ソース (調味料)
ソース(英: sauce)は、広義には液体調味料の総称(醤油類を含む)[1]。一般的には狭義の意味で、野菜や果実、香辛料の浸出液に肉汁、砂糖、食塩、食酢等を加えて調味した調味料のことである[1]。日本では特にウスターソースをソースということも多い[1][2]。
概要
[編集]ソースは広義には液体調味料の総称であり、これには醤油なども含まれるが、一般的には狭義の意味で野菜や果実、香辛料の浸出液に肉汁、砂糖、食塩、食酢等を加えて調味した調味料を指す[1]。ソースは原料、製法、色などの違いで多くの種類が存在する[1][2]。その数は数百から数千にも及ぶといわれる[2]。
代表的なものにウスターソース、トマトケチャップ、トマトソース、マヨネーズ、ドレッシング類、チリソース、アンチョビソースなどがある[1][2]。日本ではこの中でも特にウスターソースのことを「ソース」と呼ぶことがある[1][2]。
ソース(sauce)の語源は、ラテン語で塩(原義では塩の供給)を意味するsalといわれている[1][2]。ここから加塩を意味するSalireという名詞が女性化してSalseとなり、フランス語のSauceになったとされる[1]。フランス語のほか、英語、ドイツ語でもSauceである[2]。ラテン語のsalに由来する語にはイタリア語やスペイン語でソースを意味するサルサ(salsa)もある[2](サルサ参照)。
広義の液状の調味料としてのソースには料理用や製菓用などがある[3]。料理用ソースには肉、魚、野菜など料理の種類に合わせたものが用いられ、温かいソース(ソース・ベシャメルなど)と冷たいソース(ソース・マヨネーズやソース・ヴィネグレットなど)がある[3]。製菓用ソースには果汁やピュレ、クリーム、カラメル、溶かしたチョコレートなどを主体にしたものが用いられる[3]。
フランス料理でのソース
[編集]フランス料理でのソースは、中世にさかのぼる。伝承された多数のソースがあった。「古典的」フランス料理(19世紀から20世紀「ヌーベルキュイジーヌ」以前)では、ソースはフランス料理の特性を主に定義するものであった。
19世紀において、シェフのアントナン・カレームが「マザーソース」4種類を定め、基準としてソースを4つに分類した。
- ソース・アルマンド sauce Allemande、卵黄とレモン汁少量をベースとする
- ソース・ベシャメル sauce béchamel、小麦粉と牛乳をベースとする
- ソース・エスパニョール sauce Espagnole、焼いた骨を含むブイヨン(牛肉など)をベースとする
- ソース・ヴルーテ sauce velouté、鶏肉、魚、子牛肉などの、焼いた骨を含まないブイヨンをベースとする
20世紀初頭、シェフのオーギュスト・エスコフィエが分類を更新し、「ソース・アルマンド」を卵ベースの乳化液状(オランデーズとマヨネーズ)に置き換えて、「トマト」を追加した。エスコフィエの分類は今日のシェフにも教えられている。
調理中に使われるソースのほとんどは上記の基本ソースのひとつから派生したものである。基本ソースがレストランで使われることはないが、多くはベアルネーズなどの派生物である。
他の料理でのソース
[編集]他の料理でも、ソースと香辛料は重要な役割を演じる。
- イギリス料理:グレイビーは、(定番として)ジャガイモ、食肉、茹で野菜と付け合わせのヨークシャー・プディングからなる肉料理で伝統的に使われる。ブレッドソースは、イギリス料理での最も古いソースのひとつである。アップルソースとミントソースは肉料理(それぞれ豚肉とラム肉に)使われる。サラダクリームはサラダに使われる。ケチャップとブラウンソースはファストフード類に使われる。英国の辛口マスタードは(フランス、アメリカ同様に)様々な食品に使われ、ウスターソースも同様である。カスタードはデザートソースとして一般的である。これらのソースの慣習はアメリカ合衆国と同様に、元植民地の地域に広まっている。
- イタリア料理のソースには、アルフレード(アルフレッド)、バルサメッラ(ベシャメル)などのホワイトソース、シチリアーナ、ペスカトーレ、ナポリターナ、ピッツァイオーラ、アマトリチャーナ、ラグーなどのレッドソース、主にオリーブ・オイルとニンニクをベースとするペストソースがある。
- サルサ(スペイン語の「ソース」)であるグァカモレ(ワカモレ)、ピコ・デ・ガヨ、サルサ・ベルデ、サルサ・ロハは、アメリカとヨーロッパのラテン系料理の重要な要素である。主にトマト、ニンニク、香辛料が含まれ、濃いソースにはアボカドも含まれる(グァカモレ)。
- 日本料理で使われる主なソースは醤油、味噌、出汁をベースとする。柑橘類風味の醤油であるポン酢醤油、甘みと旨味を加えた醤油である「焼き鳥のたれ」は、醤油ベースのソースの例である。割り下やかえし等も醤油ベースのソースである。味噌ベースのソース(タレ)には、すりゴマを加えた「ゴマ味噌(ごま味噌)」、甘みを加えた「江戸甘味噌」、唐辛子などを加えた「辛味噌(唐辛子味噌)」がある。
- 中華料理では、発酵した大豆をベースとしたソース(醤油、黒豆醤、海鮮醤)、チリソース、オイスターソース他のソースなどの加工済みソースが知られている。珍しい(定番の)ソースに甘酢あん(甜酸醤)があり、他の地域の料理のほとんどで見られない2つの基本風味の組み合わせが並列する。
- タイ料理やベトナム料理のような東南アジア系料理では、魚を発酵した魚醤が使われる。
アジアの加工済みソースには、小麦粉などのとろみを加える成分が入らないため粘り気が無い。コーンスターチなどを調理の最後に加えてとろみを加える。
ソースの一覧
[編集]西洋のソース
[編集]- ホワイトソース
- マッシュルームソース
- ソース・アルマンド
- ソース・アメリケーヌ
- ソース・ヴルーテ
- 乳化ソース
- ヴィネグレットソース(フレンチドレッシング)
- ソース・オランデーズ
- ソース・ベアルネーズ
- サラダクリーム
- アイオリソース
- マヨネーズ
- バターソース
- ソース・ブールブラン
- カフェ・ド・パリ・ソース
- ムニエルソース
- オイルソース系
- アンショワード(アンチョビとオリーブ油)
アジアのソース
[編集]その他各種のソース
[編集]- ウスターソース(イギリス)
- とんかつソース(日本。広義のウスターソースに分類される)
- 中濃ソース(日本。広義のウスターソースに分類される)
- ザジキ(ギリシア)
- ソース・アラシッド(西アフリカ)
- チャツネ (南アジア)
- ブレッドソース (イギリス)
- モーレ (ラテンアメリカ)
- 各社から発売されている各種辛味ソース(商標としてヴィシャス・ヴァイパー、タバスコ、チョルーラ・ホットソース、デスソース、ダティル・ペッパーソース など)
- 蓼酢
スイートソース
[編集]スイートソースについては、デザートソースの一覧も参照。