デビットカード

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デビットカード: debit card)とは、預金口座と紐付けられた決済用カードである。金融機関(一般的に銀行)が発行し、このカードで決済すると代金が即座に口座から引き落とされる仕組み。

概要[編集]

銀行に預金口座を開設した際に発行されるキャッシュカードを決済に利用するというものである。原則として口座残高を超えない範囲で使用できる。そのため、無審査とするカード企業が多い。ただし、当座貸越カードローンと組み合わせて自動借入のサービスを行っている発行金融機関もある。

カードの種類 決済種別 備考
クレジットカード 事後決済 要審査
デビットカード 即時決済 無審査とするカード企業が多い
プリペイドカード 事前決済 無審査・口座不要

デビットカードの種類[編集]

比較表[編集]

デビットカードの種類 決済機構 加盟店数 備考
ブランドデビット VISA VISA 世界3800万ヶ所 VISA ELECTRON」や「PLUS」は姉妹ブランド
MasterCard MasterCard 世界3810万ヶ所 Maestro」や「Cirrus」は姉妹ブランド
JCB JCB 世界2700万ヶ所 「Cirrus」ネットワークにも接続されている
その他の主なデビット 銀聯 中国銀聯 世界1000万ヶ所(内中華人民共和国に300万ヶ所)
J-Debit 加盟金融機関 日本に45万ヶ所 利用可能時間に制限あり

VISAやMasterCardなどの国際ブランドは、クレジットカードだけではなくデビット・プリペイドカード発行各社にも広く自社ブランドと決済機構を提供している。そのため、各ブランドの加盟店であれば原則としてクレジットとの区別なく決済ができる。

国際ブランド(VISA・MasterCardなど)[編集]

北米・欧州・オーストラリアなどでは、キャッシュカード(英:ATM card、Bank card)の大半にVISAやMasterCardといった国際ブランドの決済機能が標準で搭載されており、デビットカードとして利用できる。

そのため、こうした国々ではデビットカードの普及や利用が進んでいる。アメリカを例にすると、カード決済(国際ブランドが付いたプリペイド、デビット、もしくはクレジットカードによる決済)のうち決済件数ベースで最も普及しているのはデビットカードであり、非現金決済の35%に達する(クレジットは20%、プリペイドは5%)[1] (PDF)

また、こうしたデビットカードで決済を行う際、レジで自分の口座から現金を引き出す(キャッシュアウト)サービスが提供されている国もある。

オーストラリアなど一部の国では、デビットカードでの支払い時に利用者が自ら普通預金・当座預金・クレジットのどれを利用して支払うのかを選択する形態を取っている。

日本における状況[編集]

21世紀に入って国際ブランドのデビット機能付きキャッシュカードの提供が増えている。

VISA
発行者 カード名称 発行開始
年月日
年会費(\) 海外取扱事務
手数料(%)
3Dセキュア 審査 その他
スルガ銀行 SURUGA VISAデビットカード 2006年1月16日 不要 3.000 あり
楽天銀行 楽天銀行VISAデビットカード
(旧・楽天銀行デビットカード)
2007年6月16日 1029/3086 3.024 なし [1]VISA/JCB 重複契約時は、
先に申し込んだカードが無効になる。
ジャパンネット銀行 JNB Visaデビット 2010年2月25日 不要 3.020 なし [2]個人口座でファミマTカード以外の決済時、
500円につき1JNBスターを還元。

ICチップは付加されない。
りそな銀行 りそなVISAデビットカード
りそなJMB VISAデビットカード
2011年5月25日 [3]
500+税[4]/1000+税[5]
2.500 なし
あおぞら銀行 あおぞらキャッシュカード・プラス 2013年3月4日 不要 2.570 なし キャッシュカードとしては、IC非対応。
埼玉りそな銀行 りそなVISAデビットカード 2013年9月24日 [3]500+税(JMBなし)
1000+税(JMBあり)
2.500 なし
三菱東京UFJ銀行 三菱東京UFJ-VISAデビット 2013年11月20日 [6]1080 3.000 なし
近畿大阪銀行 りそなVISAデビットカード 2013年12月9日 [3]500+税(JMBなし)
1000+税(JMBあり)
2.500 なし
イオン銀行 イオンデビットカード 2014年1月 不要 1.600 あり
琉球銀行 りゅうぎんVisaデビットカード 2015年10月1日 [7]500+税 なし
ソニー銀行 Sony Bank WALLET 2016年1月4日 不要 1.760 なし [8]外貨預金(10 通貨)決済対応
住信SBIネット銀行 Visaデビット付キャッシュカード 2016年1月27日 不要 [9]決済方法による なし [10]外貨預金(米ドル)決済対応。
Visa payWave標準搭載
北國銀行 北國Visaデビットカード 2016年4月1日 [11]契約による 3.0(税込) なし Visa payWave標準搭載
三井住友銀行 SMBCデビット
(国際ブランド(Visa)付きデビットカード)
2016年10月下旬予定 ショッピング利用金額の0.25%を、
決済用の普通預金口座に毎月自動でキャッシュバック。
西日本シティ銀行 NCBデビット(Visa) 2016年12月予定 [12]利用金額による
楽天銀行 JCBデビットカード
JCB
発行者 カード名称 発行開始
年月日
年会費(\) 海外取扱事務
手数料[13](%)
その他
千葉銀行 ちばぎん
スーパーカード<デビット>
2014年10月1日 [14]432/1350/10800 3.000
大垣共立銀行 OKBデビットカード(JCB) 2014年10月27日 1080 3.000
北洋銀行 北洋 - JCBデビット 2015年3月9日 [15]540 3.000
楽天銀行 楽天銀行デビットカード(JCB) 2015年4月20日 不要 不明
東邦銀行 東邦銀行
Alwaysデビットカード(JCB)
2016年4月1日 不要 不明
イオン銀行 イオン銀行CASH+DEBIT 2016年7月25日 不要 1.600 WAON 標準搭載
セブン銀行 セブン銀行
デビット付きキャッシュカード
2016年秋頃 決済時 nanaco ポイント付与。
nanaco 標準搭載
西日本シティ銀行 NCBデビット(JCB) 2016年10月予定 [16]利用金額による
七十七銀行 七十七デビット(仮称) 2017年春以降予定 1,300(予定) 不明

J-Debit[編集]

1999年に富士銀行が代表幹事となり、NTTデータジェイティービー郵便貯金大垣共立銀行東京相和銀行などと共同で日本デビットカード推進協議会が設立され、2000年3月より「J-Debit(ジェイデビット)」が提供されている。同協議会に加盟する金融機関のキャッシュカード(2011年時点で約4億枚)をデビットカードとみなし、Maestroなどと同じく、PINパッドにキャッシュカードの暗証番号を入力することで預金口座から資金が即時引落される仕組みである。引落時の科目欄には「カード」「Jデビット」「JD」・摘要欄には「加盟店のカナ表記」が記帳される。

金融ビッグバンの一つとして普及が期待され、ジェイティービー家電量販店各社・マツモトキヨシeコレクト・国内生保(初回保険料支払い)・クレピコ(タクシー車載の信用照会端末)や、郵便貯金・全ての地方銀行第二地方銀行信用金庫労働金庫JAバンク、殆どの都市銀行信託銀行で2000年より順次利用可能となっているが、大手行のうち東京三菱銀行三菱信託銀行日本信託銀行あおぞら銀行は当初は参加せず利用不可であった(2016年時点で三菱東京UFJ銀行はセキュリティタイプICカードおよび(新規発行ないしは一旦使用不可に切り替えたものないしは、新システム稼働以降の当面の間に使用可能にする手続きをしなかった場合についての)ディズニーデザイン以外は利用可能[17]三菱UFJ信託銀行とあおぞら銀行は利用不可[18][19]。また、小規模な農業協同組合漁業協同組合、職域信用協同組合、2000年以降設立された新たな銀行(ネット系や流通系)で利用できない機関が多い)。 利用金融機関によってはJ-Debit取引歴を優遇サービスに加点したり、不正使用保険を付帯しているところもある。

CAFISを使用するため、対応する信用照会端末を有するクレジットカード加盟店は、J-Debitの加盟店を契約締結することで同時に取り扱うことが可能となっている。また、引落口座→金融機関間決済→売上金入金までが最短3営業日であり、アクワイアラーを経由するクレジットカードやブランドデビットカードより入金が早く加盟店手数料が抑えられている傾向から、ポイントカードでは現金払いに準じた還元率としているケースが多い。

利用可能時間は各金融機関に委ねられており、利用者側の利用時間は概ねコンビニATMの引出可能時間と同一となっている。全国キャッシュサービスの稼働時間帯は最低限利用可能であるが、引落口座もしくは加盟店一方の金融機関がメンテナンスで勘定系システムを停止すると日中でも利用不可となることがある。

対応するキャッシュカードをデビットカードとみなすため、利用者の年齢・国籍に制約が一切ない(家族以外の第三者が使用すると不正引出とみなされる)。ただし、2006年頃より不正引出抑制から1日の引出限度額(50-100万円程度)にJ-Debitの利用可能額が内包されるようになったため、保険料支払いなどクレジットカードでは扱えない高額決済を希望する場合は金融機関の窓口で引出限度額の引き上げで対応する必要がある。また、この時より日本でもブランドデビットカードが上市し始めたことで、取扱総額は2005年の8016億円を頂点に減少傾向にある。

日本デビットカード推進協議会では定期的にキャンペーンを実施しているが、加盟店数は約45万店で頭打ちとなっている。日本銀行はクレジットカードや電子マネーに比べデビットカードの利用率は低いと指摘している[2] (PDF)

ローソン[編集]

コンビニエンスストアローソンでは、もともとJ-Debit加盟店として日本デビットカード推進協議会加盟の全金融機関発行のキャッシュカードを扱うつもりだったが、加盟金融機関へ支払う手数料率などの諸問題で実現せず、その手数料率などの問題をクリアした以下の金融機関と個別に提携し、2001年のPOSレジ更新時よりPINパッドを備え付けて取扱を開始している。そのためローソンでは単にデビットカードと案内している。

  • ゆうちょ銀行、大垣共立銀行、東和銀行、島根銀行、西京銀行、全国の信用金庫[20]

2015年には、おサイフPontaの名称で、JCBプリペイドカードを発行している 

その他アジア[編集]

  • 直払カード(韓国)
  • Smart Pay(台湾)
  • EON(フィリピン) - VISAエレクトロンと提携
  • 実利(朝鮮民主主義人民共和国、東北アジア銀行、2005年)

脚注[編集]

  1. ^ 後年発行開始された、JCBデビットを申し込んだ場合は、JCBに差し替えとされ、有効期限に関わらず、既存のVISAデビットは経過をおいてから使用中止となる。逆に、JCBデビット利用者が、当カードを申し込んだ場合も、同様にJCBデビットが使用できなくなる。
  2. ^ JNBスタープログラム”. ジャパンネット銀行. 2016年8月2日閲覧。
  3. ^ a b c 初年度無料
  4. ^ JMBなしの場合。ただし、ネット支店利用時に発行されるりそにゃデザインのカードの場合は、前年のVISAデビット利用実績がある場合は無料。
  5. ^ JMBありの場合。ただし、ネット支店利用時に発行される黒いカードを利用し、かつ前年のVISAデビット利用実績がある場合は無料。
  6. ^ 初年度及び条件を満たせば無料になる
  7. ^ 初年度無料。2年目以降、年間5万円の利用で翌年無料。りゅうぎん VISA デビットカードの概要 (PDF)”. 琉球銀行. 2016年3月20日閲覧。
  8. ^ Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)”. ソニー銀行. 2016年8月2日閲覧。
  9. ^ Visaデビット付キャッシュカード - 商品概要説明書”. 住信SBIネット銀行. 2016年3月20日閲覧。
  10. ^ Visaデビット付キャッシュカード - 海外でのご利用”. 住信SBIネット銀行. 2016年8月2日閲覧。
  11. ^ 商品のご案内|北國Visaデビットカード|便利に使う|北國銀行”. 北國銀行. 2016年5月28日閲覧。
  12. ^ 初年度無料、次年度以降1,000円(税別)。前年1年間の利用金額10万円以上で翌年の年会費も無料
  13. ^ JCB指定料率 (1.6%) に追加する率
  14. ^ 初年度及び条件を満たせば無料になる
  15. ^ 初年度は無料
  16. ^ 初年度無料、次年度以降1,000円(税別)。前年1年間の利用金額10万円以上で翌年の年会費も無料
  17. ^ "J-Debitナビ 三菱東京UFJ銀行”. 日本デビットカード推進協議会. 2016年8月21日閲覧。
  18. ^ "J-Debitナビ 金融機関検索結果一覧 その他金融機関 1”. 日本デビットカード推進協議会. 2016年8月21日閲覧。
  19. ^ "J-Debitナビ 金融機関検索結果一覧 その他金融機関 2”. 日本デビットカード推進協議会. 2016年8月21日閲覧。
  20. ^ デビットカード”. ローソン. 2016年3月20日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]