うどんすき
うどんすきは大阪府の郷土料理。だし汁でうどんと様々な具材を煮ながら食べる料理。すきうどんなどの名称を用いる店もある。
1928年(昭和3年)に大阪市の蕎麦屋「美々卯」によって考案された。 「うどんすき」は同社の登録商標であるが、現在は普通名称化しているとの判決が下されており、美々卯以外の飲食店でも「うどんすき」の名称を用いることができる(後述)。
概要[編集]
うどんすきは、薄味のだし汁でうどんと様々な具材を煮ながら食べる[1]寄せ鍋の一種であり、砂糖や醤油を用いて鉄鍋で調理するすき焼きとはまったく異なる料理である。
しかし「うどんの入ったすき焼き」という誤解に基づく拡大解釈から、味付けや調理法の異なる料理をうどんすきと呼ぶ人も一部に存在しており、レシピサイトなどではそのような料理が「うどんすき」として紹介されている例もある。
調理・具材[編集]
鍋にたっぷりのうどんつゆを入れ、鶏肉、エビ、焼穴子、ハマグリ、ハクサイ、ひろうす、シイタケ、ニンジン、ミツバ、湯葉、生麩、蒲鉾、サトイモなど季節の食材を、うどんと共に煮ながら食べる。うどん及び火の通りにくい具材にはあらかじめ下茹でを施し、軽く温める程度で食べられるように下ごしらえをしておく。薬味には青ねぎ、ショウガ、もみじおろしなどが用いられる。
飲食店ではアルミやステンレス、銅などで作られたうどんすき専用の浅い鍋を使用するが、家庭では土鍋などで代用されることもある。
うどんちり[編集]
同様の材料を用いるが、味付けを施さないちり鍋としてポン酢などで食べるうどんちりという料理もある。また、京都市にはうどんすきのようにだしで煮込む鍋をうどんちりという名称で提供している店もある。
「うどんすき」の商標と普通名称化[編集]
「うどんすき」の名称は1960年に商標登録されていた[2]が、1988年に杵屋が「杵屋うどんすき」を売り出し、1991年には商標権が認められたために、美々卯が特許庁に無効審判を請求した。東京高裁は1997年に、『うどんすき』の文字は「『うどんを魚介類、鶏肉、野菜、その他の具と合わせて食べる鍋料理の一種』として一般に認識されている」との判断を示し、美々卯の訴えを退けた[3]。このため、現在は誰でも自由に「うどんすき」の名称を用いることができる。なお、この高裁判決によって美々卯の商標登録が無効になったというものではなく、登録そのものは依然として有効である。普通名称化した商標一覧#裁判所により普通名称化したとの判断が示されているものも参照。
脚注[編集]
- ^ 西村元三郎「日本料理由来事典【上】」、株式会社同朋舎出版、1990-08‐30。
- ^ 美々卯の歴史年表 美々卯HP
- ^ 日本ユニ著作権センター/判例全文・1997/11/27b 本件商標の「杵屋うどんすき」の構成中「うどんすき」の文字は、取引者、需要者に「うどんを主材料とし魚介類、鶏肉、野菜類等の各種の具を合わせて食べる鍋料理」の一般的名称として認識されているものであるから、本件商標の登録査定時には普通名称化しており、その指定商品との関係においては自他商品の識別機能を有しないものというべきである。