チョコレート

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チョコレート
チョコレート(dark, 60-69% cacao solids)
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 2,422 kJ (579 kcal)
炭水化物 52.42 g
- 糖分 36.71 g
- 食物繊維 8 g
脂肪 38.31 g
- 飽和脂肪酸 22.031 g
- 一価不飽和脂肪酸 11.522 g
- 多価不飽和脂肪酸 1.221 g
タンパク質 6.12 g
水分 1.25 g
ビタミンA相当量 3 μg (0%)
- βカロテン 25 μg (0%)
- ルテインおよびゼアキサンチン 32 μg
ビタミンB1 0.032 mg (2%)
ビタミンB2 0.049 mg (3%)
ビタミンB3 0.838 mg (6%)
パントテン酸(ビタミンB5 0.3 mg (6%)
ビタミンB6 0.034 mg (3%)
ビタミンB12 0.18 μg (8%)
ビタミンE 0.59 mg (4%)
ビタミンK 7.2 μg (7%)
カルシウム 62 mg (6%)
鉄分 6.32 mg (51%)
マグネシウム 176 mg (48%)
マンガン 1.325 mg (66%)
セレン 8.4 μg (12%)
リン 260 mg (37%)
カリウム 567 mg (12%)
塩分 10 mg (0%)
亜鉛 2.65 mg (28%)
カフェイン 86 mg
テオブロミン 632 mg
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

チョコレート: chocolate)は、カカオ種子発酵焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖ココアバター粉乳などを混ぜて練り固めた食品である。略してチョコともいう。ショコラフランス語: chocolat)と呼ばれることもある。

ただし、近年の工業生産チョコレートでは、カカオマス、砂糖、ココアバター、粉乳といった主要材料以外に、原料コスト削減や加工性[1]を上げる目的で植物性の油脂などを加えたり、加工コスト削減の目的で乳化剤などを加えたり、風味の向上の目的で香料甘味料などを加えるなど、様々な添加物が配合されることも多い。

チョコレートの呼称[編集]

イギリス人が固形のチョコレートを考案するまでは、チョコレートといえば飲み物を意味した。現に、例えば米国では今でも「ホット・チョコレート」と言えば日本で言うところの「ホット・ココア」飲料を意味する。日本国内では昨今、ココア粉末を使用したものをココア、生チョコレートの水分を多くしたものをチョコレートドリンクと称し分ける傾向があるが、これらチョコレート飲料の名称について厳密な定義は今のところない。

"chocolate"の語源については、辞典などでナワトル語のチョコラトルが由来とされているが、アステカスペインに征服される前にはチョコラトルという用例が無く、そもそもナワトル語には「チョコ」という言葉も「ラトル」という言葉も存在しないなど、はっきりしたことはわかっていない(ナワトル語でチョコレート飲料は「カカワトル(カカオの水)」)。一説によれば、スペイン人がマヤ語の「チョコル(熱い)」とアステカ語「アトル(水)」から作った新語だという[2]チョコレートの歴史#チョコレートの語源も参照。

製造[編集]

カカオの実の中のカカオ豆
焙煎前のカカオ豆

チョコレートの製造工程としては、まず原料であるカカオ豆の収穫から始まる。収穫されたカカオ豆は豆を包むパルプとともにバナナの葉でくるむか木箱に入れて数日かけて発酵させ、その後天日で乾燥させたのち工場へと運ばれる。工場のほとんどはカカオの産地である熱帯地方ではなく温帯冷帯に位置するため、ここで船によって輸送されるのが一般的である。

工場に運ばれたカカオは、まず磁石で鉄を除き、風で埃を飛ばして、によって石を取り除き選別される。選別されたカカオは砕かれ、篩によって外皮と胚芽を取り除かれる。こうしてできたものはカカオニブと呼ばれる。カカオ豆をここで砕くのは、不ぞろいのカカオ豆を均一の大きさにし、後のロースト時に火がむらなく均一に通るようにするためである。

カカオニブはこの後焙煎され、火が通ることによって酢酸が除かれてまろやかになると同時にメイラード反応によって香りや風味が現れてくる。この後、風味をよくするために数種類のカカオニブをブレンドした後、磨砕機によって細かくすりつぶす。カカオ豆には55%の油脂分(カカオバター)が含まれているためにここでペースト状となる。こうしてできたペーストがカカオマスである。

なお、上記の焙炒法はニブロースト法と呼ばれるもので、ほかに豆を直接焙煎するビーンズロースト法や、磨砕を先に行ってできた液体を焙煎するカカオリカー法といった方法もある。

カカオマスにココアバター、砂糖、ミルクなどを混合し、チョコレートドゥを作る

できたカカオマスにココアバター、砂糖、ミルクなどを混合し、チョコレートドゥと呼ばれるチョコレートの元を作る。このドゥを5段のローラーにかけて数十ミクロン単位にまで細かく砕く。ここで非常に細かくすることで、チョコレートの舌触りが滑らかなものとなる。しかし細かくしすぎるとかえって口どけが悪くなるため、細かな調整が必要である(後述)。磨砕が終わると、コンチェ(コンチングマシン)と呼ばれる攪拌機にて長時間かけて精錬する。精錬が終わると、テンパリング(予備結晶化)と呼ばれる温度調整を行ってチョコレートを安定させ、型に充填した後冷却して固め、包装した後エージング(熟成)を行って完全に安定させた後、チョコレートの完成となる。

チョコレートの風味[編集]

カカオ分・乳分の比率による風味の分類[編集]

種類別名称として定められているチョコレートの種類に関しては、チョコレートの規格を参照のこと。ここでは一般的なチョコレートの風味による分類を記載する。

ブラックチョコレートorビターチョコレート
砂糖や粉乳をまったく含まないカカオマス100パーセントのチョコレート。当然とても苦いがポリフェノールの有益作用の活用やダイエット中の間食に適している。 
スイートチョコレート
粉乳を含まないチョコレート。
セミスイートチョコレート
粉乳が若干量配合されたチョコレート。ミルクチョコレートほど乳成分を含んでいないもの。
ミルクチョコレート
粉乳が配合されたチョコレート。
ハイミルクチョコレート
粉乳と、若干量の非脂肪カカオ分が配合されたチョコレート。
ホワイトチョコレート
粉乳が配合され、非脂肪カカオ分が含まれないチョコレート。カカオ分はココアバターのみである。
チョコレート飲料
チョコレート若しくはカカオ由来の原料(粉末ココアなど)を、乳製品や水と乳化させ、飲料用にしたもの。

カカオマスの種類による風味の分類[編集]

未熟なものから熟したものまで、さまざまなカカオの実

コーヒーと同様、チョコレートもカカオマスの種類・産地・焙煎により、苦味、酸味、コク、香りなどのバランスが異なる。価格、風味の面を考慮し、複数の産地のカカオマスをブレンドして原料として用いることが一般的となっている。

フォラステロ種 Forastero
南米原産の栽培種であり産出量が多く安価。病害虫にも強く成長も早いため、現在の主力品種となっている。色は黄色で、苦味が強いのが特徴。現在では主に西アフリカ南アジアで栽培されている。欧米ではコートジボワール産、日本ではガーナ産をベースビーンズとして使用することが多い。
アリバ種 Arriba
フォラステロの突然変異で派生した種。フォラステロ種の最高級種とされる。エクアドル原産。独特の渋みとジャスミンの花のような香りが特徴。
クリオロ種 Criollo
有史以前から存在するカカオ豆の原生種であり、マヤやアステカで使用されていたのもこの品種であるが、病害虫に弱く19世紀後半に壊滅状態となってフォラステロ種に取って代わられた。現在では稀少種。現存するほとんどの株はフォラステロとの交配部がある。色は赤や黄色で、苦味が少ないのが特徴。ベネズエラメキシコなどで栽培されている。
トリニタリオ種 Trinitario
トリニダード島原産、クリオロとフォラステロの交配種。栽培が容易で品質もよい。ラテンアメリカでフレーバービーンズとして広く栽培されている。

チョコレートの製法による風味[編集]

原料の混合率や、磨砕精錬の方法などは生産者独自のノウハウがあり、同じ原材料を使用しても全く風味の異なるチョコレートに仕上がることがある。

磨砕工程[編集]

チョコレートは、製造時に概ね粒径約10 - 30μmに磨砕されるが、この粒径により完成したチョコレートの口溶けが変化する。粒径が大きいほど口溶けが早いが、大きすぎると口内に粒状感を生じ、ざらついた食感となる。粒径が小さいほど滑らかな食感となるが、小さすぎると口溶けが悪くなり、もたつき感を生ずる。また、粒径にあわせて固形分の表面積が変化するため、チョコレートに含有される油脂の量が同じでも、チョコレートの粘性や食感が異なるようになる。

精錬工程[編集]

チョコレートの製錬工程において、温度とチョコレートドゥ(精錬生地)の固さは製品の味を決める最も重要な条件である。精錬度の低いチョコレートは雑味が多く、使用する原料によっては特有の臭気を含んでいることがある。このためチョコレートとして望まれている風味を最適な状態で味わえるように精錬を行う。しかし、精錬の度合いが高すぎるとチョコレートの風味が消し飛んでしまう。

テンパリング(予備結晶化)[編集]

作る時の温度も風味に非常に影響する。チョコレートに含まれるカカオバターの結晶にはI型からVI型までの6種類の型があり、融け出す温度は17 ℃(I型) - 34℃(VI型)の幅がある。同一の原材料であっても、型によって食感はまったく異なる。V型が最も美味しいともされる。

作る時の温度推移によって、それぞれの結晶の型の割合・率が変化し、食感・商品としてのランクが変わることになる[3]。ある段階では○○度、次に□□度、その次に△△度と、いくつかの時点で変化させることになり、各段階の温度の組み合わせの数は非常に多くなる。温度設定・設計は品質に関わる重要なノウハウであり、大手製造者などでは企業秘密として扱っていることが多い。良いチョコレート作りを伝授する場面ではこれも伝える必要があるということになる。

性質[編集]

板チョコと溶けたチョコレート

固形チョコレートは油分に粉乳や砂糖などの粉末が分散している状態であり、水に不溶である。固形チョコレートを水分と乳化させた物は、ガナッシュ、生チョコレートと呼ばれる。

固形チョコレートは一般的に、熱に弱く溶けやすい。過度に冷却したもの、融解・再結晶化したもの、長期間保存したものなどには白い色がつくことがある。この白い部分をブルームといい、このような現象をブルーミング現象という。ブルームが生じたものを食べても問題はないが、風味や味は落ちる。ファットブルーム (fat bloom) は、チョコレートの油脂成分のうち融点の低い部分が融解して表面に浮出し、再結晶化したものである。シュガーブルーム (sugar bloom)は、冷却時などにチョコレートの表面に水分が付着した際チョコレートの砂糖が水分に溶解し、その水分が蒸発した時に砂糖が析出したものである。

保存は、15 ℃ - 17 ℃、湿度50%以下が好ましく、香りを吸収するのを防ぐために他の食べ物から遠ざけたりラップに包むなどする。

質量あたりの熱量が大きく携行が容易であることから、固形チョコレートは軍隊レーションに同封されたり(アメリカ軍用チョコレートなど)、登山などの際の非常食として携帯されたりする。カロリーの面だけでなく、非常の際に甘味やテオブロミンが心身の安らぎをもたらすという意味合いも大きい。テオブロミンの含有量はカカオ分99%のチョコレート100gあたり1100mg[4]

チョコレートを食べるとニキビができるという迷信があり、経験的にニキビができやすいとする者も多いが、科学的根拠は現在のところない。脂肪分を40%と多く含むこと[5]カフェインチラミン血管性浮腫誘因物質でアミンの一種)などを含む刺激物であるからということに由来する安易な発想である可能性がある。一方で、チラミンにより血管の収縮が起こり、効果が切れると急激に血管が拡張するため、食べ過ぎると鼻の粘膜が腫れて鼻血が出るという話が存在する[6]。同様のメカニズムで収縮のあとの急激な脳血管の拡張により片頭痛が起こることがある[7]。また、テオブロミンと位置異性体の関係にあるテオフィリンを主成分とした医療用医薬品キサンチン気管支拡張薬等)の添付文書には、副作用として「鼻出血」と記載されている[8]。ただし、チョコレートアレルギーによる鼻血はあり得る。カフェインの含有量はカカオ分99%のチョコレート100gあたり120mg[4]。 チョコレートに加えられる事が多い食品には食物アレルギーの表示義務があるミルクやピーナッツがあり、これらが原因になっている可能性が考えられる(カカオにはアレルギー表示の義務も推奨も無い)。

イヌネコ鳥類などヒト以外のほとんどの動物はチョコレートを食べると中毒を起こす。これは、チョコレートやココアなどに含まれるテオブロミンを代謝できないことが原因で、死に至ることもある。

歴史[編集]

チョコレートを飲むミシュテカの王たち
チョコレートは18世紀には貴族の間のおしゃれな飲み物となっていた。「朝のチョコレート」ヴェネツィアの画家ピエトロ・ロンギの絵画。.1775年–1780年

紀元前2000年ごろから主に中央アメリカにおいてカカオの栽培が始められ、アメリカ先住民族の間で嗜好品や薬用として珍重され、貨幣として使用する地方もあった。飲み方は、コーンミールトウガラシを入れることが普通であった。

カカオは1492年クリストファー・コロンブスによってヨーロッパへと紹介され、やがてアステカ帝国などの中央アメリカ諸王国を滅ぼしてこの地方を支配したスペイン人にも好まれるようになった。そして彼らを通じ、じょじょにヨーロッパ大陸にも浸透していった。この過程で、スペイン人はチョコレートの苦味を打ち消すためにトウガラシの代わりに砂糖を入れるようになり、このやり方が他のヨーロッパの国々に伝わる際も引き継がれた。当初、チョコレートはとして扱われたが、砂糖を入れることによって徐々に嗜好品へと姿を変えていった。17世紀中ごろにはイギリスに到達し、そのころ隆盛したコーヒー・ハウスにおいてもさかんに供された[9]。この時期には、チョコレートはヨーロッパの王侯貴族や富裕層にとって贅沢な飲み物として受け入れられていた。

19世紀にはいるまではチョコレートは飲み物であったが、19世紀に技術革新が次々と起こって現在のチョコレートの形が成立した。まず、1828年にはオランダのコンラッド・ヨハネス・バン・ホーテンがココアパウダーとココアバターを分離する製法を確立し、さらにカカオにアルカリ処理を行うことで苦味を和らげる方法も考案した。1847年にイギリスのジョセフ・フライが固形チョコレートを発明し、1875年にはスイス薬剤師であるアンリ・ネスレショコラティエダニエル・ペーターミルクチョコレートを開発した[10]。さらに1879年にはスイスのロドルフ・リンツによりコンチェが発明され、ざらざらしていた固形チョコレートが滑らかな口当たりのものへと変化した。上記の発明は「チョコレートの4大技術革命」とも呼ばれ[11][12]、これらの発明によって固形チョコレートはココアに代わってカカオの利用法のメインとなっていった。

こうした発明によって19世紀後半にはチョコレートは家族的な小企業や職人による生産から大企業による工場での大量生産へと移行していった。スイスのネスレ社、リンツ社、カイエ社やイギリスのキャドバリー社、ロウントリー社、アメリカのハーシー社などの大チョコレート企業が誕生し、安定して大量生産された規格品チョコレートの供給によりチョコレートの価格は下がり、一般市民が気軽に楽しめる菓子となっていった。一方でベルギーやフランスなどを中心にショコラティエによる高級チョコレート店も多数存在している。大チョコレート企業は1960年代以降買収を繰り返しながら巨大化していく一方、高級チョコレート店の職人によるチョコレートにも大きな需要があり、この二つが日常一般市民の食しているチョコレート生産のほとんどを占めている[13]

生産と消費[編集]

2009年にもっともチョコレートを多く生産した国はアメリカ合衆国で、1,569,490 t にのぼる。次いでドイツが多く、1,214,490 t を生産している。以下、イギリス、ブラジル、フランス、イタリア、日本、ポーランドと続く。日本は年間 233,880 t を生産し、世界7位である。

2010年のチョコレート消費量(含む観光客による購入)は、ドイツが最も多く年間で一人当たり 11.6 kg を消費しており、以下スイス、イギリス、ノルウェー、デンマークと続く。日本は年間 2.1 kg で世界16位以下。

順位 年間チョコレート生産量
(2009年、単位トン)[14]
年間一人当たりチョコレート消費量
(2010年、単位kg)[15][16]
生産量 消費量
1 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1,569,490 ドイツの旗 ドイツ 11.6
2 ドイツの旗 ドイツ 1,214,490 スイスの旗 スイス 10.5
3 イギリスの旗 イギリス 532,350 イギリスの旗 イギリス 9.7
4 ブラジルの旗 ブラジル 517,300 ノルウェーの旗 ノルウェー 9.4
5 フランスの旗 フランス 404,880 デンマークの旗 デンマーク 8.5
6 イタリアの旗 イタリア 276,900 フィンランドの旗 フィンランド 7.3
7 日本の旗 日本 233,880 スウェーデンの旗 スウェーデン 6.4
8 ポーランドの旗 ポーランド 220,000 フランスの旗 フランス 6.3
9 ベルギーの旗 ベルギー 191,530 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 5.3
10 スイスの旗 スイス 139,965 オーストラリアの旗 オーストラリア 4.5
11 スペインの旗 スペイン 115,945 ベルギーの旗 ベルギー 4.4
12 スウェーデンの旗 スウェーデン 52,282 イタリアの旗 イタリア 3.7

チョコレートの規格[編集]

日本では、1971年3月、不当景品類及び不当表示防止法第10条第1項の規定に基づき、公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」によって規格が定められている。

カカオ成分[編集]

カカオ分は「カカオ脂肪分」(ココアバター)と「非脂肪カカオ分」を合計したものである。カカオ脂肪分は文字通りカカオの脂肪分のみを示し、カカオマス特有の褐色や風味、ポリフェノール、テオブロミン、カフェインなどカカオの主たる薬効成分は非脂肪カカオ分に含有される。

原料となるカカオマス自体は苦く、日本では砂糖で甘味をつけたものが普通であったが、カカオに含まれるポリフェノールが注目されるようになり、2000年代に入ってリンツ・チョコレートの「エクセレンス」、明治製菓の「チョコレート効果」(カカオ分86%)などカカオ比率の高い商品が各種発売されるようになった。しかしその味は当然ながらカカオマス・ココアそのものの苦味が非常にきつく(コーヒー豆ペーストを食べている感覚に近い)、従来のチョコレートのような甘い風味は期待できない。特にカカオ99%を使ったチョコの包装紙には但し書きが付くほどである。

なお、ホワイトチョコレートにはほとんどポリフェノールは含まれていないため、健康のためチョコレートを摂るのであればできるだけ「非脂肪カカオ分」が高いものにしたほうがよい。

カカオ分の表記のない製品でも、下記(チョコレート製品)に示された種類別名称からある程度判別できる。「準チョコレート」となっているものはカカオ分がかなり低くなっている[17]。特に生産性や耐久性、原料価格などの理由により、駄菓子のチョコレートは多くが「準チョコレート」規格である。ただし「準チョコレート」規格の中には、カカオ脂肪分は少ないが、ココアを使っているため「非脂肪カカオ分」は多いものもある。

チョコレート生地[編集]

純チョコレート生地
カカオ分35%以上・ココアバター18%以上。糖分(蔗糖に限る)55%以下・レシチン0.5%以下・レシチンとバニラ系香料以外の食品添加物無添加で、ココアバター・乳脂肪分以外の脂肪分を使っていないこと。水分3%以下であること。
純ミルクチョコレート生地
カカオ分21%以上・ココアバター18%以上。乳固形分14%以上・乳脂肪分3.5%以上。糖分(蔗糖に限る)55%以下・レシチン0.5%以下・レシチンとバニラ系香料以外の食品添加物無添加で、ココアバター・乳脂肪分以外の脂肪分を使っていないこと。水分3%以下であること。
チョコレート生地
カカオ分35%以上・ココアバター18%以上で、水分3%以下であること。ただし、カカオ分21%以上・ココアバター18%以上、かつ、乳固形分とカカオ分の合計が35%以上・乳脂肪分3%以上、水分3%以下で、カカオ分の代わりに乳固形分を使うことが可能。
ミルクチョコレート生地
カカオ分21%以上・ココアバター18%以上。乳固形分14%以上・乳脂肪分3%以上で、水分3%以下であること。
準チョコレート生地
カカオ分15%以上・ココアバター3%以上。脂肪分18%以上で、水分3%以下であること。
準ミルクチョコレート生地
カカオ分7%以上・ココアバター3%以上。脂肪分18%以上で、乳固形分12.5%以上・乳脂肪分2%以上。水分3%以下であること。

チョコレート製品[編集]

上記「ミルクチョコレート」「準ミルクチョコレート」の種類別名称は、それぞれ「チョコレート」「準チョコレート」として扱われる。

チョコレート
チョコレート生地そのものか、チョコレート生地が60%以上のチョコレート加工品。チョコレート加工品とは、チョコレート生地を全重量の40%以上使ったものを指す。
チョコレート加工品のうち、クリームを全重量の10%以上含み、水分10%以上の製品は「生チョコレート」を称することができる。
チョコレート菓子
チョコレート生地が60%未満のチョコレート加工品。
準チョコレート
「準」は正しくは準に丸囲み。準チョコレート生地そのものか、準チョコレート生地が60%以上の準チョコレート加工品。
準チョコレート菓子
準チョコレート生地が60%未満の準チョコレート加工品。

いろいろなチョコレート[編集]

チョコレートショップ。ベルリンのカーデーヴェー百貨店
チョコレート・ファウンテン

チョコレートは製造法や形状によっていくつかの種類に分かれる。

  • チョコレート生地だけで作る板チョコ(ソリッドチョコレート)
    厚みによって味の印象が変わるという。
  • 中が空洞になっているホローチョコレート
  • チョコレートで殻を作って中にクリームなどの中身を詰め込むシェルチョコレート
  • 逆に中身になるものにチョコレートを吹き付けて作るパンワークチョコレート
  • ウエハースやキャンディーバーをチョコレートにくぐらせて作るエンローバーチョコレート

また、そのまま食べるだけではなく、チョコレートケーキなどの製菓材料としても重要である。なかでもショコラティエが最後の仕上げに使うチョコレートはクーベルチュール・チョコレートと呼ばれ、海外では厳格な規定がある。小鍋で溶かしたチョコレートを果物などにからめて食べるチョコレートフォンデュや、溶けたチョコレートが噴水状に循環するチョコレートファウンテンといった使用法もある。

主な製造企業[編集]

日本国内[編集]

創業の古い順[編集]

日本国外[編集]

創業の古い順 (現在も存続している企業)[編集]

その他[編集]

業務用(日本国内)[編集]

業務用(日本国外)[編集]

文化[編集]

バレンタインデーにチョコレートを贈る風習は、1868年、イギリスのチョコレート会社キャドバリー社の2代目社長であるリチャード・キャドバリーが美しい絵のついた贈答用のチョコレートボックスを発売したことを由来とする。このボックスはバレンタインデーの贈り物として使われるようになり、他社も追従して次第に広がっていった。しかし、ヨーロッパやアメリカのバレンタインデーは日本とは違い、必ずしもチョコレートを贈るものではない。

これに対し日本では、諸説あるものの1958年ごろにはじまったとされ、1970年代には「女性から男性にチョコレートを贈る日」としてバレンタインデーが定着した。バレンタインデーにチョコレートを贈るようになったことをきっかけにして、日本チョコレート・ココア協会が2月14日を「チョコレートの日」として制定し、1970年代に定着した。

また、1875年にはキャドバリー社はチョコレートでできたイースター・エッグを発売し、これも定着してチョコ・イースターエッグはイースターには欠かせないものとなった[18]

チョコレートを主題としたフィクション[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ http://www.tomizawa.co.jp/clm/cacao/2009/02/vol_43.html
  2. ^ ソフィー・D・コウ、マイケル・D・コウ『チョコレートの歴史』(河出書房新社)p.161-168
  3. ^ TV「がっちり」
  4. ^ a b 独立行政法人 国民生活センター 高カカオをうたったチョコレート(結果報告) 表3. テオブロミン・カフェイン量(mg/100g) 厚生労働省 (PDF)
  5. ^ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
  6. ^ 「バレンタイン症候群」とは何?(小児クリニックたまなは) (PDF)
  7. ^ Kantor, D (2006年11月21日). “MedlinePlus Medical Encyclopedia: Migraine”. 2008年4月4日閲覧。
  8. ^ テオフィリン錠100mg「TYK」, テオフィリン錠200mg「TYK」 (PDF)
  9. ^ 小林章夫『コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史』p51 講談社学術文庫 2000年10月10日第1刷
  10. ^ リンツ・チョコレート - チョコレートの歴史
  11. ^ ROYCE' - チョコレートの歴史
  12. ^ 日本チョコレート・ココア協会 - チョコレートの4大革命
  13. ^ 「チョコレートの世界史」p195 武田尚子 中公新書 2010年12月20日初版
  14. ^ 世界主要国チョコレート菓子生産・輸出入・消費量推移| 統計・レポート , 日本チョコレート・ココア協会。2012年7月30日閲覧
  15. ^ chocosuisse.ch: FACTS & FIGURES, Diagramme der ChocoSuisse - Verband Schweizerischer Schokoladefabrikanten - mit Daten der International Confectionery Association (ICA)
  16. ^ 世界主要国チョコレート菓子生産・輸出入・消費量推移| 統計・レポート , 日本チョコレート・ココア協会。2013年2月9日閲覧
  17. ^ 「準チョコレート」表示は、実際には「準ミルクチョコレート」を含む。したがって規定以上乳原料を配合していれば、最低7%のカカオ分で準チョコレートを名乗れることになる。
  18. ^ キャロル・オフ『チョコレートの真実』第1版、p.70, 北村陽子訳 英治出版、2007年9月1日

参考文献[編集]

  • 日本チョコレート・ココア協会監修 『チョコレートの大研究 おいしさのヒミツと歴史、お菓子づくり』PHP研究所、2007。ISBN 4-569-68661-3
  • Stephen T.Beckett『チョコレートの科学―その機能性と製造技術のすべて』古谷野哲夫訳、光琳、2007。ISBN 4-7712-0704-6

関連文献[編集]

関連項目[編集]

職業

食品分類

原材料

料理

飲料

酒類

加工品

その他

外部リンク[編集]