POP広告

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POP広告(ポップこうこく、ピーオーピーこうこく)は「Point of purchase advertising」の頭文字を取った略語で、主に商店などに用いられる販売促進のための広告媒体である。

概要[編集]

セット値引き.jpg

一般には略して「POP」「ポップ」と呼ばれる。

POPは、紙を広告媒体としてその上に商品名と価格、またはキャッチコピーや説明文、イラストだけを手描きしたものであり、数ある広告媒体の中でも単純なツールの一つである。しかし、POPは個性的な店の雰囲気を作り上げる力があり、POP一つでその商品、ひいては店舗の売上を左右するとまで言われるほど、実に優れた力を持っている。

いわゆるセルフサービス形態の業態にあっては、後述するように店員(接客係)の業務を補助するものであるが、同時に店内の雰囲気を演出することにもつながるこれら広告媒体は、経営者側にとって顧客アピールのために重視されるツールともなりうるため、事業所内で即興に手書きされたものから、既存の様々な表示機材(ディスプレイ)を利用したり、それ専用に作られた製品を利用したりする。更には、それら商店に品物を販売するメーカーも、自社製品の消費者への売り込みのために商品とともに広告器材としてのPOPを提供することもあり、そのようなメーカー自身が提供するPOPでは、無償提供のものから有償の・商品陳列器材をかねたものなどまで、多種多様なものが利用されている。

ポップ体[編集]

パソコンにあらかじめセットされたり、ワードプロセッサワープロソフト)やオフィススイートなど各種アプリケーションソフトウェアなどに同梱されたり、あるいはそれ単体で販売されるフォントの内には、いわゆるポップ体と呼ばれるフォントセットが存在する[1]

これらはデスクトップパブリッシングの形で、ポップ広告を制作するのに利用されるが、楽しげな雰囲気と視認性を重視しており、ややくだけた・親しみ易い雰囲気を特徴とする。

POPの目的[編集]

口頭説明の補助
POPの目的は、各種店舗が推奨したい商品を、店員に代わって情報を提供し、購買意欲を促進させることである。そして、それはその商品に興味を持った客のみに働きかける特性を持っており、客はそれを選択する権利が保証される。一方、店員による執拗な勧誘、口頭説明は客にとって不快感を与えることが多々あり、それによって客が店を敬遠する事態も起こりうる。これは口頭説明という手段が、店舗側の一方的な情報提供だからである。それに対し、POP広告には客を強制する力はなく、それでいながら弾力的に情報を訴求するものであるために、それまで購買目的を持っていなかった客にも有用に働きかけ、興味を促す利点も持ち合わせている。また、それにより、店舗業務の効率化にも繋がり、経費削減にも直結する。ただし、POPはあくまで補佐的な説明を施す役割の広告媒体であり、店舗スタッフによる口頭説明を一切排除するためのツールではない。
店舗イメージの訴求
もう一つ重要な役割は、店舗イメージやイベント、季節の移り変わりを表現することである。これは販売促進に非常に有効であり、売場の雰囲気を一変させる。
手書き風POPが重宝される業態は、スーパーマーケットドラッグストアホームセンターディスカウントショップ書店CDショップなどが挙げられる。
ただし、大手スーパー、大手ホームセンターなどではパソコンによるPOPが利用されている。
商品に対する情報量が多く、店員による口頭説明が必要不可欠とされる家電量販店や対面販売を重視する百貨店。また、高級感を重視する店舗などでは、ブロック型・パーツ型のプライスと、デザインと視認性を重視したPOPが利用されている。

POPの種類および作り方[編集]

POPはその形によって様々な呼び名がある。

  • 卓上スタンド(立て具を使うか、組み立てて立体に)
  • 大型パネル(出力したものをパネルに貼る)
  • プライスカード、値札(ボール紙に出力するか、パネルに貼る)
  • 吊り、天吊り(出力したものを吊り具でつるす)
  • タペストリ(同上、ただし布)
  • のぼり(布に出力し、ポールに)

など。

いずれも、印刷機で出力したものを後加工することでできあがる。

POPのコツ[編集]

POPの製作は比較的簡単に製作できることは前述したが、資料、情報収集は欠かせない。これからPRしたい商品の内容にかかわる情報(たとえば健康食品なら専門的な用語の説明など)や、あるいはこれから製作したいPOPのデザインに関わる資料(季節感を持たせるアイテムなど)はネット上の専門サイト、デザイン関連書籍などを参照すると有効である。それを踏まえて、以下の基本を守れば、最低限POPとしての体を成す。

POPの基本は、商品名と金額、そして説明文(コピー)によって構成される。そしてこれらのバランスを振り分けることによって、様々な目的に応じたPOPが製作できる。商品名と金額だけを書いたPOP、説明文を書いたPOPと分けて作成すると価格変更に対応しやすい。

  • 値頃感を打ち出したい場合
    金額を大きく描き、目立つことを全面に出す。
  • 特定の商品を推奨したい場合
    その商品の良さを全面に押し出すべく、コピーを目立つようにする。
  • 雰囲気を重視したい場合
    季節や年間行事、イベントなどに合わせて色紙を用いたり、イラストを描いたりして工夫を凝らす。
綺麗に書く
もっとも、それら全てに通じる基本は、「綺麗であること」が前提とされる。崩し字のような乱雑な漢字や色のはみ出しなど汚いPOPはタブーであり、POP本来の能力が発揮されないばかりか、店舗イメージを下げたり、客に不快感を与えてしまうものとなる。
文字を大きくする
小さなPOPの中だと、どうしても文字が小さくなりがちである。一番のキャッチコピーは、出来るかぎり「文字を大きく」するべきである。また、文章の中で「アピール」したい箇所は、少し大きめに書くとメリハリが出るし、見やすくなる。
伏せ字を使う
「伏せ字POP」と呼称される。主にパソコンのパーツを販売する店舗などで用いられる手法とされており、業界色が濃厚に現れている。パーツの用途を敢えて明記せず伏せ字にすることで「様々な用途に使える製品」という印象を与え購買意欲を向上させる狙いがある。また、玄人向けに細かな説明を省いて製品の特長のみを伝える様な、ある種のスラングとして使われるケースも多いとされる[2]

日本プロモーショナル・マーケティング協会[編集]

関連団体に社団法人日本プロモーショナル・マーケティング協会(旧・日本POP広告協会)(東京都中央区銀座)があり、略称はJPM。人材育成のために、JPMビジネススクールを主催している。

JPMビジネススクールは、社団法人日本プロモーショナル・マーケティング協会が職業能力開発促進法に基づく公認講座、東京都認定職業訓練でSPプランナー入門コースを開講している。事務局は日本プロモーショナル・マーケティング協会の教育委員会で、受講者はSP活動の基本知識とSP計画の基本技法の習得を必要とされる会員会社の従業員としているが、非会員会社の受講も可能であり、講座では全くの初歩から,誰にもわかりやすくSP計画か学ぶことができる。定員は30名で、10名から講座を実施する。プレゼンテーションの単位を含む全20単位中16単位以上履修した者については公認JPMビジネススクール「SPプランナー入門コース」の修了証書を交付する。

日本プロモーショナル・マーケティング協会ではこのほかにPOPデザインイングを入門者向けに体系化し、即職場で生かせる内容をPOPツールの表現デザイン業務に関する基礎的な知識や体系的なトレーニングを必要とされるデザイナー。プランナー,制作管理担当者などを対象にPOPデザインイング・アカデミーを開講している。この講座は協会で長年培われたPOPデザイニングのノウハウを実務に携わるエキスパートが講師陣となって指導するものである。

2009年4月、同組織は名称を日本POP広告協会から「日本プロモーショナル・マーケティング協会」(JPM)と改めた。また日本プロモーショナル・マーケティング学会も設立された。[3]

脚注[編集]

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外部リンク[編集]