ポスター

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ロートレック作のポスター

ポスター: poster)は、屋外・屋内を問わず、面やなどに掲示するために制作された、視覚的な広告宣伝媒体

通常は、大判のまたはそれに類するものへ印刷され、同一のものが大量に制作される。背景には絵画イラストレーション写真が主として用いられ、タイトルやメッセージが記載されることがある。

掲示ではなく配布のために制作されるチラシ、紙や印刷によらない看板(含むネオンサイン壁面絵画)、おのおのの製品そのもののパッケージラベルなどの媒体とは異なる。

なお、鉄道車両内に掲示される吊り広告や、学校・職場の壁新聞は、通常、ポスターとは呼ばない。

ポスターの例[編集]

選挙[編集]

日本では選挙において当選するための知名度向上を目的に、候補者の氏名を記載したポスターが作成・掲出される。殆どの選挙ポスターは候補者の氏名をわかりやすく載せた上で候補者の顔が写った写真を大きく載せ、空いたスペースに所属政党や政策やキャッチコピーを簡潔な文字で載せるという形が多い。女性候補や高齢候補のポスター写真は顔の修正が過度に及んでいる場合もある[1]

公職選挙法(以下、法と略する)第143条第1項により選挙ポスターは選挙期間中は以下の場合に限り、掲示することができる。選挙ポスターの大きさは法第143条第9項・第11項・第12項により制限されている。

  • 選挙事務所を表示するために、その場所において使用するポスター
  • 選挙運動のために使用される自動車又は船舶に取り付けて使用するポスター(自動車や船舶の数について法第141条第1項により制限されている)
  • 演説会場においてその演説会の開催中使用するポスター
  • 個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員、参議院選挙区選出議員又は都道府県知事の選挙の場合に限る)
  • 選挙運動のために使用するポスター(参議院比例代表選出議員の選挙にあっては、公職の候補者たる参議院名簿登載者が使用するものに限る。また法第144条第1項により数が制限されている)

法第143条第14・15項により国政選挙においては政令で、町村選挙を除く地方選挙においては条例で定める範囲内において、「公職の候補者の第一項第四号の三の個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員又は参議院選挙区選出議員の選挙、都道府県知事の選挙の場合に限る)及び選挙運動のために使用するポスターの作成について、公費負担によって無料とすることができる。法第143条の2により、選挙事務所を廃止したとき、自動車若しくは船舶を主として選挙運動のために使用することをやめたとき、又は演説会が終了したときは、直ちにポスターを撤去しなければならない。

法第143条第16項により、ベニヤ板、プラスチック板その他これに類するものを用いて掲示されるポスター(いわゆる裏打ちポスター)は掲示できない。

法第144条の2第1項により、選挙区選出の国会議員選挙と都道府県知事選挙については市町村選挙管理委員会は選挙期間中にはポスターの公営掲示場を設けなければならない。また法第144条の2第8項により、都道府県議会議員選挙については都道府県は、市町村の議会の議員及び長の選挙については市町村は、それぞれ条例で定めるところにより、選挙期間中にポスターの公営掲示場を設けることができる。法第144条の2第5項により、公営掲示場には公職の候補者は告示日から「個人演説会告知用ポスター」又は「選挙運動のために使用するポスター」を一枚掲示することができる。法第144の5により、ポスターの公営掲示場を設置する場合においては、土地又は工作物の居住者・管理者又は所有者はポスターの公営掲示場の設置に関して事情の許す限り協力しなければならない。選挙ポスターに関する公営掲示場は1962年の法改正で導入された。

選挙期間外にも、知名度向上を目的に公職の候補者(現職政治家や公職候補予定者)が選挙運動と捉えかねない文言を避けながら政治活動として個人名を記載したポスターを掲示している。この場合、法第143条第18項により、ポスターの表面に掲示責任者及び印刷者の氏名(法人にあっては名称)及び住所を記載しなければならない。

しかし、法第143条第16項・第19項により、特定期間(任期満了から6ヶ月前及び選挙事由発生告示の翌日から選挙の期日)まで、公職の候補者や後援団体が政治活動のために使用されるポスターで当該公職の候補者等の氏名または氏名が類推されるような事項を表示するポスター(いわゆる個人ポスター)を掲示することはできず、代わりに選挙期間以外なら後援団体となっていない「その他の政治団体」又は「政党、政党の支部」の政治活動に用いられるポスター(いわゆる政党ポスター)を掲示することができる。当該公職の候補者等の氏名または氏名が類推されるような事項を表示する政党ポスターは演説会予定告知のポスターを名目に応援弁士を要するなら政治活動と判断されて可能であるが(応援弁士が1人なら2連ポスター、2人なら3連ポスター)、その際には公職候補者のスペース(政党等・応援弁士と同じサイズでなくてはならず、2連ポスターなら3分の1以下、3連ポスターなら4分の1以下)に基準が存在する(選挙制度研究会「選挙関係実例判例集」(ぎょうせい))。応援弁士は「知名度が高く人気のある政治家」「公職の候補者と政治的距離が近い人物」「特定期間に当該地区で選挙に立候補をしない人物」が選ばれる。

告知・宣伝[編集]

太い枠入り
商品・サービス
企業の販売促進のためにポスターを作成・掲出し、商品サービスの提供を予告・開始・終了する際に用いられる。
旅行代理店や交通機関
観光地交通機関宿泊施設などのポスターを掲出し、旅行需要を喚起する。
飲食店
になるとビールメーカーのキャンペーンガールのポスターが見られる。
映画演劇コンサート
現在上演・上映中の作品や、次回予定されている作品のポスターが劇場や繁華街に掲出される。コンサートなら出演するアーティスト、映画や演劇なら俳優や作品中のシーンが写真やイラストで掲載される。会場で鑑賞記念グッズとして販売されることもある。
スポーツイベント
映画・演劇・コンサート等と同様の目的で、出場する選手などをあしらったポスターが掲出される。オリンピックについては大会のシンボルとしての側面もあり、過去に様々な意匠のポスターが制作されている(オリンピックポスターを参照)。
啓蒙
交通安全運動や衛生週間など、地域学校職場などで標語を記載したものが掲出される。そのようなテーマを決めたポスターの募集が小学校中学校等で行われることも多い。官公庁が作成する啓蒙ポスターには、多くの場合、その時代において人気がある、若い女性アイドルが起用される。
募集
広く公衆から催事の参加者を募るほか、社員職員求人広告として掲出される。
プレイバイウェブ
プレイヤー獲得の為秋葉原駅構内やコミックマーケットの開催時期に掲出される。
プロパガンダ
思想・信条を大衆に浸透させるために、プロパガンダポスターとして掲示される。

研究発表[編集]

ポスターセッション

学会における研究発表において、「ポスター発表」、「ポスターセッション」という形式がとられる場合がある。大判の紙に研究内容をまとめたものを掲示し、これを使って研究の説明がおこなわれる。1つの会場に多数のポスターが掲示されており、参加者は興味を引く研究を自由に見て回ったり、発表者と個別に討議したりすることができる。

その他[編集]

単に装飾品として掲出・販売されることもあるが、風景なら旅の思い出や、芸能人アニメゲームなら自分がその人のファンであることをアピールする要素となる。雑誌DVDなどの購入特典として添付されることもある。

ポスターのサイズ[編集]

主に、以下太字表記のサイズが、一般的に「ポスター」と呼ばれて製作されている傾向がある。

  • A0:縦 841×横 1189
  • A1:縦 594×横 841
  • A2:縦 420×横 594
  • A3:縦 297×横 420
  • A4:縦 210×横 297
  • B0:縦 1030×横 1456
  • B1:縦 728×横 1030
  • B2:縦 515×横 728
  • B3:縦 364×横 515
  • B4:縦 257×横 364
  • 菊全:縦 980×横 680

(単位:mm)

歴史[編集]

デジタルポスター[編集]

如上のように、伝統的なポスターの定義には紙や印刷によらないものは含まれないが、新たな広告媒体として「デジタルポスター」が一部の鉄道事業者によって運用されている。これは、コンコースその他の駅構内の支柱に設置された液晶ディスプレー無線通信網で配信される静止画データが映し出されるもので、紙媒体によるポスターと比較して時間帯や曜日別のコンテンツ表示が可能であり、設置や撤去が迅速で、有線設備を設置せずに効率よく適時に広告スペースを広告主に提供することができるという。

脚注[編集]

  1. ^ 佐藤大吾「1.21人に1人が当選! “20代、コネなし”が市議会議員になる方法」(ダイヤモンド社)

関連項目[編集]