スパゲッティ

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乾麺
茹でている最中のスパゲッティ
茹でたスパゲッティ

スパゲッティイタリア語: spaghetti[1])は、イタリア料理で使われる麺類であるパスタのひとつで、のように細長いものをいう。

イタリア本国においては数あるパスタの中でヌードルの一種を指す代表的なパスタであり、よく食べられているパスタの一つでもある。

起源[編集]

現在までに発見されたヨーロッパで最も古いスパゲッティの遺物は、チェルヴェーテリで紀元前4世紀のエトルリア人の墓から出土したものである。マルコ・ポーロ中国から麺類を伝え、イタリアでスパゲッティが作られた逸話が語られる場合があるが、歴史的事実に基づかない俗説である。

種類[編集]

パスタメーカー

スパゲッティ (spaghetti) という語は、「ひも」を意味するイタリア語 spago に縮小辞のついた形 (spaghetto) の複数形である。原義どおり、デュラム小麦粉セモリナを使ったひも状のパスタで、断面が円形で、太さは2mm弱のものを指す。

  • 少し太い物(2mm強)をスパゲットーニ (spaghettoni)
  • 少し細い物(1.6mm前後)をスパゲッティーニ (spaghettini)
  • さらに細い物(1.3mm - 1.5mm程度)をフェデリーニ (fedelini)
  • 1.2mm未満の物をヴェルミチェッリ (vermicelli) またはカペッリーニ (capellini)

と言い分ける。ヴェルミチェッリは英語読みでバーミセリーと呼ぶこともある。

料理法などについては、パスタを参照。

小麦粉と塩の他に、イカスミ唐辛子ホウレンソウを練り込んだスパゲッティもあり、乾麺として市販されている。

乾燥されて市販されているスパゲッティの多くは茹でるのに1.4mmの細いものでも5分、1.8mmの太いものだと10分以上かかるので乾燥させずにレトルトパックにした商品もある。またレトルトパックを使ってカップで調理できるようにしたインスタントスパゲッティも近年売り上げを伸ばしている。また一部のメーカーでは乾燥状態での麺の断面を改良して最短で茹であがりを2分としているものもある[2]

スパゲッティ料理[編集]

代表的なメニュー[編集]

ナポリタン 
ボロネーゼ 
カルボナーラ 
ヴォンゴレ 
ペペロンチーノ 
プッタネスカ 
アラビアータ 
ネーロ 

スパゲッティの上にシーザーサラダなどを敷き、ドレッシングをかけて食べるスパゲッティサラダや、キュウリタマネギハムなどと一緒にマヨネーズで和えてサラダ風にするものもある。両者とも、コンビニエンスストアやデパートの地下食料品売場、食料品店に並ぶことが多い。主食としてより、サイドディッシュとしての意味合いが強い。定食弁当の付け合わせとして、マヨネーズなどで簡単な味付けがなされたスパゲッティが用いられることもある。

ホワイトソースなどで和えてオーブンで焼き、グラタンとして饗されることもある。ソースは、自家製のほか、缶詰レトルトパックに入ったものが市販されている。

和風スパゲッティ[編集]

たらこスパゲッティ 
和風きのこスパゲッティ 
あんかけスパゲッティ 

日本においてはツナ缶たらこ海苔山菜納豆大根おろし水菜などを使ったり、醤油などで和風の味付けをしたスパゲッティ料理が広く好まれ、和風スパゲッティと呼ばれている。ヘルシー素材が好感を持たれ、国内外で日本人以外が和風の味付けのスパゲッティを食べることも多い。

スパゲッティは、主にフォークで巻き取って食べるが、店によってはフォークではなく箸で食す所もある。

調理済み製品[編集]

ソースが缶詰、瓶詰めで市販されているケースは本家イタリアを筆頭に各国で見られ、スパゲティとソースを合わせた状態で市販される物も増えている。冷凍食品から始まり、日本では20世紀終わり頃からコンビニエンスストアやスーパーマーケットで常温状態で売られることが普通に見られるようになった。種類もミートソース、ナポリタンといった日本でのスパゲッティの代表的存在に加え、和風な物やイタリア風なものまで多岐にわたる。アメリカでも同様にコンビニエンスストアで調理済み常温商品が販売されている。

スパゲッティと日本[編集]

歴史[編集]

1928年、日本で初めての国産スパゲッティ「ボルカノ」は兵庫県尼崎市南塚口町にあった高橋マカロニ(髙橋胖氏)によって製造された。この商品名は彼がイタリアでスパゲティに出会い、その時見たヴェスヴィオ火山からネーミングした。当時は「スパゲッチ」と称した。(現在は日本製麻株式会社ボルカノ食品事業部)

占領期にアメリカ軍兵士がレーションとしてよく食べていたことから知られるようになった。1960年代半ば頃には広く一般家庭でも料理されるようになったが、1980年代後半までは、日本においてスパゲッティといえば、アメリカ式のミートソースと日本生まれであるナポリタンが双璧を成していた。外食メニューとして1960年代当時は大都市部(東京名古屋大阪福岡)や港町(横浜市神戸市)を除けばまだイタリア料理専門店が珍しく、洋食屋や喫茶店などで食べられることが極く一般的であった。

当時は麺を茹でおきしておき(茹でるときに入れる食塩もほんのひとつまみであり、結果、麺自体にほとんど味もコシも効いていない[3])、注文に合わせて肉、ピーマンやタマネギなどと油で炒め、単純に市販のケチャップでからめてそのまま味付けとする方法が一般的であった(つまり焼きそばのような調理法である)。また、レトルトうどんのようなインスタント麺も多かった。こうした調理法であったため、今日のスパゲッティ水準から見ればあまり美味とは言えないものもあった。ただ今日では、レトロなナポリタン・イタリアンなどと称されるケチャップ炒めスパゲティが昭和ノスタルジーの風物として人気を得ている。

こうした「日本風スパゲティ」が、かつては一部の例外を除き、おおむね一般的であった(伊丹十三は、1968年に刊行されたエッセイ集「女たちよ!」において、「スパゲティは断じて、炒めうどん焼きうどん)ではない」と書いている)。しかし1980年代後半からのバブルによる「イタメシブーム」が火付け役となり、本場イタリア風の様々なスパゲッティや日本独自のたらこスパゲッティ(明太子スパゲッティ)が人気となった、そして1990年代半ば頃より、徐々に家庭での調理も本場イタリアの調理法を踏襲するものとなり、また前述のような日本独特の素材と和える方法が各種編み出された。

スプーンとフォーク[編集]

スプーンフォークを用いた食べ方は米国の一部では正式とされるが、欧州(と言ってもイタリア以外ではマナーが必要とされるレストランではほとんど商品化されていないので、この種類の問題は存在しない)やその他の地域では単にフォークのみで食べることが多い(日本でも、バブル期に専門店が増えると、スプーンを使って食べるのは正式なマナーか否かで論争が起きた。細野不二彦の漫画「ママ」でこれについて主人公が持論を述べる場面がある)。アジアではで食べることも多い。イタリアでの伝統的な食べ方では、フォークのみを使い、巻き取って食べる(子供向けや、イタリアでも地方(南部)では、スプーンも添えられることがある)。

スパゲッティに関する俗語[編集]

  • 皿に盛られたスパゲッティのように、何かが複雑に絡み合っている状態のことをスパゲッティに例える。
    • 皿に盛り付けたスパゲティの状態から、電源や信号接続用などのケーブル(コード)が絡み合っている(日本語のたこ足配線に近い)様子を「スパゲティ状態」と比喩する場合もある。
    • 上記に由来して、プログラムの実行順序が整理されていない(汚いと称される)ロジックで記述されたプログラムスパゲティプログラムと揶揄することもある。
    • 医療業界では、延命措置によって身体中チューブだらけになった患者を指して「スパゲッティ」と形容するという(永六輔『大往生』〈岩波新書〉 所収の山崎章郎との対談より)。
    • 北米の高速道路のインターチェンジなど、多数の高架道路が複雑に交差している様子を形容するのに「スパゲティ・ハイウェイ」などと比喩する場合がある。
  • 20世紀中盤にイタリアで作られた西部劇を、英米伊仏などでは「スパゲッティ・ウェスタン」と呼ぶ。日本では「マカロニ・ウェスタン」と呼ばれているが、これは映画評論家の淀川長治が「スパゲッティでは細くて貧弱そうだ」ということで呼び変えたためである。

脚注[編集]

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  1. ^ 複数形。原型はspaghetto
  2. ^ 日清製粉グループ 早ゆでスパゲティ 1.4mm 商品情報
  3. ^ 当時はむしろ、そのような方が好まれたようである。

関連項目[編集]