アルデンテ

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アルデンテイタリア語al dente)とは、スパゲッティなどのパスタを茹でるとき「歯ごたえが残る」という茹で上がり状態の目安とされる表現。

概要[編集]

麺が完全に茹で上がらずに麺の中心が髪の毛の細さ程度の芯を残して茹であげることをいう。

芯を残して茹で上げるのは、茹で水の塩分が麺に完全に入らない分辛くならず、ソースも麺に入りやすくなり美味しさが増すからである。

"al dente" を直訳すると「歯に~」であり、茹で上がりの「歯ごたえのある状態」を示す用語。パスタ以外にも、野菜などの茹で上がり状態を表現する際にも用いる。

茹でる時には硬水の使用が望ましい。軟水でゆでる場合にはアルペンザルツ(岩塩)やにがり硬度を補う[1]。欧州では水の硬度が高いので塩を入れなくても問題ない。(塩析)

誤解[編集]

パスタは一般的に茹で上げた後、うどんやそばのように水で締めない為、その後も余熱で芯まで火が通っていく。その為、パスタは茹であげたときにアルデンテの状態が好ましいとされる。フライパンでソースを絡めたあとや、皿に盛られ口にする瞬間なのではない。

また、日本語にもっとも近い表現は「コシがある」というのが相応しい。しかし、アルデンテは歯ごたえが残る程度に茹でた状態に対して、コシはグルテンを形成する小麦蛋白のグルテニンが作用によるものなので別物。因みにイタリア語には(欧米語のほとんどには)「コシ」という意味の言葉はない。

各国での実例[編集]

イタリア国内・スイスのイタリア語圏内[編集]

アルデンテとはイタリア国内でも乾麺を主体に食べる南イタリア地方で一般的な概念である。また、その南イタリア内にでも地域、店舗、家庭によって好まれる硬さの程度は異なり、ソースの種類や食べる時の状態に合わせて硬さを変えることもある。ローマではパスタをかなり硬めに茹でる習慣があり[2]他の地域から「鉄のアルデンテ」と評される事がある。一方、北イタリア地方、特にヴェネツィアでは他地域より柔らかめに茹でる傾向があると言われている。

なお、「アルデンテは乾麺でなければ成立しない概念であり、生パスタを利用する時はこの概念は適用されない」という勘違いもされているがイタリアでは生パスタもal denteと言う。

ナポリ近辺でのパスタは芯が残ってやや硬い傾向がある。スイスのイタリア語圏では、このアルデンテよりも長い茹で時間で柔らかい状態のパスタが供される場合が多い。

日本国内[編集]

うどんそばなど独自の麺文化のある日本においては、アルデンテでは若干硬く日本人の嗜好に合わないと考える人もいる。日本で売られているスパゲッティに書かれた茹で時間も、もちもちとして程よく芯が柔らかい状態である。「アル・デンテ」という言葉が日本人によく知られるようになったのは1980年伊丹十三のエッセイ『女たちよ!』からである。スパゲッティの召し上がり方をはじめ、多くのことが伝えられた。

アルデンテという名称について、区分ごとに複数の企業が商標登録を行っている[3]。穀物加工品の分野では日清食品ホールディングスが、食品や日用品などの分野では明治製菓倉敷紡績スタイリングライフ・ホールディングスなどが、調理器具ではソニーが、そして電子器具ではシャープがそれぞれ商標登録を出願し、取得している。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ パスタを茹でるときにアルペンザルツをおすすめする訳
  2. ^ これには水の硬度も影響している。
  3. ^ 特許情報プラットホーム、2015年8月29日検索。[1]