ユーロクリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ユーロクリア(EURO-CLEAR)は、ベルギーブリュッセルにある国際決済機関。2002年に英決済機関のen:CREST (securities depository)を買収して以来、国際決済機関はユーロクリアとクリアストリームの2社だけとなっている。

沿革[編集]

1968年設立当時から2000年の終わりまでずっと、ベルギーのエスタブリッシュメント人脈を通じてモルガン・ギャランティ・トラストとJPモルガン・アンド・カンパニーが支配してきた。2013年現在の株主は、ユーザーでもある約200の金融機関で構成されている[1]。1973年、クリアストリームの前身であるセデルと共に国際銀行間通信協会を設立した。2001年からはグループのユーロクリアバンクに事業を移した。同年、英決済機関シコバムを買収。2002年、英決済機関を買収。2007年、フランス支社は株式と債権で分かれていた証券決済プラットフォームを一本化[2]

2012年、欧州中央銀行が新たに構築した単一の取引決済プラットフォーム(TARGET2-Securities)を発足させる計画に、交渉の末[3]、イギリスとスウェーデンを除く各国の決済機関と共に参加を表明した[4]。2013年、モスクワ取引所が開かれ、ロシア連邦金融市場庁は預託機関を決済機関として認めた。モスクワ取引所の預託機関(National Settlement Depository)は、ユーロクリアバンクとクリアストリームに接続した[1]

国際証券集中保管機関[編集]

国際決済機関と書いたが、日銀は直訳で国際証券集中保管機関と呼称している。別に有価証券を現物で保管しているわけではない。ここで各国の証券などがオンラインで決済されている。このオンラインシステムに参加できるのは、第一に決済機関と書いてきた各国の証券集中保管機関やコルレス銀行などの、システムそのものを稼動させる経済主体である。第二に、その便益を受ける一般の証券会社銀行である。

国際決済機関をシステムのハブにすると、参加国の証券プール全体での担保管理サービスを提供できるようになる。もともとシステムの稼動は寡占市場であるのに、ハブを設けることでシステムに付加価値が生まれる。

ハブのあるシステムはヨーロッパなどでクリアストリームと共に形成されてきたのであるが、ユーロクリアは今度アジアへ進出するに際し、自分は直接のハブを担わず、決済記録がどこに残るのかよく分からないハブを新たに設けて、そこへ各国決済機関同士を接続させようと考えている[5]

また、各金融機関の支店が決済の当事者になっても、接続している本店のコードと責任でシステムを利用するという便宜を建前に、匿名の口座が開発されていた。その数は、2000年当時の専門家の情報と計算によれば、ユーロクリアが管理する7000の口座に対して3000であった。代理人コナー・リースンは同年8月29日に「匿名クライアント」の数と混同して数を150と答えていたが、12月6日のインタビューで説明の誤りを丁重に詫びた[6]

脚注[編集]

  1. ^ a b 金融先物取引業協会 会報 No.96 平成25年3月
  2. ^ 野村総合研究所 ユーロクリア・フランスがプラットフォームを一本化 2007年12月
  3. ^ 野村総合研究所 2015年に延期された欧州T2Sの実現 2011年12月号
  4. ^ ロイター ECBの決済プラットフォーム、ユーロ圏の大半の決済機関が参加表明 2012年7月4日 14:31 JST
  5. ^ 日銀 決済インフラを巡る国際的な潮流とわが国への含意 2012年5月 HKMA/Euroclear(汎アジアCSDアライアンス)
  6. ^ エルネスト・バックス ドゥニ・ロベール 『マネーロンダリングの代理人 暴かれた巨大決済会社の暗部』 徳間書店 2002年 pp.179-180.

外部リンク[編集]