か取り上げられた[21]
うどんすき
うどん中心の寄せ鍋風の料理。近畿地方でよく食べられる。
揚げうどん
揚げ蕎麦のように揚げたもので、ビールのつまみやスナック菓子として食べる事が多い。

皿うどんは、名称に「うどん」とあるがうどんを使用しない麺料理である。

日本国内における地方のうどん[編集]

各地域で食べられているうどんには小麦の生産される土壌気候、醤油などの醸造業や漁業などの地場産業、流通を担う商人などの存在により、その地域独特の郷土料理となっているもの、また村おこしの一環として地域の名物となったものなどさまざまな種類がある。

豪雪うどん[編集]

じゃが芋の一大生産地である北海道羊蹄山麓で、昔から農家の家庭食として「でんぷんうどん」なるものが食べられてきた。じゃが芋のでん粉と小麦粉などの配合を調整し、時間がたっても美味しく食べられるように改良されたもの。羊蹄山麓が豪雪地帯であること、麺の見た目が雪を連想させる半透明であることが、「豪雪うどん」の名前の由来[22]

稲庭(いなにわ)うどん[編集]

稲庭うどん

秋田県南部の手延べ製法の乾麺[23]日本三大うどんのひとつに数えられる。

甘ったれうどん[編集]

宮城県蔵王町で作られているうどん。小麦は北海道産が使われている。麺に細かく刻んだ葱を散らし、上に卵黄を乗せ、甘みのあるタレを使ってかき混ぜて食べる。

ひっぱりうどん[編集]

山形県の郷土料理。茹で上がったうどんに納豆やサバ缶などを混ぜて作ったたれを使って食べる。「ひきずりうどん」とも呼ばれている。

おっきりこみ[編集]

二毛作による粉食文化のある群馬県埼玉県北部・秩父地方野菜煮込みうどん[23]

上州うどん[編集]

桐生うどん[編集]

群馬県桐生市を中心とした地域で食べられているやや太めのうどん。群馬県東部の東毛地方は小麦の産地であり[24]、桐生市周辺は製麺業が盛んである。「ひもかわ」と呼ばれる幅広なうどんもある。ざるうどんのほか、「きのこうどん」として食べられる。

館林のうどん[編集]

群馬県館林市日清製粉グループ本社の前身の「館林製粉」発祥の地であり、東毛地方は小麦の産地であることから[24]、歴史的にうどん食文化があった(江戸時代中頃より館林藩の名物として将軍家に献上されたとの記録がある)[25][26]1994年(平成6年)より町おこし観光資源としてうどんが活用されている[25][26]。乾麺が中心となっており[26]、特徴としては変わりうどんが多数ある事[27]。個人店では、まゆ玉が入ったうどんがある。

水沢うどん[編集]

群馬県渋川市伊香保町水沢特産のうどん。生地を捏ねてから伸ばすまでの間に、熟成期間があり、こしがあるのが特徴。

耳うどん[編集]

耳うどん

栃木県佐野市(旧葛生町)仙波における郷土料理で、うどんではなく耳の形をしたすいとんのような塊を使用する。

加須うどん[編集]

埼玉県加須市で食べられ郷土料理となっているうどんで、門前うどんでもある。

冷汁うどん[編集]

冷汁うどん

埼玉県秩父市など(県西部)、さいたま市川越市加須市周辺で、主に夏に食される家庭料理ともなっているうどん[28]。つけ汁はすり胡麻や味噌による味が主であり、他に野菜などを入れる。すりたての胡麻を元とする方言で「すったて」「つったて」とも呼ぶ。

武蔵野うどん[編集]

武蔵野うどん

かつての武蔵国地域を中心とした伝統のうどん。地粉を使ったゴワゴワしてコシが強く黒っぽい麺のうどんが多い。かつては小麦の生産が多かったために広く作られ食べられていた。この地域の旧家では冠婚葬祭には必ずうどんを出したという[29]

ほうとう[編集]

山梨県全域で作られる郷土料理[23]かぼちゃや根菜類など季節野菜主体とした味噌汁に、生地に塩を練りこまずコシを作らない状態で幅広に切った麺を、打ち粉が付いたままの生状態から入れて煮込む。またこの調理法のために汁にとろみがある[30]おやきおねりと言った粉食料理の範疇と捉えられており、一般にはうどんの範疇とは認知されてはいない[30]

煮ぼうとう[編集]

煮ぼうとう

「煮ぼうとう」は、埼玉県深谷を中心とした郷土料理。幅広の麺(およそ2.5cm、厚さ1.5mm程度)と、深谷ねぎ、根菜類を使い、生めんの状態から煮込む。生めんから煮込むことで、適度な「とろみ」がある[31][22]。山梨県のほうとうとの違いはほうとうが味噌味であることに対し、しょうゆで味をつけることが特徴である。また煮ぼうとうにはかぼちゃを入れないのが一般的である。2007年には山梨県のほうとうに対してどちらが「ほうとうの本家」であるかをかけ対決を挑んでいる[32]

きしめん[編集]

愛知県の代表的な郷土料理で、麺の形状が平たいうどん。

ひもかわ[編集]

ひもかわうどん(幅 およそ15cmのもの)

群馬県桐生地域の代表的な郷土料理で、麺の形状が平たいうどん。麺の幅は5.0mmから15cmを超えるものまで様々なものが存在する。

吉田のうどん[編集]

山梨県富士吉田市で作られる郷土料理[23]。非常に強いコシと太さを特徴としており、すすれないとか、うどんが噛み切れないほどである。煮干や鰹節を出汁とした味噌あるいは醤油味の汁で食べる。キャベツと馬肉が入れられ、各店特製のすりだね(調製唐辛子)が用意されている。富士北麓の当地は、冷涼な気候と溶岩台地の地理的条件から稲作が困難で、水掛麦による麦作が行われ伝統的に粉食料理が食べられていた。

おしぼりうどん[編集]

長野県埴科郡坂城町周辺で作られる料理。ねずみ大根という辛い大根をすりおろした汁に信州味噌を溶かしたつゆにつけて食べる。

おにかけ(オセーメン・オトウジ)[編集]

長野県佐久地方のうどん。野菜や竹輪や鶏肉などを入れた煮込うどんで、味噌汁のうわずみを用いる。おかわりの麺を椀から椀に移して食べることを「オセーメン」と言う。また、柄の長い竹かごで麺を茹で、椀に移しながら食べることを「オトウジ」と言う[33]

氷見うどん[編集]

富山県氷見市で作られる手延べ式の細いうどん。加賀藩献上御用うどんとして藩政期より250年以上の歴史があり[34]、秋田の稲庭のように、油を塗らずに延ばしていく。また、手打ちのように足踏みを行うのも特長の1つである。

小松うどん[編集]

石川県小松市で作られる細くのどごしが特徴のうどん。加賀藩が名物として大名へ献上品としている歴史がある。普通は足で踏んで練るところを特別に手で練り、炭火で乾燥した。実際には生うどんが食されており、明治以降昭和初期までは各店が自家製麺を作っており、生麺と自家製だしの相性が特徴であることが評判を呼んだ。最近では小松うどんを復興させようと、70店舗ほどで提供されている。

ころ(香露)うどん[編集]

名古屋の冷やしうどん。

伊勢うどん[編集]

伊勢うどん

三重県伊勢市周辺に伝わる、柔らかくゆでた極太の麺に黒く濃厚なタレを絡めて食べるうどん[23]


こぶうどん[編集]

京阪神のうどん店でよく見られるメニュー。「とろろ昆布」、あるいは「おぼろ昆布」をうどんに乗せて供する。近畿では昆布を「こぶ」と呼ぶことが多く、メニューにおいても「こんぶうどん」ではなく「こぶうどん」と表記される。「とろろうどん」「おぼろうどん」と呼ばれることもある。

かす汁うどん[編集]

酒造地帯である灘五郷を中心とするエリアでは、冬季限定で酒粕を用いたかす汁うどんを出す店がある。うどん専門店よりも定食屋で多く見られるメニューである。

かすうどん[編集]

西日本被差別部落、特に大阪府南部の松原市羽曳野市藤井寺市などの被差別部落で食べられてきたうどん。トッピングとして細切れにした「油かす」が用いられ独特の風味がある。2000年代に入ってから、かすうどんをメインに提供するチェーン店が増えている[35]

ホルモンうどん[編集]

大阪市新今宮駅周辺にみられる、ホルモンの煮込みを具材としたうどん。牛のフワ(肺)が主に用いられる。

備中うどん[編集]

鴨方うどん、備中鴨方うどん、かも川うどんとも呼ばれる、岡山県浅口市鴨方町およびその周辺で作られるうどん。うどん料理の名称ではなく、うどん麺の名称である。この地域は、古くから手延乾麺の産地であり、手延そうめんや手延ひやむぎとともに手延うどんも製造されている。特に手延べうどん麺に関しては、生産量は日本一である。

倉敷のぶっかけうどん[編集]

江戸時代、天領だった倉敷に来た代官に差し出されたうどんが原型という説がある[36]。江戸の蕎麦を由来とする汁であるため、讃岐など他近辺地域のぶっかけうどんよりも濃く甘味が強い汁で、また具が多めである。古くから倉敷の地で食べられていた郷土料理だったが、地元のうどん店が倉敷名物として売り出し、定着した。

しのうどん[編集]

しのうどん

岡山県倉敷市玉島にある曹洞宗の名刹・円通寺の修行僧が、江戸時代に食していた「一筋一椀」と呼ばれるうどんの別称。

鳴門うどん[編集]

徳島県鳴門市を中心に食べられているうどん。藩政時代から昭和後期まで鳴門市は塩田地帯として栄えたが、塩田での重労働を終えた人々向けにこなれのよい食物として提供されたものとされる[37]。腰がほとんどなく細い麺。だしは煮干しなどを用いあっさりしている。具は細かく刻んだ葱・竹輪油揚げなど。鳴門市では写真家の中野晃治が命名した「鳴ちゅる(なるちゅる)うどん」と言う呼称を使って宣伝を行っている[38][39]

たらいうどん[編集]

たらいうどん店の立地する宮川内谷川源流部

徳島県北東部の阿波市土成地区の郷土料理[40]。うどんをゆで汁ごと大きなたらいにあける。そのたらいを数人で囲み、つけ汁に付けて食べる。つけ汁の出汁には川魚(じんぞく)が使われていたが、現在じんぞくを使っている店舗は少ない。 江戸末期に宮川内谷のきこりが河原にかまどを築きうどんをゆで、川魚でだしをとり食べたのがルーツとされる。

讃岐うどん[編集]

香川県は、全国で県民一人あたり消費量トップである。また人口は都道府県別で40位であるにもかかわらず、うどん用小麦粉使用量で2位の埼玉県の2倍以上の使用量で全国一位となっている。町おこしの一環で、香川県を『うどん県』と呼ぶほど、食文化に根付いた地域である。讃岐うどんと呼ばれていて[23]、食感がツルリと滑らかな事が特徴である。トッピングや食べ方は多種多様な品目がある。

鍋ホルうどん[編集]

香川県多度津町で食べられているうどん。元々国鉄多度津工場の労働者向けに精肉店がつくっていた鍋ホルモンに、しめとしてうどんを入れたのが始まりとされている。[41]

博多うどん(福岡うどん)[編集]

福岡のごぼ天うどん

福岡北九州方面で食べられているうどん[42]で、一般的に腰が弱めで柔らかいものが多い[43][44][45][46]。汁は昆布・鰹節・うるめ・鯖節・いりこ・あじこ・あご(トビウオ)等を使用し薄口醤油で仕上げる。具としては「丸天」や「ごぼ天」が一般的である。薬味として柚子胡椒が用意されている店も多い。

丸天うどん[編集]

福岡県を中心とした地域のうどん。薩摩揚げに類似する、魚のすり身を円形にして油で揚げた練り物(揚げ蒲鉾[47]が載っている。当地では揚げ蒲鉾一般のことも「天ぷら」と称することに由来する。九州地方では、「天ぷらうどん」と称する場合、この丸天うどんのことを指すことがある。

ごぼう天うどん(ごぼ天うどん)[編集]

福岡県を中心にした地域のうどん。うどんの上に笹がきごぼうをかき揚げにした(もしくはバラバラに揚がった)天ぷら[47]が乗っているもので、九州北部地方の大方の店舗で扱っている。ごぼ天うどんと呼ぶこともある。

かしわうどん[編集]

鳥栖駅のかしわうどん

福岡県を中心とした九州北部定番のうどん。鶏肉のだしを使い、鶏肉のそぼろ(西日本では鶏肉をかしわと呼ぶ)をうどんの上に散らしたものである。特に駅弁かしわめしで有名なJR九州小倉駅から折尾駅博多駅を経て鳥栖駅にかけての駅立ち食いうどん店では「かしわ無しで」と注文しないと、ほぼすべてのうどんに、このかしわがトッピングされている(つまり「かしわうどん」が、かけうどんのような立場である)。大分県などでは鶏肉を煮付けたブロック状のものが載せられたものを指す。

五島うどん[編集]

長崎県五島列島で産する乾麺。厚めに丸く伸ばした生地を鎌で渦巻き状に切り出した後(この工程から「鎌切りうどん」とも言われる)、少し力を加えながら横に並べた二本の棒に8の字にかけてから、棒の間隔を少しずつ引き伸ばした後、いったん、生地を外してからまた力をかけながら生地を棒に8の字にかけていく、というそうめんや稲庭うどんのような手延べ製法で作られる。このため普通のうどんより細く、断面が丸いのが特徴。手延べの際に粉をふらず五島産の椿油を使用しており、かすかにその香りがする[48]。伸びにくいという特徴もあり、たっぷりのお湯で茹で上げたあつあつの釜揚げうどんを醤油やアゴ(トビウオ)出汁のたれで食べる「地獄炊き」が代表的な食べ方である[48]。弘法大師伝来を称する讃岐うどんに対し、五島うどんは地理的に大陸から独自ルートで直接伝来したと言われる[49]

あごだしうどん[編集]

長崎県のうどん。出汁は当地で獲れるトビウオ(五島と同じく当地の言葉でアゴという)で出汁をとる。かつおだしよりあっさりした味。長崎地方は古く中国大陸との貿易の歴史があり、五島手延うどんや島原手延そうめんに見られるように手延製法が受け継がれている。奈良時代の文献には「麦縄」としてうどんが書かれており、これは長崎の五島うどんや島原そうめんに見られる「手延製法」と一致すると考えられる[50]

ごまだしうどん[編集]

ごまだしうどん

大分県佐伯市発祥のうどん[23]。焼いたエソ類などの魚の身、ごま、醤油等を混ぜ、擂り潰して作られる「ごまだし」と呼ぶ物を湯に溶き、つゆとして用いる。

やせうま[編集]

大分県のうどん。うどんの弾力ある食感を生かし、きなこ餅のように黄粉をかけたものである。

団子汁[編集]

九州一帯で食べられる郷土料理。主にみそ仕立ての汁に、団子を平らにつぶしたものや、平たい麺が入る。大分では「だんごじる」、他の地域では「だごじる」と呼ばれる。

魚うどん(ぎょうどん)[編集]

宮崎県日南市周辺の郷土料理である。太平洋戦争中の1940年代、主食不足の頃に代用食として食されていた。トビウオのすり身に小麦粉などを加えて麺状にしたうどんで、出汁もトビウオの骨からとっている。宮崎県のうどんの麺は柔らかくてコシがないのが一般的だが、魚うどんの麺はコシが強い。終戦後、永らく食されることはなかったが、1980年に魚料理の普及に努めていた日南漁協婦人部が、土地の老人から魚うどんの話を聞いて再現し、復活させた[51]

日本国外のうどん[編集]

欧米などの日本食ブームによって、日本食レストランのみならず、レトルトや冷凍麺がスーパーマーケット等で販売されはじめており家庭料理としても一般的になりつつある。

香港では「烏冬麵」と書いて、広東語読みで「ウードンミン」と発音する。香港の日本料理店で使われ始めた表記だが、現在では中国大陸でもみかける表記となっている。他に「烏龍麵」という表記が使われる場合もあるが、これでは読みが「ウーロンミン」と訛る。烏龍茶との関連はない。

台湾では烏龍麵、もしくは烏龍湯麵という名称で親しまれている。スープはやや現地化されているが、基本的には日本のうどんと大差はない。

大韓民国では20世紀前半の日本統治の経緯から、現在でも日本式のうどんが우동(ウドン・udong)の呼び名で知られ、韓国人の好きな日本料理の三番目に位置している[52]。しかし、だし汁にコショウが入っているのが普通で、味は似て非なるものが多い。一方、釜山周辺では日本のうどんと同様のだし汁に、キムチを盛ったうどんがある。日本式以外にもカルグクスという手打ち麺がある。

ベトナムホイアンには「カオラウ」(cao lầu)という小麦を原料とする太麺の料理があり、17世紀前半の朱印船貿易時代の伊勢商人が持ち込んだ伊勢うどんをルーツとする説がある。

ハワイは、明治から昭和初期にかけて多くの日本人の移民先となっており、サイミンと呼ばれる麺料理が存在する。現在では中華麺が用いられるが、だしの味は明らかに和風であり、日本人を中心とした各国の移民たちの交流の中で形成されていった料理であると考えられている。

パラオは、戦前に日本の委任統治を受けていた事により、UDONと称する麺料理がある。日本のうどんと同様の醤油味だが、沖縄そばの影響(過去、沖縄からの移民が多かったため)か汁は少なめで、また現地で入手しやすいスパゲッティの麺が使われている点に大きな特徴がある。

2009年に日本を訪れた外国人旅行者を対象に日本政府観光局が行った調査では、日本を訪れた外国人観光客が特に満足した食事のアンケートで寿司ラーメン刺し身天ぷらに次いで5位であり、蕎麦は7位であった[53]

代表的なうどんの写真[編集]

海老の天ぷらうどん 
力うどん 
丸天うどん 
ざるきしめん 
月見うどん 
葛うどん 
けんちんうどん 
伊勢うどん 

統計一覧[編集]

各都道県ごとのうどんの消費量および店舗数の統計データ[編集]

  • 2014年総務省の家計調査より、都道府県別うどん・そば消費量ランキング(数値は2012年〜2014年の平均値)
  • 各項目10位までの都道府県までのデータを掲載。
  • うどんの消費量は1世帯あたりの年間消費金額として算出。
  • 表の項目欄の▲▼を押すと押した項目での順位に入れ替わります。
都道府県 順位 1世帯あたり消費額 順位 店舗総数 順位 人口10万人当たり店舗数 代表的な郷土うどん
かがわ香川県 1 12,570円 14 630 1 63.96軒 讃岐うどん
あきた秋田県 2 9,981円 44 118 43 11.24軒 稲庭うどん
やまがた山形県 3 7,970円 26 308 8 26.99軒 ひっぱりうどん
ぐんま群馬県 4 7,460円 8 856 2 43.15軒 水沢うどん・桐生うどん・ひもかわ・おっきりこみ
きょうと京都府 5 7,103円 15 562 16 21.48軒 卓袱うどん
やまなし山梨県 6 7,059円 25 312 4 36.84軒 吉田のうどん・ほうとう
ながの長野県 7 6,788円 16 486 13 22.90軒 おしぼりうどん・おにかけ
さいたま埼玉県 8 6,716円 2 1581 14 21.95軒 加須うどん・武蔵野うどん・冷汁うどん・煮ぼうとう
あいち 愛知県 9 6,691円 3 1416 23 19.03軒 きしめん・味噌煮込みうどん
とちぎ栃木県 10 6,576円 13 676 5 34.04軒 耳うどん
ひょうご兵庫県 11 6,559円 9 781 34 14.05軒
とやま富山県 12 6,472円 28 289 9 26.86軒 氷見うどん
いしかわ石川県 15 6,367円 20 351 7 30.29軒 小松うどん
とくしま徳島県 19 6,063円 32 252 6 32.73軒 鳴門うどん・たらいうどん
おおさか大阪府 27 5,713円 4 1341 31 15.15軒 かすうどん
かながわ神奈川県 21 5,993円 5 1185 36 13.05軒
しずおか静岡県 22 5,901円 10 760 17 20.41軒
ふくい福井県 24 5,834円 23 314 3 39.50軒
とうきょう東京都 36 5,408円 1 2901 15 21.81軒 武蔵野うどん
ちば千葉県 38 5,245円 6 1012 29 16.34軒
ふくおか福岡県 41 4,987円 7 996 21 19.57軒 博多うどん
みやざき宮崎県 45 4,375円 29 284 10 25.36軒 魚うどん

うどん用小麦の作付面積[編集]

うどん用小麦の作付面積(2005年)[16]
順位 うどん用小麦品種銘柄 主な産地 作付面積(単位:ha)
1 ほくしホクシン 北海道 100,847
2 のうり農林61号 茨城ほか16府県 39,305
3 しろがシロガネコムギ 石川ほか7県 18,931
4 チクゴチクゴイズミ 山口ほか8県 12,804
5 なんぶナンブコムギ 青森ほか5県 2,948
6 しらねシラネコムギ 宮城、長野 2,294
7 ねばりネバリゴシ 青森、岩手、秋田、山形 1,714
8 いわいイワイノダイチ 栃木、岐阜、愛知、福岡 1,396
9 あやひあやひかり 埼玉、三重 1,360
10 にしほニシホナミ 福岡 1,355
11 ほろしホロシリコムギ 北海道 1,241
12 ほろしさぬきの夢2000 香川 1,235
13 つるぴつるぴかり 群馬 1,139
14 きたかキタカミコムギ 青森、岩手 1,098
15 きたもきたもえ 北海道 897
16 きぬのきぬの皮 茨城、群馬 862
17 ふくさふくさやか 滋賀、広島 772
18 たいせタイセツコムギ 北海道 396
19 しらさシラサギコムギ 岡山、徳島 386
20 しゆよしゅんよう 長野 368

その他[編集]

うどんとともに蕎麦も提供している店では、麺の加工や茹での工程でそば粉が付着するおそれがあり、そばのアレルギー物質を摂取する可能性があるため、その旨の注意表示を掲げる店舗もある(そばアレルギー参照)。

  • でんぷんうどん
北海道の農村地域では、小麦の麺ではなく、ジャガイモより精製されたデンプンを用いたうどんが郷土料理となっている。白く透き通った麺で、強い弾力が特徴である。
留寿都村では、でんぷんうどんの製麺が製造・販売され、うどんを提供する店舗もある。
  • 倶知安町では、家庭で食されていたでんぷんうどんを地元名産の「男爵」を使用した豪雪うどんを開発し、提供する。

脚注[編集]

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  1. ^ 饂の字の右半分は温の字の正字。音はウンまたはオン(ヲン)である(新明解漢和辞典、三省堂)。饂は国字であるため字音はきめがたい。「ウンドン」または「ウドン」であることは日葡辞書にみえ、「Vndon (ウンドン)ただし、ウドンと発音される」とある。
  2. ^ うどん発祥の地に名乗り 13日に奈良でイベント
  3. ^ 麺のルーツを味わう - 奈良公園で索餅まつり
  4. ^ 古代人が食べていた!?うどん再現 奈良公園のイベントで披露
  5. ^ うどんも、そばも、まんじゅうも博多発祥って知っていましたか?
  6. ^ うどんのルーツに新説-四国新聞社 2009年(平成21年)3月25日閲覧
  7. ^ 後に、日本農林規格等により、うどんが区別されるようになった。
  8. ^ 鈴木晋一 『たべもの噺』 平凡社、1986年、p.72.
  9. ^ JR東日本「伝統を味わう武蔵野うどん」[1]
  10. ^ 香川県庁のサイトより[2]
  11. ^ a b 乾めん類品質表示基準 (PDF)
  12. ^ a b c 丸麺では断面の直径、角麺では幅を指す。
  13. ^ 生めん類の表示に関する公正競争規約 (PDF)
  14. ^ 生めん類の表示に関する公正競争規約 (PDF) では一部特産品を除き「太さに関する具体的な数値による基準」や「形状に関する具体的な規定」を設けていないため、「うどん」「細うどん」「ひやむぎ」「素麺」等は見た目の形状や製造・販売業者の意向等により、一般消費者に誤認されない範囲で自由に選択して名付けられる。
  15. ^ 軍隊調理法;p382
  16. ^ a b 『うどん大全』 旭屋出版、2006年ISBN 9784751105696 
  17. ^ 日本麺類業団体連合会ホームページ・そばの散歩道 - しっぽく
  18. ^ 日本辞典・卓袱うどん
  19. ^ カレー産業
  20. ^ 大日本観光新聞
  21. ^ ㈱八角 - うまいもん横丁のちゃんぽん焼きが「関ジャニ∞横山君が選ぶ最も食べたいご当地うどん」に。
  22. ^ a b http://udon.mu/ うどんミュージアム
  23. ^ a b c d e f g 。各地に伝わるふるさとの味として、2007年(平成19年)、農林水産省により「農山漁村の郷土料理百選」として選ばれた。
  24. ^ a b 東洋大学 研究プロジェクト「うどん文化の活性化」
  25. ^ a b 麺のまち「うどんの里館林」振興会
  26. ^ a b c 八王子市公式サイト 「食」によるまちおこし事例研究 (PDF) より。
  27. ^ うどん辞典:全国ご当地うどん<前編>(金トビ志賀)
  28. ^ All Aboutグルメ うどん「冷汁うどん」
  29. ^ 武蔵村山のうどん解説
  30. ^ a b 参考文献:影山正美「ホウトウ」『山梨県史民俗編』
  31. ^ 深谷市観光協会 煮ぼうとう
  32. ^ http://www.shinyoshi.co.jp/topics1.html 「ほうとう」と「煮ぼうとう」うまい方を本家とする
  33. ^ 『佐久市志民俗編上』全1706頁中1338P 発行者長野県佐久市平成2年2月20日
  34. ^ 氷見うどん高岡屋本舗より。
  35. ^ 上原善広『被差別の食卓』(新潮社、2005年6月) ISBN 4-10-610123-8
    こちら文芸&学芸書籍編集部(SOFTBANK Creative)メールマガジン「週刊ビジスタニュース」 2005年7月27日より。
  36. ^ ぶっかけうどん物語
  37. ^ よしのがわ(国営吉野川下流域農地防災事業) > 地域の紹介 >ひといきコラム「鳴門うどん」より。
  38. ^ 鳴門うどん 鳴ちゅる 〜鳴門のB級グルメ〜
  39. ^ 鳴ちゅるとは
  40. ^ よしのがわ(国営吉野川下流域農地防災事業) > 地域の紹介 >ひといきコラム「たらいうどん」より。
  41. ^ http://xn--98j027gxkrj79alpo.com/yurai.html
  42. ^ 一部の博多の人は濁音を嫌う傾向があり、うどんを「うろん」と発音する高齢者などもいる。
  43. ^ 日本コナモン協会:コナモザイク(コナモン図鑑)「博多うどん」より。
  44. ^ 長谷川法世(「博多っ子純情」作者、博多町家ふるさと館館長)・福岡市麺類協同組合理事長 対談より。
  45. ^ 毎日jp 2008年(平成20年)1月28日掲載 グルメ都市福岡:「うどんも、まんじゅうも発祥」ミス福岡がイベントPRより。
  46. ^ 福岡うどんDB「福岡うどん」より。
  47. ^ a b 日清製粉東京営業部副部長「讃岐に待ったをかける博多うどんの逆襲」 JMAマーケティングeニュースレター167号(2005年(平成17年)6月13日)・マーケティングホライズン(日本マーケティング協会)平成17年(2005年)5月号
  48. ^ a b 豊田謙二監修 『九州宝御膳物語 おいしい郷土料理大事典』、西日本新聞社、2006年、45ページ。
  49. ^ 長崎県五島手延うどん振興協議会「五島手延うどんの歴史」より。
  50. ^ 長崎手延うどん「長崎とうどんの歴史」より。
  51. ^ 宮崎県公式サイト: みやざきの味と花101: 61 魚うどん
  52. ^ NHK放送文化研究所「日韓市民意識調査」『放送研究と調査』2010年11月号
  53. ^ ITmedia 外国人観光客に聞く、満足した日本食はナニ?

関連項目[編集]

外部リンク[編集]