国際銀行間通信協会

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国際銀行間通信協会(こくさいぎんこうかんつうしんきょうかい、Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)、略称SWIFTスイフトスウィフト)は、金融機関同士のあらゆる通信にクラウドサービスを提供する非上場の株式会社。本部はベルギーラ・ユルプに置かれた。株主となる金融機関は各国に存在するため、同協会のオフィスは各国に置かれている。

あらゆる国際決済がスイフトを通じて行われている。証券決済における主要なトラフィックは、ユーロクリアクリアストリーム、そして南アフリカJSEストレートによる。1999年の同協会による発表では、日額約20兆フランスフランを移転したという。

2016年2月現在、ブロックチェーンの共同開発に参加している。

概要[編集]

スイフトはそもそもカストディアンをつなぐ情報処理設備であった。

スイフトは一貫して金融系の通信フォーマットの共通化、データ処理システムの共有、世界的ネットワークの設立を目指している。2007年10月、金融メッセージの規格にほふりen:ISO 20022 を採用するよう確約させた。全国銀行データ通信システムとはメッセージに互換性がない。2008年、NTTデータがメッセージを変換するサービスを開発した。

日本では資金決済でスイフトを利用する機会が比較的少なかった。資金決済法の施行により需要の増える可能性がある。

スイフトを利用する証券決済事業は大規模なものがいくつもある。代表的なもので、①ユーロクリアグループの共通インターフェース、②クリアストリームをふくむ欧州8カ国の証券集中保管機関をリンクするハブ的なコンバータ、③欧州中央銀行資金決済証券口座集約・担保管理およびこれら三部門の共通インターフェース。②は①の独占を阻止する勢力である。しかし、②のコンバータは③の資金決済サービスとDVP決済[1]のため接続する。①③はロスチャイルドの影響を受ける。

「swift」は英語で「速い」、「即座の」や「すみやかに」などを意味する[2]。金融機関同士の通信は従来テレックス電報によって行われていたが、スイフトは通信速度を飛躍させた。また、その内容や通信文は確実に暗号化されたものとなっている。しかも、ネットワークに接続するコンピュータインテリジェント端末装置ハードウエアソフトウエアとも協会が認定したものでなければならず、それらを製造する業者は世界中でIBMなど僅か数社しか認定されていない。

毎年秋に、ユーザーを対象とした会合Sibos を開催している。参加者は、資金/証券決済関係の銀行役員が中心である。

沿革[編集]

1973年5月、国際証券集中保管機関のセデル(現クリアストリーム)とユーロクリアの主要株主が設立した。設立当初は15ヶ国の239銀行が会員株主であったが、その数は年々増加した。

1975年に利用ルールが制定された。1976年、協会はオランダベルギーに最初の有人オペレーティング・センターを開設[3]。ここでソフトウェアの開発などが行われた。サービスは1977年5月に始まった。1979年、合衆国に新たなオペレーティング・センターを設置。1980年、香港シンガポールでサービス開始。

セデルは1981年に、ユーロクリアは1982年にシステムへ参加している。日本スイフトの開通は1981年3月9日である。1982年に単年度収支が黒字化。1986年に付加価値サービスとして二つの取り組み。一つは金融取引の照合サービスを開始。もう一つ、国際決済銀行と提携し欧州通貨単位の決済を手がける。1987年、証券会社・証券取引所をユーザーに加えた。

1992年、投資顧問会社を利用者に加える。1993年、ICカードと相互鍵交換を導入、セキュリティを向上させた。1995年総会の承認によって、2001年から条件をクリアした一般法人もアクセスしている。1998年、決済インフラなども利用するようになる[4]

2001-2004年にかけて、スイフトネットへ移行。2005年には202の国と地域の7800を超える金融機関が接続している。

2006年6月23日付のニューヨーク・タイムズは、スイフトのクラウド上で交換されていた情報が、中央情報局などによりテロ資金対策に利用されていたと報じた。アメリカ同時多発テロ事件を受けて始まったテロ資金追跡プログラムが、スイフトの送金データを使って遂行されていたという。ここで露呈したセキュリティの脆弱性はオペレーティング・センターが二つしかないことによるとされた。

そこで2009年、スイスに三つ目のオペレーティング・センターが設置された。これに併せ、香港にスイフトネットの運用をモニターする管制塔を新たに設けることが決まった。従来は欧州と合衆国に一つずつおかれていた。

2007年からスイフトネットが個人メールをあつかうようになり負荷を増大させていたが、オペレーティング・センターの増設は結果的に負荷を分散させた。この個人メールはスイフト自身も利用しているが、他に6つの金融機関がユーザーとなっている。クリアストリーム、HSBCDNB (ノルウェーの企業)、残りは全部アフリカで、ボツワナ第一国立銀行ネドバンクスタンダード銀行

2013年9月15日付18日更新のデア・シュピーゲルは、アメリカ国家安全保障局がスイフトを通じて広範囲の銀行取引とクレジットカード決済をモニターしていると報じた。エドワード・スノーデンのリークによると、スイフトは狙われていたという。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 従来別々に行われていた証券の引渡しと決済代金の支払を相互に関連づけて行う仕組み。証券決済に係る元本リスクを削減し、かつ資金決済の確実な履行を図る。
  2. ^ 英語:swiftの意味三省堂大辞林
  3. ^ 1981年までにオランダの方へ統合される。
  4. ^ 2001年にはドイツ連邦銀行イングランド銀行の決済インフラにスイフトネットが導入された。

外部リンク[編集]