自動ドア

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自動ドア

自動ドア(じどうドア、: Automatic door)は、の開閉を人力でなく電気などの動力によって行う設備のこと。その中でもとくに、や物の接近を自動的に検出して扉を開き、通過を確認して扉を閉じる機構を持つ設備を指すこともある。また日本のタクシーのように動力が運転手による人力であってもドアに直接触れずに開閉操作できるものを自動ドアと称する場合もある。

歴史[編集]

古く紀元前100年ごろにはヘロンが祭壇の火の強弱を利用して空気圧の力で神殿を開閉させる装置を開発していたことが知られている[1]

日本では、古くは飯塚伊賀七のからくり時計において、朝夕に鐘と太鼓で時間を知らせると同時に家の門を開閉したとされ、復元品がつくば市立谷田部郷土資料館に所蔵されている[2](飯塚伊賀七の発明の方も参照)。昭和初期には航空母艦加賀赤城など)の一部の格納庫の防火防弾用として用いられた。また1926年山手線電車や、1927年東京地下鉄道1000形電車には、空圧式の自動ドアが使用されたとの記録がある。建物では、日劇前の東芝営業所玄関に、光線スイッチ起動による自動ドアが設置された。また建物に対しては、1957年油圧式、空圧式の自動ドアが開発され、新築ビルの玄関などに使用されるようになった。

スライドする引戸形式のものが多いが、回転式、蝶番(ヒンジ)を用いた折戸や観音開きを含むスイング式、グライドスライドのものもある。

1960年代には、「マジックドア」という表現も見られた。

機構[編集]

自動ドアは、オペレータ部、センサー部、ドア・サッシ部の3つから構成される。

  • オペレータ部は、駆動装置と制御装置からなる開閉装置。
  • センサー部は、人や物の出入りを自動的に検出する検出装置。
  • ドア・サッシ部は、ドア、枠、ガイドレールなどの部位。

開閉方式としては、引き戸、開き戸、折り戸、回転ドアなどがある。

駆動方式としては、電気式、空圧式、負圧式、油圧式などがある。

検出方式としては、マットスイッチ、超音波スイッチ、赤外線スイッチなどがある。

エレベータのように挟み込み防止のための安全装置がついている場合もある。

半自動[編集]

日本では鉄道バスタクシーなど多くの公共交通機関車掌運転士・駅員が開閉操作を扱い乗客自らはドア開閉を行わないが、鉄道車両では車内の空調効果維持を図るため、停車時に係員は開錠するのみで開閉操作は乗客自身が行い、乗降客がいない停車駅や長時間停車時に開閉回数や開放時間を低減させる場合がある。発車時は車掌の閉扉操作によりドアは自動で閉鎖されることから半自動ドアとも呼称される。

日本の状況[編集]

日本の鉄道車両における状況を記す。

手動式半自動[編集]

旧来鉄道車両の乗降扉は手動であったが、ドアエンジン駆動式の自動ドア導入後、開閉操作は車掌や運転士が扱い扉は開放か閉状態のまま固定され手動開閉は不能である。本方式は車掌が車掌スイッチを開操作して各扉を開錠するとステップ灯[3]車側表示灯が点灯してドアエンジンのエアシリンダーが開放されて乗客が自由に開閉可能になる。一斉扉閉は車掌スイッチの閉操作で扱われ、乗降扉には取手が配置され「手で開けて下さい」など表記されている。国鉄の一般形・準急形・一部の急行形気動車や、寒地向けの近郊形電車に広く採用され、転属で寒地向けに仕様された旧型国電などでも広く見られたが、現在は107系115系117系およびJR西日本の一部のローカル線などで見られる。

車両側に特別な装備を必要としない類似する簡便法として、客扱い終了後に全扉を閉めてから係員が非常コックを操作して乗務員室付近の客扉を手動開閉する事例が、JRではホームライナーの乗車駅で乗車口を限定した場合や、特急白鳥・スーパー白鳥竜飛海底駅吉岡海底駅で見学客を乗降させる場合に、名古屋鉄道近畿日本鉄道では長時間待避時に、箱根登山鉄道風祭駅の有効長が約49メートル[4]小田急電鉄車両は箱根湯本方2両[5]で乗降客を扱う場合にそれぞれ用いた。

ボタン式半自動[編集]

土浦駅で半自動扱い中のE531系。車側表示灯が点灯している。
土浦駅で半自動扱い中のE531系車側表示灯が点灯している。
乗客用開閉スイッチの例。JR北海道731系(外・内)
乗客用開閉スイッチの例。
JR北海道731系(外・内)

1972年から川越線八高線国鉄通勤形気動車で、後に相模線の通勤型車両で車両内外の扉脇に押しボタン式スイッチ増設改造が施され、車掌スイッチを半自動位置にすると扉のスイッチ部分が点灯して乗降客自らの操作で扉開閉が可能となる。半自動スイッチとも呼称されるが、自動扉を個別に操作するものでありドアエンジンは開放されずに手動開閉は考慮されていない。当初は各線区事情を考慮して採られたが、民営化に向けた211系電車などの新造車両以降で寒地向け装備として正式採用されている。

スイッチは両開き扉では内外ともに右側、片開き扉では内外共に戸当り側へ配置され、車室には開と閉の2つ、車外側はコスト低減のために開のみが設置される事例も多く見られるが、ドア開時には車外から車内の閉ボタンが操作可能である。停車中の扉の状態にかかわらず発車時には全扉の施錠を要するが、乗降客が比較的多い駅で乗客の分散を図るためにすべての扉を一斉開閉する場合と車掌スイッチの戸閉め操作のみで発車する場合があり、ボタン操作の開扉後に一定時間無操作で自動閉扉するものもある。

車内温度維持による省エネ効果を期待して、JR東海313系2500番台JR東日本E231系E233系JR西日本製造の一般用車両など、主に暖地を走る車両で始発駅での出発待ち、快速・特急列車などの接続・通過待ち、単線区間での列車交換など、アーバンネットワークでは新快速や快速の接続・通過待ちや折り返しなどで停車時間が長い列車、きのくに線、湖西線(近江今津駅 - 近江塩津駅・敦賀駅間)、北陸本線(米原駅 - 金沢駅間[6])、加古川線・播但線などでは全列車、大手私鉄では西武4000系40000系阪神5700系5500系リニューアル車相鉄20000系など、準大手私鉄では山陽6000系、中小私鉄では一畑7000系などで押しボタン式の半自動扱いが行われている。

ドアエンジン[編集]

ドアエンジンは自動ドアの開閉動作に際して直接作動する動力装置。現在、建物等の自動ドアに広く使われているのは電気モーターを動力とする方式である。

鉄道車両用には導入当初は空気圧作動式が多く用いられてきたが、近年は電気スクリューやリニアモーターといった電動式も導入され始めており、空気配管の減少に伴うメンテナンスの簡素化に寄与している。

エアコンプレッサーを装備するバスでは空気圧作動式が用いられている。

例外的なものとして、日本のタクシーではてこリンケージを用いた人力によるものがある。運転席横のレバー操作により後部客席ドアを開閉する。一方ではインテークマニホールド負圧でドアを開閉するものも増えており、通常はステアリングコラムの右インパネ部にボタンが設置されている。

脚注[編集]

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  1. ^ 城井田勝仁『図解入門よくわかる機械制御の基本とメカニズム』秀和システム、2004年、30-31頁
  2. ^ 水戸計 『教科書には載っていない 江戸の大誤解』 彩図社 2016年 p.107.復元品の写真あり。
  3. ^ 装備車両のみ
  4. ^ 1993年以前は約30メートル
  5. ^ 小田急は最低でも4両編成である。
  6. ^ 琵琶湖線からの乗り入れ含む。

関連項目[編集]