コンビニエンスストア
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コンビニエンスストア(英: Convenience store)は、 飲料や食品を中心とする最寄品(もよりひん)をセルフサービス方式で小売りする、小規模な店舗。略称・通称はコンビニなど。
元はアメリカ合衆国で誕生した業態で、アメリカで現在も盛んだが、後発の日本では独自の発展を遂げ、POSシステムなどを世界へ拡大していった[1][2]。
営業時間は、スーパーマーケットや食料雑貨店などと比べると比較的長いことが特徴だが、営業時間は短縮傾向にあり、アメリカでは24時間営業は3割ほどに減ったという指摘もある。日本のコンビニは2000年代などは、ほとんどが24時間営業だったが、方針を転換し、2024年現在では1割ほどの店舗が時短営業している[3]。一方、売場面積は 30m2から250m2程度と比較的小さい。
業界構造は、国により大きく異なる。アメリカでは1店舗〜数店舗程度を運営する会社が数千社存在しているが、日本では大手フランチャイズチェーン 数社が業界の8割の売上を占める寡占状態になっている。
アメリカ合衆国のコンビニエンスストア
[編集]アメリカ合衆国では、2025年のデータで、全米でコンビニは 152,255 店舗 存在している[4]。
そうしたガソリンも販売するコンビニは、日本人が想像するガソリンスタンドと同等の機能も備えてエンジンオイルや洗車用品などのカー用品も販売され、自動車整備に携えるスタッフとピットを擁してエンジンオイルの交換やパンク修理なども行う店舗もある。
ホットドッグやピザの切り売りなどの軽食や、ペットボトルやファウンテン方式(自分でカップに注ぐ方式)のドリンク類、ガム、キャンディーなどの商品が用意されている。アメリカのコンビニでは客が軽食を購入した場合、自動車に戻って車内で食べるのが標準的な利用法なので、日本とは異なり、イートイン形式の店はほとんど無い。
日本のコンビニと比べると、雑貨類の扱いはきわめて少ない。
ニューヨーク市やシカゴ市などの地下鉄・バス網が整備された大都市中心部では駐車場を備えずガソリン販売もしない、都市型のコンビニがある。ビルの1階、あるいは他の階などに設置されている。 アメリカの都市型のコンビニは、グロサリーストア(grocery store、食料雑貨店)との線引きが、やや曖昧になる場合もある。
営業時間
[編集]スーパーマーケットやグロッサリーストアに比べて営業時間が長いのが特徴だが、その営業時間は短縮化の傾向にあるようである。
2012年時点ではアメリカのコンビニの80%が24時間営業だったとする調査報告が2013年にあった[5]。
NACS以外の第三者による2025年の業界分析(特定年のデータを集計したのではなく、おそらく2023年〜2025年ころの利用可能なデータを利用しつつ分析したもの)では、「(アメリカのコンビニの)約30%の店舗が24時間営業」と指摘している記述はある[6]。
業界団体NACSからは営業時間に関する統計データは報告されていない。
米国のコンビニの主力商品
[編集]アメリカのコンビニはガソリン販売所併設型が一般的なので、売上を(1).ガソリン販売、(2).「in-store sales」(店内販売)の2つに大別することが一般的。
- 店内販売が、売上の33パーセントを占める
業界構造と主なチェーン
[編集]- 業界構造
アメリカのコンビニの業界構造は日本とは大きく異なっており、約60%は、1〜10店舗程度しか持たない、独立した小規模事業者(independent operators)によって運営されている。
The bulk of convenience stores comes from “A-sized” (1-10 stores) operators at 95,946 locations (63.0% of total c-stores). “E-sized” operators with more than 500 stores account for 34,042 stores (22.4%).[8]
コンビニエンスストアの大半は、「Aサイズ」事業者(1〜10店舗を運営する業者)によるもので、これが95,946店舗を(アメリカのコンビニ全体の63.0%を)占めている。「Eサイズ」事業者(500店舗以上を持つ事業者)の店舗数は、34,042店舗(全体の22.4%)である。
- 業界団体
アメリカのコンビニ業界の業界団体はNational Association of Convenience Stores(NACS)であり(和訳は「全米コンビニエンスストア協会」が一般的)、1961年設立、会員数は数千社におよび、アメリカ以外の約50カ国の会社も会員になっている。NACSは市場調査、会議や展示会の主催、政治的あるいは法的な提言やロビー活動を行っている。
- 主なチェーン
アメリカのコンビニ市場は大手のチェーン(下に挙げる)の店舗数を全部積算しても全体の2〜3割程度にしかならない。
- 7-Eleven(セブンイレブン)- 全米で12,600–12,800 店ほど
- Circle K(サークルK。およびCouche-Tard)- 全米で5,800–7,000 店ほど。どちらかと言うと南部が強い。
- Casey's - 2,500 店ほどか。中西部、南部
- GPM Investments - 1,400〜1,500 店
- EG America - 1,400弱ほど。各地。イギリス系のチェーン。
- Murphy USA - 1,400弱ほど。全米各地。
アメリカの7-Elevenは、もともとはそちらが本国(本社)だったのだが、日本のセブンイレブンの業績が良かった時期に日本側がアメリカ側を買収し、その傘下に入っている。8割がガソリン販売店併設形式なので、経営母体が石油関連会社というケースもある。全米第3位のシェアを有する「スピードウェイ」の親会社は、石油精製会社のマラソン・ペトロリアムである。2020年、日本のセブン&アイ・ホールディングスがアメリカ国内のシェア拡大のためにスピードウェイの買収を試みたことがあるが、2兆円を超える高額なビジネスとなり破談している[9]。その後同年8月に2兆3000億円で買収することで合意した。
歴史
[編集]コンビニエンスストアはアメリカ合衆国発祥の業態である。
1927年、テキサス州の氷販売店「サウスランド・アイス社」で経営を委任されていたジョン・ジェファーソン・グリーンは、氷の需要が高まる夏季には「週7日・1日16時間」と営業時間を延長し、客に喜ばれていた[10]。さらに客からパン、卵、牛乳なども取り扱いの要望があり、これらも扱うようになったことでコンビニエンスストアの原型となった[10]。同店は、のちに「セブン-イレブン」と改称した。
1939年にはオハイオ州で牛乳販売業を営んでいたジェームズ・J・ローソンが、「ローソンミルク社」を設立し、牛乳のほかに日用品なども販売する小型店「ローソン」をアメリカ合衆国北東部にチェーン展開した[10][11]。ローソンのマークが牛乳缶なのは、発祥が牛乳販売業であったことにちなむ。なお、米国のローソンはデイリーマートとなったのちにアリマンタシォン・クシュタールの傘下となり、サークルKへ転換されている。
日本のコンビニエンスストア
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日本での定義
[編集]定義はいくつかある。
日本の経済産業省による平成26年度「商業統計」(2015年12月25日公表)では、2つの定義が行われている。まず、「産業分類表及び商品分類表」[12]において、「5891 コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)」は、「主として飲食料品を中心とした最寄り品(もよりひん)をセルフサービス方式で小売する事業所で、店舗規模が小さく、終日又は長時間営業を行う事業所をいう。」と定義され、「ミニスーパー(衣・食・住にわたって小売するもの)」や「よろず屋(衣・食・住にわたって小売するもの)」とは異なるものとされる。
一方、同年の「商業統計」別表「業態分類表」[13]においては、業態分類としての「コンビニエンスストア」を、「セルフ方式」で、取扱商品として「飲食料品を扱っていること」、売り場面積は「30平方メートル以上250平方メートル未満」、営業時間は1日に「14時間以上」のもの(終日営業を含む)と定義している。備考欄には「産業分類「5891 コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)」以外も含む。」とあり、2つの定義が異なるため注意が必要である。
歴史概略
[編集]日本初のコンビニエンスストアがどれであるかは、関連資料が少ないことやコンビニエンスストアの定義も当時は曖昧である[14] ことなどから諸説あるため、ここでは有力な事例を複数表記している。全体像として、明らかに増加傾向にある店舗数の統計は、1988年で35,000に迫る勢いであったが、基準の変更により1991年に25,000手前まで絞り込まれている。
- 1962年 - 岐阜県多治見市の国鉄多治見駅に鉄道弘済会によるコンビニエンスストア開店。
- 1968年12月 - 兵庫県神戸市で丸商が開店[14]。
- 1969年3月 - 大阪府豊中市にマイショップの1号店が試験的に開店[14]。これを日本初の事例としているケースもある[15]。
- 1970年3月 - 東京都調布市で朝日屋綜合食品がオックスを団地内に開店した[16]。
- 1970年4月 - 大阪府大阪市にKマートの1号店・十三西店が開店。
- 1971年7月 - 愛知県の山泉商会(現・イズミック)がココストアの1号店(タックメイトに転換後、2016年11月17日に閉店)を愛知県春日井市に開店した[14]。ココストアはこれを日本におけるコンビニエンスストアの歴史の開始としている。
- 1971年8月 - 北海道札幌市の丸ヨ西尾がセイコーマート1号店を札幌市北区に開店した[14]。セイコーマートはこれを日本で最初の本格的コンビニエンスストアとしているほか、現存しているコンビニエンスストアで最も古い店舗・チェーンとされる。
- 1973年9月 - ファミリーマートが実験第1号店を埼玉県狭山市に開店[17]。これを日本初のコンビニエンスストアとしている場合もある。
- 1974年5月15日 - 日本におけるセブン-イレブンの1号店が東京都江東区に開店した[14]。これをもって日本型コンビニエンスストアの1号店とする解釈もある[18]。
- 1975年6月 - セブン-イレブンが福島県郡山市虎丸町の虎丸店で、初の24時間営業を開始[19]。
- 1981年 - 宅配便の取次サービス開始。
- 1982年 - セブン-イレブンが全店にPOSシステムを導入。マーチャンダイジングと呼ばれるマーケティングにPOS情報を活用したのはこれが世界初。
- 1987年 - 公共料金収納代行サービス開始。
- 1996年 - コンサートチケットなどの取り扱いやゲームソフトの販売、商品の宅配サービスを開始。
- 1999年 - 銀行ATM設置(am/pm)。
- 2001年3月29日 - 高速道路内初のコンビニ設置(サンクス・尾張一宮PA店)。
- 2001年11月 - 電子マネー使用開始(am/pm)。
- 2003年 - 郵便ポスト設置(ローソン)。
- 2004年7月30日 - 医薬品の規制緩和によってこれまで医薬品扱いだった整腸薬・便秘薬・ビタミン剤など371品目が医薬部外品となり、コンビニエンスストアや一般小売で販売が可能になった。
- 2004年11月18日 - ゆうパック取次サービス開始(ローソン)。
- 2006年8月31日 - 酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法の失効によりアルコール飲料の販売が自由化。
- 2008年 - 全国のコンビニエンスストア年間売上高が初めて全国の百貨店年間売上高を抜く[20][21]。



営業時間
[編集]営業時間は一律ではない。
コンビニエンスストアの草創期においては、「早朝から深夜まで開いている」ことが特長の一つであった。2000年ころは、チェーン本部が原則として24時間営業することを各店舗経営者に実質的に強制することが多かった。その後、方針が転換し、2024年現在では1割ほどの店舗が時短営業している[3]。
顧客から見た店舗設備と品揃え
[編集]
コピー機、マルチコピー機
[編集]大手のチェーンではコピー機、マルチコピー機(複合機能のコピー機)が標準装備となっている。
2010年には一部の自治体でコンビニのマルチコピー機を利用しマイナンバーカードを利用した住民票や印鑑登録証明書の発行を開始し、2020年には参加市町村は700を超え、システム上はコンビニのマルチコピー機で住民票や印鑑登録証明書の発行を受けることが"可能"な"対象人口"も1億人を超えた[22]。
ATM
[編集]大手チェーンではATMが標準装備となっている。
イートイン
[編集]
コンビニのイートインは、簡易な椅子や机などが用意され客が店内で購入した商品を飲食することができる空間である。ミニストップが全店で展開している。ファミリーマートが追随し、その後セブン-イレブン、ローソン、セイコーマートも追随した[23]。基本的には、店内で購入した弁当、カップ麺、飲料、スイーツなどを座って飲食したい客が活用することを想定している。飲食以外の目的、たとえばゲーム・自習・睡眠などでの利用、あるいは極端な長居は基本的には店舗側の設置意図に反しており、利用を断られる可能性がある。狭小な店舗では用意されていない。運営上の都合で深夜はイートインを閉鎖する店舗も多い。
ゴミ箱
[編集]ゴミ箱を設置する店舗も多い。基本的に、そのコンビニで購入した商品から生じるゴミを捨てるためのものである。それ以外のゴミの量が多い店舗では、ゴミ箱を廃止することも増えている。
トイレ
[編集]顧客の利便性向上を目的にトイレが設置されている。1990年代後半までは原則として従業員のみに利用が限定されている店舗が多かったが、1997年にローソンが一般客向けにもトイレを開放して以降、他のチェーン店でもトイレの一般利用が容認されるようになった[24][25]。
駐車場
[編集]郊外の主要街道沿いや新興市街地で新設される店舗の場合、普通乗用車を10-20台ほど駐車できる駐車場を備えていることが多い。それを確保できることが事実上の開店の条件となっているからである。自転車・オートバイ専用の駐輪スペースを備える店舗も多い。幹線道路沿いでは貨物自動車などの大型車両が駐車できるように広い敷地を確保している店舗も少なくない[26]。駐車場には最低限の夜間照明設備が設けられている。電気自動車用の充電設備を備えた駐車場はごく一部である。市街地、繁華街、駅前の店舗などでは駐車場が無い店舗もある。
業界構造、売上統計
[編集]日本のコンビニ業界の構造は、アメリカのコンビニ業界とは異なり、寡占状態である。
日本経済新聞が2014年度に行った調査によると、国内市場が初めて10兆円を超える規模に成長した[27]。
この年の統計で、トップシェアの「セブン-イレブン・ジャパン」と、それに続く「ファミリーマート」と「ローソン」の上位3社だけで約8割のシェアに達したことが明らかになった[27]。
2020年2月末の4社合計の総店舗数は5万3,285店である。なお、年間閉店数は2018年が3,610店、2019年が2,050店であるが、2018年の総店舗数に占める閉店店舗の比率は6.8%となっており、経営の厳しさも数字に表れている[28]。
2023年1月20日の日本フランチャイズチェーン協会の発表によれば、国内主要コンビニ7社の2022年の全店売上高は、11兆1775億円(対前年比前年比3.7%増)で、2年連続のプラス。コロナ禍前の2019年を上回り、比較可能な2005年以降の過去最高を更新した。来店客数は157億969万人(対前年比0.9%増)で4年ぶりにプラス。平均客単価は711.5円(対前年比2.8%増)[29]。
経営形態の種類
[編集]店舗の経営形態には、フランチャイズ・チェーン方式(FC方式)、ボランタリー・チェーン方式、チェーンなどに属さない独立経営のコンビニエンスストアなどがある。
フランチャイズ店舗
[編集]店舗経営者(フランチャイジー)の多くは個人である。複数店舗を経営する場合には法人化することが多い。他方で、主にビルや運輸関係(バスターミナル・倉庫業など)の施設を所有する既存の会社法人が、サイドビジネスの一環として自社が保有する建物内や遊休地などに店舗を設置して運営することもある。
個人経営の場合、多くは経営者夫妻での加盟を求められるが、複数店舗を運営する場合には店舗毎に店長職を社員として雇用する(いわゆる「雇われ店長」)。これ以外の従業員は、ほとんどがアルバイト・パートなどの非正規雇用の形態で就労する。この場合、従業員は店舗を運営する経営者や法人によって募集・雇用・解雇が行われ、賃金が支払われる。
フランチャイズ・チェーンであるため、フランチャイズ店舗はチェーン本部(フランチャイザー)とフランチャイズ契約を締結し、これに基づいて商標の使用が許可され、店舗運営の指導を受け、商品の供給を受ける関係になる。店舗用地を借りている場合にもフランチャイズ店舗のオーナーが自身で事業用定期借地権を締結し、本部側は紹介・仲介程度の関与である。ほとんどの場合、本部とフランチャイズ店舗の間に資本・人材・雇用の直接的な関係はない。
フランチャイザー直営店舗
[編集]一部にフランチャイザーが自ら経営する直営店舗も存在する。
働く上では直営店舗は本部の店であるため、フランチャイズ店舗に比べるとスーパーバイザー(SV)の巡回回数も多く、厳しい指導がなされる。また新商品導入に関しても直営店はフランチャイズ加盟店の見本であるという名目で、一部の新商品は「送り込み」などといって強制的に納品されることもある。ただし、人事面に関しては、直営店で働くスタッフも給与計算上は時給制の本部社員として扱われ、人件費も全額本部負担であるため、フランチャイズ店舗に比べれば福利厚生は充実している。
北海道内を中心に展開しているセイコーマートでは、他のチェーンとは異なり、プライベートブランド商品を自社で製造しているため、売場づくりや商品の発注量などの営業政策を徹底しやすい直営店舗を増やす方針を取っている。新規出店では直営店舗を主体とするほか、高齢オーナーのフランチャイズ店舗の直営化も積極的に行っている。これによって2005年には30%だった直営店の割合は2019年には約80%となっている[30][31]。
立地場所
[編集]日本のコンビニは最初は主に市街地で展開した。理由は、1974年に制定された大規模小売店舗法による規制や "不動産バブル" によって、既存市街地に新規の商業床(立地条件)を確保することが困難となった大手スーパーマーケット各社が、法規制などに抵触しない小型店舗を展開し始めたからだと言われており、実際にセブン-イレブンはイトーヨーカ堂グループ[† 1]、ローソンはダイエー、ファミリーマートは西友ストアー[† 2]、ミニストップはジャスコグループ[† 3]の新業態としてそれぞれ開始した[32]。
一時期は住宅地にしか展開せず、東京都や大阪府内などの大都市の中でも、丸の内、大手町、虎ノ門、といったオフィス街、新宿駅前、池袋駅前、梅田、難波といった大規模繁華街にはコンビニはほぼ存在しなかったが、1980年代末からam/pmが大都市のオフィス街や繁華街に積極的に出店。その後しばらくして他社も追随し、2000年ごろには都心におけるコンビニは当たり前の光景となった。
市街地では徒歩5〜10分程度の近距離に同一チェーンの店舗が林立していることも多いが、これはチェーン本部による判断で、まず配送センターを設置してその周辺に円を描くように多くの店舗を配置すると配送コストが削減できるので採用している。配送センターは共同配送化が進められており、昭和期の一般的な商店では問屋ごとに店舗への配送が行われていたのに比べて、コンビニの共同配送センターで各問屋からの商品を原則ひとまとめにしてから店舗に配送することで、1店舗あたりの配送回数の削減を実現している。各店舗はおおむね日に2〜5回程度(チェーンによって異なる)の商品配達を受けている。
2000年代にはいわゆる「サテライト店舗」も多数登場した。これは、店舗面積や営業時間などに柔軟性を持たせたもので、従来店の出店基準より、店舗商圏の購買力が低いために出店することが事実上できなかった小規模土地でも出店できるようにしたもので[33] 、この特権を生かし、公共施設である病院・大学・庁舎内などへの出店が増えている。病院内初出店は2000年8月10日(恵寿総合病院内にローソン)、公官庁舎としては2001年1月9日に霞ヶ関中央省庁内に開設され、2002年9月18日には(大阪府警本部庁舎内にファミリーマート)、2004年11月22日(福岡市役所内にローソン)、2005年1月25日(東京都庁舎内にセブン-イレブン)、2025年5月には陸上自衛隊大宮駐屯地に開設され、これを皮切り全国の駐屯地内でも開設が進められた。2003年には高速道路のパーキングエリアとしては初となる横浜新道戸塚パーキングエリア店(ファミリーマート)が開店した。また、高等学校・中学校内初出店は2006年4月11日(栃木県宇都宮市の宇都宮短期大学附属中学校・高等学校キャンパス内にファミリーマート(営業時間は7時45分〜8時25分、12時20分〜13時10分と、食事時間のみ、近隣店のサテライト店舗扱い)が購買部として進出)である。神奈川県伊勢原市の産業能率大学湘南キャンパスにもファミリーマートが出店している。また、ヤマザキショップは以前から山崎製パンの直営ミニコンビニであったが、2013年7月にデイリーヤマザキの運営が子会社から山崎製パンの直営になった際、事実上デイリーヤマザキのサテライト店舗となった。
またこのサテライト店舗の実現により、鉄道系売店も大手コンビニと事実上のエリアフランチャイズとして業務提携を結ぶ事例も多くある。
- 関東では、2006年に東京急行電鉄系列の東急ステーションリテールサービスがローソンとフランチャイズを結び、「toks」とのデュアルブランド「LAWSON+toks」を展開しているのを皮切りとして、東京地下鉄系のメトロコマースもローソンと、東武鉄道系の東武商事(ACCESS TOBU)はファミリーマートとそれぞれフランチャイズ契約、西武鉄道[† 4] もファミリーマートと業務提携を結び「TOMONY」ブランドで展開している。
- 関西では、ジェイアール西日本デイリーサービスネットが展開していたキヨスク(駅構内売店)、およびハートイン(駅前・駅ナカの中・大規模店舗。およびサテライト店舗相当のキヨスク、旧デイリーイン含む)についても、2014年にセブン-イレブン・ジャパンとの業務提携(事実上JR西日本デイリーサービスネットが、セブン-イレブンのチェーン店フランチャイズ化)をしたことにより、これらの店舗に「セブン-イレブン」の冠を付けて営業している[34]。さらに近畿日本鉄道[† 5]がファミリーマートと、大阪市営地下鉄(現・大阪市高速電気軌道)はローソン とフランチャイジーを結び、駅構内売店でこれらのコンビニを展開している。また阪急電鉄および阪神電気鉄道はローソンと[35]南海電気鉄道および神戸電鉄はセブン-イレブンと[36]フランチャイズ契約している。
- 九州では、1999年に九州旅客鉄道の関連企業であるJR九州リテールが展開していた「生活列車」がam/pmのエリアフランチャイズとなってから、駅構内の店舗がすべて「am/pm」店舗となった。2011年のファミリーマートへの吸収・合併に伴い、以後は全店舗ファミリーマートに転換している。2000年代以降、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアへの出店が活発化している(首都高速6号三郷線の八潮パーキングエリアなど)。
- 東日本旅客鉄道のNewDays、東海旅客鉄道のベルマート、京阪電気鉄道[† 6]などのように鉄道事業者の関連企業が直営で展開しているところもあるが、最近では大手コンビニのフランチャイズに入るところが多い。
なお建築基準法により、第一種低層住居専用地域や工業専用地域には建設できなかったが、2016年(平成28年)に福利厚生や買い物弱者の支援などの面から一部緩和された[37][38]。
商品
[編集]コンビニエンスストアの場合、店舗スペースに比較して食品や日用品・雑誌を主体にしているものの取り扱う品種数は非常に多岐にわたり、小売店として汎用性が高いのが特徴である。その一方で都市部の店舗では鮮魚・精肉といった生鮮食品は取り扱わないか、かなり限定的である。野菜や果物もサラダ・漬物・デザートなど惣菜としての場合を除いて単品として扱われることは少ない。[要出典]
価格
[編集]商品の価格は基本的にメーカー希望小売価格ないし、数%程度値引いた価格で販売される(雑誌や書籍の場合は、日本では再販制度があり、すべて定価での販売となる)[要出典]。
セイコーマートなどでは以前から値引きを行っていたが、コンビニ業界全体では例外的な存在であった。
しかし2005年9月3日、国内最大手のセブン-イレブンがコカ・コーラなど清涼飲料水7品目についてメーカー希望小売価格から15%の値下げに踏み切った。同社は同月よりイトーヨーカドーなどとセブン&アイ・ホールディングスを設立し、巨大小売グループの共同仕入れによる大量購入を背景とした価格交渉力の強化によって納入価格引下げをメーカーに要求した。同日より、イオングループのミニストップもコカ・コーラなど5品目につき15%の対抗値下げを実施した。
さらにセブン-イレブンは、2006年には調味料30品目を値下げ、2009年4月14日には洗剤や歯磨き粉などの日用品31品目を平均15%値下げした[39]。
2020年以降は、一部の特定商品を実質半額で購入できる「一つ買うともう一つ無料」キャンペーンを期間限定を行っている場合が多い。
企画
[編集]コンビニ本部は商品のサプライヤーに対する新商品の提案なども行っており、これらの市場調査は各店舗の販売データを基に本部の主導によって行われている。[要出典]
このためメーカーではコンビニ側の提案を積極的に受け入れた製品を開発することで自社製品を売り込み、コンビニ店頭に置いてもらうことで、その売れ行きを占う方向性も生まれた。たとえば、先に挙げた500mlペットボトル飲料市場では、コンビニ各社が提供する売れ筋情報の結果で、メーカーの商品企画開発部門が一喜一憂することも多く、このような場面はテレビの経済番組などでもメーカーとコンビニ業界の関係を題材としたトピックなどで多く取り上げられてきた。また、700円購入ごとにくじ引きができたり、「一番くじ」と呼ばれるキャラクターグッズのくじ引き、特定商品の組み合わせで有名アニメやアイドルのクリアファイルをプレゼントなど、メーカーとコンビニ本部のタイアップによるチェーン限定のキャンペーンも数多く行われている。
並行して、コンビニ本部は多くの商品でプライベートブランド(PB)での独自商品の企画・供給・販売も手がけている。この場合、一部では既存商品にコンビニのロゴを追加したコンビニ向け独自パッケージの製品で、名義上の製造者自体はコンビニ本部ではなくそのメーカーというものも存在する。スーパーマーケットを親会社や系列会社に持つチェーンでは、これらと共通のPB商品が販売されることも多い。いずれにしても、大型化した小売業の世界では巨大な販売網を背景にした大量発注・大量販売による規模の経済の効果を利用して、PB商品の価格を同種製品よりも若干安価に設定しその価格力で販売するのが常道となっている。顕著な例としてはスナック菓子が挙げられ、一部チェーンではオリジナルのPB商品だけで店舗の什器を1つないし2つ占めてしまうほどの規模になる。[要出典]
発注・仕入
[編集]チェーンによって対応は多少異なるが、商品仕入については、基本的に本部の指定業者からの指定商品のみに限られる[要出典]。仕入代金の決済は本部が代行する[要出典]。
商品の発注は締切時刻までに本部にデータを送信すればすべて電子的に処理され、地域・物品や発注タイミングにもよるが、おおむね当日の夜、翌日、遅くても翌々日の朝には納品される。毎日納品されるものもあれば週3回程度納品されるものなどがある。デリカ類・パンなどは1日に複数回納品される。以前は納入業者がそれぞれ納品をしていたが、環境問題への配慮や効率化などから共同配送や温度管理の異なる商品の混載が進み、納品するトラックの便数は減少する傾向にある。なお、納品に使用されるトラックは2トントラックや3トントラックの部分冷凍機能を持つ冷蔵車が中心で、コンビニ向け仕様の有蓋荷台が使用されている。なお、食品以外については同サイズの一般的な有蓋車も使用される。また、雑誌類・新聞類は大半が専門業者によって配送されており、車両については運送業者・地域などで差異が見られる。公営競技の予想紙などではバイク便が用いられる地域もある[要出典]。
情報システム面ではPOSシステムを利用し、季節・天候・地域性・性別・年齢層・流行などからなる売れ行き情報などを管理・分析することで売れ行き商品を的確に把握し、限られた店舗内で最大売上を挙げられるよう仕入の効率化を追求している。特に500ml入りペットボトル飲料に関しては、さまざまなメーカーより多種多様な新規製品が発売・投入されるが、それらを限られた店舗内に取り揃えることは不可能であるため、POSデータによる分析で長くても1か月以内に売れ筋か廃れる商品かを判定され、商品入れ替えが激しく行われている。これにより市場で生き残る清涼飲料水は0.1%程度である[40]。
コンビニの各店舗にはフランチャイザーから担当社員が定期的に巡回しており、また、POSシステムの情報機能なども活用して需要予測などの情報提供や仕入の指導を行うが、どの商品を・どれだけ・いつ仕入れるかなど、仕入の判断は各店舗のオーナーの権限と責任とされている。実際現場では、士気の向上を理由にアルバイト従業員に仕入れの判断をさせていることも多い[要出典]。その判断が正しければ店舗の売上増となるが、需要を読み違えれば品切れとなり売上が伸びなくなったり、あるいは仕入量が多過ぎて商品が期限切れとなると、後述するように商品ロスはその店舗・経営者が被ることになる[要出典]。
地域の祭礼・イベントの開催時には、来店客数の増加を見込んで過去のPOSデータなどを参照し、デリカ類・ドリンク類の仕入量を一定期間のみ大幅に増加させる[要出典]。
一般的に店舗が独自で仕入・販売を行う場合には、所定の手続と本部の事前承認が必要となっており、きわめて限定的なものになっている[要出典]。
なお、一部の店舗が独自に仕入れて取り扱うことがある商品の例としては、以下の様なものが挙げられる[要出典]。
- きわめて限られた特定の地域のみで販売・消費される特産品・名物・食品[要出典]
- 地元地域でロケーション撮影やロケーション・ハンティングを行ったり、地元地域に題材や映像素材を求めた映画・テレビドラマ・テレビアニメなどの関連グッズ[要出典]
- 高速道路が近い店舗ではカー用品[要出典]
- バス停が近い店舗では回数券・バスカード[要出典]
- 店舗の近隣で開催される公営競技の予想紙(競輪新聞・地方競馬の競馬新聞[要出典] など)
- この他、JR系の店舗ではキヨスク(鉄道弘済会売店)時代の名残で2018年9月まで新聞や雑誌を鉄道弘済会経由で仕入れており、これらも独自商品扱いとなる[要出典]。
- 鉄道会社系の店舗では鉄道ファン向けのグッズを取り扱うことも多い[要出典]。
新聞・書籍
[編集]新聞、書籍(雑誌含む)は定価による販売である。手数料は約2割。これらは指定再販商品であり値引き販売をすることはできない。また売れ残った場合は返品できるため売れ残りによる店舗側のリスクはないが、返品期限[41] を過ぎた場合は継続して販売するか廃棄するかの選択になり、廃棄する場合は店のリスクとなる。新聞については新聞特殊指定も参照のこと。

酒・たばこ
[編集]酒は店舗ごとに自由に価格を設定できる。たばこは定価による販売であるが、近年は[いつ?]一定量(1カートン程度)以上の購入でおまけ(ライター・缶コーヒーなど)をつけるなどといった手法で実質的に値引きが常態化している。また、たばこメーカーが指定する什器を店舗に設置するとたばこメーカーから店舗経営者に報奨金が入る。
たばこはレジカウンターに陳列されていることが多く、銘柄(または添えられている注文用の番号)と数量を店員に申告して購入する形式をとっている。
いずれも20歳未満は法律で購入が禁止されており、大手チェーンではコンビニだけの独特な方法をとらないと購入ができない[† 7]。
たとえば当該商品のバーコードをスキャンすると、POSレジから「年齢確認が必要な商品です」のアナウンスとともに「あなたは20歳以上ですか?」という画面表示がされ「はい」を選択しないと購入ができないようになっており、「はい」選択後もPOSレジから「身分証明書の提示をお願いすることがあります」とアナウンスが流れることがある。これらのアナウンスは店内にいるほかの従業員や来店客にも聞こえるような音量で流れていることが多い。
日本の二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律では、買った者は没収のみの処分だが、20歳未満と知りながら売った店と売った店員は処罰される。[42]。
一部の店舗ではたばこを扱っていないことがあり、これらの店舗では店頭の看板などに「たばこ」の表記がない。また、オーナーの交代などで一時的にたばこが販売できない場合があり、その場合は店頭の看板などに記載されている「たばこ」の部分をテープなどで隠していることがある。
かつては酒販免許がコンビニエンスストアに与えられなかった時期が長く、酒の販売を行うために酒販店に対してフランチャイズ契約を持ちかけ、コンビニエンスストアに衣替えさせることが多く見られた[† 8]。そのため、1980年代までは店名に酒販店の屋号が入っていることが多かった。酒販店が母体の店舗では、酒の販売に力を入れているところも存在する。
企画商品
[編集]コンビニチェーン本部では、季節や時節のイベントに応じた特別企画を投入したり、季節商品の予約販売などを実施している。
具体的には、正月の御節料理、節分の恵方巻、バレンタインデーのチョコレート、土用の丑の日のうな重(蒲焼弁当)、クリスマスのクリスマスケーキなどが代表的なものであり、チェーン本部はデリカ製造会社や大手食品メーカーなどとタイアップして季節ごとの恒例行事として企画を立ち上げ、店頭でのPOPや店員による宣伝・勧誘を強化することで予約を集め、大量生産・大量販売を行っている。そのほかにも、節分の恵方巻などのように、もともとは限られた地域の風習であったものがコンビニの企画商品を端緒として毎年恒例の商業的イベントと化していき、食品スーパーなどもこれに便乗する形で全国に広められていったものもある。企画商品の多くが、まず店舗ごとの割り当て量が決められ、その計画生産量に沿って材料を調達している。[要出典]
また、ディズニーやサンリオなどのキャラクター商品や、テレビ番組・テレビアニメ・映画・漫画雑誌などとタイアップ契約を結んで企画した商品を、コンビニチェーンが自社限定の数量限定商品として企画し、販売することも多い。[要出典]
宅配便の集荷
[編集]宅配便を受け付けている店舗では、1日1〜2回ほど業者が来店し宅配便の集荷が行われる。荷物は原則として店舗バックルームに保管される。メジャーやはかり・伝票や各種シール類は店舗に備え付けてあり、着払いの利用もできる。
運賃や最短到着日時は大手チェーンの場合は、郵便番号や電話番号を入力するとレジに自動で表示される。発払いの場合は、代金をレジで支払う。冷蔵・冷凍サービスや速達サービスは利用できない。また1日数回の集荷を原則としているため、最大24時間荷物は店舗に滞留されることになる。コンビニ店員を介すため、渡し忘れなどの人的ミスがあった場合、指定日時に配達できなくなる。このような理由から、慎重な取り扱いを必要とする荷物・急ぎ・指定日時厳守で配達してほしい場合は直接宅配便のセンター(営業所)に持ち込んだほうが確実である。
生鮮コンビニ
[編集]上記のSHOP99が先駆けとなり、生鮮食品の販売、廉価均一販売をセールスポイントにしたコンビニエンスストアが増加している。
食品廃棄
[編集]食品については、賞味期限(消費期限)が迫っても値引きで販売することを認めておらず、売れ残りは店舗側の負担で廃棄され(店員が売れ残りの一部を食べる場合もあるが、セブン-イレブンなどほとんどのチェーンでは内引きの誘因になるなどといった理由から禁止されている) 、チェーン・店舗によっては飼料化・肥料化・再食品化されているケースもある[43][44][45]。ただし、生鮮やデリカではない菓子類は賞味期限接近のほか、商品入換などを理由に値引き販売されることも少なくない。
店頭においては、後述するようにPOSシステムを活用して、1個でも多くの商品を無駄を少なく販売することと、また売り切れることなく顧客の手に確実に届けることが同時に要求される。そのため、オーナーは、毎日の時間ごとの販売量の管理以外にも、近隣の祭礼やイベントなど状況に応じて後述するように仕入量を随時変化させ、店頭で業務に携わる従業員の人数も適宜調整するべく、さまざまなノウハウを蓄積していく必要がある。
加盟者にとっての経費
[編集]保証金
[編集]開店時に本部に預託する保証金は以前ほど必要なくなっている[46]。なお、開業時には本部から商品代金を借り受けることができるので、少ない手持ち資金でも開業できるが、夫婦の身元審査を通過しなければならない。夫婦のどちらかに破産歴があるなどの場合は法人化すれば会社と代表者1名のみの審査で済む。
店舗や設備が店舗経営者の所有でないケースでは、店舗側で管理している資産は商品が主になる。
売上金
[編集]本部にて各種決済が代行されるため、売上金は基本的に全額本部に入金される。これは本部の管理であり、万が一にも本部が経営破綻した場合、返還される保証は基本的にない。
最低保証制度
[編集]コンビニチェーンの多くでは、高額なロイヤリティーのために一日平均の売上が35万円を下回ると、赤字経営となる(チャージ率が50%で利益率35%の場合)。30万円を下回ると閉店対象になりうる。その不安定な状態からオーナーを保護するため、前年比で売上が下がった店舗などを対象に、最低保証制度が用意されている[要出典]。
金額は各社異なるが、年間1,800万円前後である。チャージは本部が負担する。仮にある月の売上が10万円、次の月が20万円だったとしても、利益が最低保証より下回ることはない。逆に40万円で安定した場合、追加支払をしなければならない場合もある。オーナー総収入とも呼ばれるが、決してオーナーの手取額ではない。なお、最低保証店舗を恒久的に存続させると本部の経営に影響が出るため、次回契約更新時に本部から閉店や移転を促されるケースもある[要出典]。
ロイヤリティー
[編集]店舗経営者から本部に支払われるものはロイヤリティーのみが原則で、本部は商品提供(仕入代行)、会計代行、店舗什器、POSシステム・レジスター端末などの機器の提供(レンタル)、各種システムの構築、企画、宣伝、店舗運営指導などを受け持つ。ロイヤリティーはいくつかの名目(店舗数など)で減額されるが、粗利の50%と、かなり高額である。粗利とは売上額からその名目上の仕入原価を除いたものであり、利益とは異なる。ファーストフードなど店内調理品の場合は本来の原価よりかなり低い額が原価として設定される[要出典]。
ロイヤリティーの率はチェーンによって違いがあり、店舗物件の所有形態、導入機器の違いなどによって率はさらに大きく異なる。店舗経営者が店舗や内装を所有する場合は大手チェーンの場合で粗利の35%ないし45%であり、特別に低い条件でも30%程度である。リース機材が多いチェーンでは機材レンタル費などの形ではあっても実質的に本部に払う金額がより高くなることも見られる[要出典]。
近年は[いつ?]新規開業者の多くは店舗などを所有していない場合が普通だが、この場合ロイヤリティーの率も高くなり、50%を大きく超えることが多い。このようにコンビニエンスストアの場合、粗利の大きな部分がロイヤリティーとして支払われるため、単純な売上のみで店舗の経営状態は判断できない。フランチャイズ・ビジネスが日本にあまり定着していない時代において、共同経営にも似たこのロイヤリティー率は「共存共栄」という言葉で説明されていた。
2009年、セブン-イレブンは、公正取引委員会から本部担当者が期限前の値引きを行う「見切り販売」を不当に制限したとして独占禁止法違反(優越的地位の乱用)で排除措置命令を受け、廃棄ロス原価のうち15%を本部が負担する支援策を発表した[47]。
営業費
[編集]営業費については、人件費以外では固定的な費用が多くを占めており、店舗側の単独の努力で削減できるものはないに等しい。コーヒーやドーナツなど新たな商材の販売に伴い関連費用[† 9] が増加している。
人件費は各種サービスの取扱拡大、最低賃金の改定などの理由で、従業員教育にかなりの時間と手間が必要になってきており、上昇傾向にある。
なお、ファミリーマートでは24時間営業する店舗に奨励金を支払ったり[48]、セブン・イレブンやローソンでは水道光熱費の一部の費用[49][50] を支払ったりするなど、一部の費用は本部が負担する場合もある。
商品ロスの扱い
[編集]
コンビニでは消費期限のある程度前に「販売期限」が設定され、販売期限の経過した商品は、ロスとして廃棄処理しなければならない。
大手チェーンの弁当・おにぎり・パンなどは、販売期限情報をバーコードに含んでおり、販売期限を超過した場合レジが通らないシステムになっている。
しかし、人件費高騰などへの対策から、昨今の風潮を反映して商品ロスを減らすことを重視する経営者が増えており、時間帯によっては弁当類が全品品切れとなるような店舗も増えつつある。
売れ残ったまま消費期限を迎える商品については、特に値下げなどによる見切り販売は行わず、原則としてすべて廃棄対象とすることが多い。これは本部と店舗とのFC契約において通常「見切り販売はFC契約解除、もしくは次回契約更新時の契約拒否事由にあたる」との条項が含まれていることが理由である。しかし「まだ食べられる食品を捨ててしまうのはもったいない」という消費者側からの意見や、「店舗側による自由な販売を本部側が制限するのは、独占禁止法で禁止された『優越的地位の濫用』にあたる」との指摘が以前からある。2009年2月には、公正取引委員会がセブン-イレブンに対し独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行い[51]、同年6月には同社に対し排除措置命令を出すに至った[52]。これを受けてコンビニ店舗の一部で見切り販売を始める動きも出始めた[53][54]。
2020年代に入ると、セブン-イレブンによる「エシカルプロジェクト」のように、食品廃棄ロスの削減を目的に本部側が主導で、消費期限切れの近い商品を対象としたポイント還元等を行う例も見られるようになった。実際同社では「エシカルプロジェクト」の開始により、弁当類の廃棄ロスを約2割削減できたという[55]。
損耗
[編集]POSデータ(販売時点情報管理)により集計された理論上の在庫と実際の在庫の差は損耗となる。損耗の発生する主な要因は品物の誤計数、レジの誤入力、万引きによる盗難である。消費期限切れによる廃棄や不良品の交換はPOSで集計されるため損耗には含まれない。
チェーン本部による従業員への「指導」
[編集]コンビニエンスストア・チェーンにおいては、店舗の内装や品揃え・在庫状況に加え、接客態度や店内の清掃状況などといった雰囲気に含まれる事柄までを含めて、「コンビニエンスストア」という商品の範疇として扱う。また基本的には同一社のチェーン店ならば全国どこの店舗であっても同様の商品やサービスが同様の手順で購入・利用できるようにシステムが設定され、またそのように接客対応できることが要求される。
そのため、チェーン本部では、各フランチャイズ店にPOSシステムで集計された売れ筋情報(データマイニング)を配慮した品揃えを求めたり、接客対応のマニュアル化や、店舗設備の効率化を推し量ったうえでの内装の決定を行ったりしている。また各フランチャイズ店を定期的に見回り、本部の方針を伝えたり、本部への意見を聴取したり、あるいは仕入れ・販売・接客技術の指導を行う専門の社員(スーパーバイザー)が存在する。
大手チェーンの場合、店舗の雰囲気や商品陳列、店内設備の状況も本部によるチェックと指導の対象となる。実際、店内における売り場の配置はもとより、1つの什器の中での商品陳列順さえ本部側が権限を握っており、新商品の発売予定があるごとに店側にペーパー配布などの形で指示がされる。それ以外にも、季節ごとにペーパー配布などの形で棚替えと呼ばれる作業を行わなければならない。さらにチェーンによっては、店頭のPOP広告の掲示方法、トイレの臭気、店舗フロアの床(蛍光灯・LED)の光沢度、駐車場の雑草・舗装・塗装の状態など数多くの項目で事細かな基準が設けられており、本部社員や本部指定の外注業者によってメンテナンスや定期的な機械計測が行われ、本部からの「指導」という形でフランチャイズ店舗のオーナーに修繕や交換などが指示される場合もある。
駆け込み場所としての利用
[編集]日本フランチャイズチェーン協会の2006年に発表した資料[56] によれば、2005年10月からの半年未満で、全国36,622店のコンビニエンスストアで約5,300件の駆け込み事例があったという。なお日本フランチャイズチェーン協会は、2005年から加盟店舗にセーフティステーション活動(通称「SS活動」[57])を行っている。
現況
[編集]再編
[編集]コンビニ誕生以降、競争激化による合併や倒産などの要素にてチェーン店の再編がたびたび行われており、1990年代にはサンチェーンがローソンへ統合、ヤマザキデイリーストアとサンエブリーがデイリーヤマザキへ統合、2000年代には、都市部などで飽和状態になっていること[58] などが起因して、HOT SPARの日本国内からの事業撤退[† 10]、am/pm・サークルKサンクス・ココストアが相次いでファミリーマートへ統合、新鮮組・セーブオン・スリーエフ・ポプラがローソン店舗への転換などが行われている。
コンビニの情報収集分析力やスケールメリットを活かした展開を行える部分に商社側は魅力を感じており[58][59]、コンビニ側も商社の持つ企業・人材・商材ネットワークを活かして新商品開発や異業種との提携を行いやすくなる利点[58][59][60]、とお互いにメリットがあることから近年[いつ?]商社とコンビニの関係が深まっており、三菱商事がローソンやイオンと、伊藤忠商事がファミリーマートやサークルKサンクスと、それぞれ取引関係にある。また、それに関連して商社主導の再編も一部で予測されている[58][59]。
キャッシュレス導入
[編集]レジ会計での支払いの方法には現金に加えて、クレジットカード・プリペイドカード・デビットカード・電子マネーが導入された。2012年7月時点[要出典]では、広域展開チェーンのほぼすべてで自社運営か他社運営かは別にして何らかの電子マネーによる代金決済のシステムが導入されている[要出典]。
例外は各種料金収納代行やタバコなど一部商品。また100円ショップ型やボランタリー・チェーン型の店舗である。
運営の多様化
[編集]2011年の新聞記事では、コンビニチェーンの一部で店舗の運営形態や機能を多様化させる試みが行われている、と書かれた[61]。ファミリーマートはCD・DVDレンタル大手のTSUTAYAと一体化した店舗を2010年12月に初めて出した。また、イオン大宮店の有料遊技場「ファンタジーキッズーナ」の中には、座席を多数設置したミニストップが出店した。ローソンは[いつ?]マツモトキヨシと共同で企画した店舗を千葉県内に[要出典]出店した。ファミリーマートは[いつ?]ドラッグコスコと共同で企画した店舗を長野県松本市内にオープンさせた[要出典]。
広島県神石郡神石高原町では、2011年夏、全国初の "官民が共同で運営するコンビニエンスストア" がオープン。出店したのはローソンで、さんわ182ステーションの一角にて営業[62]。
課題
[編集]防犯対策
[編集]コンビニでは、防犯が課題となる。「商店の強盗事件のうち77.9%は、コンビニエンスストアでの被害」というデータもある[63]。
深夜・早朝時間帯には、強盗や恐喝などが増える。
- 対策[64]
コンビニは、防犯策が採られる。次のような手法である[要出典]。
- 店頭レジの保管金額を抑える[要出典]
- 深夜時間帯はレジを1台体制にする。深夜の1万円札使用を禁止したり、1万円札は金庫に回収したりする[要出典]。
- 夜間には事務所の金庫 の開扉をシステム的に不可能にする[要出典]
- フルフェイスヘルメット着用者の入店拒否[要出典]
- 防犯カメラの設置、強化。駐車場、レジ、バックヤード、ATMの近くなど。死角をなくす[要出典]。防犯カメラの定期的な点検[要出典]。2010年代以降の新店では、フルHD画質で16画面同時録画できるシステムもあり、ほぼ死角は存在しない[要出典]。
- 客の顔を見て挨拶をする[要出典]。
- カラーボールやカラースプレーの常備[要出典]。
- 深夜時間帯のスタッフ2名以上の配置(なるべく深夜は男性店員を置く)。[要出典]
- 綜合警備保障(ALSOK)やセコム(SECOM)などの24時間警備システムの設置。[要出典]
- お客様トラブルの積極的な警備会社への通報。[要出典]
- 非常時に光と音で周囲に異常を知らせる赤色灯の設置。[要出典]
- コンビニで次に高額商品といわれるスマートフォン充電器やSDメモリーカードは、レジから見えやすい位置に配置したりダミーカメラを設置し、心理的に万引きを防止する。[要出典]
地元警察と連携を取る店舗もある。地元警察との連携は双方向的なものとなってきている。警察官がコンビニエンスストアを利用する場合において、従来は交代で食事などに出た警官がコンビニなどで買い物をする際に「勤務時間内にコンビニでサボっている」や「公私混同している」との風評被害を避けるため、制帽を脱いで私服の上着を着用するなどといった服装規定が定められていたが、2000年ごろから急激にコンビニ強盗が増えたこともあり、2003年12月より愛知県警においては、制服のままコンビニに出入りさせることで、地域防犯の向上に役立てようという運動を始めている。その他の地域でも同様な活動が行われており、警邏中の警官が気軽に巡回中に立ち寄ることで、強盗事件などの発生の減少が期待されている。また、コンビニに立ち寄った不審な人物を店員が警察に連絡し、近隣で起きたほかの事件の被疑者の検挙につながったケースも見られている。また、コンビニ強盗事件の発生時には、地域のすべてのコンビニの店内・事務所や周辺で覆面車両や警察官が警戒・待機するなど、さまざまな非常の対策が取られることもある。
一部店舗では警備会社の私服警備員にフランチャイズ店舗を巡回させている[要出典]。
アメリカのコンビニでは強盗犯を撃退するために拳銃やショットガンを用意し、繰り返し強盗被害に遭った店舗では店舗存続や経営者の生活・人生設計にかかわるので強盗犯を射殺することもいとわなくなることがあるが、日本のコンビニでは特に個人オーナーが直接店長を務める店では、店長の個人的な判断により、木刀やバット、特殊警棒、刺股、防犯スプレーなどで武装する場合もあり、これらによる撃退事例も報告されている。
その他、知能犯や複雑な事例もある。
コンビニで発生した事件の例 (強盗・窃盗除く)
[編集]- 酒類・たばこを購入しようとした客に年齢確認しようとすると、「顔見れば分かるだろ!」と激昂してレジの液晶を破壊した63歳男を逮捕[68]。
- 店長に硬貨を投げつけ、「ちゃんと拾えや!」と恫喝し、威力業務妨害の現行犯で、無職21歳男ら4人を逮捕[69]。
- コンビニに助けを求め駆け込んだ交際相手を追いかけた男を、その後コンビニにて殺害した疑いで逮捕[70]。
人手不足
[編集]経済産業省のコンビニオーナーへのアンケート調査(2018年度)によれば、「従業員は十分に足りている」と回答したのは全体のわずか6%で、「従業員は足りているが何かあれば運営に支障がでると思う」が34%、「従業員が不足している」が61%であった[71]。
多数のチェーンでは店舗運営のマニュアルの中で、安定した店舗運営のためにオーナーに対して従業員を所定数確保し過度の負担がかからないような体制を組むことなどを求めているが、実際には、オーナーが従業員に対して露骨な選別まがいのこと(容姿の端麗な人物の採用や、夕方の時間帯を女子高生のみにして男性サラリーマン受けをよくするなど)をしたり、逆に従来から在籍する従業員の性格・素行的問題などが原因で新規従業員が長続きしない店舗も見られる。
FC店の従業員の過労死に関して、遺族がFC店の店主のみならず、コンビニエンスストアの本社に対しても訴訟を起こしたケースもある。2012年に大阪地方裁判所にファミリーマートを相手取り起こした訴訟では、2016年12月22日付で、ファミリーマートと店主側が遺族に対し、解決金計4,300万円を支払うことで和解が成立したことが判明した。直接の雇用関係にないFC店の従業員に対し、本部が労働災害に解決金を支払うのは、異例の対応とされる[72]。
2017年1月には、セブン-イレブン店舗にて風邪で病欠したアルバイト従業員の女子高生に対し、代替者を見つけなかったペナルティとして、労働基準法が規定する制裁による減額を超える9,350円を違法に給与から減額していた事例[73] がTwitterの投稿で発覚し、Yahoo!ニューストップに掲載、全国報道された。この店では人を見つけないとペナルティというルールがあったという。労基法24条(全額払いの原則)、91条(制裁規定の制限)に違反する。当初セブン-イレブン本部は「加盟店の問題」としていたが、事件が明るみに出るにつれ対応を転換、違法を認め加盟店に謝罪と返金を指導した。
労働基準法違反の例
- 8時間を超過するシフトを作成している(原則として禁止)[72]。
- 6時間を超えると45分、8時間を超えると1時間の休憩をとることができるシフトになっていない。
- 2人体制で1人がレジをやっている間、混んだ場合バックルームで休憩していてもブザーで呼び出されレジをしなければならない。
- 休憩中、店外にでることができない(休憩は自由に利用できなければならない)。
- 時給を1分ごとに支払わない(15分ごとに丸めているコンビニが大半)。
- 朝礼があるなどと言い、15分前の出勤を強制させているにもかかわらず、給与を支払わない(セブン-イレブンの一部店舗)。
- 本来は更衣前の時間も勤務であるが、更衣後に出勤登録するよう本部が指導している(ファミリーマート等)。
- 人手不足などと理由をつけ、休日を労基法通り与えない(最低週に1日または、4週に4日の休日が必要)[72]。
- 月168時間労働しているのに、社会保険に加入できない。
- 研修中の場合、最低賃金を下回る時給となる。
- 22時〜5時以外の時給を昇給した際に、22時〜5時の時給を昇給しない(25%割増が必要)。
- 給与算出システムが「時給×勤務時間」のみで、三六協定を結んでいないにもかかわらず、時間外割増賃金を支払わない。
- 勤務中に負傷をしたにもかかわらず、労基法が規定する手当を支払わない(社保に加入していない場合)。
- 「うちには有給制度はない」と説明する(有給休暇は、店舗によって与えられるものではなく、国が労働者に対して与える制度である)。
- 高校生がテスト期間で長期間の欠勤を申し入れしてきたことに対し、労働力にならないためシフトを短縮するなどの報復行為。
- レジの違算や業務中発生させた損害を、給与から天引きする。
- 「名ばかり店長」として労基法適用対象外とさせ、1日23時間労働・休みなしで残業代もなく固定給のみとする(「正社員#名ばかり正社員」も参照)。
店員に対するノルマ・自爆営業
[編集]2017年に入り、コンビニではアルバイト店員に恵方巻の自爆営業を課す例が相次いだ。オーナーから予約50〜100件のノルマを課せられた例をはじめ、数十本程度のノルマがあったという報告が多く、ノルマを達成できない場合は自ら買い取るいわゆる「自爆営業」などの例もツイッター上に寄せられている。NHKは1月26日・2月2日のニュースでそうした例を取り上げ、労働組合の相談窓口には売れ残りの数万円分を給料から天引きされた例なども寄せられたと報じた。こうした例は労働基準法第24条に違反する違法行為となる。
以下のような現状から、新規でオーナーを務める人員は皆無の状態が続いており、加盟金の減額制度・複数店経営の奨励・シニア加盟制度など、各社工夫を凝らしている。
コンビニエンスストアが普及し始めた頃は、周辺に長時間営業を行う小売店が少数であるためにかなりの利益を上げていた。しかし、1990年代以降は自社や他社のドミナント出店、加えてスーパーマーケットの営業時間の深夜帯への延長や24時間営業の開始もあって競争が激化している。そのため、開店だけはしたものの、短期間で閉店・閉鎖へと追い込まれる店舗も増加した。
地域とのつながり
[編集]経済産業省が2009年(平成21年)にまとめた報告書によれば、コンビニの商店会加入率は2割強にとどまっている。また、地域や商店街とのつながりを持ちたいが、本部へのロイヤルティー(経営指導料)の負担が重いほか、原則として24時間営業を行うよう指導されているため公休も取りづらいといった事情から協力は厳しいという経営者がいる一方で、店舗が存在する地域に対してあまり興味を示さない経営者もいる。このような理由から、商店街の商店の中にはコンビニに対して反発を示す者もいる[74]。
営業時間の短縮
[編集]24時間営業を見直す理由としては、以下が挙げられている。
- 自分が経営する加盟店の利益が改善するから[75]。
- 深夜業(22時〜翌朝5時)の場合、労働基準法に基づき割増賃金(時給の25%増し)も上乗せしなければならず、深夜営業のコストは比較的高いこと。
- 募集しても深夜勤務を受け入れてくれる人材が十分に集まらない[75]。
- 24時間営業だと、仮に募集がうまくいった場合でも、加盟店経営者は夜中でも店からの呼び出しを心配しなければならず気が休まらない[75]。
- 環境意識の高まりから、深夜に煌々と灯りを点していることへの是非が問われていること。
- 特に新型コロナパンデミック以降、日本人のライフスタイルが朝型にシフトしている。
- 2008年以降の時短の動き
2008年には京都市が、深夜の景観や温暖化対策を理由として、深夜営業を自粛するよう要請を出すことにした[76]。埼玉県、神奈川県も同様の措置をとった。
ただし、2008年に跡見学園女子大学の学生に対して鷲巣力が行ったアンケート調査(有効回答=165)では、7割の学生が24時間営業を「やめないでよい」・「やめないでほしい」と答えた[77]。
一方、同じ2008年に朝日新聞が実施したアンケート結果によると、地球温暖化防止のため我慢できるものとして「コンビニ店などの深夜営業」をあげた人が83%いた[78]。ただし「(環境保護の観点でいえば)コンビニの深夜営業そのもので出る二酸化炭素の排出量は微々たるものである。コンビニ以外の他の地域は深夜営業が規制されないのはおかしい」という指摘もある[79]。
いわゆる駅ナカや駅前にある鉄道(キヨスク参照)、ないしは航空・バスターミナル内での大手コンビニからのフランチャイジーを受けて営業するものや、学校・大企業のオフィス・工場の敷地内などで営業する物に関しては必ずしも24時間営業とはならず、交通関係ではその日の始発から最終便の時間に合わせて営業するもの、オフィス・学校内ではそのテナントの敷地内の通常の営業・開校日時に合わせて営業[† 11] が行われるものが多い。
主な取り扱い商品
[編集]



- 年間
- 食品と嗜好品
- 惣菜、弁当、おにぎり、サンドイッチなど(夏季には冷やし中華などの冷麺類も)
- パン(食パン、菓子パン、惣菜パン)
- 飲料、酒(酒類販売業免許がなく、未販売の店舗あり)、清涼飲料水、ミネラルウォーター、乳製品、コンビニコーヒーなど
- 菓子、食玩
- 酒肴類
- インスタント食品(カップ麺、乾麺、インスタントコーヒーなどは小容量の商品が多数にある)
- 冷菓(アイスクリーム、ソフトクリームなど)
- 生鮮食品(野菜、果物、卵、豆腐、納豆、肉、魚など)
- 冷凍食品
- 簡易調理品(から揚げ、フライドポテト、ウインナー、コロッケ、たこ焼き、冬季にはおでん、中華まんなど)
- 調味料
- たばこ(製造たばこ小売販売業免許がなく、未販売の店舗あり)
- 缶詰、乾物
- レトルト食品
- 生活用品
- 事務用品
- 娯楽用品
- 医薬品(一部の薬は薬剤師・登録販売者を設置する店舗限定)
- 宅配便・荷物(日本郵便)取次
- イベントチケット・交通機関乗車券類の予約・発券(一部)
- 路線バスの回数券・バスカード
- マルチメディアステーションによって提供されるサービス
- コピー機・FAX・写真現像・PDFプリント
- プリペイドカード・金券・地域振興優待券・粗大ゴミ処理券
- テレホンカード
- QUOカード
- 各種プリペイド式携帯電話用のプリペイドカード
- POSAカード
- 電子マネーへの入金(一部)
- 在宅健康診断(日本国内・一部地域を除く)
- コンビニATM(未設置の店舗あり)
- 各種料金収納代行
- 公共サービス(ごく一部の地区)
- クリーニング取次ぎ(ファミリーマートやサンクスベイエリアの一部店舗。実験段階)
- 食品と嗜好品
- 季節限定品
各地域におけるコンビニエンスストア
[編集]アジア
[編集]
IGDリサーチによれば、アジアの小売市場は2021年まで年平均で+6.3%成長し、その市場規模は、ヨーロッパと北アメリカ各国を合体した規模に相当する4兆8,000億USD(約527兆円)に達し、その中でもコンビニは2017年から4年間の年平均成長率でもっとも高いのはベトナムの+37.4%で、フィリピンの+24.2%、インドネシアの+15.8%が続くと予想している。これら3か国は国内総生産(GDP)の急速な伸びに加え、外国投資を奨励する方向に法規を改正、国民の消費習慣にも変化をきたし、都市化の急速な進行、若年人口の増加、可処分所得の増加などの要因でコンビニ市場が伸びているとIGDアジア太平洋地域の責任者ニック・マイルズは分析している[80]。
台湾
[編集]台湾(中華民国)ではコンビニエンスストアの意訳としては、主に政府の統計などで「便利商店」が用いられるが[81]、チェーン店として台湾第1号の統一企業による初期の商号「統一超級商店」の略字である「超商」[82]も定着しているため、セブン以外の同業他社を含めて「去超商(コンビニに行く)」などの用例が多い[83][84]。
小売業としての歴史は日本よりやや遅く、1970年代末にコンビニがオープンした。2016年3月時点では1万店のコンビニが出店しており、人口比としては世界一の密度だと言われる[† 12]。たとえば台湾セブン-イレブンは2000年まで2,000店であったが、2006年末までは4,500店となり、年間400店のスピードで出店している。市街地では、1km以内に10店以上のコンビニが並んで競合している。
韓国
[編集]韓国では2013年3月末現在で2万4,419店[85] ものコンビニが存在している。店舗数はCU(旧ファミリーマート系)、GS25、セブン-イレブンの順に多い。
中国
[編集]中国ではコンビニは「便利店」と意訳され[86]、まだ新興産業である状況だが、上海だけで10年間で1,000店舗以上が出店し、経営者同士の熾烈なシェア競争が盛んである。
中国チェーン店経営協会によれば、2007年の上位チェーン100社の売上は1兆2,000億元(約18兆円)に達し、店舗数も前年より約17%増加して10万5,000店を超過しており、成長基調を維持している[87]。
東南アジア
[編集]東南アジアでもタイ・インドネシアを中心にコンビニが拡大している。インドネシアではIndomaret・AlfaMartなど、数千店舗展開クラスのチェーンが複数存在する[88]。タイでも2012年末時点で約9,500店のコンビニが存在しており、うちセブン-イレブンが6,822店を占める[89]。
マレーシアでは、1,450店を擁するセブン-イレブンがマーケットリーダーである。そのほか、国内にはKKスーパーマーケット、クイック、イージー、Mydinが運営するマイマートが存在する。過去にはCarrefour Expressもマレーシアでコンビニを運営していたが撤退している。
フィリピンでは、Sari-sari storeというコンビニエンスストアのローカル版とも言うべき形態の小売店が発達しており、ほとんどの街道、曲がり角、商業地域やほかの公共の場にも存在する。Sari-sari storeとは別に都市部では国際的なコンビニチェーンがほとんどの街道沿いに存在する。セブン-イレブンが最大手のコンビニチェーンであり、フィリピン・セブン・コーポレーション(PSC)によって経営されている。1984年、ケソンに第1号店がオープンし、ほかにロビンソンズ・コンビニエンスストアズが運営するミニストップ、アヤラ・コーポレーションと大手ショッピングモールを経営するRustansがフランチャイズ展開するファミリーマートが存在する。
ただし、東南アジア諸国の中には、自国の小規模な小売店舗を保護することを目的として、外資(外国資本)によるコンビニ出店に制限を加えている国もある。そこでたとえばインドネシアのように、店舗内に飲食スペースを確保することにより、小売店ではなく外食業で営業許可を取得してビジネス展開を行っている外資系コンビニ店の例もある[90]。
ヨーロッパ
[編集]
ヨーロッパでは労働者保護の理由から、土日祝祭日・夜間・早朝営業の小売店自体が少なく[91]、日本で言うようなコンビニという業態自体が成立しにくい。
特にドイツでは、法規制の関係で小売店の長時間営業が不可能であるため、早朝や深夜あるいは日曜祝日に営業するのは、ガソリンスタンド併設店などの一部に限られている[† 13]。しかしながら都市部では、駅や繁華街において、キオスクの延長的なものも散見される。
また、セブン-イレブンがノルウェー・スウェーデン・デンマークに少数ながらある。スウェーデンには「Pressbyrån」という、駅の新聞スタンド発祥のコンビニチェーンも存在する。またスパーは、本部をオランダのアムステルダムに置き、ヨーロッパ各国に展開している。
イギリス
[編集]イギリスでは「コーナーショップ」(corner shop) と呼ばれる。伝統的に道の角に店があるのがその名の由来である。
ニュージーランド
[編集]ニュージーランドでは「デーリー」(dairy) と呼ばれる小売店が日本のコンビニに相当するとされるが、24時間営業ではない。
モチーフとした作品
[編集]※発表年順。
テレビドラマ
[編集]コンピュータゲーム
[編集]漫画
[編集]評論家
[編集]コンビニエンスストアに関する団体
[編集]- 日本フランチャイズチェーン協会(フランチャイザーの業界団体)
- 全国FC加盟店協会(フランチャイジーの業界団体)
- コンビニ加盟店ユニオン(全国のコンビニエンスストア加盟店で組織する労働組合。日本労働組合総連合会に加盟)
- コンビニ関連ユニオン(コンビニエンスストア加盟店で組織する労働組合。全国労働組合交流センター系)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 現在のセブン&アイ・ホールディングス。
- ^ 現在の西友。
- ^ 現在のイオングループ。
- ^ 元々、ファミリーマートは西武鉄道から分派した西武流通グループ→(西武)セゾングループ(さらに具体的には西武百貨店)傘下だった。現在[いつ?]西武鉄道との結びつきとしては、セブン&アイ・ホールディングス(さらに具体的にはそごう・西武)傘下にあるセブン-イレブンが強い。
- ^ 近鉄は駅売店をファミリーマートに転換する前から、関連会社の「エーエム・ピーエム・近鉄」(近鉄本体が87.5%、近鉄百貨店が12.5%を出資。カッパ・クリエイトに株式の90%を売却し「エーエム・ピーエム・関西」となったが、近鉄グループの出資は継続)がam/pmの近畿地方(三重県を含み滋賀県を除く)におけるエリアフランチャイズ契約を結んでいた。
- ^ 京阪はいわゆるコンビニエンスストア形態の店舗ではなく、傘下の京阪ザ・ストアが運営する小型食品スーパーマーケットのもより市が出店している。
- ^ 2022年4月1日から、成人年齢が18歳に引き下げられたが、飲酒・喫煙は従来通り20歳からのため、18歳・19歳の誤購入防止の観点から、多くのコンビニでは、「お酒とタバコは二十歳から」旨の啓発ポスター等を掲示している。
- ^ 有名なところでは、東京都世田谷区桜新町の「三河屋」(漫画「サザエさん」に登場する「三河屋さん」のモデルとして知られる)がセブン-イレブンのフランチャイジーとなって「セブン-イレブン 世田谷サザエさん通り店」となっている。また、東京都江東区豊洲のセブン-イレブン1号店も元は酒屋であった。
- ^ 各種機器のリース料の他、POSシステムなどのアプリケーションのライセンス利用料金などが定期的に発生することがある。
- ^ 地域ごとに運営会社が異なり、2001年から2008年にかけて他チェーン店に転換されている。
- ^ 従って休業・休校日には営業休止となるものもある。
- ^ 平均2,300人に1店、なお日本では約3,300人に1店。
- ^ ただし、2006年のFIFAワールドカップドイツ大会開催期間中はその開催地に限り、一部緩和された。
出典
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関連項目
[編集]- フランチャイズ
- チェーンストア
- ボランタリー・チェーン
- 日本のコンビニエンスストアチェーン一覧
- 単品管理、販売時点情報管理(POSシステム)
- WAON - 楽天Edy
- E-net
- マルチメディアステーション(コンビニに置かれている端末)
- せんべろ
- ボデガ (店) ‐ ニューヨークなどに見られるコンビニに相当する店。