付加価値通信網

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付加価値通信網(ふかかちつうしんもう)は、第一種電気通信事業者から賃借した通信回線に自営のコンピュータを介在させて、回線リセール、通信処理、情報処理などの付加価値通信を行ったパケット通信ネットワークをいう。一般的には英文名称の「Value-Added Network」の頭文字を取ってVAN(バン、ブイエイエヌ)の略称で呼ばれる[1]

この事業はクラウドサービスの先祖であり、1985年4月1日に電気通信事業法施行に伴い通信が自由化されたことで可能となった。

発祥[編集]

ユーロクリアができた1968年の前後、インターネットの歴史が始まってそう長くはない頃に、ARPANETイギリス国立物理学研究所Mark ICYCLADESメリット・ネットワーク英語版Tymnet英語版Telenet英語版[2]といった事業が生まれた。全銀ネットのように共通のプロトコルをつくり、また、共通化できない領域のために翻訳コンピュータも介在させて、これらの事業は情報交換を円滑にした結果、通過する膨大な情報を蓄積してビジネスを効率化した。

決済機能[編集]

ファームバンキングにおいてコンテンツ管理システムを提供した。たとえばマルチバンクレポート(振込み入金通知書、入出金取引明細、預金口座振替明細)サービスである。また、金融機関と共同で、卸業者小売店から毎月一定日に売上げを一括回収できるシステムを開発した。一ヶ月以上先まで決済情報を管理していたのである。その延長で集金代行も請け負った。先に述べたビジネス効率化においては、やはり金融機関と共同で、出荷・流通・代金決済まで全て管理するシステムを構築した。生産段階においても、小口の注文をまとめて小売店の仕入れ単価を下げるのに貢献した。

グローバル化[編集]

かつて国際電気通信連合国際電信電話などの専用回線に転貸を認めていなかったり、データ処理も制限していた。しかし、日米間の交渉で国際的な事業展開が認められるようになった。1987年10月時点で、日本電気国際VAN、日本イーエヌエス、日立情報ネットワーク日本情報サービス三井情報開発など10社が登録していた。国際的な電子メールは彼らの手がけた初期の事業である。

参考文献[編集]

  • 松尾良彦・江頭孝久 『決済革命 進む資金決済の電子化』 日本経済新聞社 1987年12月 五章 走り出した金融VAN[3]

脚注[編集]

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  1. ^ VAN - ITmedia・情報システム用語事典
  2. ^ アメリカ国防総省が1970年代はじめに開発したアルパネットを民間に払い下げたもの。全米の大学に散在する端末で構成されたクラウド・コンピューティングであったが、民営化されてから日本をふくむ50カ国以上を営業圏に収めた。
  3. ^ 2015年11月6日の編集時において記事のほとんどがこの文献に拠っている。